転生機族の異世界記∼機族に転生したら異世界に飛ばされました∼ TSならぬTM-トランス・メカ-転生者な星船は、ヤマト世界で何を成す? 作:オーキッドとグロリア欲しい
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「では、次に艦載機の支援案ですにゃ。これは大まかに3つのプランが有って、
アバロンで昔使われていた木星の様な濃大気高重力下や亜光速戦闘に対応した反物質/ベクトル機関と外燃エンジン-エクスタードノズル-、艦載レベルのフェイザーにシールド、補助AIを搭載する直立戦闘機、
つまり人型ロボットに変形する戦闘機と、コスモゼロかコスモファルコンに、反物質/ベクトル機関と外燃エンジン、補助AI、
艦載レベルのフェイザーにシールド、その他の上記の直立戦闘機と同等の武装を搭載可能にする第2案と、それを限定的にする第3案ですにゃ」
人型戦闘機と言った時にふたりは少し眉を顰めたので、少し補足を入れる。
「人型戦闘機?と思われるかも知れないけど、アヴァロンでは作業ローダーを発展させた兵器として数万年の歴史が有るので、
少なくともこの世界の地球が持つ航空機型宇宙機よりも洗練されてるし、このVRF-8、8型直立戦闘機は有人戦闘機が廃れる直前に登場した傑作機で、
整備所要もコスモファルコンやコスモゼロ、100式空間偵察機の3分の1以下と低いにゃ。
それに自律兵器を嫌うアバロンでも、機族戦闘機に対抗するのは主に遠隔操作型や限定的なAIの攻撃子機に移行していて、有人の戦闘機は存在しないから紹介できる最後発に近い優等な有人戦闘機がこの機体に成るのにゃ」
と説明すると納得した様に頷いてくれた。
「続けますにゃ。第3案以外は何れも光学迷彩含めた銀連レベルのアクティブステルスを実装可能で、それ以外のメリット・デメリットを上げると、
直立戦闘機は単純に可能な事が増えるし、戦力的には1番上だけど、パイロットや整備員の練成がゼロからやり直しになるにゃ。
でも、設計の洗練さと材料レベルから私の時代の技術が使われてるから、地球の航空機よりも整備は簡便だし、この機体だけでも数百年の配備期間で煮詰まってるから運用安定性も他案より桁違いにゃ。
第2案は、可能な機動が大きく増えて乗り味がかなり変わるけど一応戦闘機の範疇で、機体強度的に亜光速戦闘は非常に難しいけど、AIの補助と併せれば既存のパイロットなら僅かな練成でも乗れる筈にゃ。
でも、整備員の再練成と併せて、上よりマシでも練成期間が少し必要にゃ。勿論、直立戦闘機含めて完全な自律戦闘は可能だけどにゃ」
それ故に、機族以上に機械に干渉できる蛇の相手は分が悪くて廃れてしまったのだけれども。
「因みに、コスモゼロとコスモファルコンのどちらが改造母機でも性能は変わらないにゃ。
第3案は、エンジンや操縦系はそのままに、先ほど持って貰ったバッテリー式の小型フェイザーやシールドジェネレータを組み込む簡易改修案にゃ。
これは、操縦性は同じだし、私が作った部品を取り付けたり交換するだけだから、やる事は今と変わらないにゃ。
ただ、これだとガミラス艦のミサイルや陽電子砲には不安なシールド出力しか提供出来ないにゃ」
「アカシさん、この外燃ノズルとはどういった物ですか?」
「それは、エンジン構造の一部を力場で機体外部に形成する構造ですにゃ。私の主船体後部の棒状構造体と同じで
こんな風にエンジンノズル自体を2個にして斜め前や側面に向けて、主エンジンでありながら逆噴射したりロール軸やピッチ軸の力を生み出せますにゃ」
山南さんの疑問に、VRF-8(8型直立戦闘機)の立体映像モデルと外燃ノズルの動作例を出しながら説明する。
宇宙船の艦長ならこの利点が分からない方が可笑しい。
「アカシさん、この仕組みをヤマトに適用出来ませんかな?」
予想通り、沖田さんが食い付いて来た。
「現時点だと難しいですにゃ。イスカンダルから提供されたエンジン設計だと波動エンジン内での放射で星間物質を光速付近まで加速して噴射する設計だけど、これの一部を艦の外部でやる必要が有りますにゃ。
原理的に出来なくは無いだろうけど、波動エンジンの挙動その他、現物が無いのも併せて現時点で作るのは無理ですにゃ」
「ふむ、そうですか……」
やりたいとは思うけど、現時点では無理だ。
