機動戦士ガンダムSEED REVERSE   作:meitoken

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遂にザラ隊との決戦です。助かったニコルやできるだけオリジナルメンバーなども絡めて頑張ります。


PHASE-24 雷鳴の殺し合い

朝日を背に、ザラ隊のMSはアークエンジェルを補足した。今度という今度こそ逃がさない。アラスカにデータを持っていかせない……今、彼らの頭からはそんな事は既に消えていた。あるのは、仲間の弔い合戦。それ以上は不要だった。

 

バスターが超高インパルス長射程狙撃ライフルに連結させ、アークエンジェルを攻撃した。それが戦いの合図だった。アークエンジェルが火器を起動させ、ミサイルを装填する。

 

 

 

〈キラ、大丈夫だな?〉

 

「はい。」

 

ムウに答えたが、同時にキラは分かりきっていた。アスランの仲間を殺したんだ……当然、仇を取ろうと追ってくる。

 

 

 

スカイグラスパーの一号機と三号機が先陣を切り、トールとシュウは本来の持ち場に着いている。ストライクは後部デッキに、フレイムは回り込んでくる敵を迎撃するために上部デッキへ回り、ウインドはオワゾで迎撃する。

 

イージスとデュエル、ブリッツがビームライフルを撃ち、アークエンジェルがバリアントで迎撃する。七機が散開し、それに併せてミサイルが放たれる。イージスがそれを撃墜し、一号機はバスターに、三号機はブリッツに着いた。ウインドはシューターをライフルで撃ち、シューターもまたビームライフルで迎撃する。

 

グゥルをたたこうとジャンプしたストライクにデュエルはレールガンを撃ち、そのすきに前に回り込んでブリッジをたたこうとしたイージスをフレイムが飛んで阻み、ビームライフルで牽制した。だが、バスターはスカイグラスパーの攻撃を躱して後方からランチャーで攻撃を続け、シューターもまた二機のシグーがウインドを引き離した間にレールガンでアークエンジェルを撃つ。

 

バスターもシューターも火力重視の機体だ。アークエンジェルを攻撃するのには最も適している。電撃作戦のブリッツはこの状況でミラージュコロイドは使えないが、それでもPSであるからビーム以外は効かないので厄介な相手だ。イージスとデュエルはストライクとフレイムに意識を集中しており、スカイグラスパーがバスターとシューターが砲撃するのを阻もうとすれば、二機のシグーが牽制する。総合的な性能で劣る分、二機は徹底して仲間のサポートに徹している。

 

 

 

「ヘルダート、てぇー!!」

 

ブリッジ後部のミサイルがバスターに撃たれるが、対装甲散弾砲で全て撃墜される。その隙を突いてムウの一号機がアグニを撃つが、躱されてミサイルを撃ち返された。一号機は海面すれすれに移動してミサイルをやり過ごした。

 

しかし、ストライクがイージスに…三号機がブリッツにかかりきって、空中戦を仕掛けたフレイムが二機のシグーに機関銃を撃たれている間にアークエンジェルの対空迎撃を躱したアークエンジェルがイーゲルシュテルンを二基、ヘルダートを破壊した。

 

「イーゲルシュテルン四番、五番被弾!」

 

「ヘルダート発射管、隔壁閉鎖!」

 

サイとチャンドラが被弾した火器の状況を報告し、マリューがカズイに問う。

 

「アラスカは!?」

 

「駄目です、応答ありません!」

 

まだアラスカとコンタクトを取れずブリッジの要員が焦り始める中でナタルが再び指示を出す。

 

「ゴットフリート照準……当てろよ?てぇー!」

 

だが、ゴットフリートの砲撃はイージスをかすめることもしなかった。

 

 

 

ストライクは再び空中戦を仕掛けるが、デュエルがサーベルで襲いかかってまたもイージスから引き離される。更に、シューターはあえてウインドがアークエンジェルを背に取ってしまうような形で攻撃を仕掛けた。

 

「く!これじゃあ!!」

 

これでは避ければ、アークエンジェルに当たってしまう!!

