【完結】FFX もう1人の物語&Re:FFIX 帰る場所を求めて   作:ウルハーツ

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32か33話辺りで2016年に入りましたね。


30~最終話+α

30

 

 巨大な鎌を振り回す魔天のガーディアン。その攻撃をジャンプして避け、隣の足場に着地する際にレイナは1撃をその巨大な身体へとお見舞いする。しかしその身体は見せかけでは無く、距離もあった故に深く入らずに出来た浅い一撃を入れられただけでは苦しむ様子すら見せる事は無かった。そしてその事に軽く舌打ちをしたレイナの真下から、尖った尻尾がその身体を突き刺そうと上昇し始める。しかしそれがレイナに当たる寸前、横から飛んできた銃弾とボールに当たった事で横スレスレを通り過ぎる事となった。

 

「あっぶねぇ!」

 

「……」

 

 ボールの持ち主であるワッカはレイナがユウナの妹と分かって居るが故、普通以上に無事だったことを安易する。共闘して居る以上、無事だったことに安易するのは当然だが、相手が守って居る存在の唯一の肉親となれば余計に感じる事だろう。そして銃弾を放ったリアラは無言でレイナを見つめて居た。その瞳にある言葉は一言。『何度言えば分かりますか?』と言う内容であり、レイナは流石に何も言わずに無言で言ってくるリアラに若干の恐怖をしながらも「助かった」とお礼を言った。

 

「! リアラ! ココア!」

 

 リアラ達に視線を向けて居たレイナはふと、2人の足元が淡く光り出したことに気付く。そして急いで声を上げれば、2人はその場からすぐに移動。レイナの元に来るなり2人が居た足場は一瞬にして爆発し、火の海と化してしまう。その事に間一髪と安心するレイナ達(経験者)と驚き、足元に気を付けようと心がけるユウナ達(未経験者)

 

「ちまちまやってても埒が明かねぇ。一気に決めてやる! サポート、頼むぜ!」

 

「はぁ、止めても無理なのでしょうね」

 

「……サポート、了解」

 

 レイナの言葉にリアラは溜息をつきながら、ココアは小さなスフィアを取り出して答える。とそれを聞き、レイナはユウナ達を攻撃して居る魔天のガーディアンに向けて剣を突きだし、「デカブツ!」と挑発を開始する。ガーディアンと言えど、言葉は理解出来て居るのだろう。その声にレイナの方向へと身体を向きなおす。

 

「その鎌は飾りか何かか? 来いよ!」

 

「えぇ……ちょっと! 大丈夫!?」

 

「問題ねぇ、よっ!」

 

 レイナの挑発に驚いて心配する様に声を上げるリュック。それに軽く答えると、レイナ達目がけて再び鎌が振るわれる。しかしそれを3人は飛んで躱し、レイナはそのまま【鎌の上】に着地するとそれを足場に一気に身体目がけて駆け上がり始める。が、それを邪魔する様に魔天のガーディアンは鎌をクロスさせてレイナを落とそうとする。ジャンプすれば着地できない様に位置をずらしてくるだろう。そうなれば最後、足場の無い現状では落ちてしまう。……しかしレイナはそれを理解しながら迷わず跳躍した。

 

「なっ! あんな事したら危険すぎるわ!」

 

「っておい! 何してるんだよ!」

 

 レイナの行動に驚くルールー。と、空中に飛んで居るレイナに向けて銃を構えて居るリアラの姿に気付いたティーダが声を上げる。何の迷いも見せずに引き金を引こうとするリアラにユウナは「止めて!」と声を上げるが、時既に遅く。放たれた弾はレイナの身体に当たる……と同時にレイナの身体を微かな光が包み、跳躍して居たレイナはそのまま【空に足を付ける】。

 

「ご安心を、スフィア弾です」

 

「……レビテト弾」

 

 リアラが撃った弾はココアが作った魔法の仕込まれたスフィアであり、レイナが以前チョコボに乗ったまま投げた物と同じような物である。それをリアラの銃で撃てるように更に加工した物がココア曰く、【スフィア弾】である。そして先程撃ったスフィアに仕込まれていた魔法はレビテトと呼ばれる余り知られて居ない魔法だが、その能力は宙に浮くと言う物。魔法に詳しいルールーはその名前を聞いて浮いて居る理由に納得するが、他の面々は分からない様子でどうして浮いているのかと疑問に思ってしまう。

 

 宙を自在に歩けるようになったレイナは迷わず魔天のガーディアンの顔目がけて走り始める。当然攻撃をしてくるが、上下左右を自由自在に動ける現在のレイナにそれは無駄な事。結果的に目の前へと現れたレイナは黒鬼徹をその身体に突き刺し、そのまま上へ急上昇する。当然刺さった黒鬼徹はその身体を切り裂き続け、やがてその頭から抜けると同時にレイナは遥か上空へと跳躍。その光景は水の中、エフレイエを倒した攻撃の仕方とそっくりであり、唯一違う事と言えば

 

「クライムハザード、ってな!」

 

 技の名前を叫んだことだろう。跳躍から反転、まっすぐ急降下してきたレイナは黒鬼徹を再び深く頭に突き刺して真っ直ぐ下へと身体ごと振り下ろした。結果、魔天のガーディアンの深く切り裂かれた身体からは幻光虫が無数に出現し始め、やがてその身体は薄く透け始める。そして苦しみもがく様な様子を見せ乍ら、その身体は消滅。綺麗に消えて無くなってしまう。と同時に周りの風景も変化し、試練の間へとその姿を戻していった。

 

「っと。とりあえずは終いだな」

 

 空中に浮いて居たレイナの魔法も切れ、綺麗に着地をすると黒鬼徹をその小さな体の何処かへとしまう。そして敵を倒し、一件落着……と言う訳には行かなかった。レイナ達はつい昨日、ユウナ達と対等して居るのだ。故に自分達を止めに来た筈のレイナ達にユウナ達全員が構える。が、そんな光景を見てレイナは両手を広げて「ったく」と悪態を付いた。

 

「大物を倒したってのにまだやるってか?」

 

「お前がその気ならな。どうする」

 

「……あぁ、止めだ止めだ! 勝手にしろ。どうせ俺達もあいつに会いに来たんだし、ここで争っても無駄だろ」

 

 「あんたが何考えてるかは予想付くし」と続け、先程まで魔天のガーディアンに守られていた昇降機にレイナは乗る。それにリアラとココアも続き、「先に行ってるぜ?」とだけ残してレイナ達は下へと下がって行ってしまう。

 

 ユウナ達は先に降りられてしまったために、昇降機が戻ってくるまでの間をレイナの言った言葉の意味を考える事で潰して居た。と言ってもそれぞれすぐに答えは出てしまうため、その理由について考え始める。

 

「あの子の言っていた『あいつ』て……ユウナレスカ様の事ですよね?」

 

「何故俺に聞く」

 

「いや、この中で一番親しそうなのってアーロンさんだから仕方ないっちゃ仕方無い訳で……」

 

「ふん……行けば分かるさ」

 

 この中で一番自然に会話が出来て居るのは肉親のユウナでは無く、アーロン。故に思わず聞いてしまったルールーの問いにアーロンが聞き返せばワッカがフォローを入れる。が、その間に昇降機は戻ってきていたためにアーロンは答えを言わずにその昇降機に乗り込み始めた。そしてそれを見て他の全員も乗り込み、昇降機は降下し始める。やがて、ザナルカンド遺跡最奥へと到達したユウナ達。見える道の奥にあるのは祈り子の間であり、召喚士のみしか入る事は許されない場所である。

 

「居ない……って事は3人は入ったって事か?」

 

 祈り子の間の目の前に到着して尚、3人の姿が見えない事にティーダが疑問に思う。他に入る場所も無いため、彼の言う通りレイナ達は奥へと入ってしまったのだろう。その事に「マジかよ」とワッカは頭を抑える。色々と事実を目の当たりにしてきていたワッカはレイナ達の行動に大きく咎めると言う気が中々起きなかった。が、それでも自分が入ろうと言う気になれないのは仕方の無い事だろう。

 

「じゃあ、行ってくるね?」

 

「襲ってくることは無いと思うけど、気を付けて。ね?」

 

「うん。ありがとう、ルールー」

 

 ユウナは言われた言葉に返し、祈り子の間へと足を踏み入れ始める。そうしてティーダ達が待ち続けて少し。焦った様子で再びユウナは姿を現すのだった。

 

 

 

 

31

 

「これも召喚士様専用ってか? ちっ!」

 

 レイナは反応の無い壁を思い切り蹴り上げる。しかし頑丈な壁はビクともせず、逆にレイナの足は痛みを訴え始めた。そんな姿を溜息をつきながら見つめるリアラとココア。と、3人の背後からユウナを先頭に全員が部屋の中へと入って来た。ここは祈り子の間内部。中心には光を放たない何かの生き物を記した石造が存在し、普通ならばこの場で召喚士が祈り続けた末に召喚獣を手に入れる……筈であった。

 

「マジで掟も何も無いのな、お前ら」

 

「今更守れって方が無理なんだよ」

 

 入って来たワッカは最初にレイナ達の姿を見て頭を抱えながら一言。その言葉にレイナは返し、再び壁に蹴りを入れる。そして少し痛そうに抑えるその仕草に何となくティーダ達は以前、キノコ岩街道でワッカが機械を蹴って居た光景を思い出した。

 

 祈り子は本来、中央にあるその石造の中に宿って居る物。だが今現在、全員の目の前にある祈り子は一切の光を放って居なかった。それは目の前にある石像が祈り子では無い事を意味する。召還士は祈り子と会うために来ているにも関わらず、この場に祈り子は存在して居ないのだ。ユウナ達がそれに困惑し、レイナが再び壁を蹴ろうとした時。その足が当たる前に壁が光を放つ。そしてそこから1人の老人が姿を現した。老人は最初にここまで来たユウナ達の姿を見た後に「ご苦労だった」と労いの言葉を一言。次にユウナに出身と名を名乗らせ、「ユウナレスカ様が奥でお待ちでございます」と言って壁の中へと入って行く。

