汽車を降りると、「イッチ年生」と大声を出す巨人がいた。おぉ〜、魔法界には巨人もいたのか。
ハーマイオニーに巨人がいる、と言うと、巨人はもっと大きいから違う、と言われた。彼はただの大きい人の様だ。すみません。私がもう一度、大男さんを見ると、眼鏡をかけた男の子と話していた。
私達、一年生は船で学校まで向かうのが伝統になっている。はい、ハーマイオニー情報です。ここからでも見えるけど、あれは学校というより城だ。
今は、ネビルと私とハーマイオニーと知らない子の4人で船に乗っているところだ。ネビルはカエルのトレバーを落とさない様にしっかり持っている。ハーマイオニーは知らない子にホグワーツの説明をしている。うわぁ、あの子、疲れた顔してる。このままじゃ可哀想だ。
「ハーマイオニー。いきなり一方的に喋ったらその子が混乱しちゃうよ。それに時間はあるんだから、もう少しのんびりいこうよ」
ハーマイオニーを少し宥め、とりとめの無い会話に持って行く。何と、二人はお互いの名前も知らずに話していた。暴走しすぎだよ、ハーマイオニー。そんな感じで話していたら、ネビルのカエルがまたもやいなくなっしまい、ハーマイオニーがネビルを慰め、カエルを探し始めた。カエルは手間がかかりそうだから、ペットとしては除外、と。
私と知らない子、改め、ラベンダー・ブラウンは周りにカエルがいないことを確認してから会話を再会する。もちろん、カエルは探しつつだ。
「ごめんね。あの子、あんな感じで止まらなくなっちゃうことがあって」
「ええ、そうみたい。私も疲れたわ」
やっぱり、ハーマイオニーの知識の攻撃でダメージを受けた様だ。ちょっと彼女のことをフォローしておいた。やっぱり自分の友達が悪く思われるのはあまり好きじゃない。私達はカエルを探しながら、城に着くまで会話を楽しんだ。
カエルは学校の玄関に着いた時に見つかった。どうやってそこまで行ったんだろう。謎だ。
そして、玄関ではピーブズとかいう小男が出てきた。え、透けてる。ぎゃあ。声にこそ、出さなかったが、私は驚いて近くにいたラベンダーにしがみついた。ラベンダーは魔法界出身なので私が何に恐がっているのか、分からない様だった。ピーブズはやってきたマクゴナガル先生が追い払ってくれた。先生、お久しぶりです。それと、ありがとうございます。
「先生、イッチ年生を連れてきました」
「ご苦労様です、ハグリット。ここからは私が引き受けます」
私達についてくる様に言い、先生は歩いて行く。私も他の生徒と同じ様について行く。先生は、大きな扉の前で止まり、私達にこれから寮を決めるための儀式を行う、と言う。
儀式? 聞いてないです、先生。血でも捧げるんですか。近くにいた男子生徒がとても痛いらしい、と言っている。えぇ〜、嫌だ。行きたくない。そんな私の意思は関係なく、先生は扉を開ける。中は大きな講堂になっていた。天井は高く、星空になっている。それにろうそくがたくさん浮かんでいる。とても綺麗だ。私だけでなく、他の生徒も天井を見て、驚いている。
少し離れた所でハーマイオニーがラベンダーに、何故部屋の天井が星空なのか、を説明している。ハーマイオニー、止めて。私のメルヘンな気分がぶち壊しになる。
ハーマイオニーの言葉には耳を傾けず、天井を見上げていたけど、周りも気になるので天井から視線を戻す。講堂には大きなテーブルが4つあり、椅子には上級生が座っている。さらに、一番前は、高い段になっていて、先生と思われる人が座っている。私達は上級生や先生に見られながら進んで行く。すると、先生のいる席の前に椅子があり、その椅子にはボロボロの帽子が置かれている。あれを儀式に使うのだろうか。私がそう考えていると、帽子が歌いだした。今日は一日中、驚いてばかりなので、もう驚くのにも疲れた。大切な歌なのか、と思い、聞いていたが、簡単な寮の説明みたいな感じだった。それもすでにハーマイオニーから聞いていたので二度聞きになった。とは言っても、その後の話は聞き流したのであまり覚えていない。『レイノ・アノヒト』が確か、どこの寮だったかな。忘れた。
