星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 はたして私はどこまで書き上げられるのか。



十話

「それで……だが、襲撃者(帝国の騎士)達はどこに?」

「あー……彼が召喚したアンデッドと、()が召喚した天使(エンジェル)追い払いましたよ。ああそれと、今さらではあるが名乗りましょうか。

 ()惑星統括細胞(スターセル)、そして仮面の彼はーー」

「私はアインズ・ウール・ゴウンと言う、これから……縁があるかもしれませんね」

 王国ね……一通りの事は調べておこう。

 

「その………1つ聞いていいだろうか」

「彼の仮面の事だね」

「すまない、やはりどうしても気になってしまう。その仮面は何かあるのだろうか」

 まぁ、そりゃそうでしょうね。誰だって気になるよこんなの、知らなかったら僕だって気になるし。

 

「〖どうします、オルトさん〗」

「〖んー、そうだね、ここは〗

 彼処(あそこ)にいるアンデッドの制御装置……とでも思ってください」

「あのアンデッドの………制御装置。(あのアンデッド、間違いなく私より強い。

 成る程確かに、アレを制御するための外部装置があってもおかしくはない……のか? 少しは魔法の事を勉強するべきだな)

 つまりゴウン殿は魔法詠唱者(マジック・キャスター)なのだろうか」

「ええ、そうなりますね」

「スターセル様。お持ちいたしました」

「あぁ、ありがとうございます。村長さん。

 さて、ガゼフ戦士長。この装備(・・・・)、ご存知ありますか?」

 

 ガゼフ達に見える位置に先程の襲撃者達が着ていた装備を村長に置かせた。

 ━

「こ、これは!」

「隊長、間違いありません。帝国の紋章とその鎧です」

「やはり今回の襲撃は帝国のーー」

 

 ガゼフ達が鎧を検分しているとオルトが村を抜けた先に視線を向けた。

 ━

「……アインズ、別の襲撃者だ。水晶の画面(クリスタル・モニター)。コイツらだね」

 天使? ユグドラシルの召喚モンスターに似ているが……もしそうであれば……

 

「またか……どうする友よ」

 

 タメ息を吐き頭を抱える。

 ━

「相手するのは良いんだけど……狙いはこの村じゃないね」

「貴殿も魔法詠唱者(マジック・キャスター)だったのか」

「ええまぁ、一応は」

 

 彼等の目線の先には沢山の天使が飛びまわり、その下には何者か達がいた。

 ━

「アレは……スレイン法国の者達か」

「アレらをご存知のようですね」

「はいゴウン殿、彼等の正体はスレイン法国の者達でしょう。スレイン法国には召喚に長けた魔法詠唱者(マジック・キャスター)がいる……と言う話は聞いた事が有ります」

 

 目算、数十~百数m先には火花を散らし、装甲を着た天使が空を埋め尽くしていた。

 ━

「天使を召喚する魔法詠唱者(マジック・キャスター)……ねぇ……

 で、あればアレは間違いなく炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)で良いだろう」

 やはりアレらはユグドラシルの召喚モンスターか……問題は何故ココ(この世界)アレら(天使)がいるのか、だ。

 やはりこの世界にユグドラシルの魔法を持ち込んだプレイヤーが過去に居る、或いは現在進行形で居るかのどちらか……探索範囲を広げるか。

 

「問題はその天使召喚部隊が何故こんな場所にいるのか……理由は分かりますか?」

 

 ガゼフは2人を交互に見て思い当たる節が無いのだろうと結論をだした。

 ━

「………御二人に身に覚えがないのでしたら、答えは1つ。私でしょう」

「成る程、どうやらあなたは恨まれているみたいですね」

「自覚はありませんが……戦士長という地位に就いている以上仕方ない事ではあるが……本当に困ったものだ。

 それで、あれ程までの天使召喚が行える魔法詠唱者(マジック・キャスター)を揃えられるのは先程も言いましたがスレイン法国で間違いない。

 そして、このような任務に従事することを考えれば非合法活動を主な任務とする特殊工作部隊……六色聖典(ろくしょくせいてん)

 最も、私も噂に聞く程度ですが……どちらにせよ、数にしても腕にしてもあちらのほうが上だな」

 

 ガゼフ・ストロノーフ……1つの国の特殊部隊が、1人の人間の為にあれ程まで徒党を組んで、尚且つ召喚モンスターをも使い、ガゼフ・ストロノーフと言う人物を対処しようとしている。

 そこまでする必要はなんだ? する意味は? 何者だ? この男には何かが(・・・)あるのは確かだ、なら僕がとるべき手段は……

 

「〔百貌居るか?〕」

「〔基底のザイード、御身の傍に〕」

「〔ガゼフ・ストロノーフを始めとした隊員達一人一人に最低三人付けて監視をしろ、些細な事であろうとも見逃すな隠すな、必ず()に伝えろ〕」

「〔畏まりました、我が主(マイ・マスター)〕」

 ()ずは、1つ。次はーー

 

「〔ガゼフ含めた戦士達を監視する者達以外の百貌は天使を操る者共を監視せよ〕」

「〔お任せを〕」

 さて、と。どうしたものか………なんかもう考えるのがメンドクサクなってきた。

 

 ━━

 

 ━━━━

 

「スターセル殿、先程あの天使の名を言っていましたが、何か弱点等は知っておられますか」

「弱点? 弱点……すみません、特段思い付かないですね」

 あの程度のモンスターに手こずる事なんで無かったからなