機動戦士ガンダムSEED REVERSE   作:meitoken

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遂にスピットブレイクが発動されました。そして、キラ達の新しいMSです。


PHASE-28 戻るべき場所

転属が決まったムウ、レイラ、ナタル、フレイの四人はクルー達に見送られていた。

 

フレイは頑なに拒み続ける物の、軍人である以上は逆らえない。

 

「今までありがとうございました。バジルール中尉。」

 

「いいえ…」

 

ナタルも少し、声のトーンが落ちている。命令とはいえ、ナタルも思うところがあるようだ。

 

「また会いたいものね、戦場ではないどこかで。」

 

「終戦ともなれば、可能でしょう。」

 

終戦、か……今の情勢でそれが叶うかどうかは難しいが、戦場を離れた彼女を見てみたい。そんな感傷がマリューにはあった。

 

「彼女をお願いね。」

 

フレイは後方に回されるだろう。業務それ自体はアークエンジェルと変わらないが、むしろ広報素材としてたらい回しにされかねないのでは?

 

ナタルがフレイの手を引き、サイの肩に乗っていたトリィが見送るように少しだけ飛んでいった。

 

「俺も、言うだけ言ってみっかな?人事局にさ。」

 

「私もね…少佐はカリフォルニアで、私はロンドンで教官だもの。」

 

「…貴方達が教えれば、前線でのルーキーの損耗率も下がるわ。」

 

前線でまともにMSと戦えるMAパイロットを後方の教官に回す。それ自体は、多分間違っていないのだろう。だが、同じ女としてレイラは相当の美人だし、マリューとナタルより若い。他の教官に言い寄られたりしないかが不安だし、ムウはムウで生徒に余計なことまで吹き込まないかが心配になる。

 

「今まで…ありがとうございました。」

 

「……俺の方こそ、な。」

 

「…成り行きだったけど、そうね。貴方達や…この子達と同じ艦で……月並みだけど、楽しかった。」

 

子供達も敬礼で答え、二人はナタルとフレイの後について艦を降りていった。

 

 

 

ザフトは遂にオペレーション・スピットブレイクの最終段階に差し掛かっていた。地上部隊は指定されたポイントへ向かう準備が進められており、地球軌道上の輸送艦やローラシア級が降下ポッドを用意している。

 

南アメリカ合衆国が保有するパナマのマスドライバー……『オペレーション・ウロボロス』をより確実な物として、地球軍を地上に封じ込める。同時に月艦隊の補給を絶つ………少なくとも、その戦略上の不利を突きつけることで講和への道のりも開ける。評議会のクライン派もその可能性を信じていた。

 

 

 

アークエンジェルを出たムウ達は搭乗艦の書類を持って転属命令に従うが、そこで目の当たりにしたのは異常な光景だ。

 

「どういう事だ、こりゃ。」

 

ムウはグランドホローの地下ドックにできた兵士の列を見て呆気にとられていた。

 

「まだ、パナマへ出る部隊があるのでしょうか?」

 

ナタルの当惑をレイラは受け止めた。

 

「それにしたって、これは異常よ。まるで……本部が丸々移動するような…」

 

確かにそうだ。ムウは妙な胸騒ぎを覚えた。二人の当惑に気付かないナタルがフレイの書類を見る。

 

「君の搭乗艦は向こうだな。少佐と大尉はどちらです?」

 

「ああ、俺はお嬢ちゃんと一緒だよ。」

 

「私は三人とは別の艦よ。」

 

どうやら、ここでレイラとナタルとはお別れのようだ。そこへ……

 

「ナタル?貴女、ナタル・バジルール?」

 

聞き覚えのない声が聞こえると、若い女性士官が走ってきた。ナタルと同じくらいだろうか……かなりの美人だ。

 

「レベッカ…レベッカ・アルバネーゼか?」

 

「ええ、アークエンジェルが来たって聞いたの。貴女に会いたいから、上陸させてあげようとしたけど、上も掛け合わなくて。」

 

本部の人間が到着したクルーへの上陸を申請、あり得なくはないが内側からの申請もなく艦内待機…捕虜さえ移送しない。とはいえ、今はナタルの知り合いらしい士官が気になった。

 

「中尉、知り合いか?」

 

「失礼しました、アラスカ本部所属のレベッカ・アルバネーゼ少尉。ナタル・バジルールとは士官学校の同期です。」

 

敬礼で返し、フレイもおどおどと敬礼で返す。

 

