古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

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隙間が語る夢物語

Side陽月  

 

 「侵入者だ、それも大妖怪、北北西、下に三十二度!!」

 「了解〈集浄・破魔矢〉」

 「さすがだな、しかし弓一発で仕留めるとは」

 「指揮がいいだけだ。相変わらずいい目をお持ちで」

 「何をそんなに話しているのでしょうか?」

 「……避けてたのか、意識外からの攻撃だったはずだったが」

 

 妖怪の山で暮らして数十年。俺は木槿と侵入者の対処をしていた。木槿の千里眼で発見、俺の弓で消し飛ばす。空いた時間は下っ端の相手をしていた。

 千里先からの正確な狙撃大抵は対応できない、何をされたのかわからず散る。それを避け、瞬時にこの場所に来た妖怪の山、こいつはなんなんだろう

 

 「はじめまして、私、八雲紫といいます。私の幻想()のためにここの総括に話をしに来ました」

 「夢ねぇ、それを話してくれたら考えてやる」

 「人と妖怪の共存する場所、最後の楽園とでも言いましょうか、通してくれるでしょうか?」

 「そんな夢物語、出来るはずがねぇ。お引き取り願おうか」

 

 人と妖怪の共存だと、そんなふざけた話があるはずはない。なぜなら妖怪の存在理念がそれを許さないからだ。人を襲い恐怖され、その畏怖が妖怪を散在させ強くする。人と共存をした時点で恐怖はなくなる。

 

 「夢物語、そうですね。ですが実現できた暁には、消滅の恐怖がない場所となります」

 「理想は幾らでも語れるんだよ。現実を見ろ、理想主義」

 

 俺がここまで否定する理由、それは諏訪での少女を思うからだ。ここまでふざけた事を抜かす奴は初めてだな。

 

 「陽月、下がれ。此奴と話がある」

 「断る!!」

 「陽月…下がっとれ、力はお主が上でも、権限はワシのほうが上じゃぞ」

 「ちっ…分かった。後で呼んでくれ」

 

 

Side飛天

 

 「まったく、頭が硬いやつじゃな、さて八雲紫と仰ったか、こちらに来客用の場がある、そこで話そうではないか」

 「よろしくお願いしますわ」

 

 

Side木槿

 

 「陽月」

 「木槿か、何のようだ」

 「先ほどの件についてだなぜあそこまで否定する」

 「そうだな……」

 

 いつも掴み所がないが、何かあれば己の意思をつらぬきとおす、妖狐とは思えないその姿勢。それでも最初から他の考えを否定するのとはしなかった。だが今回は夢物語とそれを真っ向から否定し続けた。その目には悲しいものが浮かんでいた。

 話してくれた内容は、人と共に過ごしたという話だった。だからこそ真っ向から最初から否定したと納得出来る内容だった。妖怪という穢が要因で別れ、神となっても、少女の気持ちに気づいても引き剥がすことしかできぬ種族の隔て、

 これを聞き私はあの妖怪にも陽月にも何も言えなくなる。理想を語る間に何があったか知らず、現実をみるしかない者の傷、どちらを取ればいいのだろうか

 

 「木槿、お前は飛天を支持しろ」

 「!!、なぜ、」

 「なんとなくだが先がわかるんだ、時代が動く。それは否定しない、権限はあいつが上だ。後は誰がついていくかだ。なあ木槿、生まれてくる子、男なら竜胆(りんどう)、女なら椛、これにしよう。時代が動けばやることも増える、旅に出るよ、またいつか戻って来る、その時見せてくれよ、子の顔を。そして変わった社会を」

 

 それを聞きやはりこの人は我々とは違うと実感する。見た目は幼さが少しあるが、この山の中で誰よりも大人だ。

 

 「ああ、居ない間は任せろ、」

 「それじゃあ戻るか、日もかなり落ちてきた」

 「そうだな」

 

 その背中は誰よりも大きい。

 

 

Side飛天

 

 「むっ、戻ってきたか、」

 「覚悟は決まったよ、」

 「うむ、八雲紫どのの提案に乗ることにした、これからは新たなる時代じゃ、つきまして陽月、乗ったからには動いてもらうぞ」

 「ああ、」

 「それじゃあ、陽月といったかしら、あなた私の式にならない?」

 「断る、ただその夢物語、幻想郷の移住者くらいは探してやる」

 「あら残念…幻想郷?」

 「夢物語、幻想を形作るんだ、いい名だろ?それじゃあ妖怪の山総括、飯綱丸飛天、これより桜咲陽月は単独行動をとらせてもらう!!」

 「承った!!」




陽月「かなり早く終わりそうだな」
永遠「短いが、今後に関わる話がある章、次回は別れと再開の今章最後の話だ。」
陽月「なら改めて気合を入れなきゃな、」
永遠「その前に、椛の名付け親設定での竜胆について語っていくぞ」
陽月「まあいいか、竜胆は秋の植物で花言葉は勝利や正義感、誠実などがある」
永遠「その花に裏はないが、悲しむあなたを愛するという意味があるぞ」
陽月「鬼の章と椛の性格に注目だな」

陽月、永遠「「次回も縁を待ちに」」
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