 

「覚悟は、良いですね?」

 

「……平気」

 

「……」

 

 ティーダ達が会話をする中、レイナ達もまた会話……と言うよりも意思を固めて居た。リアラは老人の姿が消えたと同時に聞き、ココアは静かに。レイナは無言でその瞳のみで意思を表す。やがて、キマリがユウナを守る様に最初に壁の中へ。後に続く様にして全員も壁の向こう側へと足を踏み入れた。

 

 壁の向こう側にあったのは非常に広い広間。円状に広がり、前方にある階段を上った先には1つの扉が置かれていた。やがて、その扉がゆっくり開くと同時に1人の女性が姿を見せる。レイナはその姿に思わず背に背負って居た黒鬼徹の柄を握りしめるが、そんな彼女の身体を片手でリアラが制した。そして静かに首を振れば、レイナはゆっくりと柄から手を離した。

 

「ようこそザナルカンドへ。長い旅路を越え、よくぞ辿りつきました。大いなる祝福を今こそ授けましょう。我が究極の秘儀、【究極召喚】を。……さあ、選ぶのです」

 

 ユウナレスカはそう言ってユウナに視線を向けた後、問いかけ始める。突然の事に困惑する中、ユウナレスカは究極召還の内容について説明を始めた。そしてその内容は、召喚士と強い絆で結ばれた者を祈り子として力を得ると言う物。その言葉の意味することはつまり……生贄を捧げろと言うのと同義である。その事実に驚く中、突然全員の目の前に人が姿を見せる。それは幻光虫がこの場で起きた記憶を再生して居る物であり、その映像に映るのは若かりしアーロン。ティーダの父親である男性、ジェクト。そして……ユウナとレイナの父であるブラスカの姿だった。

 

 究極召還の内容を聞き、自らを差し出す決意をするジェクト。ブラスカもそれを受け入れ、唯1人だけ反対しつづけるアーロン。やがて2人は奥へと足を踏み入れ、1人若かりしアーロンはその場に膝をつく。そんな光景に耐えられなくなった様に、まるでその事を消すかの様にアーロンは目の前に映る若かりし自分を大剣で何度も、何度も切りつけた。刃はすり抜け、斬る事は出来ないがそれでも幻光虫はその攻撃に散り散りとなり、やがてその映像は消滅して行った。

 

 何度も復活するシンを倒し、今度こそ復活しないと願ったブラスカ達。だが今現在、シンは存在して居る。何も変わって居ない現実にアーロンが苦しげに呟くと、「俺達が変えてやる」と言う声が響いた。今までの光景を見て居たティーダである。そしてその言葉を聞いた時、リアラは静かに。しかし確実にレイナの口元が笑みを浮かべたのを見逃さなかった。

 

 ティーダは誰も死なせずにシンを倒すと言い、ワッカとルールーはその事を無理だと否定する。今の今まで、シンを永久に消し去る事も召喚士が死ななかった事も無かったのだ。それを変えるなど、普通ならば考えもしないだろう。だが、今ここにそれを考える者が居る。それだけでレイナに取っては嬉しかった。そうして会話をし続ける中、レイナは歩き始める。そしてその後ろを2人も追い始める。

 

「待って!」

 

「……」

 

 彼らの会話が大きくなる中、ユウナは自分の横を通って進み始めたレイナに気付いて声を掛ける。階段に足を乗せるその前に声を掛けられ、レイナは振り向かずに足を止めた。そしてレイナが足を止めた事で2人も少し前で足を止め、論争して居た3人もその声に会話を止めてユウナ達に視線を向ける。呼び止めたユウナだが、次に掛ける言葉は一切見つからない。そうしてしばらくの静寂が続いた後、急にレイナは溜息をついた。

 

「前にも言ったよな。『誰かが死んで出来た平穏なんて御免だ』って。お前らが争うのは勝手だ。けど【自分を犠牲にして】なんて考えるなら俺は全力でお前らを止める」

 

「……」

 

「目の前に突きつけられた現実を受け入れるのは簡単だ。けどな、足掻けるまで足掻いて。出来る限りの事をやってからじゃ無きゃ俺は認めない。世界の決められた運命に唯従うなんて、俺は御免だ。……それに」

 

 レイナは突然背負って居た黒鬼徹を目の前に持っていき、その刀身に額を当てる。そうして数秒した後、レイナは再び黒鬼徹を背負った。

 

「あんな奴の言葉より、【無限の可能性】って言葉の方が何倍も信用できるからな」

 

 【無限の可能性】。それは先程の記憶の中でアーロンが言って居た物であり、人は生きて居る限り可能性を持つと言う彼の考え方から生まれた言葉である。その言葉は命を差し出す究極召還を認めないレイナに取って、深く刺さる言葉であった。そしてレイナはそれを最後に再び足を踏み出し始める。少し前に居たリアラとココアに「行くぞ」と一言。ユウナレスカの去って行った扉を開き、レイナ奥へと入って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 扉の向こうに広がって居たのはまるで宇宙の様に広がる空とそこに唯一浮かぶ足場のみ。遥か前方にはユウナを待ち続けて居るユウナレスカの姿があり、レイナ達はその姿を見つけると近づき始めた。

 

「現実を受け入れられない哀れな者達よ。愚かにも再びこの地に足を踏み入れるのですね」

 

 現れたレイナ達の姿を視界に捉えたユウナレスカはそう言って真ん中に立つレイナを見る。と、突然3人の目の前に先程同様。幻光虫によって映像が流れ始めた。そこに映るのは5人の少女。5人中3人は誰かを判別できないが、2人は判別が出来た。何故ならば、そこに映るのが紛れも無くリアラとココアの姿だからである。

 

『シンを倒すことが出来ない? な、なら何の為に私達はここまで来たと言うのですか!』

 

『スピラに希望の光を齎すために。大召喚士の誕生は、スピラの人々を救う事でしょう』

 

 映像に映るリアラの言葉に同じく映るユウナレスカが答える。その答えにリアラは力なく膝から崩れ落ち、そんな彼女の後ろに居た1人の少女が「ふざけるな!」と言う声と共に飛び出した。が、ユウナレスカに攻撃を加える前に一瞬にして倒れ伏してしまう。何をしたのかは分からないが、ユウナレスカが彼女を殺したのは明らかだ。

 

『現実を受け入れられない哀れな者。せめて死を持って救いましょう』

 

 その言葉が引き金となり、他の2人が駆けだす。そしてその内の1人はココアであり、ユウナレスカは2人の攻撃を簡単に無効化してその身体を大きく吹き飛ばした。1人はそのまま先程の少女と同じく命を失い、ココアは膝をついて居たリアラを巻き込んで入り口まで吹き飛ばされる。そしてそんなココアとリアラの2人を纏めて消し去る様に、ユウナレスカは手から光を放った。が、それが2人の元にたどり着く前。最後の1人であった召喚士の少女が間に入り、その攻撃をその身に受ける。

 

『ああぁぁぁぁぁぁ!』

 

『愚かな。シンを倒すための、希望となるための命をこの様な事で失うなど』

 

『がっ! ……仲間、を。人を、救えないで、世界が救える訳、が、無い、じゃない、の』

 

 攻撃が止むと同時に2人の元に身体が飛び、力強く言い切る召喚士の少女。やがて苦しげに立ち上がりながら言い放った後、瀕死の状態で尚同じく瀕死なココアと無傷のリアラに視線を向ける。そして笑顔を浮かべ、静かに『生きて』と一言。既に死ぬことしか出来ないその身体に止めを刺そうとするユウナレスカを背後に、2人を助けるために召喚獣……ヴァルファーレが出現する。そしてヴァルファーレは2人を捕まえた後にその場を飛び立ち、離れる間際に2人は召喚士の少女が光に飲まれる光景を見る事になるのだった。

 

 

 

 

32

 

 映像が終わった時、3人の後ろからユウナ達が姿を現した。そしてその姿にユウナレスカは「祈り子となる者は決まりましたか?」と問いかける。しかしユウナはその前にシンが必ず復活してしまうのかと聞き返した。その光景は先程の映像での前に行われていた物と同じであり、リアラとココアはユウナの姿を見る。何時かの守って居た召喚士を重ねる様に。そして、答えられる内容もまた同じ。シンは永久に蘇ると言う物。シンを倒した時、【祈り子となった物が次のシンになる】と。

 

 ワッカの信じて来た教えでは、【罪が償われればシンが消える】と言われていた。だが、ユウナレスカは「罪が消える事がありますか?」と答える。シンが消えると希望を抱いて居た人間に取ってその答えは最悪な物であり、希望は【慰め】であると答えた時。ティーダが前に出る……が、その前に三度幻光虫が映像を見せた。それはブラスカとジェクトが居なくなった後、1人になってしまった若かりしアーロン。同じ言葉を聞き、ココアたち同様に切りかかった彼だが結果は同じ。返り討ちにあってしまう。

 

 映像の後、ユウナレスカは手を伸ばして再びユウナに問いかける。今度ははっきりと、「希望の為に捧げる犠牲を」と。そしてその言葉にユウナは首を横に振った。ユウナが出した答えは、【究極召還は何も変えられないまやかし】と言う物。だが、ユウナレスカはそれを再び否定した。

 

「違います、希望の光です。あなたの父も、希望のため犠牲となりました。悲しみを忘れるために」

 

「違う! 親父は、親父の願いは! 繰り返す悲しみを消すことだった! 忘れるためじゃない、逃げるためじゃない。自分の命を賭してまでも、終わらせることだった!」

 

 ユウナレスカの言葉に誰よりも早く、レイナが声を上げる。ユウナ同様、彼女もまたブラスカの娘。例え受け入れられなくとも、今の様に否定されるのは我慢ならなかったのだろう。ユウナはレイナの姿を見た後、先程よりも強い表情でユウナレスカを見る。

 

「消せない悲しみに逆らって、何の意味があるのです?」

 

「私は、父さんに出来なかったことを叶えたい! 悲しくても……生きます。生きて、戦って、何時か! 今は変えられない運命でも、何時か……必ず変える! まやかしの希望なんかいらない……!」