マクゴナガル先生が呼ばれた生徒は前に来て、帽子をかぶる様に言う。そこから組み分けの儀式が始まった。最初はどんな感じかなぁ、と思ってみていたけど、本当に帽子をかぶって寮の名前を言われ、終わりなので、途中から知り合いの結果だけ見ていた。まず、ラベンダーはグリフィンドール。確か、勇敢な者の集う寮、だったはず。ハーマイオニーもグリフィンドール。多いなぁ、グリフィンドール。その直後に呼ばれたダフネはスリザリン、ええと、手段を選ばない者の寮、かぁ。ダフネさん、実はそういう人なんですか。でも、ハーマイオニーが家柄で選ばれることもあるって言ってたなぁ。私のファミリーネームは「S」だから、まだまだ先だ。
「ポッター・ハリー」
みんなが一斉に静かになり、彼を見る。これ程有名だったのか……。ハリー・ポッターについて考えを改めよう。帽子は珍しく悩んでいたが、最終的にグリフィンドールと叫んだ。その瞬間、グリフィンドールから大歓声が上がる。この後の人は出にくいだろうなぁ。その数人後にネビルが呼ばれる。帽子はネビルに対してもハリー・ポッターと同様、悩んでグリフィンドールと叫ぶ。先ほどみたいな大歓声までは無くとも、歓声で迎えられている。そして、
「サンロ・アリア」
マクゴナガル先生が遂に私の名前を呼んだ。いい加減、立っていることにも疲れていたので、帽子をかぶって座る。どうせなら、グリフィンドールか、スリザリンかなぁ。知り合いがいる方がいいなぁ。帽子は他の子みたいに即断せず、考え込んだ。あれ、私、そんなに難しい子?
帽子は次の瞬間、スリザリンと叫んだ。
私は帽子を置いて、スリザリンの寮の席に行く。それにしても、スリザリンの人の歓声が少し小さい気がする。きっと、後半なので疲れてきたのだろう。私は先輩が空けてくれた席に座る。そして、最後の人の組み分けが終わると、校長先生が話を始める。ええと、名前はダンブルドア先生だったはず。校長先生の話は短かったが、重要なお知らせとして、『禁じられた森』と四階の部屋は立ち入り禁止と言われた。
先生が手をあげると、すぐに料理が出てきた。魔法って便利だなぁ。空のお皿が急に料理でいっぱいになるんだから。料理を楽しんでいると、隣に座っていた先輩が私に話しかけてきた。
「君の名前はあまり聞かないけど、イギリス出身かい?」
「はい、生まれも育ちもイギリスです」
「あ〜、もしかして君の両親はもしかして、マグルかい?」
「はい、両親が魔法使いだ、という話は全く聞いていませんから」
「そう」
それから、その先輩とはあまり話さなかった。他の人も私から話しかけないと、あまり話してくれなかった。私、何かやらかした?
全く覚えが無いけど、魔法界の常識にマグルの常識が当てはまらない、と考えると、やっぱり私が何かやってはいけないことをやったのだろう。私は先輩に聞こうとしたが、校長先生がそこで話し出し、聞けなかった。仕方ない。
最後に校歌を歌ったけど、みんな音程もリズムもバラバラに歌っていた。私も歌おうとしたけど、スリザリンの人がほとんど歌ってなかったので止めておいた。
そして、一年生は五年生の監督生が寮まで案内してくれた。スリザリンの寮は地下室にあり、合い言葉が無いと入れない、と教えてもらった。ちなみに合い言葉は『ヘビ』で監督生がその言葉を言うと、扉が開き、入ることができた。
荷物は予め、運び込まれているので、私は自分の部屋の場所を聞いて部屋に行った。あ、同室の人を聞き忘れた。部屋は二人で一部屋なので一人ルームメイトがいる。仲良くできる人がいいなぁ、と思いつつ、待っていると列車の中で知り合ったダフネがやってきた。
「ダフネがこの部屋?」
「はい、ええと、アリアさんで合ってる?」
「うん、アリアだよ。『さん』はいらないから。七年間よろしく」
「……よろしく」
少しダフネがよそよそしかったけど、疲れていた私は、どちらのベッドを使うか、など最低限のことだけを決めてすぐに寝る事にした。