転生機族の異世界記∼機族に転生したら異世界に飛ばされました∼ TSならぬTM-トランス・メカ-転生者な星船は、ヤマト世界で何を成す?   作:オーキッドとグロリア欲しい

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会議室のシーンが続くので、第4話から冥王星攻略まで一気に投稿してます。
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第4話 会談-地下都市復興計画とヤマト計画支援の理由-

「次は、冥王星攻略が成功した前提でですが、地下都市の復興と機能拡張の話ですにゃ。これは生き残ってる各地下都市の現地政府のデータベースから算出した支援案ですにゃ。

先ずは、私の船体を比較的外部設備の生きてる日本の富士山麓ドッグ上空に遷移させて、地上に設置する受電設備から極東管区に電力供給を行いますにゃ。

同時に私が搭載してるサーブボットと呼ばれる作業機械で世界中の送電網の復旧と拡張を行いつつ、現地にも陽電子転換炉の設置を行い、総発電量の強化と万一逆襲された場合の為に生存性を上げますにゃ。

この陽電子転換炉というのは、取り込んだ物質の電子を陽電子に反転させて対消滅によりエネルギーを生み出す装置で、機族の基本的な動力源にゃ。

この2人は戦闘機なんだけど、彼女達が搭載してる物でも、キリシマの核融合炉の総エネルギー発生量を上回りますにゃ」

 

机を挟んだ2人はギョッとした表情を浮かべて、アタランテと美代を見るが、直ぐに普通の表情へ戻したのは流石。

 

見られた2人は、たははという感じで照れてるのが、ベテラン戦闘機としての慣れを感じさせる。

 

「更に並行し、地下都市の汚染区画に対してナノマシンによる浄化と遊星爆弾により損傷した区画の復旧、地下都市全域に対する空調や循環システム強化と

ホログラムによる人工的な空や季節や風環境を作り、食糧事情改善を含めて様々にストレスの軽減を図りたいと考えてますにゃ」

 

「ホントにそれだけ並行した実施が可能なのですか?艦隊が再建される迄の冥王星と地球防衛、更にヤマトの強化や艦隊の再建も行うのでしょう。何よりその地下都市は我々で扱える物ですか?」

 

山南さんの疑問はもっともだ。

 

そうだよね、軍人なら自分たちで扱い切れるか、先ずはそこが気なる筈。

 

例え相手が自分たちに好意的でも、生殺与奪を握られるのは避けたいのが自然な反応だろうし。

 

「勿論大丈夫ですにゃ。私は銀連で分散処理の申し子と言われてた位に同時並行処理や自動化が得意だし、都市やコロニーやアーコロジーの設計と立ち上げは数多く熟してるのにゃ。

それを地球の現存技術で容易に扱えて、維持と発展も出来る様な物に落とし込むのは片手間で出来るにゃ」

 

工作艦や行政型機族に取って、使役する限定AI群に対する分散処理やマクロの構築は本職として高い水準が必須な技能だ。

 

私は転生の影響か、はたまた機族として元々の資質かは分からないけれど、それらが突出して秀でて居た。

 

大戦中はそれで連合国相手に色々やったし、お陰で解体されかけたりもしたが、逆に解体を免れる要因にも成った。

 

もちろん、行うべきタスクが多いからそれ相応に忙しいだろうけど、それでも銀河大戦中よりも時間的な余裕が有るから楽ではある。

 

「地下都市の復興は有り難いのですが、地球の地表環境は戻せないのですかな?」

 

沖田さんがそう聞いて来る。

 

地球人の中でも、特に地表が荒れて行く様子を見てきた軍人なら気になるだろう。

 

「戻せない事はないですにゃ。ただ貴方がたも知ってるとは思うけど、遊星爆弾症候群を引き起こす植物の毒素は結合力が非常に強いのにゃ。

引き剥がすには相応のエネルギーが必要で、私たちの作れるナノマシンでも一度に除染出来る量に限りが有るにゃ。

更に舞い上がった放射性物質も除染する必要が有り、先ずは人間が安全に呼吸可能な大気状態へと戻すだけで5年、土壌の除染に5年、そこから水や植生の再導入と回復だから。

以前の様に水と緑が溢れる、バイオマスや水の循環が10万年単位で自立して持続可能な地球環境へと戻すのに私たちの技術でも25年は掛かるにゃ。

詳細を詰めれば色々平行できる事や簡略化できる事も有るだろうけど、まあ単純に金星をテラフォーミングした方が10年は早いにゃ。だからヤマト計画への支援なのにゃ。

イスカンダルの使者は環境再生装置を船を作って取りに来いと言ってますにゃ。これはつまり、船に積めるサイズの装置や作らせた船を使うシステムという事を意味しますにゃ。

前者なら単なる試しだけど、後者なら地球のミーム的な物を利用する可能性が有るのにゃ」

 