 

「今もこれからもこんな世界は好きになれない。連中も好きに何かなれやしない。でもな、それでも親父は守ろうとしたんだ。こんな世界でも、親父は命張ったんだ。シンが二度と出ない事を祈って。その思いを、覚悟を、勝手にお前の解釈で捻じ曲げて否定してんじゃねぇ!!」

 

 2人の言葉にユウナレスカは伸ばして居た手をゆっくりと伸ばして悲しそうな表情をする。そして告げられたのは「貴女方が絶望に沈む前にせめてもの救いを与えましょう」と言う物。その言葉はリアラとココアの映像で流れて居た音同じ意味を持っており、ユウナレスカはゆっくりと構え始める。そしてそれと同時に未だかつてない程の重圧が全員を襲い始めた。そしてそれを合図に普段静かなアーロンが大きく声を上げた。

 

「さあ どうする! 今こそ決断する時だ! 死んで楽になるか、生きて悲しみと戦うか! 自分の心で感じたままに物語を動かす時だ!」

 

 その言葉を聞き、1人。また1人と武器を構え始る。そんな光景を求めて居たレイナは少し口元を歪めながらもリアラとココアに視線を向けた。

 

「遂にこの時が来ましたか。偽りの平穏を断ち切る時が。あの子の仇を討つ時が!」

 

 ゆっくりと銃を手に構えるリアラ。やがて真剣な表情でレイナに頷いた。

 

「……二度と……誰かを死なせないために。……二度と……私の様な存在が生まれないために。……私は、戦う!」

 

 短剣を構え、体制を少し低くしながら喋るココア。こちらも同じ様に真剣な表情でレイナに頷いた。そして2人の頷きを見てレイナは目を瞑った後、黒鬼徹を背中から大きく抜き放つ。来ている大き目な上着の裾はその勢いで揺れ、長い髪も同じ様に揺れ動く。やがて眼を開いた時、その表情にあるのは笑顔では無く覚悟。

 

「俺の物語。どんな物語かも分からない。何をするのかも知りえない。それでもこれだけは確かだ。今ここで俺は、俺達は全てを変える! 親父に出来なかった未来を作り、絶望しかない連鎖をここで……終わらせる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウナレスカと言う相手は非常に強い。この場に居るのはレイナ達3人に加えてユウナ達7人の計10人を相手に戦う事が出来るのだから。そもそも人ですらない彼女に取って、人である相手は弱い存在となって居るのだろう。切りかかって来る者を避け、抑え、遠くから来る魔法を跳ね返し、無効にする。そんな強い相手だが、この場に居る誰1人として心折れる者など居なかった。

 

「はぁ!」

 

 レイナが黒鬼徹を横払いに斬る。だがそれをユウナレスカは軽やかに空へと回転しながら避け、そのまま黒鬼徹の上に足を乗せた。そしてレイナが反応する前にその上から攻撃を放ち、その小さな体を大きく吹き飛ばす。だがその身体が地面に叩きつけられる前にがっしりとした体格をした物がその身体を受け止めた。キマリだ。

 

「悪いな」

 

「キマリはユウナを守る。もしユウナが守りたいのならそれもまた、キマリは守る」

 

「……大した奴だよ、お前」

 

 ゆっくりと降ろして貰い、再度お礼を言った後レイナは再び駆け出した。アーロンとティーダによる猛攻を軽々と避け続けるユウナレスカ。一気に近づくレイナの横で、リアラが並ぶようにして立った。そして何も言わずにレイナに視線を向け、レイナはそれに頷くと同時に2人は一気に逆の方角へと広がり始める。そしてユウナレスカを左右で挟む様に立つと、一気に近づいた。

 

 レイナの攻撃を再び躱すユウナレスカ。同じ様にして吹き飛ばそうとするが、その横にはリアラが銃の先を向けて立って居る光景。タイミングが良く、その攻撃を躱すためにはレイナへの攻撃を中断せざる負えない位置であった。仲間に当たるかもしれない状況で迷わず放つその光景は信頼し合う者同士だからこそ出来る事だろう。ユウナレスカはすぐに身体を反らすが、再びレイナが切りかかる。その絶妙なタイミングでの攻撃を続けて居た2人。だがその途中で問題が発生した。リアラの武器は弾が必要であり、それが切れてしまったのだ。そしてその隙に攻撃をしようとするユウナレスカだが、弾丸の代わりに違う物が今度は飛んでくる……ボールだ。

 

「せいっ!」

 

 少し離れた位置からワッカが先程のタイミングを見計らって同じ様にして居るのだ。そうしてリアラが弾を込めた時、勝機は訪れる。レイナは飛んで来たボールを突然、黒鬼徹の刀身で受けたのだ。それはレイナ自身も何処へ飛ぶか分からないが、ユウナレスカもそれは同じ。急の事に即座に身体を反らしたが、その隙を狙ってリアラが弾を連続で撃ちこむ。それは数発当たり、その好機をレイナは逃さなかった。

 

 巨大な刃による一太刀は人の姿をして居るユウナレスカには十分致命傷だろう。ゆっくりと後ろに下がって傷口を抑え始めるユウナレスカ。と、彼女の足元が光り始める。それはこの地形に最初からあった円陣であり、突然彼女の髪が異様に伸び始める。やがて足は地から離れ、髪で身体を支える体制となったその姿は既に化物の一端を見せて居た。まだ戦いは始まったばかりである。

 

 

 

 

33

 

「何だよ、あれ……!」

 

「究極召還を授ける語り継がれた大召喚士様。その素顔は化物ってか? 笑えない冗談だな!」

 

 人の姿を残しながらも人とは呼べない姿へと変貌したユウナレスカの姿にティーダは思わず呟き、レイナは再び構えながら走り始める。だがその身体にたどり着く寸前、彼女の足元目がけて一斉に触手が襲い掛かった。急いでそれを跳躍して避けるが、追いかけて来た一本がレイナの身体を叩き落す。先程の様に受け止めてくれる相手は居なかったが、レイナはギリギリ受け身を取る事で身体のダメージを減らした。

 

 ユウナレスカの変化と共に、地面の岩から何本かの触手が顔を出し始める。先は尖り、先程の様に近づく者や敵となる者の命を奪おうと鎮座して居た。迂闊に近づく事が出来ず、かと言って止まって居てもその餌食となる事だろう。

 

「どうすんのさ!?」

 

「……考え中」

 

「あれを退けない限り、近づけないわね。でもそれをする方法も分からない……!」

 

 リュックが目の前の光景に誰に言うでも無く、声を上げる。ココアはそれに唯静かに答え、ルールーが現状を把握する中。レイナが急に走り始める。そしてそれと同時にレイナは少し離れた位置に立って居たアーロンに声を掛けた。そんな突然の事にも関わらず、アーロンはレイナの行動と言葉を瞬時に理解すると同じ様にして駆け出した。その結果、近づいて来た2人を狙って触手が襲い掛かる。が、レイナとアーロンはそれを避けるや斬る。分厚い刀身で抑えるなどして防いでいく。そして

 

≪行け!≫

 

「俺かよ!」

 

 レイナとアーロンは同時にティーダに向けて声を上げる。この中で一番素早く身のこなしが上手いのは紛れも無く彼なのだ。レイナはそれをべベルでの一件で理解しており、共に旅をして居たアーロンは当然知って居る。故に2人が同時に言ったことにティーダは驚きながらも2人の間を一気に駆け抜け始めた。2人によって触手の半分以上が引きつけられた状態故に、ティーダに襲い掛かる数は少ない。襲い掛かる攻撃を軽いジャンプや回避で、輪っかの様にして前方を邪魔をすれば転がる様に、驚異の反応速度でユウナレスカへと距離を詰めて行った。やがてたどり着いた時、ユウナレスカが反応するよりも早くティーダの剣がその本体に一撃を加える。当たった場所は髪の一部であり、その攻撃にレイナとアーロンを襲って居た触手が一時停止。それを見逃すことは無かった。

 

「はぁ!」

 

「らぁ!」

 

「てやっ!」

 

 レイナとアーロンはすぐさま本体へと近寄り、ティーダ・レイナ・アーロンの順に一撃を加える。離れて居た足は再び地へと落ち、崩れる様に倒れるユウナレスカ。だが次に現れたその姿に誰もが硬直した。再び円陣が変化を始めると共にユウナレスカの身体は地面から現れたそれにぶら下がる様にして背後へと移動し、その代わりに前へと出て来たのは悍ましい顔をした怪物の姿。髪は触手の様に浮き、巨大な女性の顔の口からは舌が伸びる。その光景に先程の面影は一切無く、あるのは何処までも禍々しい姿。その光景に誰もが恐怖を抱く。

 

「ユウナレスカ……様」

 

「……は、はは。マジかよ。これは流石に予想外過ぎるっての」

 

「あれも彼女の姿なのでしょう。決して見せる事の無い姿。そしてそれを晒したと言う事はつまり」

 

「……本気で……来る!」

 

 余りの事に怯えるユウナと目の前の現実に今までの事も含めて絶望する様に、信じたくないとでも言う様にワッカが頭を抱える。衝撃的な光景を見て尚リアラは冷静に言葉を繋ぎ、ココアが言い終えたその時。全員の足元が一瞬にして砕けた。それに反応出来たのは数人、何人かはそれを避けた物の完璧では無く怪我を負ってしまう。が、それでも戦う意思を失う訳では無かった。

 

「向こうが本気って事は、それだけ切羽詰まってるって事だ。だったら全力でぶっ倒す!」

 

 そう言い放った瞬間、レイナは一瞬にして周囲から出現した触手に襲われる。その小さな身体はその中へと飲まれ、その光景にリアラとココア。そしてユウナが声を上げた。が、触手の一部分に一瞬白い光が発生。奇妙な液を垂らしながら触手はその部分から切断され、中からレイナが「あっぶねぇ」と呟きながら姿を見せた。レイナの無事に安易する一同だが、それと同時に先程よりもかなり強くなって居る事もまた理解せざる負えなかった。

