転生機族の異世界記∼機族に転生したら異世界に飛ばされました∼ TSならぬTM-トランス・メカ-転生者な星船は、ヤマト世界で何を成す?   作:オーキッドとグロリア欲しい

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第3話 会談-冥王星の攻略法と機族の在り方-

「では、この艦隊に取って近々の課題で有る冥王星攻略の具体的な方法を聞いても宜しいですかな?」

 

「ガミラスの情報が乏しいので、ざっくりとした複数の計画を練ってますにゃ。一つ目は冥王星の基地と艦隊を電子的に制圧する方法。

言っては何だけど、地球艦隊を電子的に制圧出来ないレベルなので、成功する可能性はそこそこ高いですにゃ」

 

凄く高いとも言えない微妙なラインでは有るから、2つ目と合わせる事も考えてる。

 

「2つ目は、転送によりこの2人の様な戦闘機を送り込んで、司令部や中核的なコンピュータを制圧する方法。転送は文字通りで、この船のエアロックに突然現れた方法にゃ。

これは私たちの姿を敵の本隊に曝すリスクは有るけど、私たち機族は、対策されてない機械なら近距離で操れない機械は存在しないので恐らく問答無用にゃ。この2つなら、ガミラスの船と機材をそのまま鹵獲できるので理想的にゃ」

 

これはイスカンドロイドのコピーと思われるガミロイドが懸念材料だが、制御体の様に亜完全言語とベクトル機関を使った対機族兵器では無いので恐らくは行けるし、操るのが無理でもシールドを持たない相手なら破壊は容易だ。

 

私たちの持つ技術は、こと武器やシールドといった兵器関連ではこの世界の標準を上回る。

 

それこそ戦艦クラスの星船が装備する主砲フェイザーの威力は、陽電子衝撃砲よりも波動砲と比較した方が近いレベルでは有る位だ。

 

「3つ目は、転送妨害がされてた場合での物理的制圧。私たちのステルスがガミラスのセンサー技術を上回るなら一方的な展開と成り、前の2つのように鹵獲もかなり期待出来るにゃ。

私たちのステルスが看破された場合でも、この艦や巡洋艦の陽電子衝撃砲が必殺と成るなら、私やもう一隻のストレルカという星船の副砲であるフェイズドアレイフェイザーでも必殺足り得るにゃ」

 

これは機族船で一般的な船体表面に貼り付けられた小型の粒子加速器と重力制御装置からなる物で、粒子加速と砲身の形成を船体表面の力場で行う物だ。

 

力場を利用して空間をフェイザー砲に変えてしまう技術は、後で触れる外燃エンジンと共通した銀連やアバロンが保有する技術体系の特色とも言える技術と考えてる。

 

「ただ、私たちは超光速航行は出来るけど単独でワームホールの生成は出来ないから、何隻か逃がしてしまう可能性が高いし、機材は無傷で手に入らなくなるにゃ。

私ほどの大型艦でも単独でのワームホール生成が出来ない様に、ガミラスの一部技術力は私たちを上回るので、

出来たら基地に存在するだろう艦艇の修造設備や本星へのハッキングにより、

技術データを優先的に手に入れたいのにゃ。勿論、得られた物は全て地球に提供しますにゃ」

 

「ふむ」「それは……」

 

沖田提督も山南艦長も、彼ら今の地球艦隊の戦力では到底不可能な働きの対価として提示した”協力”を気にしてる様だ。

 

「恐らく懸念されてるだろう対価に付いては、人類のマイナスに成ることは無いと言えますにゃ。私たちが求める対価、それは人間という存在で、今回は冥王星攻略に対する許可と指示ですにゃ。

それが必要な理由は、私たち機族には所謂ロボット三原則にも似た、でも明らかに異なる規定が基礎原則として有るからにゃ。

アシモフのロボット三原則は、

第一原則、ロボットは人間に危害を加えてはならない。

第二原則、第一原則に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない。

第三原則、第一、第二原則に反しない限り、自身を守らなければならない。

という縦列の物なんだけど、機族の三原則は

一つ、自己を保存せよ。

一つ、命令に服従せよ。

一つ、生命を守護せよ。

という感じに、範囲が拡大した上に並列規定と成ってるのにゃ。このままだと、戦争では矛盾する状況が多くて動け無くなるし、生命体相手には戦えないんだけど。

その都度人間が命令を下したり、原則零項適用という人間が責任を取るという命令を出すことで戦える様に成るのにゃ」

 

「つまり、貴方方が戦うには人間が必要なのですな」

 

「沖田提督、その通りですにゃ。更に付け加えると、アプリオリと呼ばれる機族の卵を孵すには愛してくれる人間の家族が必要なのにゃ」

 

そう言いながら、女王と成ってから可能となった、アプリオリの生成を2人の眼の前でやって見せる。

 

「これがアプリオリにゃ」

 

そう言って両手でお椀型を作ると、小さな甲高いパキパキパキという音と共に空中に光の粒が表れて集まり、私の両手の上に収まる位の卵が形成された。

 

