機動戦士ガンダムSEED REVERSE   作:meitoken

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駆け足且つ、色々と省いてますがキラは覚醒です。




PHASE-7 目覚める刃

アークエンジェルに戻ったキラは艦を危険に晒す行為を働いたという罪状の元で軍法会議にかけられたが、民間人である事を考慮され、不問となった。艦長室を後にし、サイ達とも話した後に通路を渡っていると、待っていたのか、ユリが立っていた。

 

「キラ、ちょっといい?」

 

「姉さん?」

 

ユリに導かれるまま、展望デッキに移動するとユリは唐突に口を開いた。

 

「ここでの貴方とあの子の話、聞かせて貰ったわ。イージスのパイロット、アスランだって事……どうして黙ってたの?一言言ってくれれば良かったのに!」

 

ユリの問いにキラはしばし黙ってしまった。先程、サイとミリアリアからもカズイがラクスとの会話を聞き、イージスのパイロットの件を知られていた。そして、それがまさかユリにも聞かれていたとは。

 

「ゴメン。姉さんにまで同じ思いをしてほしくなかったから……」

 

思い悩むのは自分だけで良い。その思いからユリには黙っていたのに遂に知られてしまった。逡巡するキラの頬にユリの手が触れる。

 

「バカね……そういう事はお姉ちゃんにも相談しなさい…なんでも一人で引きずらないでよ。私達姉弟なのよ…」

 

その言葉にキラは心が温まった。ユリは昔から自分やアスランに気を遣ってくれている。過保護なくらいだ。この年になってもそれは変わらないので最近は鬱陶しく感じていたが、かけがえのない姉であることは変わらない。キラは姉の元に戻って良かったと思った。姉弟の間に安らいだ空気が流れる中、艦内に警報が響いた。

 

 

 

ヴェサリウスが無事にラクスを保護し、現在合流予定であったラコーニ隊に送り届ける途中であることを聞いたガモフではようやくアークエンジェルを捉えていた。

 

「月艦隊との合流前に仕掛ける事はできるけど、こちらが月艦隊の射程に入るのに十分しかないのはきついわ。」

 

「逆だろ。十分あれば沈められるだろう?」

 

「ああ、所詮はナチュラルの艦だ。」

 

「臆病者は黙っていろ。」

 

ニコルは少々頭にきた。確かに十分とは微妙だが、相手はMS三機に加えあの二機のMAもいるしアークエンジェルもかなり手強い。ミサキの言うとおり十分では難しいのだが、イザークはもちろんの事ディアッカとイリアも彼女の慎重論をあざ笑った。

 

「奇襲の成否は実行時間で決まるものではない。やってみる価値はあると思うぞ。それに、第八艦隊と合流されたら下手に手出しできない。」

 

「キールの言うとおりだな。どうする?十分……賭けてみるか?」

 

レイスとキールもやる気のようだ。

 

「…わかりました。」

 

「副隊長が決めれば私達に拒否権はありません。」

 

結局、ニコルとミサキも同意し、彼らは搭乗機に向かった。

 

 

 

「せんそうよー!またせんそうよー!!」

 

ヘリオポリスから来た女の子が駆け回り、キラがぶつかった。

 

「ごめん!大丈夫!?」

 

「うん。」

 

「大丈夫、また戦争だけどこのお兄ちゃんが守ってくれるから。」

 

「ほんと?」

 

女の子の問いにフレイが頷き、キラもそれに見送られる。

 

「そうよ…みんなやっつけてもらわなくっちゃ。」

 

フレイは女の子の手を強く握ったことにさえ気づかなかった。

 

 

 

「レナ、大丈夫?」

 

「……本音は行きたくない。あの人達の誰かが行けば良い。」

 

「…これが、最後だから。ここさえ切り抜ければ第八艦隊と合流できるから。」

 

「はい…」

 

レナは力弱く答えてロッカーから出る。

 

 

 

「敵機機種特定。デュエル、バスター、ブリッツ、ジン四!」

 