 

「……あれも本体……なら……あれに止めを刺しても良い」

 

「そんな事……! 出来るかも! ちょっと待ってて!」

 

 リュックはココアの言葉に何かを思いついた様子で言うや否や、懐からスフィアと何かの道具を取り出し始める。すると物凄い速さで何かを作り始め、それをリアラの元にまで持って行った。その手にあるのは1つのスフィア。しかし本来放つ色とは明らかに違い、リュックはそれを説明し始める。内容は簡単、リアラが以前撃ったスフィア弾と同じ物をリュックが作ったのだ。効果の中身は違うが、リュックの自信はかなりの様子。だが問題があった。

 

「かなり至近距離じゃ無きゃ効果薄いかも」

 

「なら俺が行く」

 

 その会話を聞いて居たレイナはリアラの銃を取り、リュックの持って居たスフィアの弾をその中に込める。リアラはそんなレイナの言葉に「危険です」と言うが、今の現状では何をしようと危険と隣合わせなのだ。それを言えば、リアラは静かに「気を付けてください」と一言。レイナはそれに答えた後、傍に居たココアに声を掛ける。

 

「フォロー、頼むぜ」

 

「……了解」

 

 レイナの言葉にココアは頷き、それと同時にレイナは再び走り始めた。そしてそれを発見すると同時に先程の比では無い程の触手が襲い掛かり始める。だがそれがレイナに届く寸前、突然現れた火に焼かれ始めた。ココアが行った魔法であり、レイナはそれを分かって居た様に止まることなく走り続ける。が、ユウナレスカはレイナを助けて居るココアに攻撃を定め始める。後ろから迫るそれに気付かず、レイナを助けるココア。やがてリアラが気付いた時、その触手はココアに襲い掛かって居た……が、その前に一瞬にして触手はその地から氷漬けになる。

 

「助けるのは良いけれど、自分の身も気にしなさい」

 

「……ありがと」

 

 ココアの背後に背中合わせにする様にしてルールーが現れると、ココアに襲い掛かる触手を魔法で次々と倒し始める。ココアは只管前に居るレイナを守りながら短剣で前方から自分を襲う触手を、ココアの死角から襲う攻撃はルールーが守り続ける。そうしてレイナが近づき続けて居た時、ユウナレスカの悍ましい顔にある瞳が一瞬光り始める。と同時にレイナの足元が一瞬にして爆破された。余りに突然の事に宙へと投げ出される身体、そしてそれを襲う様に一斉に迫った触手はココアが払える本数を遥かに超えて居た。

 

 ココアのフォローによって本数は少し減る物の、倒せなかった触手がレイナへと襲い掛かる。すぐに黒鬼徹を盾に攻撃を防ぐが、守りきれなかった箇所がレイナの腕や足などを傷つけて行く。空中で防いだ事もあり、空へと大きく飛ばされたレイナはそのまま地面へと落下、今度は受け身を取る事も出来ずその身体が叩きつけられる。そしてそんなレイナの持ち物から、先程受け取った銃が地面を滑ってとある人物の足元に落ちた。

 

「レイナ! ……!」

 

 ボロボロになって落ちたレイナの姿を見る事しか出来なかったユウナ。そんな彼女の足元には決定づけられる可能性を持つ銃が落ちている。その事実が理解出来た時、ユウナは迷わず目の前に落ちて居た銃を拾い上げた。そうしてユウナレスカへと視線を向ける。と同時にユウナの目の前にキマリが立った。そしてその姿にユウナは驚きながらも、唯静かに「お願い!」と一言。キマリは一気に駆け出した。

 

 キマリの後ろを付く様にしてユウナが走り、そんな2人に同じ様にして襲い掛かる触手。キマリだけでは防げないそれだが、そんな彼とユウナを守る様に今度はアーロンが共に走る。ティーダもそれに加わり、ワッカ・ルールー・リュックもまた持ち前の距離から守り続ける。そうして彼らはユウナを確実に本体へと近づけて行った。やがて至近距離になった時、再びユウナレスカ悍ましい顔にある瞳が一瞬光る。その標的はユウナであり、それに誰よりも早く駆けだして居たのは他の誰でも無い、レイナだった。

 

「姉さん!」

 

「!?」

 

 ユウナを守るために周りで戦って居たが故にユウナの足元を守る事が出来て居なかった全員。だがそれを守るため、レイナはユウナを大きく前へと押し出す。全身を使い、自分がその位置に立つ事を厭わずに。そうして爆発が起きた時、ユウナは目の前の光景に言葉を失う。が、今現在ユウナはレイナにも押された結果としてユウナレスカの目の前に立って居た。

 

「ユウナ! 立ち止まるな! 行け!」

 

「! はい!」

 

 レイナが爆発に飲まれる中、アーロンがそれでもユウナを止めない様にと声を上げる。レイナはこれを成功させようとして、今自分がそれをしようとして居る。それを理解した時、ユウナはユウナレスカの巨大な顔にその銃口を向けて両手で構える。撃ち方はリアラの使い方を見て何となくだが理解して居た。やるのならば今しかない。

 

「信じて来た希望。それがまやかしなら、私達の手で終わらせます!」

 

 既に触手をユウナに向ける事も、目で攻撃することも間に合わなかった。両手で引き金が引かれると同時に高い銃声が鳴り響き、その銃口からスフィア弾がユウナレスカの悍ましい顔、その眉間に向かって発射される。それは一瞬にしてその部分に穴を開け、中へと入って行った。そしてユウナレスカの中へと入った後、膨大な光と共にその悍ましい姿は一瞬にして消滅して行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が消えれば究極召喚は失われる。貴女方はスピラの希望を消し去ったのです」

 

 悍ましい姿を失い、人間と同じ姿となったユウナレスカは地に膝をつけながら言う。既に彼女に戦う力は残されておらず、消えるのみとなっていた。故にユウナ達の行いについて、唯批判する様に言う事しか彼女に出来る事は残って居ない。

 

「だから他の方法を探すんだよ!」

 

「愚かな……その様な方法等ありません。例えあったとしても、もしシンを倒せたとしても、永久に生きる【エボン=ジュ】が新たなシンを生み出すのみ」

 

「……エボン=ジュ?」

 

 ティーダの言葉を否定し、言った言葉の中に紛れて居たエボン=ジュと言う言葉にリアラは眉間に皺を寄せて聞き返す。が、ユウナレスカはそれに答える事無く、自らの伴侶であり祈り子として捧げた存在。ゼイオンの名前を呼びながら幻光虫となって消え去って行く。そうしてユウナレスカは消え、静寂が訪れた……と同時にユウナは何よりも先にリアラの元に居る自分を助けた人物、レイナに足を向けた。先程の爆発によって掠り傷から重症となってしまったその姿。今現在、リアラの腕に抱かれているその姿は痛々しい物であった。

 

「は、ははは……到頭やった。究極召還は無くなって、もう召喚士が生贄になる事も無い。親父みたいな奴ももう出ない」

 

「レイナ……どうしてそこまで」

 

「……何度言えば分かんだよ。誰かが死んで出来た平穏なんて御免何だ。肉親から何て、特にな。あんな思いは二度としたくねぇ。……何となく、姉さんは親父と同じ事すると思った。だったらそんな物、最初から無くせばいい。…………結局姉さんが召喚士になるまでには間に合わなかったけどな」

 

 そう言って薄く笑ったレイナは「ったく」と小さく悪態を付いた後、立ち上がろうとする。だが左手が思う様に上手く動かず、足も痛む故に立ち上がる事が出来なかった。そんな姿にリアラは「無理は駄目です」と言うと、その身体を背中に背負う。小さい身体は簡単に背負い上げられ、レイナは諦めた様に「頼む」と一言。リアラは少し微笑んだのち、この場所から出て行く。

 

「……初めて……会った時。……レイナは家族の話……多かった。……守りたい……言ってた」

 

「……」

 

 ココアはそれだけを呟き、2人を追う様にまたこの場から去って行く。レイナ達の目的である召喚士が生贄となる力、究極召還。それは今日この時、彼女達の手によってスピラから失われたのだった。

 

 

 

 

34

 

 世界から究極召還は失われた。が、それを世界に知らしめることはユウナレスカが消える間際に言ったスピラを絶望に落とすことに繋がってしまう。何故なら究極召還はまやかしとは言え、世界にとっては希望だったのだ。事実を知らない者達に取っては、シンを倒す唯一の手段。それを失われたと世界中に知れ渡れば、殆どの人々が絶望してしまうだろう。

 

 レイナ達は当然、失われた事を言いふらすつもりは無かった。が、それでは既に存在しない究極召還を求めて召喚士は旅を始めてしまう。それを防ぐためには根本であるシンを復活しない様に、召喚士の命を犠牲にせず倒すことが必要なのだ。……だが、それが出来て居る様なら既にシン等この世界に存在して居ないだろう。

 

「どうすっかな……良い案は?」

 

「あれば言ってますよ。……とにかく今は怪我を直してください」

 

「別にこんなの放っとけば治るっての」

 

 飛空艇内部、ココアは操縦席に座り運転をして居る後ろでレイナとリアラは会話をする。やがてレイナは怪我に付いて、軽い口調で言い返すと左手を上げる。が、その途中で感じた痛みに表情を歪めた。ユウナレスカとの激闘の末に負ったその怪我は飛空艇に連れて来られてすぐ、リアラとココアによって手当を受ける事になった。2人も無傷では無かったが、レイナは群を抜いて怪我の量や深さが大きかったのだ。故にすぐ手当を受けたレイナだが、本人は飛空艇に付いてすぐに意識を失ったためにその深さを詳しく知らなかった。そして、それを知ってしまって居るリアラはレイナのその表情に暗い顔をしながら口を開く。

 

「レイナ……貴女の左腕はもう「分かってる」え?」

 

「俺の腕だ、嫌でも分かるさ。【中途半端にしか力が入らない】事ぐらい」

 