「ムウ・ラ・フラガ少佐だ。」

 

「レイラ・ウォン大尉……この子は、フレイ・アルスター二等兵。」

 

「『エンデュミオンの鷹』と『新星の隼』………それに、アルスター外務次官の。」

 

「あ…ああ、アルバネーゼ少尉。これは、何か聞いているか?」

 

ナタルが友人ではなく、軍務として問うがレベッカも首を振る。

 

「いえ、私も…急に転属が告げられたので。」

 

この若さでいきなり士官だ……しかも、本部勤務となれば相当にデスクワークか指揮で優秀なのだろう。

 

「で、ナタルの搭乗艦は…ちょっと見せて。あら、私と同じだわ。」

 

「レベッカ…いや、少尉。」

 

「はあ、貴女相変わらずね………少しは肩の力を抜きなさいよ。」

 

「君は、少し肩の力を入れるべきだろう?」

 

どうも、この二人は親しい仲のようだ。少し聞きたいが、今はその時間がない。ナタルが咳払いをした。

 

「では少佐、大尉。」

 

律儀に敬礼をしようとした時、ムウはナタルに手を差し出した。

 

「じゃあ、中尉も元気で。」

 

「あ、はい…」

 

困惑しがちにムウの手を握り、次にレイラと握手をする。

 

「じゃあ、ナタル。生きていたら、艦長と少佐の四人で飲みましょう。」

 

「はあ、私は…ノンアルコールが。」

 

レイラもクスリと笑い、「判ったわ。」と答える。

 

「その時は、私も入れてくれない?貴女達の冒険譚を聞きたいから。」

 

いつの間にか、図々しく割り込んでくるレベッカ・アルバネーゼにムウは少し苦笑した。

 

「その時は、俺に酒注いでくれないかな?」

 

「『エンデュミオンの鷹』にお酒を注げるのもささやかな自慢話になるかもね。」

 

「少佐…私の友人に妙なことを吹き込まないでください。」

 

どうにも、閉まらない別れの挨拶をして、アークエンジェルからの転属者は三組に分かれた。

 

 

 

〈この作戦により、戦争が早期終結へむかわん事を、切に願う。真の自由と正義が示されん事を…〉

 

パトリック・ザラは高らかに宣言した。

 

〈オペレーション・スピットブレイク、開始せよ!〉

 

遂にオペレーション・スピットブレイクが開始された。パナマのマスドライバーを潰し、地球軍を地球に閉じこめるというオペレーション・ウロボロスの強化策だ。

 

しかし……

 

〈スピットブレイク発動されました!目標はアラスカ・JOSH-Aです!〉

 

突然の攻撃目標変更に驚く兵士達。それも当然だ。この件はパトリック・ザラが評議会の承認も受けずに極秘に進めていたのだ。これを知っているのはごく一部の指揮官達だけだ。

 

「頭を潰した方が戦いは早く終わるのよね、ラウ?」

 

「ああ…潰せれば、の話だがな。」

 

そしてその中にはラウ・ル・クルーゼとレイス・シェイドも含まれる。

 

 

 

〈なるほどね……確かに、ありだな。〉

 

〈ええ、目標がパナマと思っているから……本部の高官達を抑えれば、外交でも有利になるんでしょう。〉

 

意図を悟ったイリアにニコルもブリッツのコクピットから頷いた。

 

〈パナマがあっても、本部の高官達を捕まえれば軍の機能不全を狙う奇襲作戦に意図を変えた、って事ね。〉

 

ミサキもその意図を悟り、イザークがほくそ笑んだ。

 

「これで終わりだな、ナチュラル共も。」

 

彼ら四人の分析通り、多くのザフト兵がそう考えた。本部を叩けば、例えパナマが無事でも月艦隊を初め、衝撃は大きい。戦略でも政略でもプラントが優位に立てる。パナマを潰して、持久戦で月艦隊を干上がらせるよりは手早く終わる。

 

 

 

プラントでキラ達はマルキオ導師と共に紅茶を飲んでいた。静かで、穏やかな場所……このまま、ここにいても良いのだろうか?そんな誘惑が訪れる中……議会の用事を済ませたシーゲル・クラインへ通信が来た。

 

〈シーゲル・クライン!我々はザラに欺かれた!〉

 

「カナーバ?」

 

映ったのはアイリーン・カナーバという女性……シーゲルに連絡を取るということは、評議会の議員だろうか?

