機動戦士ガンダムSEED REVERSE   作:meitoken

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後半戦です。


PHASE-41 悪夢は再び…後編

フレイは後部デッキへ向かっていた。眼には先ほどの光景が焼き付いて離れない。そこへ、ナタルがどういう偶然かナタルがいた。

 

「やはり残っていた方が良かったのではないか?月基地に……」

 

あの後、ナタルは除隊を勧めたがフレイは前線且つドミニオンを希望した。今までやろうともしなかった管制の訓練を積んで、ようやくブリッジには入れた。

 

「…前線へ出たからといってアークエンジェルに出会えるとは限らないんだぞ。」

 

そんなこと分かっている。今のアークエンジェルはアラスカを脱走して敵に回っていることも。

 

「でも、私…どうしても会いたいんです。」

 

そう、会いたい。もう二度と会えないと思っていたのに。

 

「キラ、生きてた…だから…!今度こそあって、ちゃんと話…みんなとも!」

 

「なら、ブリッジを出るか?居住区にいればそれほど怖くもなかろう。怖いのだろう?」

 

「こ、怖いけど!私、何も分かってなかったから!みんな必死で…!」

 

ヘリオポリスの時からそうだった。そして救命ポッドで放り出されて、ボアズで見て…実感した。アレが、みんなが見ていた光景なんだ。

 

父が死んだ時も、みんな怖かったはず。なのに比較的怖くない部屋で震えて…キラを侮辱した。

 

だから、せめて同じ恐怖を体感しようとブリッジを希望した。

 

「見ずにすめば、それに越したことはない……この先、戦闘は更に激化する。さっきのような光景も。」

 

あの核爆発がフレイの記憶に一番色濃く残っていた。ユニウスセブンを破壊した核ミサイル……それが何発も撃たれて、アラスカと同じくらいのコーディネイターが…人が死んだ。

 

「あの人……っ、これで戦争は終わるって言ったのに!」

 

騙された。あの男は、最初からこれが狙いだったんだ。自分自身さえ滅ぼすことを望んでいたなんて。

 

「確かに終わるさ…敵である者を全て滅ぼせばな。」

 

 

 

「確かに…終わるのだ。」

 

ナタルとフレイの話をレベッカは立ち聞きしていた。ナタルはああ言っているが、納得しているようには見えない。

 

レベッカだって納得していないのだ。これでプラントにも核を撃ったら、今度はどこに核を撃つのだ?まさか、地球に存在するコーディネイターを一カ所に集めて?

 

いくら何でもそこまでするはずがないし、出来るわけがない……だが、アズラエルやサザーランド、ハーベストならばやりかねない。もしかしたら、外宇宙探査機構や火星、月にまで手を伸ばすのでは?

 

あんな連中の元に、二人を置いておいて良いのだろうか?

 

 

 

ボアズが核攻撃で陥落した報はプラントを震撼させ、ザフト全軍が本国防衛に動いた。

 

〈ナチュラル共の野蛮な核など、もう只の一発とて我らの頭上に落とさせてはならない!〉

 

エザリア・ジュールが演説を行っているのをイザークは聞いていた。

 

〈血のバレンタインの折、核で報復しなかった我々の思いをナチュラル共は再び裏切ったのだ!〉

 

 

 

ニコルはそれを聞いて疑問を抱いた。なら、グングニールで動けなくなったMSを撃ったり、投降しようとした兵士を殺すのは良いのだろうか?

 

パナマでの地獄を見たニコルは、ナチュラルを野蛮だと非難する資格など自分達にあるとは思えずにいた。結局、同じ穴の狢ではないか?所詮、同じ猿から進化した生き物なのだから。

 

〈もはや、奴らを許すことは出来ない!〉

 

だが、核を止めねばプラントが滅びる。それも事実だ……どうやったら、止められるのだろうか?

 

そんな疑念を抱いたまま、ニコルはイザークのデュエルに続いてブリッツを発進させる。

 

 

 

〈ザフトの勇敢なる兵士達よ!今こそその力を示せ!〉

 

地球軍艦隊がザフト軍を射程に収めて砲撃を開始する。ザフト艦隊も撃ち返し、MS隊が激突する。

 

〈奴らに思い知らせてやるのだ!この世界の新たな担い手が誰かということを!〉

 

ダガー隊がジンやゲイツを撃破する中、デュエルとブリッツは他のMS隊を圧倒する勢いでダガーやメビウスを撃墜し、デュエルはドレイク級のブリッジにビームライフルを撃ち込み、ニコルもまたネルソン級の艦底部からビームサーベルで切り裂いて撃沈した。

 

 

 

〈核を例え一つでも…プラントに落としてはなりません。〉

 

アークエンジェル、エターナル、クサナギも急ぎヤキン・ドゥーエへ向かっていた。もはや核戦争を避けることは出来ない。止めなければならない。思いは皆同じだった。

 

〈撃たれる言われなき人々の上にその光の刃が突き刺されば…それはまた果てない涙と憎しみを呼ぶでしょう。〉

 

今度はユニウスセブンの比ではない……全てのプラントが撃たれればヤキン・ドゥーエも核を撃ち返す。そして、生き残ったコーディネイター達は核によって地球を滅ぼそうとする。

 

〈私達は…間に合わなかったのかもしれません。〉

 

そう、間に合わなかった。地球軍に核を撃たせてしまう扉が開かれてしまった。

 

〈平和を叫びながら、その手に銃を取る。それもまた悪しき選択なのかもしれません……〉

 