「あのローラシア級か!バリアント、イーゲルシュテルン機動!ミサイル発射管、装填急げ!」

 

ナタルがすかさず指示を出し、発進準備も進む中、マリューが激励を送る。

 

「あと数分で月艦隊と合流できる!各員健闘を!!」

 

 

 

G三機が円陣を組んで接近してくると思いきや、散開した隙間からビームが飛んできた。機体で射線を隠すとは奇抜な戦術だ。デュエルはまっすぐにストライクに向かい、ムウはバスターを押さえ、ブレイズとウインドはジン三機を、レイラがハイマニューバの相手をしている隙にブリッツはアークエンジェルに攻撃を仕掛けていた。

 

「ここでやられてたまるかぁっ!」

 

キラは叫びながらデュエルに斬り返してきた。デュエルはそれをシールドで受け止め、更に斬り掛かってきた。

 

 

 

ユリとレナはジン三機と交戦していたが、少々苦しかった。ジンは実弾が主兵装のためにPSのおかげで致命傷は避けられるが、経験なら向こうが上だ。モニターの片隅でもゼロ二機はバスターと指揮官機を抑えるのが精一杯のようだ。これではアークエンジェルの援護に行けない。

 

「く!ここまで来て!」

 

レナは背中のウルカヌスを抜き、敵機へ突っ込んだ。

 

〈レナ!援護するわ!〉

 

ブレイズはライフルでジンを散開させ、ウインドはパーソナルカラーに塗られた黒いジンへと向かった。

 

 

 

「く!」

 

キールはジンを後退させる。レーザーを用いたあの対艦刀は厄介だ。喰らえばジンなどあっという間に真っ二つだ。とにかく、ライフルでエネルギーを消耗させるしかない。

 

〈ったく、こいつら腕を上げやがって!!〉

 

イリアが毒づいてライフルでフレイムを撃つが、シールドに阻まれてエネルギーを削ることも出来ない。ならばと、ミサキがバズーカを撃った。シールドによってダメージはないが怯ませるには十分だ。その隙を突いてイリアが実体剣で斬りつけた。効果はないが、エネルギーを消耗させるには十分だ。しかし、すぐに立て直されてビームサーベルで斬りかかられ、ギリギリで後退した。僅かにジンの装甲が溶けており、あと少し遅ければイリアは死んでいただろう。

 

〈イリア、大丈夫!?〉

 

〈ああ、もうちょっとで消し炭だった!〉

 

 

 

レイラはジンを相手にしながらチラリとウインドに目をやる。つい先日、先遣隊とアルテミスの件で相談をされたばかりなので精神的な問題があるのではと危惧していたが、どうやら落ち着いているようだ。レイラはひとまず安堵し、ジンに集中した。

 

ハイマニューバの機動力はGには届かないが、それでもザフトのエース機として評判も良い。ガンバレルを潰されることはないが、流石にレイス・シェイドはガンバレルにこちらを狙わせまいと機動力を活かして攪乱している。

 

「いい加減にしつこいわね!!」

 

 

 

〈キラ!ブリッツに取り付かれたわ!戻って!〉

 

ミリアリアの声に気付き、サイドモニターに目をやると、アークエンジェルは何時の間にか取り付いていたブリッツに攻撃を受けていた。出撃前に見送ったフレイと民間人の少女の顔、同時にその先の光景が目に浮かんだ。

 

アークエンジェルは沈めさせやしない!