時間断層内での20年から30年が有れば、アンドロメダやドレッドノート世代では物に出来てるだろうとは思うけど。
それも断言は出来ないレベルでは有る。
「まあ、私の艦内工場が稼働すれば、2日で1機の直立戦闘機が材料から作れてリカバリーは効くので、何なら出航後に運用しつつ変えても大丈夫ですにゃ」
「ふむ、分かりました」
それはさて置き、いよいよ最後の支援案と行こうか。
「では、確定できる支援案の最後は私に収容してる星船の深次元艦ストレルカと、その船長で姉妹の姉のソーニャ・ルナースカヤと、
戦闘機型サイボーグで妹のイーラ・ルナースカヤという、完全機械化したサイボーグの姉妹の派遣ですにゃ」
「先程から出て来る深次元艦ですか、それに完全機械化サイボーグの姉妹……」
「にゃあ。ソーニャちゃん達はちょっと事情がデリケートなんで、深次元艦ストレルカの事から話しますにゃ。
深次元艦は、ベクトル機関を使って、位相の違う空間に潜れる。様は私達に取っての潜水艦ですにゃ。
違う空間の位相は様々に有り、法則も一定では無いので、先ほど出た超空間ソナーでも近距離以外だと完全な精査は難しく、隠密性が高い艦種ですにゃ。
このストレルカは全長50メートル有るんだけど、これを柔構造船体の特性を活かして、ヤマト第3艦橋の基部から伸びるヒレとして変形させて一体化する事で、所謂パラサイトファイターとして運用できる様にしますにゃ。
ストレルカは、原型の深次元駆逐艦より船体を小型化して翼面を付けた事と機族船故の柔構造船体と併せ、
大気圏内でも前述の直立戦闘機より圧倒的に高機動が発揮可能な、文字通りの格闘戦や相手船体に穴を開けて取り付いての接舷斬り込みすら可能な星船と成りますにゃ。
因みに、柔構造船とはナノレベルの機能性部品、様はナノマシンで構成された船体で、これは非常にフレキシブルかつ高速で変形可能ですにゃ。
その柔軟性は、船体を曲げて砲塔とするのは勿論、他の星船にビンタしたり、日本家屋の一軒家に内部含めて偽装変形する事が可能ですにゃ」
「ビンタ、ですか?あの叩く?それに日本家屋とは一体……」
「山南さんの疑問はもっともなので、一見にしかず。これが実際の映像ですにゃ。因みにプライベートな話題なので、音声や人物はカットしてますにゃ」
そう言って、ハルナが家出した回の船体がバチスカーフのマストでビンタされるシーンと、そのハルナが船体を折り曲げて叩かれて痛がる様に船体の頬?にマストを当てる映像と、バチスカーフが日本家屋に変形するシーンを流す。
続いて、機族船として基本形な多目的マスト4本を船体の上下両横に十字型に付けた柔構造船体の機族船が、演習でその多目的マスト4本に備わった固定主砲をマストごと瞬時かつ一斉に指向させる場面や、
地球児童誘拐事件で、成恵ちゃんと和人くんを奪還したバチスカーフの船体を奪還仕返す為にストレルカが翼面を手の様に使って掴み、船尾の外燃ノズルをバチスカーフの船体に突き刺す場面も表示させる。
「うむ、これは……」
「いや、まさかこれ程とは……アカシさんの船体も同じ様な事が出来るのですか?」
「真ん中の主船体は出来るけど、周りのカーゴは中身の関係が有るから外壁以外は出来ませんにゃ。
因みに、ヤマトに挿入する予定の船体はアバロンで主に使われる剛構造船と呼ばれるカテゴリーで、柔構造船の様に高出力と高効率と高機能を並立した物とは違うけど。
その分安定性が高くて、普通の人間でも十全に扱えるのが特徴ですにゃ。
ストレルカの性能としては、国連軍が経験したガミラスの武器の5倍の威力までなら耐えられる力場装甲、毎分0.19光速の加速力、先ほど紹介した次元潜航の他にヤマトで本来予定されている
46センチ陽電子衝撃砲一門を射程で10倍、威力で6倍上回る艦首フェイザーと船体の色の濃い部分から発振される主砲と、この机の上の戦闘機用フェイザーと同レベルの威力と射程を持つフェーズドアレイ・フェイザーと魚雷と転送ですにゃ」
そうストレルカの性能諸元を実際の画像とCGや三面図と共に説明し、更にストレルカが形を変えてヤマト艦底部に張り付いた状態も映す。
船体の規模相応な力場装甲出力と比べて、主砲の威力だけが巡洋艦に匹敵したりと、深次元艦としては尖った性能の船だったりする。