三隻のMS隊が発進し、フリーダムとジャスティスはエターナル艦首部分に取り付いていた追加兵装ミーティアを装備した。これは核動力搭載型MS専用のオプションパーツで、MSを遙かに凌駕する機動力と一個艦隊を相手に出来るほどの火力を獲得する。

 

核を放棄したザフトが核で動く最強のMSを開発し、今またその核で動かせる兵器で地球軍の核を止める。酷い矛盾だ……

 

しかし…

 

〈でも、どうか!今、この果てない争いの連鎖を断ち切る力を!〉

 

そう、思いだけでも…力だけでも駄目なのだ。今は、この思いを現実にする力が必要だ。

 

キラはアクセルを踏み、ミーティアのスピードで戦場へ向かう。ジャスティスが同等の速度で後を追い、核動力のブレイブ、トゥルース、アフェクションが後を追う。

 

 

 

イザークは新型の六機がジンやゲイツを圧倒するのが見えた。イザークはレイダーに向けてアサルトシュラウドの火器を撃つが、全て防がれる。ブリッツはミラージュコロイドを展開しようとするが、この乱戦では展開しても味方の流れ弾に当たってしまう。カラミティを接近戦で撃破しようとするが、火力に圧倒されて近づけない。

 

その間にグリード、ディザスター、プランダーの三機がMA部隊を護衛するのが見えた。

 

〈イザーク、アレは!〉

 

ニコルに言われるまでもない。核だ。

 

「あのミサイルを落とせ!プラントをやらせるなぁぁ!!」

 

ジンがカラミティに撃ち落とされ、ゲイツはフォビドゥンのビーム砲に対応できずに撃墜される。グリードは対艦刀でシグーを両断し、ディザスターもビームライフルで僅かなMSを撃墜する。そして、レイダーとプランダーはデュエルとブリッツを翻弄しており、イザークとニコルも近づけない。

 

もう、プラントへの道を遮る物は何もない。終わりかと思われたとき…突然核ミサイルが全て爆発した。

 

〈フリーダム、ジャスティス!?〉

 

ニコルが気づいた。それだけではない。ブレイブ、トゥルース、アフェクションが新型部隊を牽制し、ストライクやフレイムも遅れてやってきた。

 

〈地球軍は直ちに攻撃を中止してください。貴方方は何を撃とうとしているのか本当におわかりですか?〉

 

 

 

「何なんですか、この子?」

 

ナタルはその声を知っている。一度アークエンジェルで出会ったラクス・クラインだ。

 

彼らは現れた。オーブの時と同じように、地球軍を止めるために。いや……

 

メンデルでマリューが言った地球軍そのものに対する疑念……それがこの証明だと。

 

「まあ、なんであれ邪魔をするのであれば敵です。アレも厄介なMSですしね……ちょうど良い。一緒に消えてもらいましょう………プラントと共にね。」

 

 

 

ラクスの言葉を地球軍は聞かず、後続のメビウスが核を撃つ。今度はデュエルがアサルトシュラウドの火器とライフルを撃ち、バスターがランチャーを連結させて核を狙う。ブリッツとウインドがビームライフルを撃ち、シューターはレールガンとライフルを一斉に発射、ストライクとフレイム、更にイージスがスキュラで核を狙い、デュエルペイルも全ての火器でミサイルを撃つ。

 

フリーダムとジャスティスがミーティアの火器で更に攻撃し、それでも撃ち漏らした部分は射程距離と火力に優れたトゥルースが砲撃し、アフェクションがライフルとレールガンを撃ち、ブレイブはライフルとシールドのビーム砲を連射した。

 

第二波の核攻撃も阻止された。

 

 

 

ラクス・クラインの一派が現れたことはヤキン・ドゥーエのパトリックの耳にも届いた。だが、パトリックはこれを自作自演と一蹴した。

 

「部隊を下がらせろ、エザリア!我らの真の力、今こそ見せてくれるわ!」

 

「ジェネシス、照準用ミラー展開。」

 

「機動電圧確保、ミラージュコロイド解除。」

 

「PS、展開。」

 

 

 

ヤキン・ドゥーエから全軍退避の指示が出た。ジェネシス……噂には聞いていた決戦用の兵器を今ここで使うのか?

 

後退しようとしたその時、イザークはフリーダムとジャスティスが取り残されている事に気づいた。

 

「下がれ!ジャスティス、フリーダム!ジェネシスが撃たれる!!」

 

〈ラクス・クラインのMS隊はそこから離れて!早く!死にます!!」

 

イザークとニコルは思わず通信回線をオープンにして叫んだ。聞こえたのか、フリーダム、ジャスティス、ブレイブ、トゥルース、アフェクションの五機が地球軍から離れ、ラクス・クラインのMS部隊もそれに続いた。

 

 

 

「Nジャマーキャンセラー起動、ニュークリアカートリッジを激発位置に設定。」

 

「全システム接続、オールグリーン。」

 

「思い知るがいい、ナチュラル共。この一撃が我らコーディネイターの創世の光とならんことを。」

 

パトリックの後ろでラウとレイスは聞こえないようにささやき合った。

 

「創世、ね…」

 

「果たして、そうなるかな?」

 

二人にとって待ちわびたときがようやく来た。確かに創世ではあるだろう……ただし、ラウとレイスが望むのはパトリックが望んでいるような物ではない。

 

「発射!」

 

パトリックの命令と同時にヤキン・ドゥーエ後方に現れた巨大な物体からまた巨大な光が放たれた。




遂にジェネシスが発射されました。

ただ、ここのところ色々忙しく、身が入らないときがあるので投稿のペースが落ちるかもしれません。
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