 

〈発動されたスピットブレイクの目標はパナマではない!アラスカだ!!〉

 

「何だと!?」

 

「え?」

 

「アラスカって…」

 

レナが呆然と手にしていた茶請けの菓子を落とし、ユリも呆然とした。キラも…思わずティーカップを落としてしまった。

 

〈彼は一息に地球軍本部を壊滅させるつもりなのだ!評議会はそんなことを承認していない!〉

 

既にカナーバの報告はキラに聞こえていなかった。アラスカ……アークエンジェルが向かうはずだった地球軍本部。もし、みんな無事なら………今、本部にいるはず。

 

みんな、死んでしまう…!!

 

 

 

ムウ達がアークエンジェルを降り、アラスカ守備軍に配属されたアークエンジェル……何故、宇宙艦のアークエンジェルをアラスカ本部に?月基地ならば、まだ分かるが。

 

そんな疑問を打ち消すような警報が本部全体に響いた。

 

「統合作戦室より入電!」

 

パルがモニターにサザーランドの顔を映した。

 

〈守備軍は直ちに発進!迎撃を開始せよ!〉

 

迎撃!?つまり、ザフトが本部に攻撃を仕掛けてきた!?

 

〈してやられたよ。奴らは直前で目標をこのJOSH-Aへと変えたのだ。〉

 

なんてことだ!今の地球軍は残った戦力の大半をパナマに集中させている!あそこを陥落させられたら、月基地と地上軍が完全に分断されてしまうから!

 

「これで戦えというのも酷な話だけど、本部をやらせるわけにはいかないわ。」

 

「キラ達抜きでやらなきゃ行けないのか!!」

 

先日の戦闘後…マリューの命令でパイロット任務を解かれたシュウはトールの後を継いでノイマンの隣の席に着いていた。普段の整備服から、キラ達と同じ軍服に袖を通した初任務で、いきなりこれだ。

 

 

 

ユリとレナに、キラは自分の胸の内を明かした。ここはとても静かで、居心地の良い場所。でも帰る場所は、戻るべき場所はここじゃない。みんなが…まだ、地球にいる。

 

「僕は、僕達は……行くよ…」

 

「どちらに行かれますの?」

 

「地球へ…戻らなきゃ。」

 

「何故…貴方達が戻ったところで戦いは終わりませんわ。」

 

ユリが頷く。レナも何も言わずに顔を伏せる。そう…ラクスに言われるまでもなく分かっている。第八艦隊と合流したとき、ほんの僅かに話したハルバートンにも言われた。キラの、ユリやレナの力があったところで戦いは終わらない。だからといって、気持ちだけでも何も守れない……

 

「何も出来ないって言って、何もしなかったら…もっと何も出来ない。何も終わらない。何も変わらないから。」

 

キラに呼ばれていたユリとレナも……

 

「また、ザフトと戦われますの?」

 

キラが首を横に振る。

 

「では、地球軍と…」

 

それも違う。ユリがそれを繋ぐ。

 

「地球軍と戦う、ザフトと戦う……そういう問題じゃない。」

 

「僕達は…何と戦わなきゃ行けないのか、少し分かった気がするから。」

 

「ごめんなさい……助けてくれたのに。」

 

レナが謝罪するが、ラクスは礼など不要と言わんばかりに首を横に振る。

 

「分かりました。」

 

ラクスが頷くと、三着の赤い制服が届けられた。

 

 

 

レイラは搭乗間近で警報が鳴った事に気づいた。妙な胸騒ぎがして、本部を駆け回るがおかしい。

 

「どうして、誰もいないの!?」

 

本部に敵襲などという一大危機なら蜂の巣をつついたような騒ぎのはずなのに、すれ違った兵士はほんの僅かだ。

 

「!……嘘、レイス・シェイド!?」

 

いつもの感覚だ…そんな馬鹿な!いくら何でも本部に侵入するのが早すぎる!