 リアラが言おうとした言葉に被せる様に言い、レイナは黒鬼徹を右手で取り出す。そして柄を左手で握り、持ち上げようとした。しかし黒鬼徹を完全に地面から離すことは出来ず、やがて小さな舌打ちと共に諦めた様に地面へと落とす。そんな姿をリアラは悲しげに見つめて居た。飛空艇を操縦するココアもまた、見えずともレイナの口元から漏れたその音に視線を下げる。

 

「それでも俺達は消し去ったんだ。シンを倒す唯一の術を。そんな俺達がシンを倒すことを諦めるなんて絶対にしちゃ駄目だ」

 

 レイナはそう言った後、「だから探すぞ」と言って立ち上がる。まだ少々怪我の痛みがあるのか、普通の歩きとは違う不自由そうな歩き方でその場を去って行く。今ある場所以外に彼女が行く場所と言えば、リアラに思いつく場所は1ヶ所しかない。去って行くレイナの姿を見ながら、リアラはココアの近くへと足を進めた。

 

「……放って置けない」

 

「そうですね。……シンを倒す。彼女の夢を、私達の願いを叶えるまでは止まれません」

 

 リアラはそう言うと休むために自分もまた、その場を去って行く。ココアは誰にも襲われること無い安全な場所を探し、その場所に飛空艇を止める事で休息を取る事にするのだった。そうして日は過ぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「歌?」

 

 シンを倒す。その手段に付いて考えながら怪我を癒し続けて居たレイナはあの戦いから2日経ったある日、リアラが何処からか聞いて来た言葉に思わず聞き返す。

 

「はい。【空を飛ぶ船が祈りの歌を歌う。それが聞こえたら皆も一緒に歌ってください】、だそうです。何でもそれでシンが倒せるとか」

 

「……どう言う意味?」

 

「さぁな。歌何かで倒せたらもうシンは存在して無いだろ。……でもな」

 

「空を飛ぶ船。と言うのが気になりますね。私が知る限り、飛空艇を持って居るのは私達と……あの方々です」

 

 レイナ達は激闘の後、自分達の飛空艇へと乗る時に2つの巨体と遭遇をして居た。1つはシン。戦う術も無く、満身創痍だった彼女達にはその姿を見ることしか出来なかった。そしてその姿を見ると同時にもう1つ、シン程では無い物の巨大な船を3人は見て居た。赤い巨大な飛空艇。ユウナ達旅の一行を迎えに来ていた物であり、3人が知る空を飛ぶ乗り物は自分達の飛空艇を置いて他にそれしか存在し無かった。その事にレイナ達は頭を抱える。

 

 リアラの聞いて来た内容は普通、『ありえない』の一言で蹴ってしまうだろう。だがその噂の中に入って居る【空を飛ぶ船】がもしもユウナ達が乗って居る物とするならば、本当の可能性も否定できない。何故ならユウナ達もまた、シンを倒す別の方法を探って居る筈だからだ。そんな彼女達が意味の無い噂を流す方が可笑しい。3人は会話を続けた結果、満場一致で次の行動を決める。それは

 

「あいつらの船を探すぞ。広い空だが、飛んでるのは俺達とあいつらだけだ」

 

 

 

 

35

 

 

 ココアの操縦の元にレイナ達を乗せた飛空艇が空を飛び続けて数時間。飛空艇の内部から外を見て居た3人は突然聞こえて来た微かな歌声に気付く。それは噂で出て居た祈りの歌。現在空中に居る為、その歌の発生源を辿れば間違いなくレイナ達はユウナ達の元に付く事が出来るだろう。そうしてやがて飛び続けて居た飛空艇は、自分の何倍もの大きさを誇る飛空艇を目視できる場所まで近づく。が、それと同時に巨大な姿を捉える事にもなった。

 

「シン!」

 

 遥か前方。かなりの距離がある物の、その巨体は何かに隠される事無く存在して居た。歌が流れて居た時点で何かあると予想はして居た物の、本体が出て来た事には流石の3人も驚きを隠せない。だが同時に今、これから行われる内容が。歌を流し、シンを倒すと言う行動が本気であると信じるには十分な光景でもある。そしてそれを判断した時、レイナは動き始めて居た。

 

「ココア! アイツらとシンを挟む様にして飛べるか!?」

 

「……平気」

 

「本気ですか!? 私達の飛空艇では限度があります! それに近づき過ぎれば毒気にやられます!」

 

「なら見てろってか? 冗談じゃないぜ。今までだってこれからだって、誰もが命張ってシンと戦ってんだ。可能性があって、目の前で戦ってるのを何もしないで見てる。そんな事出来る訳ねぇだろ」

 

「ですが今貴女は「無理」! ココア!」

 

「……レイナ、本気。……もう止められない。……だから……私達で、守る」

 

 ココアの言葉にリアラはしばらく黙った後、立ち上がろうとする。だがレイナはそれを制すると、一度今居る操縦室の中を見回す。小さな飛空艇で、ココアが操縦して居る現在。戦闘が始まった時、操縦して居る人間が最低でもここに1人は居なくてはいけないだろう。だが巨大なシンの横を平行に飛ぶのは簡単な事では無い。それを理解した時、レイナは口を開く。

 

「リアラはココアのサポートだ。船が落ちれば俺達は何も出来ずに終わっちまう」

 

「なっ! 貴女1人で行かせる訳には行きません!」

 

 レイナの言葉に思わず大声で怒鳴る様に言うリアラ。同じ飛空艇に乗る以上、同じ危険を共有して居るのは確かだ。だがシンを相手に1人で立ち向かうと言う意味を持つレイナの言葉は、リアラに取って絶対に認められない内容だった。だがレイナはそんなリアラの言葉にニヤリと笑顔を浮かべ乍ら言う。

 

「仲間ならまだ居るだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウナ達は巨大な飛空艇の甲板で、遥か遠くに飛行して居るシンの姿を捉えて居た。遥か前方に堂々と存在して居るその身体は余りに圧倒的であり、それを相手に戦うと言う自分達の現実と無謀さを感じてしまう。が、それでもこの場に居る全員の誰1人として止める気等無かった。あるのは何処までも変わらない【勝利する】と言う意思。目の前にある存在を倒すために行動する。それだけである。

 

「おいおい! 何かやばいぞ!」

 

 突然足元が揺れ始め、落ちない様にと体制を変える一同。そんな中、シンの姿を再び視界に移したワッカが声を上げる。全員が見れば、シンが巨大な紫色の弾を作り始めて居る光景。見ただけで分かるその『やばい』弾は、シンが大きく動くと同時に発射された。それは広く深い海を一瞬で両断。世界がまるで止まる様な錯覚を感じる。が、それも一時。両断された海の水は瞬く間に津波となり、高い位置に居る飛空艇をも襲い始めた。

 

 巨大な飛空艇は津波を受けたと言えど、倒れる事無くその場で飛び続けて居た。だがそんな後方。ユウナ達が乗って居る飛空艇を追うレイナ達の飛空艇はその津波から逃げるため、大きく上空へと浮上した。やがてかなりの高さまで上がり、その姿は甲板で立って居るユウナ達の目でも見える様になる。

 

「ユウナ! あれ見て!」

 

「!」

 

 一番最初に気付いたリュックはその飛空艇を指さしながらユウナに声を掛ける。ユウナはその言葉に視線を向け、他の全員も視線を向ける。と、かなり高い所に居る飛空艇から木魂する様な聞きにくさを持ちながらも声が聞こえ始めた。

 

『どんな作戦かは知らないが! 俺らも参加させてもらうぜ!』

 

「強引っすね!」

 

「でも、心強いんじゃない?」

 

「へっ! 相手が相手だ、いくら居ても足らないっての!」

 

 答え等最初から聞いて居ない様な、そんなレイナの声で放たれた言葉にティーダは空を見上げながら呟く。その言葉にルールーがシンに身体を再び向け乍ら続け、ワッカはボールを手に同じ様にシンに身体を向ける。と、ユウナ達の乗る飛空艇から男性の声が響いた。

 

『誰だか分からねぇが、何でも良い! お前ら! シンの腕んとこ光ったの見えたか! 絶対に何かあるぜ!』

 

『やぶみ!』

 

 それは現在飛空艇の操縦を指揮して居るシドと言うアルベド族の男性であり、その声が響いた後。別の男性の声が響く。と同時に再びユウナ達の足元が揺れ始め、徐々にシンが自分達に近づき始めて居た。しかし違う。シンが近づいてきているのではなく、

 

『【シン】しりちもへなえせんが!』

 

「シンに引き寄せられてるって!」

 

 この場で唯一アルベド語を分かるリュックが聞こえて来た言葉を通訳する。そしてその通り、飛空艇がシンに近づいて居たのだ。それは遥か上空に居るレイナ達も同じであり、ユウナ達が乗って居る飛空艇よりも遥かに小さいその船は急激な速度で引き寄せられていた。操縦席の端で外に言葉を告げられるマイクを持って立って居たレイナはその振動に膝をつく。

 

「……不味い……!」

 

「レイナ! 大丈夫ですか!」

 

「あぁ、こんなの大した事ねぇ」

 

 苦痛な表情を浮かべて操縦するココアとそれを助ける様に横に座り、機械を動かしながらレイナに視線を向けるリアラ。レイナはゆっくり立ち上がると、「それじゃあ行ってくる」と言ってその場を出ようとする。そんな彼女の姿を止める事の出来ないリアラは悔しげな表情で俯いて居たが、立ち上がるとレイナに一丁の銃を投げる。それはリアラが使って居た物であり、突然の事に驚きながらもレイナはそれを受け取った。

 

「必ず、戻ってきてください」

 

「……あぁ、必ずだ」

 

 リアラの言葉にレイナは頷くと、部屋を出て行く。同時に再び船内は大きく揺れ、ココアは苦し気な声でリアラに助けを求めた。そしてリアラは急いで再び席に付くと、必ず船が落ちない様に。レイナが安全に戦える様、行動を開始した。……そして

 

「……っしゃ! 軽く世界救いに行くか!」

 

『クェ!!』

 

 

 

 

36

 

