古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

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大和の国の神

 大和の国、(これより大和国)につき一応人に化ける。これで村の中でもなにも言われない。しかし諏訪とは比べ物にならないくないでかい。神が多く支配も強いからか。

 村で団子を買い、大和国の神が住まう神社に向かう。道行く人に聞いてようやくたどり着いた。階段の始まりへ。諏訪大社の階段より長い。覚悟を決め登り始める。

 

 「いや、長すぎるだろ」

 

 登っても登っても頂上につかない。あきらめかけたその時鬼拳術に瞬歩という素早く歩ける記述があったことを思い出す。瞬間速度は縮地のほうが速いが距離がわからないときは瞬歩の方が良い。何とか天辺が見えて来た

 

 「何物だ」

 「諏訪の使者だ、諏訪の神に代わって挨拶に来た」

 「ふっ、くく、そうか。こっちだ」

 

 明らかにバカにされている。案内された場所には多くの神がいた。その場で強いのは主に二人か、剣を持った男神と締縄を背負った女神、警戒するのはこの二人だな。だがこの部屋以外にも気配がある。この場にいるものとは比べものにならないものが二柱ほどいるようだ。

 

 「諏訪の使者と言ったが、降伏するということでいいのかな?」

 

 嘲笑うかのような質問、俺が悔しがりながら肯定するのを目的としているのだろう。だからこそ、真正面から否定する。

 

 「断る、こちらにも信じるものがある、そうやすやすと渡すわけには行かないとのこと」

 「ふざけているのか貴様、我らの力を知らないと見える」

 「ふざけてはないさ、ただそちらからの提案だこちらの要求も少し飲んでもらう」

 「ほう、なんだ」

 

 断られると思っていなかったのか、神々は驚きをあらわにする。男神は憤慨していたが俺の言葉に女神が興味を示してくれた。

 

 「確かにそちらの言う通り戦力に差がある。だから、そちらで代表を決めてもらい、こちらの代表とサシで戦う。要は決闘だ、これで両陣営の被害を抑えられる」

 「なるほどな、確かにいい案だ。戦で土地が壊れる可能性があるしな。いいだろう、戦うのは私だ」

 「そうか、では戻ってこのことについて話してくる」

 

 そう言って席を立ったがここで問題が発生する。

 

 「〈集天候・天ノ羽衣〉いきなり攻撃とは失礼な」

 「穢れを払おうとしたまでです。神の住まう地は神性なもの穢れの塊である妖怪がいていい場所ではないのよ」

 「穢れとは失礼な、狐使いだ。それにこれでも諏訪を除く二柱に認められている」

 「変わりません、ここで払います。穢れの塊である妖怪を使役するとは、諏訪の神も随分堕ちたようですね」

 「天照様、ここでやるのは」

 

 天照、月讀と、素戔嗚の姉か、こんなところにいたのか。穏便に済ませるはずだったが、友を諏訪子をバカにされて黙っているつもりはない。

 

 「おい、こちらでやり方を決めたのだ。話にすら入ってきていない奴が口を出すな」

 「妖怪風情が、話し合いとは随分つけ上がっているようですね」

 「そうか、さすがにこれ以上は容認できんな。少し力入れさせてもらうぞ、」

 

 尾を五本ほど展開する。軽く地震を発生させ、威圧する。下手に出るつもりはない、出た瞬間に負けだ。袖に手を入れ、八支刀あらため、八蛇雲叉(はじゃうんさ)を取り出す。足元にぶつけ、妖気を爆発させる。

 

 「一応名を聞いておこうか」

 「天照大御神、あなたは?」

 「災害縁の白狐、桜咲陽月、じゃあな」

 

 背を向け、大和国を出ようとする。突き刺す視線、これでほぼ全面戦争になる。ただしこれは想定済み、諏訪国に住むものさえ守れれば、この戦は勝ちなのだから。

 

――――――

 

 「どうされました姉さん」

 

 姉に呼び出され、部屋に向かう。何やら深刻そうな話のようだ。先ほどの軽い地震だろうか、

 

 「ええ、話があります」

 「なんでしょうか」

 「軽く地震を起こせる妖怪の圧というものはすさまじいですね」

 「はっ?」

 「先ほどきた、諏訪の使者、圧がそこら辺のものとは違うのですよ。今日はそのものと対峙している…よう……な」

 

 だんだん涙目になっていく。天照、

 

 「泣かないでくれ姉さん」

 「ウ“ワ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ン!!!」

 

 泣いてしまった。先ほどの威厳ある姿はどこにもない、カリスマブレイクと言うやつだ、姉さんは感情の起伏が激しい。戦のときは常時相手から有利に動けるがそれ以外では、下手に出てしまう。

 

 「素戔嗚、今回の戦私たちもでますよ」

 「はい」

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