「さて、質問は有りますかにゃ?無いなら、完全機械化サイボーグ技術に付いて説明しようと思いますにゃ」
「お願いします」
沖田提督が山南さんへと目配せして首肯するのを確認すると、次へと促して来た。
まあ今まで説明して来た事と重複してる点が多いのと、単純に未知の文明製の宇宙戦闘艦を評価するには前提となる知識が足りないから、あまり突っ込んだ質問が出来ないのも有るだろう。
勿論、光子魚雷のエネルギーやそのインピーダンスや放出波長帯域、弾体の射程や加速力等、既存兵器の物差しが有る物なら理解出来るだろうけど。
フェイザーの作用物質選択性やシールドに対する負荷率、超空間を経由してシールドの内側に攻撃を現出させる位相差爆雷等に対しては、完全に未知の兵器だ。
物差しと成る物が無いから、仕様の数値を信じるしか無い。
この短時間の説明で理解出来るとしたら、真田さんや新見さんの様な技官クラスの専門知識が必要だし、その中でも噛み砕いて質問まで出来る人は更に少ないだろう。
「完全機械化サイボーグ技術は、要は人間の精神を記憶結晶へと移植して、人間を機族と同じ肉体にする技術にゃ」
イーラちゃん達の胸部に有る記憶結晶と同じ物の画像を投影する。
「それは……」「むう」
「彼女達は中高生時代にマフィアのテロに巻き込まれ、あの身体になったにゃ。私は当時、テロが起きた星系に居て防ごうとしたけど、色々と邪魔が入って無理だったにゃ。其れから私が暫く養育したにゃ」
ホント、賠償任務という枷が無ければテロを防げた筈なのに、連星国のあの高官と来たら……。
そう、今でも胃がムカムカして来る感覚を思い出す。
「アカシさん、大丈夫ですか?」
アタランテが私の左手を両手で握り、心配げに声を掛けて来た。
反対側の美代も心配そうに見てるのが分かる。
駄目だな。流されちゃ行かん。
「あー、すみません。続けますにゃ」
「いえ、少し休憩を入れますかな?」
沖田提督がそう提案してくれたけど、本当に大丈夫なんだよなぁ。
私は感受性の高い機族としては安定性が非常に高いというか、長命な機族がリプロダクション-壊れる-される多くの原因を占める思考クラスタの欠陥に繋がる強い負の感情を感じ難い長生きに向いてる精神をしてるので、
先ほどの振れ幅はそもそもが稀も稀だ、それにしても直ぐ持ち直すのは前世からだった気がするが。
「いえ、ホントに大丈夫ですにゃ。完全機械化は、機族の身体を持てるのが利点だけど問題も有って、それが不可逆なことにゃ。
だから、遊星爆弾症候群を始めとした死病でも、それ以外の治療法が有るなら、それを施した方が良いにゃ。
私達の認知世界でも不老化を目的に受ける人達が偶に居たけど、真っ当な星間国家や銀連加盟国なら存在自体が非合法と成るにゃ」
「それはどうしてですか?」
「一つは医療の発達で、160歳ぐらい迄は普通の人間でも不自由無く健康的に生きれるのと、ヒト形質維持法が有るからにゃ。
『ヒトがヒトの営みを乱すと、ヒト以外のナニカに成ってしまう』
そう、数多の銀連加盟国やアバロン含めた非加盟国で普遍的に言い伝えられ、名称は違えども似たような規制法が出自も分からない様な古くから定められてるにゃ」
「ナニカ……、ですか」
「ナニカにゃ。銀連の場合は、たぶん機族というヒトの形をした便利な補助存在が身近な事が大きく、外れにくい枷と成ってる可能性が高いにゃ。
機族を疎うアバロンの場合は、情報を食らう蛇から文明を守る為に、文化と文明の情報という概念的な物の保存と失われた過去の発掘に心血を注いて来たという事情が上げられるにゃ」
「それは……」「私達もそのナニカは知らないにゃ」
深次元アーカイバである白蛇の端末だと終盤に明かされた機族の女王と成った今の私でも分からないのは、恐らくこの近似世界に深次元アーカイバ自体が存在しないからだろう。
別の場所と繋がっている感覚は無くて、一緒にこの世界に来た機族とだけ曖昧に繋がっている感覚だ。
これは紐付きで行動を制限される事も無いけど、深次元アーカイバに蓄えられた莫大な知識へのアクセスが出来ない事も意味する。
白蛇の力なら、因果を操作してガトランティス人の誕生や滅びの方舟の入手自体を無かった事にするのさえも可能だろうけど。
世界の流動化と発展を目的とする蛇がそれを許すかは怪しい所だ。
いや、流石に滅びの方舟は限度が有るかな?
