古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

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送られる

背中を見つめる一つの視線

恋は盲目

縁の神、結ぶは多く切りはしない

それでも、種族が隔てゆく

これは己が気づくべきもの

by 陽月、神々


旅立ち、人と妖怪種族の隔て

 Side 陽月

 

 時の流れは早いものだ。守矢神社の境内には咲き誇る春の花々が甘い香りを作っている。

 

―――そう来てしまったのだ

       

 

 「寂しくなるね」

 

 「またいつか来るといい、もてなすぞ」

 

 「……そうだな、別に根性の別れというわけでもないな」

 

 

―――約束の   一年後

 

 「ヒッグ……行かないでくだ…さいよ」

 

―――旅立ちの時が

 

 「しかしこんな、満開の時に出なくてもよいのに」

 「別れは春、これが相場だ。ただ出会いの季節でもあるけどな」

 

 そういいながら、からからと笑う俺。それを見た者たちは呆れる。一人の少女を除いて

 

 「ほら、清苗。そろそろ泣きやんだらどうだい。別れくらいしゃんとしないと」

 「だっ…て、」

 「ったっく、しょうがないな」

 

 清苗の頭を撫でてやる。少し落ち着いたが目は腫れ顔も赤い。

 

 「そうだ。清苗に渡したいものがあったんだ」

 「?」

 

 あることを思い出しつぶやく。服の袖に手を入れ、取り出したのは

 

 「神具〈双扇華〉。清苗、これを渡しておく」

 「…………」

 「前から思ってたんだかその袖どうなってんだ?」

 「諏訪大戦で時空災害を使えるようになったんで、袖の外側からものを入れた時に固有空間を開けるようにしたんだ」

 「器用なことするね」

 「……………………」

 「清苗?」

 

 双扇華を見つめたまま、黙りこくる清苗。どうしたのだろう。旅立ちを決めた日から決めていたことだがまずかっただろうか

 

 「ありがとう、ございます。陽月さん」

 「そうか、それじゃあそろそろ行く…「待ってください、私は、私は。陽月さんのことが好…むぐっ」

 「それ以上はだめだよ清苗……」

 「えっ」

 

 旅に出ようとすると、やはり清苗は止めてくる。次に出てきた言葉はいい切る前に抱いて止める。

 

 「そのさきはだめだよ清苗。あくまで俺は妖怪だ。そして清苗は人間いやもう風祝だから現人神か。でも妖怪と人、この関係である限りその言葉は使ってはだめだ。」

 「でも!……」

 「その思いが本物でも、妖怪と人が結ばれることはない」

 「そんな…こと…」

 「ダメなんだよ、妖怪が産まれた理由、存在する理由が、人との共存を隔てるんだ。けして結ばれることはないんだ。……ごめんな……」

 

 

 清苗の頭を撫でながら謝罪する。気づけば背も抜かれていた。人の成長は早いものだな

 

 「…………それじゃあ……行くよ…」

 

 「いってらっしゃい、清苗のことは任せな、」

 

 「……ああ、お前らも世話になったな」

 

 

 諏訪で大和で世話になったものに背を向け、歩き出す。

 

人と妖怪が共存できる場所

 

そんな 夢物語(げんそう)

 

実現できるのだろうか

 

全てを受け入れられる

 

そんな場所は来るのだろうか

 

 そんな事を考えていたからか、最後の言葉を聞き逃してしまう

 

 「…………絶対に……あきらめませんよ」

 

 




永遠「この章も終わりか、」
陽月「………………」
永遠「まだ沈んでんのか、安心しろ、お前ら二人の縁はまだ続いてるから」
陽月「そうか、ならまずは幻想叶えないとな」
永遠「そうだな」

陽月、永遠「「それじゃあ……縁を…待ちに!!」」
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