 

レールガンとバルカンで機体本体のエネルギーが徐々に減っていく。そこへ、三号機がガトリングでシューターを引き離した。

 

そこから間をおかずにウルカヌスで斬りかかり、シューターも両腕で剣を持った腕を受け止めてせめぎ合う。だが、この状況で完全にアークエンジェルを守ることが出来なくなってしまった。

 

イージスが真上を取り、MAに変形してスキュラを撃つ。回避が間に合わず、エネルギー砲は左舷のバリアントを抉った。

 

 

 

「プラズマタンブラー損傷!レビテーターダウン!」

 

「揚力が維持できません!」

 

チャンドラとノイマンの報告にマリューとナタルも徐々に焦り始めている。

 

「姿勢制御を優先して!」

 

「緊急パワーは補助レビテーターに接続!」

 

ノイマンとトールが必死に操艦するが、ダメージを受けすぎたアークエンジェルは左舷から煙を吹き出しながらゆっくりと高度を落としていた。それを好機と見たブリッツが正面から近付くが、スカイグラスパー三号機が撃ったガトリングでグゥルを破壊された。しかし、ブリッツは艦に取り付こうとスラスターをふかしてブリッジめがけてトリケロスを構える。今撃たれれば、全員死ぬ。

 

が、上部デッキにいたフレイムがブリッツに飛びかかり、蹴り飛ばした。

 

 

 

「ぐぅううぅぅ!!!このぉおおおお!!!」

 

ここまで追い詰めて!キールの仇を取ることも出来ずに!!

 

最後の抵抗といわんばかりにビームライフルを撃ち、ランサーダートも全て発射する。ランサーダートの爆発がフレイムのシールドを破壊し、戦闘機の右翼をビームが撃ち抜いた。それがニコルがこの戦闘で挙げた戦果だった。

 

 

 

ブリッツが最後に撃ったビームに三号機の右翼を貫かれ、三号機は飛行姿勢が崩れている。

 

〈くっ、アークエンジェル!帰投します!!〉

 

レイラの上ずった声が聞こえる。三号機は煙を噴きながら左舷デッキへ着艦した。それを見ていたトールが席を立った。

 

「俺が代わりにスカイグラスパーで出ます!」

 

「トール!?」

 

ミリアリアが声を上げるが、今のトールには聞こえていなかった。

 

「危ないですよ!このままじゃ!」

 

「待ちなさい!ケーニヒ二等兵…!」

 

マリューの制止も聞かず、トールはパイロットロッカーへ向かった。

 

 

 

「このぉおおお!!」

 

空中戦を仕掛けてきたストライクをイザークは蹴り飛ばした。しかし、体勢を立て直したストライクのビームライフルが右足を貫いた。グゥルに戻るタイミングを狙われたのだ。

 

「何!?くそぉおぉぉおおおお!!」

 

また、俺は負けるのか!?こんな無様に!仲間の仇も取れずに!!

 

イザークはまだ終わらないとレールガンを撃ち続け、ストライクのライフルを破壊した。しかし、それで終わってしまった。

 

 

 

「これで終わりよ、足つき!!」

 

もう一度真上に回り込んで、ミサキは剣を抜いた。いくら戦艦のブリッジでもこの高さからたたき込めば貫通できる。グゥルから飛び上がり、そのままスラスターを全開にして剣を突き立てようとしたところをウインドが目の前に来た。

 

「な!?」

 

バルカンで剣を持った腕を破壊され、そのまま後ろへたたき落とされた。

 

「あうぅ!!」

 

 

 

「この野郎ーーー!!!」

 

ミサキを蹴り落としたウインドへイリアはガトリングと機関銃を撃ちまくる。効かなくても、パワー切れにすればシグーでも倒せる。

 

そう考えていたが、ウインドはフライトユニットで後ろへ回りこんだ。

 

「しまった!」

 

アンカーがグゥルのスラスターを破壊し、イリアは爆発で機体の足を失った。

 

「ちくしょーーー!!」

 

 

 

ユリはウインドが二機のシグーを撃退したのを見たが、シューターとバスターが砲撃を続ける。せめて一機だけでも、と一番近くにいたシューターを狙うがこちらに気づいたシューターがライフルで右腕を撃ち抜いた。更に、レールガンが何発かコクピットハッチに当たった。距離が近かったためにモニターがハッチ部分の異常を知らせる。装甲がひしゃげたのだろうか?

 

「ぅぐ!!」

 

爆発に揺さぶられ、機体を立て直した頃にはアークエンジェルから離されてしまった。そして、センサーがすぐ近くにストライクとイージスを捉えていた。

 

キラが危ない!急がないと!!

 

 

 

高度が落ちつつあったアークエンジェルからはトールだけでなく、シュウも出撃する事となった。

 

「二人共無茶はするんじゃねえぞ!」

 

「大丈夫です!」

 

マードックの忠告を受け取り、トールは再び発進する。この発進時のGは二度目だが、不思議ともう慣れてきた。

 

よし、あれだけシミュレーションで訓練したんだ!