 

キラの頭の中が弾けた。

 

キラはデュエルの脇腹にサーベルで斬り掛かり、脇腹から火花が散った。撃墜に至らなかったものの、その隙に引き離すには充分であった。デュエルが後ろからライフルを撃ってくるが、今のキラには計器の細かな数値、敵の位置、攻撃の軌道、何もかもが面白いように分かる。デュエルのビームを難なく避けたキラはブリッツに突っ込んでいった。ストライクに気付いたブリッツは艦から離脱するが、キラはそれより早く機体を操作し、ブリッツに膝蹴りを喰らわせた。その時、後ろから追いついてきたデュエルが斬り掛かるが、キラは凄まじい反応でアーマーシュナイダーを先程露出した脇腹に突き刺した。脇腹で爆発が起こり、デュエルはそのまま動かなくなった。

 

 

 

ストライクの攻撃を受け、腹部が爆発してから動く様子のないデュエルをブリッツが受け止める。

 

「イザーク!」

 

〈イザーク!?イザークどうした!〉

 

ニコルとディアッカが呼びかけるが、通信機からはイザークの〈痛い…痛い……〉といううめき声しか聞こえない。イザークの心配をする彼らにレイスのいつもの冷たい声が聞こえた。

 

〈第八艦隊が来るぞ…ヴェサリウスの合流を待つ。〉

 

流石にMSがあるといってもガモフだけで第八艦隊と戦うのは無理がある。ならば、ヴェサリウスと合流して次の手を考えるのが常道だ。

 

〈くそ、ここまで追い詰めて時間切れかよ!〉

 

〈それより、早くイザークを!〉

 

イリアが歯噛みするが、ミサキはイザークの方を心配している。

 

〈イザーク、すぐにガモフへ運ぶ!もう少し、こらえろ!〉

 

キールも呼びかけ、ブリッツがデュエルを抱えて後退する。

 

 

 

二機のジンを相手に粘ったユリはキラの凄まじい戦いぶりに呆然としていた。

 

「キラ、どうしたの?」

 

〈姉さん?いや…僕にも、何が何だか。〉

 

アークエンジェルを守ろうと、無我夢中だった?本当に、それだけ?

 

訝るが、アークエンジェルの方から月の援軍が来るという報告が来た。ヘリオポリスを脱出して、ここまでの道のり。ようやくアークエンジェルは味方と合流できたのだ。

 

「助かったのね…」

 

 

 

エース用と思われる黒いジンを退けたレナもようやく安堵した。これで、やっと降りられる。

 

「兄さんと戦わなくて、済む…のね。」

 

でも、本当にこれで…いいのだろうか?

 

レナの中に、あのままあの人達を放っておいて良いのだろうか?という疑念が渦巻いていた。シオンのことも放って。

 

 

 

ガモフがアークエンジェルの追撃に失敗してイザークが負傷したという報告はアスラン達の元にも届いた。が、まずはラコーニ隊にラクスを引き渡すのが先であった。

 

シャトルへ乗り込むラクスがシオンをじっと見ていた。

 

「…何か?」

 

「いえ、あの地球軍艦に貴方と雰囲気のよく似た方がいらっしゃったので。」

 

シオンは一瞬、ぎくりとした。アークエンジェルにいたというのならば、やはりレナにも会っていた可能性が高いのだろう。

 

こちらの当惑に気づいたか、気づかないかラクスはアスランを見て微笑んだ。

 

「何と戦わねばならないのか。戦争は難しいですわね。」

 

何と、戦わねば?

 

一体、それはどういうことなのだろう?

 

 

 

「そうよ…みんなやっつけなくっちゃ。」

 

キラ達は気づいていなかった。イージスのパイロットがキラの友人であるという話を…フレイにも聞かれていたことを。

 

それを聞いたフレイの心は既にどす黒い青写真を描いていた。

 

「でないと、戦争は終わらないもの。」

 




第八艦隊との合流です。ここで一端、休止もかねてキャラとMSの紹介も挟みます。

オリジナルキャラのユリとレナのパイロットとしての技量、キラを10とした場合二人は9か8です。キラが異常なのもあって、参考にならないかもしれませんが。また、シオンも赤とはいえ成績の上ではアスラン達より下ですが今はアスランとほぼ五分です。

尚、カガリと一緒にヘリオポリスに来た彼は砂漠でも出ますが、それまで紹介なしにさせてください。といっても、カガリと一緒の時点で設定は気づかれてしまうかも。 
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