入学試験、綿月総隊長の娘の綿月依姫も参加している。俺はというと筆記はまあ問題はなかった。この都市のトップの頭脳を持つ永琳の教育(拷問)のおかげで、九割は確実に解けるだろう。続いて実技これは体力測定と参加者の模擬で評価がされる、妖怪として、弱肉強食の世界で生きてきた俺とじゃ実技の経験が違う。
体力測定はすっ飛ばし、模擬戦へ。
「珍しいな、女の子が受けるなんて、綿月家くらいだと思っていたよ」
またか、これは勝って、上から否定するのがよさそうだな。
「両者構えて、始めっ」
試験官の合図でお互いに走り出す。能力は使って良いので警戒するべきはそこだろう。
「ハァッ」
「
弱い。相手の横一文字に対して、唐竹割りを繰り出すが、弱すぎる。これではすぐに死んでしまう。それを踏まえた学校なのだが、これで大丈夫なのだろうか。俺も素人だが、綿月総隊長に軽くしごかれたのでそれなりには出来る。
こんなことを考えている時間があるのはもう終わったからだ。
「勝者、桜咲陽月」
「そうだ、一つ言っておくことがある。俺は男だ」
痛みで起き上がれない相手に対し、性別を答える。間違えないでほしい。ふと視線を変えると、同じ時に模擬をやっていた依姫も終わったようだ。
――――――
父様が言っていた者が今日いるはずだ、確か桜咲陽月だっただろうか。模擬戦の時間が一緒なので詳しく見ることはできないが、一瞬で終わらせれば少しは見れるだろう。
「両者構えて、始め」
「〈
抜刀術で一瞬で終わらせる、やはり張り合いがない。桜咲の方を見ると終わっていた、私と同じ速さで終わらせたのか、これは予想以上、決勝戦でぶつかることになりそうだ。
――――――
お互いに様子見しているとはつゆ知らず決勝戦まで勝ち進む。
「私と同じく女性で強い方がいるとは驚きです」
「はぁ〜」
「どうされました?」
「俺は男だ」
やはり間違えられた。髪を切ればいいと言われるかもしれないがもう試した、すぐに背まで伸びてしまうので諦めたのだ。
「両者構えて、始め」
「〈浄月流・弥生〉」
「狐刀術 〈
両者の剣戟がぶつかる、受験者の中ではトップの2人、陽月は経験、依姫は才能、小手調べの技で瞬時に理解する2人、本気でやらなければ負ける。試験ではあるものの互いに負けたくない気持ちが火を付ける。
「狐刀術〈春章・
「〈浄月流・
木刀でありながらも、火花が散るような激しい剣戟にもつれ込む。
「〈夏章・
「〈浄月流・水無月〉」
試験であるかなど関係ない。ただ、勝ちたいそれだけ、だがその気持ちが、剣技を加速させる。
「〈浄月流・
「〈春章・
バキッ
会場に乾いた音が響く、折れた、俺の扱う木刀が折れてしまった、理由は一つ、合っていない。振るっていく中で気づく武器の相性、折れたことに動揺しワンテンポ遅れてしまう。それを依姫が見逃すはずもなく、
「〈浄月流・
宙に浮く、負けた。
「勝者、綿月依姫」
互いに挨拶をし、試験が終わる。
「試験はこれで終わりだ。合否は後日伝える。そして綿月、桜咲、やりすぎだ。もう少し手を抜け、お前らが使った木刀がボロボロになっている。綿月のは折れていないが摩擦のせいで使い物にならん。道具は考えて使え」
「「はい」」
無事に試験が終わった。一発しか食らっていないのに体中が痛い。