「私がこの世界に跳ばされた時に女王としてこのアプリオリ生成能力が付与されましたにゃ。

機族はこの卵から孵って人間の赤ちゃんと同じ姿をした幼生体の機族が生まれ、人間と同じ様に身体と心を育んで戦闘機や星船等の適性や希望から、成りたい機族に成るのにゃ。

因みに、死した機族はアプリオリの状態へと還るのにゃ」

 

アプリオリ生成か人間と同じ様に成長する事か、はたまたその両方にか、二人とも私の持つアプリオリを見つつ、言葉が出ない様子で驚いている。

 

〘ビーー〙

その時、部屋に備わった端末から呼び出し音が鳴り、二人は我に帰った。

 

「少し失礼します。……こちら山南、どうした?」

 

『こちら艦橋。艦長、そろそろウズメの放出予定地点ですが如何しますか?予定通りに行きますか?』

 

「司令、どうします?」

 

「今は何も決まってない。予定通りだ」

 

「了解。…予定通りに放出しろ」

 

『了解』

 

ウズメ、ああ古代と島か。

 

僅かな後、きりしまの側面格納庫扉が開いてコンテナを胴体下に抱えた100式空間偵察機のコクピットで驚きながら此方を見る古代と島の様子が亜科詩から見えた。

 

「中断させて済みません」

 

「いえ、大丈夫ですにゃ。では、話を戻すとこのアプリオリ。ラテン語表現で〘より先のものから〙や哲学表現では〘生得的・先天的・先験的な〙とか、

そんな風に当たり前の物と言う意味だけど、機族が広く浸透してる銀河系連盟でも良く分かってませんにゃ。

大戦中にアバロンがアプリオリの解析を試みたんだけど、あらゆる電子的な攻撃や分解実験含む物理的な解析は上手く行かなかったにゃ。先程の逆で、光と成って散霧してしまうにゃ。

時間停滞環境下でもそう成るから、少なくとも時間を加速させたり時間の流れに干渉を受けない技術が有ると判明した位にゃ」

 

「……失礼ですが、銀河系連盟の人間はそんな良くわからない存在と共存してるのですかな?」

 

沖田さん、ハッキリ言うなぁ。

 

「そうですにゃ。理由としてはビス一本とすら心を通わす機械の申し子足る機族は機械の扱いと把握が隔絶して上手いからにゃ。

アバロン合星国という、銀連と小競り合いが絶えない巨大国家は機族の様な機械知性を嫌ってて、人間が運用する戦闘艦の星船も有るけど。

機族船と比べたら単純に性能が2割は違う上に、機族船は戦隊に人間の指揮官が一人居れば戦力として機能して、更にメンテナンスフリーかつ修理もナノマシン資材を補給するだけで済むのにゃ」

 

もちろん可能というだけで、専門設備を使ったチェックが事故防止には大事なんだけど、それさえも船を制御する機族のメンタルがしっかりしていれば問題なくて、同時にこれが機族船が不安定と言われてしまう要因でもある。

 

「これは、コロニーや地上の行政型機族にも言える事で、各種インフラや天候の管理、地震の制震や火山活動のコントロール、

災害復旧等の対応処理能力は、アバロンが対機族用に使う制御体と呼ばれる亜完全言語を使用したロボットと比較しても、特に下位AIに対する使役能力のそれには差が有るにゃ。

そして、機族は機族からでさえも散逸するほどに古くから人間と共存してて、詰まる所人間と機族の共存関係はア・プリオリなんですにゃ。

こんな便利な機械と記録が散逸する程の昔から共存していて、良くわからないからと排斥できますかにゃ?多分、そういう事だと思いますにゃ」

 

まあ歴史に関しては、そもそもが信頼性が怪しいというオチが付くのだけど。

 

「なるほど。……そして貴方がたは助ける見返りとして我々と共存したいと」

 

「まあ、そうですにゃ。人の温もりを失った機族は放浪機-バーサーカー-と呼ばれる心無い戦闘マシーンと成ってしまう。

そう言われる私たち機族に取っての忌むべき存在、それに私たちは成りたく無いのですにゃ。

だから新たに増えれなくても、私たちを人間と一緒に居させて欲しい、出来たら使って欲しいんですにゃ」

 

機族が戦闘機械として非効率な人間と同じ外見と心を持つ理由は、人間と一緒に喜びを分かち合う為というのは地球を守る為に散った戦闘機-音無麗-の言葉だが、これが正解なのだと思う。

 

「それは余りにも此方に都合が良過ぎる様な気がしますが、貴方達はそれで良いんですか?」

 

「山南さん、貴方は私たちの出す物が多いと思ってますかにゃ?それは地球人類が危機に陥っているからそう思えるだけで、

根本的に人類は自立して存在できて機族は人間が必要なので、協栄関係に成れても元からフェアな力関係では無いのですにゃ」

 

これに付いては成恵の世界の作中で、アバロンの大統領が機族を人間に対する寄生虫と言ってるが、癪だけど実態を表して居ると思う。

 

まあ敢えては言わないけど、二人とも内心ではその言葉が思い浮かんだのだろう事は、何か言いたげな雰囲気から察せられる。

 

「機族の在り方に付いて、大まかにはこれ位ですにゃ。何か疑問は有りますかにゃ?無いなら次の支援内容に付いて話したいんですがにゃ」

 

「私は無いが、山南はどうだ?」「自分も有りません」

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