転生機族の異世界記∼機族に転生したら異世界に飛ばされました∼ TSならぬTM-トランス・メカ-転生者な星船は、ヤマト世界で何を成す?   作:オーキッドとグロリア欲しい

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第10話 交渉とこれからの方針

沖田たちの第一艦隊は、今ごろ火星とアステロイドベルトの中間辺りだろうか、

異星人の言葉を信じて第一艦隊を囮とし、銀河を超えて異星に環境再生装置を取りに行くというプランを進めた上の判断には未だ納得して無い。

 

異星人が支援してくれるというのは、ガミラスと敵対してる勢力という可能性も有るので解るとしても、それをわざわざ母星に取りに来いというのが不可解な話だからだ。

 

第一艦隊に十全な戦力としての能力が既に無くても、避難船建造の時間稼ぎとその発進時の囮としてならまだ役に立てた。

 

その貴重な戦力をむざむざ磨り潰し、避難船を使ってマゼラン銀河にまで取りに行かせる等、ほぼ不可能に近い作戦だろう。

 

「第一艦隊は、もう考えても仕方ない事だが……」

次善の作として、避難船、ヤマトの目的を本来の……

 

『ビー、ビー、ビー』

この時間に一級通信?もしや第一艦隊が火星近傍軌道で捕捉されて既に……?

 

私は悪い予感を押さえ付けて、通信を開いた。

 

『芹沢局長!第一艦隊、沖田提督よりの緊急通信です!未知の異星勢力の協力を得て、太陽系内のガミラス勢力を一掃したとの事です!』

 

「は?」

 

司令部詰めの女性オペレーターが困惑と嬉しさを綯い交ぜにしたような表情と声色でガミラスが太陽系から一掃されたと言い、理解出来ずに間抜けな声を出してしまった。

 

『ですから、第一艦隊より通信で、未知の異星勢力の協力を得て、太陽系内のガミラス勢力を一掃したとの事です』

 

「……いや、分かってる。沖田がそう言ってるのだな」

 

『はい、間違いありません。それから、その異星勢力の代表から芹沢局長へと通信申請が来てますが、如何されますか?また、同時に藤堂長官や国連や各国代表へも同様の通信申請が行われてる様です』

 

イスカンダルの様な怪しい話では無く、直接的な武力支援をした異星勢力か、その真意や対価は兎も角として地球人類の寿命は伸びそうだな。

 

「分かった、此処に繋いでくれ」

 

さて、どんな姿形をしているエイリアンだろうか……。

 

どんな異型でも怯まないとモニターの前で身構えた私の覚悟は数秒後に肩透かしを食らう事となった。

沖田提督に司令部へと報告を入れて貰い、国連や各国代表へと通信申請を行う。

 

例え同時に繋がっても、私ほどの情報処理能力が有る超大容量機族なら数百数千の会話相手が居ても何ら問題無い。

 

まあそんな状況だと、殆どの場合は限定AIに任せるけども。

 

「芹沢局長、初めまして。私は皆さんを助けた機族という機械種族の女王をしてるアカシですにゃ。私達は平行世界の過去か未来から飛ばされて来ましたにゃ」

 

『は、はぁ』

 

まあ、少し引いてる感じだけど、仕方ないかな。

 

こんな猫耳美少女ロボットが平行世界から来て、それが地球を助けたとか言われたら困惑しない方がおかしい。

 

「まあ、今の平行世界や機械種族というのは本当ですから、信じて欲しいですにゃ。今は少し忙しいので通信で失礼しますにゃ。

私たちは先頃、無線封止中の第一艦隊と接触して司令官の沖田提督に対ガミラス戦での協力を申し出ましたにゃ。

沖田提督はこれを受諾して、私たちに協力を許可して、太陽系内のガミラス戦力の制圧を行い成功しましたにゃ」

 

『な!?沖田の奴はこんな重大な事を司令部に無断で!!』

 

「それに付いては、こちらがそう仕向けた事を認めて、地球各位の方々には謝罪しますにゃ。どうしても時間が惜しかったのですにゃ」

 

怒り心頭とも言える風に表情と声をさせている芹沢さんに対し、意外と役者だなぁと思いながらそう釈明する。

 

『……どういう意味ですかな?』

 

