二代目風祝
side陽月
「長い…」
「流石にバテるの早すぎるだろ」
京を出て十年、俺は諏訪に来ていた。愚痴る秋金をなだめながら、アホみたいに長い階段を登っていく。
「見えてきたぞ」
「やっと…」
「シャキッとしなさい」
「流石に長いとは思うけどね、春ねぇ」
「私もそう思うかな…」
娘の愚痴を聞きながら、進むと、弾幕が飛んでくる。
「…っぶないな、なんのようだ?」
「神聖なる神社に妖怪ごときがなんのようだ!これ以上進むなら祓う!」
「諏訪子に会いに来たんだが…」
「諏訪子様が妖怪ごときに合うわけがない!」
「はぁ…少しおいたがすぎるな〈赤炎・狐火〉」
「無駄です!」
放った狐火は、当たることなく弾かれて向かってくる。反射か、てことは…
「〈螺旋撃砲〉」
「無……駄?えっ?!」
「反射させずに打ち続ける、天照戦が役に立ったな…」
「あっはっはつはっは、大きな音がしたから何かと思えば陽月か、
「りん?ああ、こいつか」
反射、上手く使えれば攻撃を簡単に活かせるが、こいつは相手に返すことしか考えていなかった、経験の差か。
「まぁ目的は分かっていると思うが…」
「神無月に来たらね、出雲祭だろ?」
「ああ、一回は言っておかないとな」
今は神無月、いや自信が神だから神在月と言っても、差し支えないが、今まではめんどくさくて言っていなかったが、天津神でなくとも一回は言って置かなければ、示しがつかないというものだ。
「ところで、そっちの美人さんたちは?」
「俺の娘だ自己紹介」
諏訪子が娘たちに気づいたので自己紹介をさせる
「木春です」
「炎夏」
「秋金」
「冬水だよ〜」
「…えっ?娘?誰の?」
「俺の」
「妻は?」
「いないよ…」
「そっか…」
「清苗は?」
なんとなく察したが、聞いて置かなければならない。
「……うん、陽月が出てってから一年後かな、清苗がたびたび外に出ようとするようになってね…その二年後に私たちの静止を振り切って、アンタを追った…その様子だと会えていないみたいだね」
「そうか…」
重苦しい空気、妖怪を好いた風祝、突き放しはしたけれども、諦めきれなかったようだ。
「足取りがつかめたら伝えるよ…」
「頼んだ」
「それじゃあ行き方は」
「根性、出雲方面に、神気がバカみたいにある空間があるから、そこに飛ぶ」
「アホだろ、取り敢えずお前ら、子狐に慣って俺に捕まれ。飛ぶ」
「「「「は〜い」」」」
「座標転移〈神隠し〉」
「お〜、すごいな、ここ、流石に軻遇突智は居ないか」