 

レイラはバッグから銃を抜き、気配を追う。気配を追った先は司令室の一角だ。

 

後ろ姿だが、ザフトの白服を着ている。レイラは背後から撃つが、相手は流石コーディネイター。横に飛んで撃ち返した。

 

通路脇から撃ち返すと、今度は相手が格闘戦を仕掛けてきた。蹴りを受け止め、拳を躱すが間髪入れずに鳩尾に膝蹴りを食らった。

 

「がっ…!」

 

一瞬、意識を奪われそうになるが手刀で反撃して相手を飛び退かせる。暗がりに加え、バイザーで顔は見えないが直感でこの女が宿敵だと察した。

 

「生身で会えて光栄ね、レイラ・ウォン。」

 

レイラの名前を知っている!やはり、この女がレイス・シェイド!!しかし、なんだ?この妙に懐かしい気分は…

 

「それにしても、貴女もここにいるということはね。『新星の隼』も遂にお払い箱かしら?」

 

お払い箱?一体、どういう意味だ?

 

「まあ、飛べなくなった隼なんて誰だっていらないでしょうしね。ここで殺せないのは残念だけど、今は遊んでいる暇はないのよ。」

 

何かが投げ込まれ、レイラは通路脇に飛び退いた。爆弾かと思われたが、それは閃光弾だ。目眩ましの隙を突いて襲ってくるかと思われたが、あの気配がどんどん遠くへ行く。

 

逃げた?一体、何故?

 

警戒しながら、管制室に入ると中の異常な様子に気がついた。誰もいない……死体の一つも転がっていない。

 

何か情報をつかめないかと思い、パネルを操作するとそこには信じられないものがあった。

 

「嘘……まさか、こんなものが!?」

 

レイラはあのグランドホローの、本部が引っ越しでもするかのような慌ただしさと潜水艦の数……異様なまでの本部の静けさとこの場所の様子の意味を悟った。

 

早く、これをアークエンジェルに伝えないと!!

 

彼女はまだ知らないが、ムウもまたこの異常事態の真相を知り、急ぎアークエンジェルに向かっていた。

 

 

 

キラ達は赤い軍服に着替え、どこかの工場に連れて行かれた。ラクスに習ったザフトの敬礼で返す。周囲はラクスがいる事から、キラ達を案内役の兵士だと思っているようだが、実際は逆だ。ラクスに案内され、工廠らしき空間へ出た。ライトがつき、そこにあった物を見て愕然とした。

 

「ガンダム?」

 

キラが呆然とつぶやいた。

 

三機のMSがそこに佇んでいた。中央の十枚の翼を連想させるバインダーの機体、その右隣機体は同じ様な六枚のバインダーと両腰の火器とそのバインダーにしまい込むように搭載されたストライクのシュベルトゲベールより小さい近接戦闘用の武器を搭載したウェポンケースを装備している。左手の機体は頭部の大型アンテナが後ろに伸びており、通信機能も高いようだが、背中に一対の大型スラスターと二本の対艦刀を背負い、どうやら近接戦闘を前提とした機体のようだ。そして、三機ともGに酷似していた。

 

「これらは、中央がZGMF-X10Aフリーダム、その右手はZGMF-X08Aアフェクション、左手はZGMF-X07Aブレイブです。」

 

ラクスは愛らしい声で機体の紹介をした。

 

「奪取した地球軍のMSの性能をも取り込み、ザラ新議長の下開発された、ザフト軍の最新鋭の機体だそうですわ。」

 

「え、最新鋭って…」

 

ユリが唖然とした。最新鋭ともなれば軍でも重要な機体のはず。それを三機も自分達に?

 

「これを…私達に?」

 

レナが問うと、ラクスはまた愛らしい声で答えた。

 

「今のあなた達に必要だと思いましたので。」

 

彼女はキラに深いまなざしを向ける。

 

「思いだけでも……力だけでも駄目なのです。だから…」

 

たしかに、思いだけでは何もできない。力だけでは気付くものはわからない。

 

「キラの、ユリとレナの願いに…行きたいと望む場所に、これは不要ですか?」

 

これが、自分達の行きたいと望む場所に…願いに必要な物か?否か……

 

必要だ。少なくとも、今の自分達の願いに。

 

パイロットスーツに着替えたキラ達はそれぞれ機体に乗り移った。ユリはアフェクションに、レナはブレイブ、そしてキラはフリーダムに。

 

「…大丈夫?」

 

最新鋭の機体を地球軍の兵士たる自分達に渡す。それは端から見れば反逆以外の何物でもない。

 

「ご心配なく。私も歌いますから……平和の歌を。」

 

キラは理解した。彼女も自分達と同じく、歩き出すのだと。

 

 

 

レナと共に先に機体に乗り込んだユリはキラとラクスの会話を見ながらアフェクションのスペックに目を通していた。

 

「凄い……フレイムの四倍以上のパワー。」

 