 

〈トール!俺はアークエンジェルの守りにつく!〉

 

「分かった!気をつけてくれ!」

 

〈お前もだぞ!〉

 

トールはセンサーを操作し、キラ達の位置を探す。ここから一番近いのは、ストライクだ。すぐそこにイージスがいる。戦っているんだ。

 

 

 

アークエンジェルからシューターを引き離そうとするウインドにシオンは歯ぎしりする。デュエルとブリッツ、二機のシグーが脱落して残りは三機だけだ。イージスはストライクと戦い、バスターはアークエンジェルへの攻撃を続けている。

 

「くそ!しつこい!!」

 

シオンはライフルを撃つウインドを睨み、レールガンとバルカンを撃つ。レールガンがウインドの足の下のフライトユニットを破壊した。ウインドは落下しながらもライフルを撃ち、グゥルを破壊した。二機の落下する先にはストライクとイージスが落ちた島から少し離れた小島が見えた。一瞬小さな家があるようにも見えたが、今のシオンにはどうでもいい事だった。

 

ここで終わらせてやる!ミゲルの!キールの!仲間達の仇を俺の手で討つ!

 

レールガンを撃とうとするが、何度トリガーを引いても発射されなかった。コンソールを見ると、モニターが弾切れを表示していた。

 

「ち!弾切れか!!」

 

シオンは舌打ちをしながら肩に内蔵されたビームサーベルを抜き、ウインドへ向かった。

 

ウインドがアンカーで捕まえるが、それをシューターがビームサーベルで斬ってビームライフルで反撃する。ウインドも左手で剣を抜いて応戦し、バルカンで撃ち返す。

 

 

 

ストライクはアークエンジェルとはぐれたままイージスと戦っていた。イージスがビームサーベルで斬りかかり、まるでアスランの殺気がそのまま上乗せされたかのように押してくる。押し返したストライクにイージスはバルカンを撃ち、ストライクもまたサーベルで切り返す。二機は一進一退の攻防を続けていた。

 

 

 

姿勢制御が出来なくなったアークエンジェルは島に不時着した。しめた、格好の的だ!

 

「これで!!」

 

しかし、戦闘機が二機攻撃してきた。一機のビーム砲がグゥルを撃ち抜き、ディアッカはバスターをジャンプさせて散弾砲で二機とも撃ち落とそうとする。

 

一機のランチャーが右腕を撃ち抜き、もう一機のビーム砲が左腕を撃った。戦闘機の一機は海に不時着し、もう一機は翼を撃たれて墜落していき、シートが射出された。

 

だが、ディアッカはそれどころではない。墜落の衝撃でバスターは動かなくなってしまった。

 

「ハイドロ消失、駆動パルス低下…くそ!!」

 

警告音が響くと、アークエンジェルの主砲がこちらをロックしていた。もう、逃げられない。

 

屈辱だ…!こんな屈辱を、ナチュラル相手に!!

 

ディアッカはコクピットハッチを開き、両手を挙げた。

 

 

 

バスターのコクピットが開き、パイロットが両手を挙げているのをブリッジでも確認した。

 

「投降する気か?」

 

マリューはバスターの回収とパイロットの連行を指示し、同時にもう一つの確認を取る。

 

「スカイグラスパー四号機は?」

 

「は、はい!脱出が確認されています!」

 

「バスターのすぐ近くに救援要請の発煙筒を確認しました。」

 

ミリアリアとトノムラの報告にマリューはほっと一息を着いた。少なくとも、シュウは無事のようだ。ムウの方も海に不時着しており、今救助が向かっている。

 

 

 

ストライクとイージスの戦いをトールは見つけた。押されているようだ。

 

「キラァ!」

 

〈トール!?駄目だ、来るなぁ!〉

 

だが、トールにはそれが聞こえなかった。

 

待ってろ、キラ!今助ける!!

 

イージスをロックオンして、ミサイルを発射する。だが、イージスはそれを躱してシールドを投げつけてきた。

 

「あ…!」

 

 

 

イージスの投げたシールドは回転しながらスカイグラスパーに向かっていった。避ける間もなく、シールドはスカイグラスパーのコクピットに直撃した。カメラがズームにしてそれを映してしまった。シールドがコクピットに直撃した衝撃で、トールの首が飛んでしまったのを………

 

「あ、あああ………トールゥゥ!!」

 

トールが…死んだ。ヘリオポリスで、コーディネイターの僕を庇ったトールが……

 

誰が…殺した?こいつだ。アスランだ。アスランが、トールを…殺した。

 

あの思考がクリアになる感覚がまた来た。

 

「アァスラァァアアンン!!!」

 

許さない!よくも、トールを!!殺す!!絶対に殺す!!殺してやる!!殺してやる!!

 

 

 

レナはコクピットでキラがトールの名前を呼ぶのが聞こえた。

 

「え、トール?」

 

一瞬、操縦を忘れてシューターのライフルが左腕を撃ち抜いた。衝撃で我に返り、距離を置いた。

 

誰が、トールを?イージスが?バスターが?分からない…だが、こいつはその仲間だ。

 

「う、…うう…うわあああああああああああ!!!!」

 

自分自身や機体にかかる負荷もお構いなしにウインドを突っ込ませ、シューターのライフルを躱して右腕をライフルごと切り落とした。

 

殺す!ヘリオポリスを!私達の平和を壊したこいつを!トールを殺したこいつらを殺してやる!!

