古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

5 / 79
入学試験

 入学試験、綿月総隊長の娘の綿月依姫も参加している。俺はというと筆記はまあ問題はなかった。この都市のトップの頭脳を持つ永琳の教育(拷問)のおかげで、九割は確実に解けるだろう。続いて実技これは体力測定と参加者の模擬で評価がされる、妖怪として、弱肉強食の世界で生きてきた俺とじゃ実技の経験が違う。

 体力測定はすっ飛ばし、模擬戦へ。

 

 「珍しいな、女の子が受けるなんて、綿月家くらいだと思っていたよ」

 

 またか、これは勝って、上から否定するのがよさそうだな。

 

 「両者構えて、始めっ」

 

 試験官の合図でお互いに走り出す。能力は使って良いので警戒するべきはそこだろう。

 

 「ハァッ」

 「狐刀術(ことうじゅつ)春章(しゅんしょう)枝垂(しだれ)〉」

 

 弱い。相手の横一文字に対して、唐竹割りを繰り出すが、弱すぎる。これではすぐに死んでしまう。それを踏まえた学校なのだが、これで大丈夫なのだろうか。俺も素人だが、綿月総隊長に軽くしごかれたのでそれなりには出来る。

 こんなことを考えている時間があるのはもう終わったからだ。

 

 「勝者、桜咲陽月」

 「そうだ、一つ言っておくことがある。俺は男だ」

 

 痛みで起き上がれない相手に対し、性別を答える。間違えないでほしい。ふと視線を変えると、同じ時に模擬をやっていた依姫も終わったようだ。

 

――――――

 父様が言っていた者が今日いるはずだ、確か桜咲陽月だっただろうか。模擬戦の時間が一緒なので詳しく見ることはできないが、一瞬で終わらせれば少しは見れるだろう。

 

 「両者構えて、始め」

 「〈浄月流(じょうげつりゅう)・弥生〉」

 

 抜刀術で一瞬で終わらせる、やはり張り合いがない。桜咲の方を見ると終わっていた、私と同じ速さで終わらせたのか、これは予想以上、決勝戦でぶつかることになりそうだ。 

 

――――――

 お互いに様子見しているとはつゆ知らず決勝戦まで勝ち進む。

 

 「私と同じく女性で強い方がいるとは驚きです」

 「はぁ〜」

 「どうされました?」

 「俺は男だ」

 

 やはり間違えられた。髪を切ればいいと言われるかもしれないがもう試した、すぐに背まで伸びてしまうので諦めたのだ。

 

 「両者構えて、始め」

 「〈浄月流・弥生〉」

 「狐刀術 〈夏章(かしょう)空蝉(うつせみ)〉」

 

 両者の剣戟がぶつかる、受験者の中ではトップの2人、陽月は経験、依姫は才能、小手調べの技で瞬時に理解する2人、本気でやらなければ負ける。試験ではあるものの互いに負けたくない気持ちが火を付ける。

 

 「狐刀術〈春章・八重(やえ)〉」

 「〈浄月流・若月(わかづき)〉」

 

 木刀でありながらも、火花が散るような激しい剣戟にもつれ込む。

 

 「〈夏章・嵐雷(らんらい)〉」

 「〈浄月流・水無月〉」

 

 試験であるかなど関係ない。ただ、勝ちたいそれだけ、だがその気持ちが、剣技を加速させる。

 

 「〈浄月流・望月(みちづき)〉」

 「〈春章・五輪大華(ごりんたいか)〉」

 

 バキッ

 会場に乾いた音が響く、折れた、俺の扱う木刀が折れてしまった、理由は一つ、合っていない。振るっていく中で気づく武器の相性、折れたことに動揺しワンテンポ遅れてしまう。それを依姫が見逃すはずもなく、

 

 「〈浄月流・神在月(かみありづき)〉」

 

 宙に浮く、負けた。

 

 「勝者、綿月依姫」

 

 互いに挨拶をし、試験が終わる。

 

 「試験はこれで終わりだ。合否は後日伝える。そして綿月、桜咲、やりすぎだ。もう少し手を抜け、お前らが使った木刀がボロボロになっている。綿月のは折れていないが摩擦のせいで使い物にならん。道具は考えて使え」

 「「はい」」

 

 無事に試験が終わった。一発しか食らっていないのに体中が痛い。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。