「国連や連合各国に持ち寄ると、私たちを信用するか否かの議論から始まると思いますにゃ。

そして私たちが行う支援内容の検討や対ガミラス戦への利活用に既に出撃した現存地球艦隊の処遇に、何より私たちがガミラスに気取られる恐れですにゃ。

私たちがこの平行世界へと来た時には地球艦隊が進発してましたから、これを放置してるとガミラスに奇襲された時、私たちもなし崩し的な戦闘に入らざる負えないという懸念が有りましたにゃ。

それでも勝てる自信は有りますが、今回ほどの成果は難しかったと思いますにゃ」

 

『ふむ、その成果をお聞きしても?』

 

「勿論ですにゃ。数が少し多いのでその端末に目録を送りますにゃ。

それら全て貴方がたに供与しますし、私達の要望を呑んで頂けるなら、私が記録し保有する平行世界の人類文明の技術を全て供与しますにゃ。

因みに私は、銀河系連盟という人類文明の組織で最優と謳われる工作艦で、艦艇修造からコロニー建築にテラフォーミング、医療船や技術研究の真似事もしてましたにゃ。

地球の方々には決して悪い話では無いですし、芹沢さんにも協力して戴きたいのですにゃ」

 

『これは、無傷のガミラス艦142隻に冥王星基地施設!?……取り敢えず要望というのを聞かせて頂きたい。こちらとしても受け入れられる物とそうでない物がありますので』

 

「当然ですにゃ。まあ、そこまで難しい事は無い筈ですにゃ。

私達の要望は2つで、一つは私たち機族に地球の一員として、人間と同じく人格と権利を認めて欲しいのと

私たちを使って欲しい、共に歩んで欲しいんですにゃ。つまりは共存関係を構築したいのですにゃ。

私たち機族は特殊なアンドロイドで、人間が居ないと卵の状態から産まれらないし、攻撃行動も取れませんにゃ。その私たちが、人間という寄る辺を失って彷徨ってる状態が現状ですにゃ。

因みにガミラスに対する攻撃は沖田提督に命令して頂きましたにゃ」

 

これは私の意志で指揮官を変えられるという暗示でもある。極論として軍に不満を持つ人間でも指示が有れば良いという。

 

軍政畑のトップに座るこの人がそれに気付かない筈は無い。

 

『……なるほど、良いでしょう。私も貴方がたと共存関係を結ぶ為に尽力致しましょう』

 

「有り難うございますにゃ。芹沢さんにそう言って戴けて嬉しいですにゃ。では、その前払いと言っては何ですが、

緊急で必要と思われる各国地下都市の除染に拡張とその食住環境向上、ナノマシンを使った遊星爆弾症候群の治療法を提供する準備が既に出来てますにゃ。

特に後者は、臨床試験を行うなら早めに始めて欲しいのですにゃ」

 

『なっ!……分かりました。私の伝で各所に働きかけて見ましょう』

 

「お願いしますにゃ。では、私達を受け入れて戴いた場合に渡せる支援や技術の目録ですにゃ。項目毎にツリー化してますが、優先して行いたい事への切り替えもできますにゃ」

 

『なるほど。……これは、ヤマト計画への支援は必要ですかな?』

 

「必要と考えますにゃ。理由としては、波動エンジン技術は私の保有する反物質機関技術よりも高い技術で作られた機関で、

それを保有するという事は、私が行えるテラフォーミング技術の応用で地球環境を復興させるよりも、早い復興が行える可能性が高いからですにゃ。

その分のリソースを地下都市の環境改善や艦隊の再建に回せますにゃ」

 

『ふむ、分かりました。元から無い筈だったヤマトにガミラス艦数隻と、貴方の支援とでは比べるべくも有りませんしな』

 

「分かって戴けて感謝しますにゃ。では詳細を話し合いましょうかにゃ」

 

『宜しくお願いします』

 

そうして答える芹沢さんの表情はとても晴れやかだった。

 

軍務局のトップである芹沢さんのあの表情と声色で言質を取れた事で、取り敢えず大きなハードルは一つ減ったかな。後は各国との交渉に調整か。

 

まあ、これはこちらが"持てる側"なので気楽では有るが、反発を生まない様に慎重さは求められるけど、言ってみればそれだけとも言える。

 

地球統合政府樹立への誘導は、元からガミラス侵攻により、移行は各国での行政府への立ち上げまで行くなど既に規程路線となっていた事も手伝い、最後の一押しをする事で成就するだろう事も分かってる。

 

第三次大戦を起こさないで内惑星戦争まで過ごしたこの世界の地球は、私が人間だった地球よりもおそらく国家間の隔意という物が小さいし。

 

