古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

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神名

 Side陽月

 

 「♪〜」

 「陽月さ〜ん、お客さんですよ」

 「ん、了解ちょっとまってくれ」

 

 宴会なども終わり、落ち着いてきた頃、余った鉈の破片を使って暇を持て余していると清苗が俺を呼ぶ。お客さんといってももうないと思うのだが。

 

 「来たぞ。何用だって、天照達か政ごとはどうした」

 「下のものに任せてきました」

 「それでいいのか大和国」

 「成り立ってるから問題ない」

 「で何のようだ」

 

 久しぶりに顔を出した天照達、上は暇じゃないはずなのだが、自由が利くところ、慕われているのだろう。素戔嗚は除いて。茶の間に案内し座らせる

 

 「そうですね、陽月、貴方に神名はありますか?」

 「神名?必要か?」

 「体裁としては必要だぞ、俺や姉さんのように神名が通称なら問題ないが、神奈子や諏訪子のように別ならあったほうがいい」

 「そうか、なら考えてみるか」

 「面白い話をしているね」

 「私達も混ぜてくれ」

 

 諏訪子達も混ざり、思案する。ただでてきたものは俺以外まともではなく、『男の娘』だの『女誑し』だの俺を馬鹿にしているものしかない。ちなみに俺が出したのは『天狐災桜御神(てんこさいおうみかみ)』これだ、我ながらいい案だと思う。問題はこれを出した時点で皆が不満を出したことだ。示しがつかなくなるのだが。しかし何でお前らは恋愛に結びつけたがる。

 

 「なんだ気づいてなかったのか。お前いま縁結びの神として有名だぞ」

 「はっ??なんで?」

 「宴会のあと求婚されたじゃないですか、その後神を遠方に飛ばした時にひろめながら帰ってきたそうで」

 「なるほどね、となると」

 

結狐災櫻御神(ゆいこさいおうみかみ)』『結禍狐桜神(ゆいかこおうのかみ)』『厄狐浄縁神(やこじょうえのかみ)』、この三つあたりかな?かなり大変だった。縁結びも混ぜることになるとは。一番しっくりくるのは『結狐災櫻御神』だろうか、

 

 「それでいいよもう」

 「つまらん」

 「なるほど、拳骨が欲しいと見える。素戔嗚表にでろ」

 「何で俺だけ!」

 「責任持って全員ぶん殴られろ」

 「理不尽すぎるだろ」

 

 というわけで素戔嗚を十発くらい殴って終わりにする。そしてある件を切り出す

 

 「そうだ、そろそろ旅に出るよ」

 「えっ?」

 

 急な申告に驚く面々、予想はしていたので説明する

 

 「別にここが嫌なわけじゃない、ただ俺は旅が好きだそれに俺は大和国に関わる神じゃないしな」

 「そうか、」

 「了解した」

 

 納得した神々の中にそれに反対するものが一人

 

 「私は反対です!!私は陽月さんと一緒にいたいです」

 「清苗……」

 「陽月さんがいなければ前回の戦争で私は助かりませんでした!陽月さんがいなければ........うぅ、うわぁぁぁぁん!!」

 「ちょっ、泣くな。それに出てくのは直ぐじゃない少なくとも一年後だ」

 

 そう伝えると清苗は落ち着きを取り戻した。安心したような顔を浮かべて、部屋を後にする。俺を含め残った者は渋面していた。全員清苗の気持ちに気づいている。だがそれを賛同できないのが事実だ。

 

 「陽月、どうするんだい?」

 「俺は、たとえ神でもあくまで妖怪だ、あの子には悪いが断るつもりだよ」

 「ならいい」

 

 妖怪と、人待しては風祝、現人神となったものが結ばれるなどあってはならない。人と妖怪は共存できない。長い時を見てきた者達のみ知ること、俺が特殊なだけ、都市での生活も長く続いたほうだ、寿命という差が、時間の差が、そして産まれた理由が、このつながりを隔てている。だから本来は関わるべきではないのだ。あくまで人と妖怪、対立した存在でなければならないのだから




陽月「………………」
永遠「ずいぶん考えてるな」
陽月「そりゃな、たぶん一年たっても変わらんと思うぞ、俺たちからすれば一年なんぞ瞬き一つすぐに来る。だが清苗は違う。一年という長い時間を経て悩んで悩んで、答えを出す、そうだろ?」
永遠「そうだな、双扇華、何で今だしたか分かるか?」
陽月「もちろん」
永遠「じゃあ、後は」
陽月「清苗次第だ」
永遠「それじゃあ閉めるぞ、いよいよ次話は《諏訪大戦、災害を呼ぶ縁》の最終回だ」

陽月、永遠「「次回も縁を待ちに!!!」」
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