 外に出たレイナと【チョコボ】の目の前に映ったのは綺麗な空では無く、巨大なシンの身体。飛空艇の大きさはかなり違うが、ユウナ達が居る位置とは反対側に並行する様に飛ぶその位置は手を伸ばせばその巨大に触れられる。そんな距離だった。

 

 甲板の上、巨大なその身体を見つめながらレイナはゆっくりと黒鬼徹を抜き放つ。左手が黒鬼徹を持てなくなった今、それを持てるのは右手のみ。大きく真っ直ぐ天へと掲げ、レイナはシンにそれを向ける。

 

「絶望のナギ節何て要らねぇ。必要なのは親父の望んだ何処までも終わりの無い永遠のナギ節。全力で……行くぜ!!!」

 

『クェ!!』

 

 レイナの言葉と共に、チョコボは大きく鳴き声を上げる。そしてそれと同時にレイナはチョコボの背中へと飛び乗り、チョコボは一気にその場から跳躍。必死に羽を羽ばたかせ、その腕を伝って『シンへと飛び移った』。が、レイナ達が飛び乗ると同時にシンの身体に付いて居た鱗の様な物が剥がれ、急激に二足歩行の生き物へと変化する。それはシンのこけらよりも小さなこけら屑。その1つ1つが生き物と化し、人間へと襲い掛かるのだ。

 

 レイナはチョコボに乗ったまま、右手で黒鬼徹を振り回してこけら屑を只管吹き飛ばしていく。1体の強さはそれほど無く、斬られた物は当然として風圧で飛ばされてシンの身体へと叩きつけられ絶命する物も存在して居た。だが、相手はシンの鱗から出て来たような存在。レイナが倒すよりも多く、ほぼ無限に出現するこけら屑はやがてレイナとチョコボの周りを取り囲んだ。

 

 囲まれている中で、レイナは黒鬼徹を持ったまま左手を深いコートの中に手を入れるそして取り出したのはリアラから渡された銃。それをレイナは『左手』で握って持ち、黒鬼徹を片手に叫ぶ。

 

「遠慮は要らねぇ、暴れようぜ!」

 

『クェ!!!』

 

 その言葉に答える様にチョコボは一鳴き、猛スピードでレイナを乗せたまま駆け始める。本来しっかりと歩くことがやっとの傷を負って居るレイナだが、チョコボの上に跨っていれば話は別。中途半端に力の入らない左手も巨大な黒鬼徹を握れずとも引き金を引く事は出来る。レイナに出来ない事は、レイナでは無い存在と道具で完全にカバーしているのだ。そうして出来上がった今の状態は、かなりの戦力を誇る。故にチョコボがこけら屑を踏みつぶし、レイナが遠くの敵を銃で撃ち抜きながら近い敵を切り裂いて行く光景は一騎当千と言って過言では無かった。しかし、数の暴力と言うのは非常に大きい。

 

「いっ!」

 

『クェ!?』

 

 何処からか分からない遥か遠くから、突然レイナに向かって針が飛んでくる。それを避ける事は出来ず、針はレイナの脇腹に真っ直ぐに突き刺さった。主が攻撃された事に驚くチョコボだが、それ以上に危険な光景がレイナの前に広がる。沢山のこけらくずが羽を光らせてこちらを狙って居る様な、そんな光景。と、突然シンの身体が大きく揺れ始める。それはこけら屑たちに取っても突然の事であり、狙って飛ばした針はレイナの横を素通りして違うこけら屑を貫いて行く。

 

「何が……!」

 

 レイナが原因を確かめようと周りを見た時、ゆっくりとシンの左腕が落ちて行く光景が見えた。そしてその光景はレイナの心を昂らせるには十分な出来事でもある。

 

「は、はは……マジでやりやがった。……っしゃ! 一気に行くぜ! 走れ!」

 

『クェ~!』

 

 倒す気は当然ありながらもどこか現実味の無かった【シンを倒す】と言う事実。しかし、今目の前でシンの腕を落とすことが出来たその光景はレイナのおぼろげだった想像の未来を明確な現実の未来へと変えて行く。レイナは飛んでくる針を弾き、撃ち落とし、猛スピードでシンの身体の上を駆け抜けた。そうしてやがてたどり着いたのはシンの頭に近い場所。そこにはこけら屑などでは無く、本物のこけらが伏せた状態で存在して居た。そしてその奥にはシンの身体にまるで生える様に存在し、淡く光る大きな何かが存在して居る。

 

『先程の攻撃の際、微かに腕が光って居ました。恐らくコアの様な物が存在しているのでしょう。本来ならば腕を落としてからが一番ですが、私達……レイナとチョコボだけでは出来ません。ならその上にある頭を狙いましょう』

 

『頭?』

 

『コアがあるなら恐らくそこを壊すのが一番です。そしてコアは必ず腕だけではありません。戦力が少ない私達は一気に決められる場所を狙うのが一番でしょう。恐らくこけら屑が襲ってきますが、狙うは唯一点のみ。そこを壊し次第、戻って下さい。大きな危険は伴いますが成功させるならこれが一番でしょう』

 

「……あれをぶち壊せば良いって訳か」

 

 レイナは津波に襲われてから引き寄せられるまでの本の数分、リアラが素早く考察した内容を思い出す。言葉にするのは簡単だが、目の前には守る様にこけらが。背後には無数のこけら屑が存在し、その行動を妨害して居た。と、突然背後から雨の様に針がレイナとチョコボ目がけて襲い掛かる。すぐにそれに気付いたレイナはチョコボに走る様に言い、それを弾くなどして避け続けた。が

 

「なっ!」

 

 卵の殻の中に居る様に伏せて居たこけら。しかしそれが一瞬で孵る様にして中から巨大な身体が姿を現す。にょろにょろと動く指、恐ろしい顔つき。危険な存在だと見ただけで分かるその姿は、表に出ると同時にレイナとチョコボに向けて攻撃を開始した。触手の様に動く指。その先がレイナとチョコボを貫こうと襲い掛かり、チョコボはそれをシンの大地をキックして大きく跳躍する。と同時に空中からレイナはこけらに射撃を開始した。しかしその攻撃はダメージを与えようとも、致命傷には至らない。

 

『クェ!?』

 

「ちっ!」

 

 チョコボが着地しようとした足元にまるで先回りをする様に指が襲い掛かる。レイナはそれをチョコボから飛び降りて指の途中から黒鬼徹で切断して回避すると、シンの大地に足を付けたチョコボの首に手を掛けて再びその背に跨る。こけらは指が切られた事に悲鳴を上げて居り、レイナは好機とばかりにチョコボに接近する様指示を出す。そうしてチョコボに跨ったまま、レイナはこけらの身体に通り過ぎる様に重い一撃を加えた。大きく悲鳴を上げ、力なく倒れるこけら。その身体が幻光虫となって消滅して行くのを見て安心した次の瞬間、レイナの肩は背後から飛来した針に貫かれる。

 

「がっ!」

 

 強烈な痛みが襲い掛かる中、それでもレイナは持って居る黒鬼徹と銃を絶対に手放さずに針を飛ばして来たこけら屑に向かって発砲を繰り返す。が、しばらく撃ち続けて居た時。やがてカチカチと言う金属音しか銃は音を立てなくなる。その事にレイナは舌打ちすると、銃を大きく空へと放り投げた。その持ち手の下からは四角い弾の入って居た部分、リアラ曰くマガジンと呼ばれる物が飛び出て何処かへと飛んで行く。そしてレイナは懐から同じ物を取り出すと、落ちて来た銃の抜けた空洞にそれを受け止める様にして挿入。再び握りなおし、発砲を始めた。片手が使えずとも、弾を再び込める事が出来たその手際はかなり手慣れて居る様子である。

 

「昔に練習しといて良かった、な!」

 

 見えるこけら屑を只管撃ち続けるレイナ。チョコボも応戦する様に魔法を放ち、1体。また1体とその姿を消滅させていく。……しかし数は減るどころか増える一方。と、その時。再びレイナ達の足元、シンが大きく揺れ動いた。やがてゆっくりと今度は右腕が落ちて行き、シンの上に居るレイナはそれを機に黒鬼徹を大きく構える。そして

 

「破衝撃!!」

 

 衝撃波を大きく飛ばせば、目の前に広がって居たこけら屑がその威力も相まってドンドン外へと落ちて行く。衝撃波は真っ直ぐに飛んだため、こけら屑の軍勢にまっすぐ道を作る様な光景となった。こけら屑は体制を立て直そうとしているが、その前にレイナは近くに居るこけら屑を片っ端から外へと追い出す様にして始末していく。そうしてやがて、レイナの周りに一時のみ敵が居なくなる状況が出来上がった。

 

『何があるか分かりません。やるなら一撃。むやみやたらに攻撃をするのではなく、貴女が出来る最大の一撃で仕留めてください』

 

「これで……決める!」

 

 レイナは出る前に言われたリアラの言葉を頭の中で再生しながら、チョコボの上でコアと向かい合う様にして黒鬼徹を横に構える。そしてゆっくりとその瞳を閉じた。銃を持ちながら左手で刀身の先を抑え、柄をぐっと握り込む。そして静かに溜め始めれば、レイナの周りに風が集まり始める。最初はそよ風の様に優しい物。しかしそれは徐々に威力を増していき、やがてレイナのコートを。チョコボの毛並みを大きく乱すほどまでになる。そうしてしばらく、やがてレイナは目を開くと同時に黒鬼徹を大きく振るう。風はそれに従う様に、共に動いた。

 

桜花(おうか)……狂咲(きょうしょう)!!」

 

 刃の動きに従う様に、風が刃となってコアへと触れる。するとそのコアは一瞬にして中心に大きく深い傷を、周りには何回も切り裂かれた様な切り傷を作り上げた。そしてその一撃はコアを破壊するには十分な物であり、シンはその一撃と共に大きく下降を始める。それに気付いたレイナは急いで飛空艇に戻るため、チョコボを走らせる。落ちて行くにつれて空が高くなっていく中、自分の飛空艇の姿を辛うじて捉えた事で大きくチョコボはシンの大地を蹴り跳躍した。だが、その時