何よりそれらを振りかざす国家はガミラス戦役で国民保護を蔑ろにしたツケを払い、大きく勢力を減退させている。

 

こう言っては何だけど、面倒な人達の発言力が無くなり、統合政府樹立の下地が綺麗に整ったのは皮肉と言うほか無い。

 

後は支援の誘導で私が後押しを行えば、自然と成就する段階へと来ているし、勿論そうする。

 

「となると、問題と成りそうなのは波動砲を封じて、更にガミラス側に露見するとガミラスとの戦いさえ無くし兼ねないサーシャかにゃ」

 

ユリーシャは意識不明なので、その儘にする事もできるけど、出来れば治療したいし、火星で死ぬと分かってるサーシャを助けない理由は無いしにゃ。

 

サーシャが居る事によるガミラス側の反応は出たとこ勝負と成りそうだ。

 

「こればかりは、機族の本能が恨めしいにゃあ」

 

今日は2198年12月29日、サーシャが来る2199年1月17日まで20日間も無い。

 

情報的に最低でも太陽圏離脱までは、波動砲の存在から隔離して置きたい。

 

情報隠蔽は私達の得意分野とも言えたが、それに関しては

 

「サーシャの乗って来るシェヘラザードが厄介にゃ」

 

イスカンダル人(厳密には思念体だけど)の身一つなら兎も角として、波動エンジンやコスモリバースに到った未知の文明の船が相手だと何処までやれるか試すのは賭けが過ぎる。

 

まあ、国連の記録からユリーシャのシェヘラザードも地球軌道で爆散してる事からして、サーシャのシェヘラザードが火星で爆散したのは完全な事故ではないと見るべきだ。

 

あれはシェヘラザードのテクノロジーが地球に渡るのを阻止する為の自爆で、サーシャの時は何かしらの手違いでサーシャが亡くなったと考えた方が自然だろう。

 

だから、それに関してはあまり心配するべき事でも無いけど。

 

それはそれとして、イスカンダル謹製波動エンジン船であるシェヘラザードは是非とも手に入れたい。

 

まあ、ビーメラ星にも存在するし、サーシャの船を絶対的に手に入れるべきかと言われたら微妙だけど。

 

「まあ破片の転送回収程度で我慢すべきだろうにゃ」

 

それから私達の存在に対して、イスカンダル側がどう判断するか。

 

地球がコスモリバースを貰えずに、時間断層が無くなると滅びの方舟の相手は正直しんどいと言わざるおえない。

 

坤剛-コンゴウ-クラスの重護衛艦-戦艦-なら、カラクルム級でも数十隻程度なら正面から圧倒できるだろうけど、これが1万隻オーダーに成ると単純に飽和してどうにも成らない。

 

機族の代わりに制御体を大量導入したとしても機族には統制力で劣るので、より大量に必要だし、制御体は機族に対抗する為にかなり繊細で複雑な製造工程が必要だから、大量に作るとなると制御体だけで結構な生産リソースを割く必要が有る。

 

これが銀連なら、惑星日本でも月その物が巨大なプラント衛星だったりした訳だけど、当然この世界にそんな物は無い。

 

そうなると、滅びの方舟に超生産力を発揮させた一端であるテレザート星を先に見つけて防衛しつつ、

ガトランティスを撃滅したり、深次元艦やアクティブステルスで方舟やゾォーダーを斬首戦術で撃滅するか

テレサが地球とガトランティスをぶつけない可能性に賭けるかだけど……。

 

「私達の技術を保有する地球をテレサが見逃すとは思えないにゃ」

 

私が働きかけて、地球の技術を制限する事も考えたけど、それは対処能力を奪う事と同じで悪手にしか成らない。

 

何より人類に好奇心を棄てさせて、宇宙で生きる事を諦めるのと同じ事を意味するから、それ以後の人類の進歩は無くなる。

 

人類がその様に惑星の1成分に甘んじる事と成れば、太陽系に変事が起きたらあっさりと滅んでしまう。

 

今は良くても遠い将来は確実に。

 

だから、例え争いを呼び込む事に成ったとしても時間断層と波動砲は手に入れたい。

 

「それはそうとして、コスモリバースと時間断層が無い場合も考えてた方が良いにゃ」

 

取り敢えず、デスラー砲で破壊された異次元の円筒形構造体、滅びの方舟が目覚めた時に使う動力源と言われてた物を捜索するべきかにゃ。

 

「私が多数並行処理が得意だからって、やる事も多いにゃあ」

 

まあ、今は頑張るしかないんだけど。

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