このアフェクションは機体の形状も武装も殆どフリーダムと同じだ。いや、型式番号で考えるとフリーダムがほぼ同じなのだろう。右手のルプスビームライフル、腰のクスィフィアスレール砲とラケルタビームサーベル、フリーダムとの違いと言えば、背中のバインダーの数と背中のウェポンケースにあるグラディウスレーザー対艦刀だろう。データを確認すると、シグーのビーム兵器テスト用の武器をこの機体に合わせたもののようだ。シールドには中距離用の高エネルギービーム砲が搭載され、ブリッツのトリケロスから来ているのかもしれない。バインダーの数の違いか、スピードでは後発のフリーダムにやや劣る。

 

この機体はフリーダムとブレイブと比較すればよく言えばバランスがよく、悪く言えば半端。レール砲も追加兵装扱いで、翼のウェポンケースからおそらく対艦刀以外に大型のライフルやレールガンなどの火器を搭載することも視野に入っている、中距離と近接戦闘及びそれによる同機種との連携前提の支援重視の機体なのだろう。それでも武器のどれもがストライクやフレイムの威力を超えていた。これだけの武器のエネルギーをどうやって?

 

 

 

レナはブレイブの武装を見ていた。近接戦闘を前提としたこの機体は、背中の大型スラスターにマウントされている二本のティグリスレーザー対艦刀、腰のラケルタビームサーベル、右腕のビームライフル、左腕のフェルム複合兵装防盾システムはビームサーベルと兼用のアンカー、更に射撃用にビーム砲がある。多分、ソードストライクやウインドとの戦闘データを重点的に利用したのだろう。そして機体の動力源を見て息を呑んだ。

 

「Nジャマーキャンセラー…?」

 

名前で分かる。つまり、これはあのNジャマーを無力化する装置を積んでおり、これらは核動力を用いているのだ。それならばウインドの四倍以上のパワーも納得がいく。しかし、ザフトはプラントへの核攻撃を防ぐためにNジャマーを地球に投下した。それを自らの手で封印を解くとは………もし、自分達が地球軍のスパイなら核攻撃を招くような物だ。

 

 

 

キラはフリーダムを起動させた。翼が青く染まり、機体は白と黒、青の三色に変わった。ブレイブもまたコバルトブルーと黒のツートンに、アフェクションはフリーダムと対になる開発陣の趣味によるのか、バインダーとブレードアンテナがフリーダムより少ない他は翼と脇腹がコバルトグリーンに変わった。

 

「思いだけでも……力だけでも……!」

 

ラクスが見送る中、三機のMSは飛び立った。『約束の地』へ行くために

 

三機は一斉に飛び出し、哨戒行動中のジンとすれ違った。同じく、異変に気づいたジンが何機かやってきた。

 

「やめろ!僕達を行かせてくれ!!」

 

正面からジンが二機撃ってきたが、三機はヘリオポリスの八機を遙かに凌ぐ機動性で踊るように銃撃を躱し、フリーダムがビームサーベルでジンの腕と頭部を破壊した。アフェクションも後ろから撃ってくるジンをビームライフルで頭部を破壊し、ブレイブが対艦刀でジンのスラスターを切り裂いて航行不能にした。

 

そして、地球へ向かう途中で一機のシャトルとすれ違った。

 

三人はまだ知らない……そのシャトルには語り合うべき相手がいることを。

 




フリーダムと一緒に来たユリのX08Aアフェクション……単語としては愛情を意味するガンダムで、フリーダムと並び自由と愛を象徴する天使のガンダムとして考えました。

アークエンジェルでアックスやガトリングで支援したユリのスタイルを反映するようにキラとアスランほど尖った能力はないが全てが高水準でバランスが良いユリのガンダム。悪くいえば半端ですが、三人の中で年長のユリらしいでしょう。

レナのX07Aブレイブ……試作型のドレッドノートが勇敢な人を意味するのに対し、こちらはストレートに勇気。勇敢なるザフト軍兵士の諸君…にそったフリーダムやジャスティスと同じプロパガンダのガンダムです。

ソードストライク及びウインドとの戦闘データ、ブリッツも取り入れてビームサーベルと対艦刀、所謂バスターシールドとウインドに並ぶ近接戦闘型のガンダムで、ジャスティスとコンセプトは同じでもあちらがブーメランや機関銃なのに対して、こちらは正に剣で斬り合うのが前提の機体です。
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