 

「……ぇ」

 

 チョコボに跨って居たレイナの身体に勢い良く針が突き刺さった。シンが力を無くそうとも、そのこけら屑は失わない。無限に増え続けるそのこけら屑は離れるレイナの身体に針を放ったのだ。空中に居たレイナはそれを受け、ゆっくりとチョコボからずれ落ちるのを感じて居た。チョコボは飛んでいる最中故に急激に方向を帰る事も出来ず、シンと飛空艇の間にある何も無い隙間へとレイナの身体は吸い込まれ始める。真っ直ぐに何処までも。その身体は堕ちて行くのだった。

 

 

 

 

37

 

 ゆっくりと落ちて行く身体を感じ乍ら、レイナは自分同様に落ちようとしているシンの姿を捉えて居た。その巨体は両腕を失い、力無く下降し始めて居る。レイナの位置はギリギリ海の上だが、シンが落ちようとして居るのは紛れも無くべベルの街中。位置をずらしたくとも、そんな力を持って居ないレイナは誰も潰されない事を少しばかり願いながら自分の未来を思い描く。今の状態をどうにか出来る術をレイナは何も持って居ない。このまま真っ直ぐ下へ落ちれば、海の藻屑となる事は嫌でも分かった。

 

(ここで終わり……か)

 

 不思議とレイナの心に恐怖の様な物は存在して居なかった。これから起こる事は間違いなく自分の死に繋がる。にも関わらず、その恐怖を感じては居なかった。あるのは何処までも深い『悔しさ』のみ。戦いの中で死を迎える事は覚悟して居たレイナだが、それでも『最後まで』戦いたかったと思うのは仕方の無い事である。自分の母親、つまりユウナの母親でもある人物はシンに殺された。父親はシンを討とうとして死を遂げた。姉は今現在シンと戦い続け、自分は……その姉を置いて先に逝こうとして居るのだから。

 

(後は任せるしか無いか。……頼んだぜ、姉さん)

 

 心に悔しさを抱きながら、それでも託すしか無いレイナの心の声。それが誰かに届く事は無く、レイナの身体は海へと徐々に近づいて行く。来るであろう衝撃に備え、ゆっくりとその瞳を閉じようとしたレイナ。だが、彼女の運命は彼女の思うようには行かなかった。

 

 突然、空が光ると共に雲が巨大な風を受けて動き始める。やがて、空から猛スピードで一体の召喚獣が姿を現した。それはナギ平原でも対当した召喚獣、ヴァルファーレ。その巨体は落下の速度に自らのスピードも加え、レイナとの距離を一気に近づけて行く。そしてその身体を抜いた時、ヴァルファーレは海を背にその巨大な羽を広げた。それは間違いなくレイナを受け止める物であり、突然現れたヴァルファーレに驚くのも束の間。レイナの小さな身体は勢いよく受け止められた。

 

 レイナを乗せた体制のまま、徐々に上へと上がり続けるヴァルファーレ。それを迎える様にユウナ達の乗って居る巨大な飛空艇も近づいて行き、やがてヴァルファーレは甲板の上にたどり着く。そしてそのまま優しく羽で包み込んだ後、レイナをそこに置く様にして降ろした。現在身体に針が何本か刺さって居るレイナ。当然立つのもやっとの身体だが、それでも降ろされた状態から膝をつく事はせずにヴァルファーレの身体に触れる。

 

「皮肉なもんだな……召喚獣に助けられるなんてよ」

 

「レイナ!」

 

 召喚獣を嫌うが故、召喚獣の目の前にも関わらず聞こえる様に言うレイナ。しかしヴァルファーレは大きく胸を張る様にしてレイナの目の前に立つのみで怒る様子は一切無かった。その後、大きく羽を羽ばたかせて空の彼方へと飛び去って行くその姿を見送って居たレイナ。その背後から突然声が掛かる。振り向けば、そこにはユウナを初めとしたティーダ達の姿。胸の前で拳を握り、不安そうに立って居るユウナの姿にレイナは何とも言えない感情を抱く。

 

「助けられちまったな……っ!」

 

「! レイナ!」

 

 何を言えば良いのかも分からず、徐に口を開くレイナ。だが彼女は現在、間違いなく無理をし続けて居た。結果、身体に急激に力が入らなくなった事で片膝をついたレイナ。その姿に思わず駆け寄ったユウナはレイナの傍にしゃがみ込んで心配そうにレイナの顔を覗き込む様にして見る。痛みを堪えて居るのか、苦しそうな表情を浮かべるレイナ。それを見てユウナは「すぐに治療しないと!」と声を上げれば、ルールーとリュックが急ぎ足で近寄り始める。

 

「傷が深いわね。すぐ中に入った方が良いわ」

 

「すぐに医務室を開けて貰って来るね!」

 

 レイナの姿を見てルールーが言った後、リュックは走って飛空艇の中へと入って行く。そんな姿を見て最後、限界が来た様にレイナは倒れてしまう。全員が突然倒れたレイナの姿に驚き、ユウナがレイナの名前を叫ぶ中。徐々に視界が暗くなるのを感じ乍らレイナは意識を手放すことになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウナ達が乗って居る飛空艇の医務室で、レイナはベッドの上に横になったまま瞳を閉じて居た。刺さって居た針は既に抜かれ、彼方此方に包帯をして居る身体。そんなレイナの横にはリアラとココアが座っており、目を覚まさないレイナの姿に心配そうな表情を浮かべて居た。

 

 シンとの戦闘によって、重傷を負ったレイナ。飛び乗ろうとして落ちた時、ヴァルファーレによって救われた時、その両方共を見る事しか出来なかった2人はこうしてレイナの傍に寄り添う事しか出来無い自分を悔いて居た。彼女達の飛空艇は小さいため、この飛空艇の中に簡単に入れる事が出来た。故に2人は頼み込んで中へと入れて貰い、こうしてこの場に居る事が出来るのである。

 

 レイナが眠っているこの間にも、シンとの戦闘は続いて居た。べベルの街中に落ちたシンは、再び身体を上げて立ち上ったのだ。しかし何かを待つ様に巨大な柱に止まったシンに、ユウナ達は正面から挑み始めた。リアラとココアはここに付いた後、シンをどうやって倒すのか。その術を聞いて居た。巨大な身体の中に存在する【エボン=ジュ】。それを倒すのだと。そのために、身体の中へ入る……と。

 

「……私達は、もう何も出来ない。分かっては居る事ですが……悔しいですね」

 

「……」

 

 リアラとココアは現実を痛いほどに理解して居た。例えレイナが目覚めようとも、既に彼女の身体は限界を当に越えて居る。黒鬼徹も落ちた際に海の中へと消えて仕舞い、残って居たのはリアラから渡された銃のみ。自分達は戦えるが、その力が足しになるかと言われれば2人は揃って否定するだろう。戦力が必ずしも増えれば良いと言う訳では無いのだ。下手に足を引っ張れば、それだけで戦力を削ぐことに繋がる。今彼女達が出来る事はユウナ達が無事にシンを倒す事を、レイナが無事に意識を取り戻す事を祈り続ける事でしか無かった。

 

 

 

 

最終話

 

 【シン】。罪が形となった存在と教えられ、様々な召喚士やガード達が倒すために命を散らした。しかしそれでも永遠に復活し続けて居た存在だが、その永遠は断ち切られる事となる。今までシンによって奪われてきた命は計り知れず、また悲しみに落ちた者も数えきれない。しかしこれから二度と、シンによって命を奪われる事も悲しみに暮れる事も無くなるだろう。シンは倒されたのだから。

 

 スピラで2番目に巨大な港街、ルカ。そこにある巨大なブリッツスタジアムには席を埋め尽くす程の人々が座って居た。演説台には誰も立って居ないが、そこに居る人々は誰1人残らずそこを見つめ続ける。そうしてどれくらい経っただろうか。ゆっくりと演説台に1人、姿を現した……途端、歓声がブリッツスタジアムの中に響き渡る。しかしそれも数秒。ゆっくりとその歓声が収まった後、姿を現したスピラを救った者。【大召喚士ユウナ】は口を開き始める。

 

 シンによって齎された沢山の犠牲。それはこの場に居る者達のほとんどが感じて居る物。しかしそのシンは既にスピラから姿を消した。それを告げれば再び巻き起こる歓声にユウナは収まるまで待ち続けた後に再び口を開く。それは自分に言い聞かせる様に、信じたいと言う思いを込めて紡がれる言葉。誰もが一字一句その言葉を聞き、胸に刻み込もうとする。そんなユウナの姿は、声はブリッツスタジアムだけでは無く、外にある巨大なモニターにも映し出されていた。

 

「一つだけ、お願いがあります」

 

 これからの未来を信じる様に語りかけて居たユウナ。彼女はそう言ってブリッツスタジアム内に居る全てを見つめながら思い描く。今までの旅や消えてしまった()。新しい未来の為に無くなってしまった()は二度と戻ってくることは無い。だからこそ、誰の記憶からも消えない様に。居たと言う現実を忘れない様に。【死】は、【消失】は、人々の記憶から無くなって初めて訪れる事を分かって居るからこそ。ユウナは願う。

 

「居なくなってしまった人たちの事。時々で良いから……【思い出してください】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に良いんですか?」

 

「……あぁ」

 

 ミヘン街道へと続く階段を背後に、巨大な街並みを見下ろす3人の少女が居た。人々は皆街の中へと入ってしまって居る為、今現在この場に居るのはその3人のみ。その内の1人が片手に包帯をした状態で手すりに身体を預け、街中を見下ろす仲間の少女に声を掛ける。同じ様に見つめて居た少女も同様に彼女へと視線を送り、対する声を掛けられた本人は唯静かに掛けられた言葉に肯定する。

 

「……勿体ない」

 

「あのな、妹だからとか言う理由でお零れ貰うなんて我慢出来ないっての。それに結局俺は手伝っただけで、主役はあっちなんだよ」

 