まあ、考えても答えが出ない事を思考しても意味がないので置いておく。
「まあ、ナニカがどんな存在か、大体予想できるにゃ。詰まる所、遺伝子操作やサイバネティクス等で機能拡張し過ぎたヒトだと思うにゃ。
病気に罹らず、寿命が無く、頑強で美しい、優れた知能を持つ存在に成りたいという欲は、人間なら誰しも否定し辛い筈にゃ。それに手が届く技術が有るなら余計ににゃ」
だから、それら全てを備える機族が人間に対する奉仕者である事が、人間がナニカに成らない様に歯止めとして作用してるカラクリだと、私は考えてる。
強く賢く美しい奉仕者(奴隷)に、奉仕される主人が、自ら奴隷と同じに落ちたいと思いはしないだろう。
例え個人の考えで差異は有っても、全体としてそういう方向へと誘導する力は確実に働く筈だと。
そう、私の私見と前置きして話した。
「まあ、奴隷と主人云々は全て私の穿った見方と言われたら其れまでだけどにゃ。
さて、話を元に戻しますと、スカヤ姉妹は特別な力が有ったので、完全機械化という枠外の特例処置が受けれたのにゃ」
「その特別な力とはどの様な?」
「パーセプションや量子干渉能力と呼ばれる、アバロンが良く使う人間が機族に対抗出来る様に成る所謂超能力にゃ。
船殻の向こうの見えない物を見たい、触れられない物に触れたい、アバロン人が宇宙船団で漂流する内にそれ等の思いから発現した能力と言われてるにゃ。
これは、念力、念話、遠隔視、透視、未来予知、絶対記憶、思考伝達、瞬間移動等を人の身で可能とする能力で、
優れたパーセプション能力と完全機械化の組み合わせは、ベテランの機族星船やエース級の機族戦闘機も上回る戦闘力になり得るにゃ。
船乗りとしても非常に有用な能力だし、遺伝的な素質としては、この世界の地球人類も発現しうる者が居るはずだから、ヤマトの搭乗候補者や宇宙海軍の中から探しても良いかもにゃ」
因みに最有力候補は岬百合亜ちゃんだ。
彼女は昔から見えない筈の物が見えたと作中で言ってて、それは過去や未来の情報の影を視ていたのが原因とする銀連でも偶に報告される分かり易い資質の発現例と似てる。
スカヤ姉妹が乗るとはいえ、ヤマト固有のパーセプターは居た方が良いし、是非とも訓練すべきだろう。
「以上が確定できる支援内容ですにゃ。これ以上はガミラス冥王星基地と艦隊の制圧まで何とも言えないけど、それらの資産を活用した支援に全力で取り組みますにゃ。
具体的には不確定だけども、ヤマトに私の技術で強化した鹵獲ガミラス艦を随伴無人艦として数隻伴わせての戦力強化及び補給支援と
イズモ計画派に対する配慮として、強化改造ガミラス艦を使っての植民星探査
同じく強化改造ガミラス艦を利用した当面の地球艦隊再建、可能ならワープ技術を含めた保有技術の完全な複製まで行きたいにゃ」
この内、イズモ計画派への配慮は艦隊再建と両立するし、植民星探査の需要自体が地下都市の恒久的な寿命延長と住環境改善で低下するので、選択肢を増やす程度のレベルと成る可能性が高い。
「まあ、こんな所ですにゃ」