 

 

 

鬱陶しい邪魔が入った直後、ストライクの攻撃でイージスの左腕が切り飛ばされた。

 

「俺がぁ…!お前を討つ!!」

 

突然、アスランの頭の中が研ぎ澄まされた。いつもの何倍も。両足のサーベルも展開し、ストライクの左腕を吹き飛ばし、反撃で頭が飛ぶがそれでも右足のサーベルで胸を切り裂いた。しかし、コクピットには届かなかった。

 

 

 

「アァァスラァァアアアン!!!」

 

「キラアアァァァァ!!!」

 

二人はもはや互いを仲間の仇としか思わなかった。殺してやる。純然たる殺意にも関わらず、研ぎ澄まされた二人の感覚は機体を正確無比に動かし、敵の動きも機械より正確に捉えていた。

 

イージスがMAに変形し、残った三本のクローで組み付いた。スキュラを発射しようとしたとき…アスランはモニターがエネルギー切れを示しているのに気づいた。

 

このままでは振り払われる。ならば、最後の手だ!

 

シートの横にあるパネルを操作し、アスランは脱出した。脱出から間もなく、フレイムがイージスに斬りかかるのが見えた。

 

 

 

ユリはイージスの投げたシールドがスカイグラスパーに直撃するのが見えた。アレは二号機…つまり、トール。

 

「トールが…死んだ?」

 

誰が…イージス……アスラン?

 

「アスランーーーー!!!」

 

よくも、トールを!キラにあんなに気さくに接してくれた子を!!

 

どこだ!どこにいる!見つけて、殺してやる!!

 

怒りに我を忘れそうなのに、ユリは冷静だった。ストライクとイージスが斬り結ぶのが見えた。左腕でサーベルを持ち、二機の近くへ向かう。そして、イージスが変形してストライクに組み付くのが見えた。

 

アスラン!トールに続いて、今度はキラを!!

 

「させるかーーーー!!!!」

 

殺してやる!!機体ごと真っ二つにしてやる!!

 

イージスのPSが落ちたのが分かったが、もうユリはどうでもいい。トールを殺し、今キラを殺そうとしているアスランを殺してやる!

 

だが、イージスのハッチが開いてアスランが飛び出すのが見えた。その時、フレイムのビームサーベルがイージスに届こうという瞬間だった。

 

 

 

「うあああああああああ!!!」

 

「おおおおおおおおおお!!!」

 

ウインドとシューターは剣で斬り合っていた。互いの剣を躱しながら戦うが、ウインドの剣がシューターのキャノンを破壊し、シューターのサーベルもウインドの頭を吹き飛ばした。

 

「兄さんーーーーー!!!」

 

「レナーーーーー!!!」

 

二機は突っ込んだ。あるのは互いに殺すという殺気のみ。シューターがサーベルを振り下ろし、ウインドが剣を突き出した。

 

ウインドの剣がシューターの脇腹を貫き、腹部が爆発するが直後にシューターがサーベルを振り下ろしてウインドの胸部を切り裂いた。

 

そのまま、シューターはうつ伏せに倒れてウインドも衝撃で仰向けに倒れた。

 

 

 

姉弟の殺し合いが終わったのとほぼ同じタイミング………巨大な爆発が発生した。ストライクに組み付いたイージスが自爆したのだ。正にフレイムのビームサーベルが届く瞬間で、組み付かれたストライクも斬りかかったフレイムも爆発に飲まれた。

 

 

 

「え?」

 

アークエンジェルのブリッジでミリアリアはモニターに示された表示に呆然とつぶやいた。先ほど、トールのスカイグラスパーでもあった表示だ。

 

シグナルロスト?何、これ?

 

二号機がシグナルロストとなって間もなく、ほぼ同時にストライク、フレイム、ウインドも同じ表示になった。

 

ブリッジからでも大きな爆発があったのは確認できた。

 

これ、何の表示?だって、この間の戦闘で四人とも帰ってきた。シュウだってさっき脱出したんだから……

 

ミリアリアはその表示の意味が分からなかった




ザラ隊との決着がつきました。ユリとレナも直接見たわけでないにしても、トールを殺したアスランやシオンに殺意をたぎらせ、シオンもまたキールを殺した側のレナへの殺意を戦っている内にたぎらせた。

ユリの場合はトールを殺した上に、今キラを殺そうとするアスランへの殺意が勝って『キラを助ける』が「そのためにアスランを殺す」にすり替わってしまいました。
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