 手すりに身体を預け乍ら遥か遠くにある画面に映るユウナを。自分の姉を見つめる少女……レイナは言われた言葉に返すと、身体をそこから離す。そうして振り返れば微笑み顔のリアラ。無表情乍ら「らしい……ね」と言葉を発するココアの姿がある。

 

「行ってたろ? もう世界は俺達の時代なんだってよ。なら俺達は俺達らしく、生きようぜ?」

 

「そう……ですね」

 

「……仇も撃てた……これからは、自分の為」

 

「えぇ。……それに、どうにも放って置けないのが居ますからね」

 

「? 何だよ?」

 

 レイナの言葉にリアラは空を見上げ、ココアの言葉に肯定をした後にレイナに視線を向ける。先程の微笑みと同時に暖かい視線を感じ、レイナはリアラに不思議そうな顔で質問する。だがリアラは「何でもありませんよ」と言うだけで答える事は無かった。レイナもそれに深く聞く気は起きなかった様で、もう1度ルカの街中を。大きなモニターに映る自分の姉を見る。

 

「これから彼女は大変でしょうね」

 

「あぁ。何せ犠牲の無い、【永遠のナギ節】を作った大召喚士様だ」

 

「……スピラの英雄」

 

 ユウナは2人の言う通り、これから先大変な道を歩むことになるだろう。しかし旅をし続けて居た彼女に取って、それは大変では無いのかも知れない。スピラを救った大召喚士ユウナはそれを成し遂げるまでの苦難を。険しい道のりを乗り越える事が出来たのだから。そしてそんな彼女達を支えたガード達もまた、これから先を伝説のガードとして生き続ける事だろう。

 

「……さて」

 

「もう良いのですか?」

 

「何時までも後ろ髪惹かれてる訳にも行かねぇからな。最悪ばれちまう。ココア、準備は?」

 

「……何時でも」

 

 視線を外し、ミヘン街道へと繋がる階段を見上げながら歩き始めるレイナ。実はレイナ、ユウナが演説する数日前に目覚めたばかりであり、まだ彼女が目覚めて居る事をユウナは知らされて居なかった。故に、気付かれてしまう可能性を考えたレイナは長い時間この場に居る気は無かったのだ。唯、それでもシンを倒した大召喚士ユウナを……自分の姉の姿を最後に見たいと思ったのだろう。そしてそれを見終えた彼女は、ココアに質問。その答えを受け、笑顔で空を浮かべる。

 

「今まで以上に長い旅となるでしょう。終わりの無い、永遠の旅です」

 

「……楽しみ」

 

「あいつらはあいつらで生きる様に、俺達は俺達で生きる。これからも3人で……な?」

 

 そう言って笑顔を2人に向けたレイナ。と、そんな彼女の背後から突然鳴き声が聞こえて来る。その声に3人が振り返れば、階段を猛スピードで器用に降りて来るチョコボの姿。そんな姿を見てレイナは頬を掻きながら「忘れてた」と呟いた。

 

「3人と1匹、だったな?」

 

『クェ~♪』

 

 レイナは自分の傍に駆け寄り、顔をその身体に擦りつけるチョコボの頭を撫でながら言い直す。その言葉に機嫌良さそうに鳴き声を上げるチョコボ。その身体を撫でながら、レイナはリアラに視線を向ける。リアラは無言で頷き、今度はココアに視線を向ければ同じ様に頷いた。言葉を発さずともお互いの意思を伝え合い、レイナは2人の後に頷くとチョコボの身体を強めに叩きながら声を上げる。

 

「じゃ、行くか!」

 

≪はい(了解)!≫

 

『クェ~!』

 

 その後、黄色い羽根を数枚残してその場からは誰も居なくなる。ユウナは演説の後、自分の妹が姿を消した事を知る事になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 物語の主役が1人とは限らない。例え最後まで居られなくとも、例え途中で倒れようとも、人それぞれが自分の物語を持って居る。世界を救うその一端を背負い、戦った少女はこの世界(スピラ)に名を残すこと無くこれからも仲間と共に。同じ様に物語を紡ぐ者達と共に生きて行くことになるのだろう。永遠の旅が終わるその時まで、彼女達の物語に終わりは無い。

 

 

 

 

 

おまけのキャラ紹介

 

 

レイナ 17歳

 

大召還士ブラスカの娘であり、ユウナの双子の妹。嘗てアルベド族と結婚した事で馬鹿にされていた父親がシンを倒した際、態度を一変してブラスカを称えたべベルの人間に嫌気が差して家を飛び出した。その後、数年に渡って消息不明になっていたが、リアラとココアに拾われて共に生きていた。

※幼い頃から戦いの練習をしていた様で、短期間ながらアーロンに剣を教えてもらっていた。

 

時を経て、シンを倒す為に命を散らす大召還士を『生贄』と称し、それを止める為にユウナ達の前へ立ちはだかる。

※大召還士を生まない為の行動だが、その根幹には姉が死ぬのを止めたいと思う意思があった模様。

 

長い茶髪にオッドアイと所々ユウナに酷似した容姿ながら、見た目は10台手前程度であり、その理由は2人と出会うまで真面な食事を取っていなかったが故の栄養不足と思われる。ユウナとは対象に性格は男勝りで言動も荒っぽく、一人称は『俺』。スカートを履いていても気にせず足を上げる等、恥じらいは薄い。

※出会ってからは真面な食事を食べる機会もあったが、既に手遅れだった。

※恥じらいは元々リアラ、ココア以外と過ごす事が無かった事で余り必要なかったのが原因。

 

主な戦い方は自身の身長よりも巨大な大剣、『黒鬼徹』を軽々と操って戦う近距離戦。だがリアラから銃を使用する練習も受けていたため、扱える。

※ユウナレスカとの戦闘で左腕を負傷し、後遺症が残って以降は銃を常に携帯する様になった。

 

永遠のナギ節が訪れて以降、再び行方をくらましてしまった。

 

※服装の主なモデルは『超次元ゲイムネプテューヌ』の『アイエフ』。

 

 

オーバードライブ

 

1.画竜点睛

全てを吹き飛ばす竜巻を伴った斬撃を放つ。

対象・敵全体×1

初使用・第8話『シンのこけら戦』にて。

 

2.クライムハザード

敵を貫き、そのまま上へ両断する。

対象・敵単体×3+即死

初使用。第19話『エフレイエ=オルタナ戦』にて。

 

3.破衝撃

剣の衝撃で相手を吹き飛ばす。

対象・敵全体×1+強ディレイ

初使用。第26話『レイナ・リアラ・ココア戦』にて。

 

4.桜華狂咲

感覚を研ぎ澄ませて放つ強烈な斬撃。

対象・敵単体×10

初使用。第36話『シンのコア戦』にて。

 

 

 

 

 

リアラ 18歳

 

嘗てココアと共に召還士のガードをしており、ユウナレスカから究極召還の真実を聞かされて受け入れられなかったが故に殺されかける。

※仲間達は命を落とし、自分達は召還士に庇われて逃げ延びる事となった。

 

希望を失いココアと共にスピラを当ても無く彷徨う中でレイナと出会い、共に行動を開始する様になる。そしてレイナに究極召還の真実を伝え、彼女と共にこれ以上究極召還が生まれない様に召還士を止める目的を持つ。

※何もかもを失ったからこそ、何かをして紛らわせる。もしくは埋めたかったのかも知れない。それは何時しか生きる目的となっていた。

 

長い桃色の髪をした大人の女性。言動は非常に丁寧だが、暴走するレイナの事で頭を抱える事が多い苦労人。傷の手当ても彼女が怪我をする事で必要となって覚えた技術である。

※常にレイナの事で頭を抱えているが、悪い気はしていない様子。

 

主な戦い方は二丁の銃を扱った遠距離戦。その正確さはかなりの物で、狙った獲物へ『必ず命中させる』。

※レイナへ銃を仕込んだのは、もしもの為。

 

 

 

 

 

ココア 17歳

 

嘗てリアラと共に召還士のガードをしており、ユウナレスカから究極召還の真実を聞かされて受け入れられなかったが故に殺されかける。

※仲間達は命を落とし、自分達は召還士に庇われて逃げ延びる事となった。

 

希望を失いココアと共にスピラを当ても無く彷徨う中でレイナと出会い、助けてあげようと提案したのは彼女である。そして親身にお世話をした。その理由はリアラと同じだったかも知れない。

※その結果、レイナを非常に気に入った様子。

 

長い紫髪をした女性であり、非常に無口な為に会話をする事は難しいが、レイナとココアは何となく何を言いたいのか察する事が出来る。また、胸が3人の誰よりも大きい上にそれでレイナへ抱き着く癖がある為、レイナは窒息しかける事が度々ある。

※本人に悪意はない。寧ろ胸が無ければ何時までも抱き着いていられると、若干自分の身体を恨んでいる。

 

主な戦い方は爪を使ってつかず離れずの中距離戦。機械にも強く、リアラやレイナの使う銃の弾丸を開発したりもする。

 

 

 

 

 

チョコボ ?歳

 

ミヘン街道でレイナがチョコボイーターを討伐したお礼に譲ってもらったチョコボ。訓練されていない殆ど野生のチョコボだったが、何故かレイナには従順。

※天敵を軽々と倒したレイナの強さに惹かれたと思われる。

 

キノコ岩街道では落下したレイナの命を救い、雷平原ではレイナに魔法で加勢。最後の戦いにおいてはレイナを乗せてシンの上を走り回る等、明らかに普通とは程遠いチョコボ。本人(本鳥?)はレイナの力になれた事を喜び、彼女に相棒や仲間として扱われる事を誇らしく思っている様子。

※時折仲間外れにされると、鳴き声を上げて自分の存在を主張する。

 

見た目は普通のチョコボ。フワッフワの黄色い毛並みに愛らしい顔。背中に人を乗せても苦しさは無く、共に寝れば安眠必須。

※許した者以外は乗せず、抵抗で出すチョコボキックは岩をも砕く……らしい。

 

主な戦い方は魔法を使った援護。突進やキックも行えるが、殆どはレイナとの行動なので支援に回る。




常時掲載

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