「ミーム的な物とは?貴方がたも似た技術を持っているのですかな?」

 

「残念ながら私たちはまだ持ってないにゃ。先史文明由来の機械は望んだ世界を自由に選べたし、自分の世界-本当-を見失わない技術も有ったにゃ。

それは、いわゆる絆や縁と言った物を可視化する技術で、時間や世界を超越した繋がりという物は確かに存在するのにゃ。

イスカンダルの環境再生システムは、そういった物を利用する可能性が有るのにゃ」

 

「その様な技術が……」

 

まあ、この推測はヤマト2199の原作知識が有るからでは有るけど。

 

しかし、銀連が超空間路線走査機を放棄しちゃったのは、つくづく惜しい。

 

戻るかどうかは兎も角として、コスモリバースを調べられる機会が来たら全力で取り組みたい所。

 

「それから、地球の地表復興に私のリソースを掛けるのも惜しいというのも有るにゃ。多分、地球人にそんな時間的な余裕は無いにゃ」

 

「時間的な余裕が無いとは?」

 

山南さんは分からない様だが、沖田さんは思い当たる何かが有るのか考え込んだ。

 

「沖田提督なら知ってると思うけど、火星自治政府が第一次内惑星戦争に踏み切れた理由として、地球の宇宙船より圧倒的に優れた船を造れた事が有るにゃ。

山南さん、可笑しいと思わないかにゃ?地球より人口も経済も技術力だって劣る筈だった火星にそんな船が作れますかにゃ?」

 

「それは……」

 

「国連のデータベースにこの写真が有りましたにゃ。これは戦後に火星自治政府から国連がかろうじて回収できた写真ですにゃ」

 

そう言って、1枚の画像を2人の前に表示する。

 

「これは…船、ですか?」

 

「国連が火星を制圧した時には、この写真以外の資料は隠滅されてたらしいけど、私の画像解析でも紛れもなく戦闘力を持つ宇宙船ですにゃ」

 

そう、山南さんの疑問に答えると同時に、画像から私が推定した船体構造を写真の横に表示させる。

 

銀連の写真と違って、表面的な物しか写せない写真からだから大部分が不明だけど、それは明らかに砲塔が確認できる、でもガミラスとは明らかに違う設計思想の宇宙戦闘艦だった。

 

「これに関して各国政府と国連上層部もそう考えてて、これが地球の地表復興に私がリソースを使いたくない理由ですにゃ。

そうでないと、火星自治政府が消滅した時点で大規模な宇宙戦力の削減を打ち出してない理由が無いのだけど、終戦後に行われた削減は微々たる物だったにゃ」

 

「確かにそう言われると、そうとしか考えられなくなりますね」

 

「銀河系の外縁部に近いオリオン腕に位置する太陽系に来る位なら、知的文明の数を推定するドレイク方程式は恐らくは正しかったという事を意味してて、

更にガミラスのやる気の無い侵攻から言っても、ガミラスは地球以外に戦線を抱えてる可能性が高いにゃ」

 

「失礼、明石さん。ガミラスの侵攻がやる気が無いという根拠は何ですか?」

 

山南さんが声を硬くして少し不満気に話を遮って来た。

 

まあ、怒って当然か。

 

自分たちが犠牲の上に守った膠着状態は、敵が片手間だから成立してると言われたのだから、配慮が足りなかったな。

 

「山南さん、超光速航行が可能な技術を持つ侵略者が惑星を破壊する事は至極簡単というのは分かりますにゃ?

亜光速に加速した小惑星をぶつけるだけで、月をもう一つ地球から分割して作ったり、液体の岩石で覆われた灼熱の惑星が作れますにゃ。

勿論、文化や政治的な理由もあり得るけど、どちらにしても惑星を丸ごと破壊する様な攻撃をガミラスはしてないのにゃ。

原因としては、地球の地表に不動産的な価値を見出すか、原住民のどちらかに価値を見出してると考えたら自然なのにゃ。

つまり、入植地の獲得か原住民を隷属させたい理由が有る筈にゃ。

植民地獲得と労働力の確保。片方にしろ両方にしろ勢力圏の拡大や国家の成長に必要な要素にゃ。詰まる所、ガミラスには競う相手が居ると見るべきにゃ。

或いは、宇宙怪獣とか災害じみた存在相手の生存競争を繰り広げてるかも知れないけど。どちらにせよ本気を出して地球人類を殺しに来てないのは確実にゃ」

 

「それは……」

 

そう山南さんは呻く様に呟くと、一拍置いて肩を落した。

 

「まあ、だからこそのヤマト計画の支援なのですにゃ。イスカンダルで環境再生装置なりシステムなりが手に入るなら、

私と人類両方の復興に割かれるリソースが、地表の除染ではなく上物の再建だけで済んで、地下都市の工業力拡張や艦隊再建に大きく振り分けられますにゃ」

 

