機動戦士ガンダムSEED REVERSE 作:meitoken
ドミニオンのミサイルをフリーダムはフルバーストモードで全て撃ち落とした。カラミティとレイダーが引き続き攻撃を仕掛けるが、フリーダムはまだ粘る。
レベッカはそれを見て圧倒された。
一体、どういうパイロットが乗っているのよ?目標だっていう他の四機も凄いし。生け捕りにしろなんて、無理だわ。
アレを生け捕りになど、一体ダガーが何十機撃ち落とされるか分かったものではない。
アフェクションはブレイブとトゥルースと一緒にグリード、ディザスター、プランダーの相手をしている。トゥルースはビームライフルでグリードと撃ち合っていた。射程距離で勝るトゥルース相手にグリードは間合いを詰められず、ディザスターはアフェクションにランサーダートを撃つが、ビームライフルで二本とも撃ち落とされている。プランダーは機動力で食らいつくが、ブレイブがその機動力に対応しきっている。
コーディネイターが乗っているにしても、凄まじい。五機のパイロットはコーディネイターならばその中でも極めて高い能力だ。
アスランはフリーダムが追い込まれていくのに気付いた。
「キラ!!」
フォビドゥンのビームを躱し、ビームブーメランを抜く。ブーメランがビームを曲げるフィールド、ゲシュマイディッヒ・パンツァーを無視してシールドを切り裂き、アスランは更にビームハルバードで鎌の柄を切り裂いてキラの下へ向かう。その時、カラミティがスキュラをフリーダムに撃とうとしていた。
間に合え!!
アスランはシールドを構えてフリーダムの前に出た。ほぼ同時にカラミティのビームが発射され、アスランは機体を前に出す。
「うおおおおお!!」
溶けていくシールドに構わずアスランは発射口にシールドを密着させる。エネルギーの逆流を受けたカラミティとジャスティスは吹き飛ばされ、直ぐさまフリーダムが援護に入った。
〈アスラン!〉
「大丈夫だ!!」
ハーベストは肘掛けを叩いた。
「えぇい、役立たずが!撃て!」
「し、しかしこの状況では友軍機に当たります!」
「TP装甲だ!それにダガーごときいくらでも換えはあるのだ!!」
「アークエンジェル、ドミニオンに接近します!」
ハーベストはアークエンジェルがドミニオンに近づいているのに気づいた。
「ち!後方からドミニオンを援護する!」
ストライク、バスター、フレイム、シューターの四機は反対側の港を目指してコロニー内部に入り込んだ。
内部には研究施設と思しきビルがいくつも並び、68年に発生したバイオハザードへのX線照射による消毒で大地が赤茶けている。その事件でここは比較的損害が少なく、拠点にしたわけだが……今は。
〈来るぞ!〉
〈来たわ!〉
ムウとレイラが叫ぶと…モニターには新型のMSが二機、そしてディアッカとミサキがよく知る機体がいた。
「デュエル!?」
〈ブリッツ…!?〉
イザークとニコルだ……ストライクとフレイムは新型機と交戦し、ブリッツはシューターに、デュエルはバスターに向かってきた。
〈ほう、今度は貴様がそれのパイロットか…ムウ・ラ・フラガ!〉
新型からアラスカの時と同じ声が聞こえた。ラウ・ル・クルーゼだ。
「くっ、この装備じゃ!」
ランチャーストライカーは火力があるが、既に外での戦闘でエネルギーをかなり使ってしまった。オマケに新型の機動力はジンより高い。取り回しの悪いランチャーでは不利な相手だ。
〈あら、同じ土俵で勝負できるとは嬉しいじゃない。レイラ・ウォン!〉
新型がシールドからビームクローを展開し、レイラはフレイムのシールドで受け止める。
「ビーム兵器を!っ、上等!」
押し返し、レイラもビームライフルとバルカンでレイスの新型機を迎撃する。
「貴様!よくもディアッカの機体で!!」
イザークはディアッカのことは半ば諦めていた。だが、こうしてMSだけが出てきたのを見ると、その事実を改めて突きつけられた。
奴らはディアッカを殺した上にMSまで奪った!八つ裂きにしてやる!!
ニコルはシューターを見て歯ぎしりした。
「シオンの機体…!」
裏切ったシオンのMS…今、シオンはアスランと共に最新鋭のMSに乗って逃亡している。違うパイロットなのは分かっている。
だが…!
「裏切り者の一味が!」
ビームサーベルを展開してシューターに斬りかかった。
アークエンジェルとドミニオンが撃ち合っているとき……デブリから解放されたクサナギがアークエンジェルに合流しようとしていた。それに気づいたダガー隊がクサナギに狙いをつけ、M1隊が迎撃する。
デュエルペイルとイージスは二機で迎撃を行っており、イージスはまだ動きがぎこちない。パイロットが素人と見抜かれてストライクダガーの部隊がイージスに狙いを定めてきた。
リュウはどうにかイージスを動かして攻撃を躱し続け、デュエルペイルがダガーを撃ち落とした。すると、ダガー隊は今度は目標をデュエルペイルに変えた。何機ものダガーがペイルを追い続け、徐々に追い込まれて遂にダガーの一機がライフルの射程に収めた。
「フブキ!」
フブキが…死ぬ?家族のように?今度は、遺体さえ残らないで?