まあ、真の目的は時間断層なんだけどね。

 

銀連やアバロンの武器技術がこの世界の地球やガミラス、ガトランティスより全般的に優れていてもだ。

 

ガトランティスのクローン兵士と滅びの方舟。

 

それらによる無限とも思える艦艇数の前には、銀連の技術と波動エンジンをただ単に組み合わせても、100万隻単位のカラクルム級を相手にするには勝ち目が薄いと言わざるを得ない。

 

機族が誇る超生産力を発揮しようにも運用する機族が足りてないと意味がないし、多分イスカンダル製のガミラス製より高出力な波動コアの複製や

アンドロメダやドレッドノートに必要な技術開発には、真田さんもだが、時間断層により加速した20から30年分が大きく関わってたと考えてるというのも有る。

 

そうなると、冥王星基地で波動コアの製法が分かってもガミラス製波動コアを使わざるを得ず、拡散波動砲はおろか、艦艇サイズに従来型波動砲の発射能力を持たせる事さえ怪しくなるのだ。

 

まあ、こちらにはガミラスの次元潜航と原理の違いはあれど、空間的な障害物に影響されない次元潜航が可能な深次元艦ストレルカや、

その深次元艦を作る技術は保有してるから、高リスクながらゴレムを破壊や制圧する事は出来る可能性が高いけど。

 

それも深次元にも影響する、方舟の巨大重力源が無ければ成立するという仮定でしか無い。

 

私の介入により、時間断層や2202のラストへと縁が繋がらない可能性が有るけど。

 

それでもこれから死に行くこの艦隊の大部分の将兵や、イスカンダル往復でのヤマトの乗員、ヤマト帰還までに地下都市で起こ様々な要因により喪われる生命-犠牲-を良しとする事は機族の本能が許さないのだ。

 

だから、全力で介入して上手く行かせるしか私の選択肢は無いと言える。

 

「なるほど、ヤマト計画を支援頂ける理由は分かりました」

 

「まあ、全ては推測ですにゃ。冥王星の拠点を無事に制圧できたら、ガミラスの内情が分かるかも知れないにゃ」

 

イスカンダルやガミラスの位置関係が分かると少し面倒くさい事に成るかも知れないけど。

 

シュルツが司令を務めるザルツ人主体の冥王星基地なら、そもそも変な気を起こさせない様にそのデータが存在する可能性は小さいと見てる。

 

例えガミラス本星とイスカンダルへの位置データが存在したりハッキングで手に入っても、それは同時にガミラスの広大な版図が分かる事を意味してるから、

ガミラスがワザワザ地球に波動エンジンを与える必要性が無いので、イスカンダル行きはこの戦争を終わらせる一助と成るかも知れないで通すつもりだ。

 

イズモ計画派の様な反対勢力も超光速宇宙船がヤマト一隻なら猛烈な反対を行うだろうけど、冥王星基地には100隻以上のガミラス艦が存在するのでハードルは低い。

 

悪者にされがちなイズモ計画派も、地球人類の存続を願う故にハイリスクなヤマト計画に反対してるんであって、

地球の存続が問題なく出来て、ヤマト計画とイズモ計画が並立出来るなら歓迎しても邪魔はしないだろうという目算も有る。

 

「さて、遊星爆弾症候群の予防薬と治療法についてだけど、治療はできるけど、少し時間と手間が掛かるにゃ」

 

「治療できるだけでも大きいですよ」

 

山南さんが沖田提督に嬉しそうな視線を送ってるけど、土方さんと同じく沖田さんの体調に気付いてたのかな?

 

「にゃあ。でもナノマシンで有毒胞子を細胞から無理矢理引き剥がして排出させる関係で、末期患者だと完治には大体1年って所かにゃ?」

 

「我々では不可能だったのですから、大違いです」

 

多くの地球人を蝕む病巣の一つだからか、自らの死が遠のいた安堵からかは分からないけど。

 

そう言う沖田さんも明るい声色だった。

 

進捗としては、地球の医療研究機関から関係するほぼ全てのデータを抜き、それと地球大気から収集した胞子の分析を元に今は治療薬の構造予測生成をしている段階。

 

ガトランティスみたいに簡単に治療薬を作れたら良いんだけど、そんな技術は無いので粛々とやってるが、分かった事は有毒胞子の悪質性がヤバいという事だ。

 

胞子は親油性と親水性が共に高く、脳関門さえも通って細胞内に沈着し、更に細胞に対する結合力と強度の高さで除去でも少しづつ引き剥がして排出するしか今の所は出来ない。

 

人体への定着を阻害する予防薬や症状を遅らせる薬なら既に作れたけど、完治が見通せる治療薬となると難易度の桁が変わる。

 

それなら、ナノマシンで少しづつ引き剥がした方が簡単だし、恐らく早いという具合に成る。

 

必要なのは治療法の確立で、治療薬の開発では無いからだ。

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