そんな…そんなの、嫌!
リュウの思考が急に研ぎ澄まされた。リュウは自分にかかるGなどお構いなしでイージスのスラスターを全開にしてMAに変型し、ペイルをクローで掴んで離脱した。
「フブキ、大丈夫!?」
〈あ、ああ!〉
ダガーの部隊がまだこちらを狙ってくる。
「しつこい!」
今日が初めてのMS戦…そのはずなのに、リュウはまるで面白いように相手の動きが見える。相手のライフルの角度までが手に取るように。
ダガーのビーム砲を躱し続け、そのままイージスを変型させてスキュラを撃つ。二機のダガーが撃墜されるが、リュウはそれを逃さずに巡航形態で四本のクローからサーベルを展開。ダガーの一機をそのまま真っ二つにした。
キラとアスランが連携を取り始めていた頃、ブレイブとトゥルースはアフェクションと共にグリード、ディザスター、プランダーの相手をしていた。三機は連携など取らない前と同じ早い者勝ちだ。ディザスターのランサーダートをブレイブがビームサーベルで全て切りさき、急接近した。そのままディザスターを蹴り飛ばした。無視されたと思ったのか、グリードも攻撃するが後ろからアフェクションがレールガンで攻撃して注意がそれ、間髪入れずにビームライフルで左腕を切り落とされた。同時にトゥルースがプランダーのライフルを破壊して優位に立っていた。
カラミティ、フォビドゥン、レイダーの三機もフリーダムとジャスティスの連携に翻弄され、ダガー隊はM1とウインドに阻まれてアークエンジェルとクサナギに取り付けない。
このまま押し切れるというところで、ドミニオンから信号弾が上がった。
〈この!この!このぉ!!〉
〈ぶった切るぶった切るぶった切る!!〉
シャニとリョウは信号弾も無視してジャスティスとアフェクションを攻撃し続けるが、オルガがカラミティの砲撃で二機を遮った。
「シャニ!リョウ!」
〈撤退命令だ、ばぁか!〉
カラミティとレイダーがフォビドゥンの前に出て、デジレのディザスターとアルドのプランダーもリョウのグリードを抑える。
〈さっさと帰る。〉
〈おめえあほだろう!?〉
〈でも!だって、あいつ!〉
「今は退くんだよ!また苦しい思いをしてぇのか!?」
〈リベンジのチャンスはあるだろうが!〉
〈ぎ……分かったよ!〉
「……流石に引き際も見事ね。」
マリューは敵になった副長の判断を素直に賞賛した。おそらく、クサナギがデブリを振り払った直後からもう撤退を決めていたのだろう。
フブキはイージスの傍に寄り添った。
「リュウ、大丈夫か?」
〈フブキ?…え、ええ……大丈夫…………勝った、の?〉
「ああ…一時撤退だが、勝ちは勝ちだ。お前は生き残ったんだ。」
〈そ…そう…〉
疲れているようだ。当然だろう…今回が初陣だったのだから。しかし、今の動きは何だったんだ?コーディネイターの操縦を差し引いてもさっきのは異常だ。何度か聞いた、キラとユリのような動きだ。思えば今の戦闘、フリーダム、ジャスティス、アフェクションも途中で急激に動きが凄まじくなった。普段が並外れているから分かりにくいが、あの三人は時折凄まじい動きを見せるという。
ハーベストへの憎悪より、今はフブキにとってそちらに対する疑念の方が勝った。
〈兄さん、大丈夫?〉
「ああ……お前のところの副長、良い判断だな。」
〈うん……アラスカに行く時、とても厳しい人だったけど…〉
ナタルさん……本当にブルーコスモスの言いなりになっちゃっているの?
軍紀に忠実すぎる、所謂マニュアル型の人間ともいうべきタイプだがブルーコスモスの盟主とはいえ軍から見れば部外者のはず。そんな男の命令に諾々と従っているのだろうか?
〈おい!フラガ達から連絡は!?〉
エターナルのバルトフェルドから通信が入ると、確かにストライクとフレイムがいない。バスターとシューターもだ。ムウとレイラがザフトがいると言って、反対側の港へ向かったという。だが、それ以来音沙汰がない。
「僕が行きます。みんなは今のうちに補給と整備を。」
〈私も行くわ。〉
〈俺も行こう。〉
ユリとアスランが名乗り出るが、キラは止めた。
「いや、姉さんだけにして。ドミニオンもまだ完全に引き上げたわけじゃないからアスランはこっちに残って。」
〈ああ、お前まで行ってしまったら俺とレナだけであの六機を相手にする羽目になる。正直、六対二じゃ持ち堪えるのも一苦労だ。〉
〈そうね、ナタルさん………というより、アズラエルの目的って私達のMSかもしれないし。〉
レナの分析はあり得る。国防産業連合理事のアズラエルがわざわざ軍艦で乗り込んでくるということは、こちらのMSに興味を持っているからだ。もしもこちらの五機が核動力搭載型などと知られたら、その先に待っているのは……
〈ユリ、無茶だけはしないでくれよ?〉
副操舵席にいるシュウから連絡が入り、ユリが頷いた。
〈うん、分かってる。〉
色々とあって、随分と間が空いてしまいました。
後半は一番印象に残っているあそこに足を踏み入れます。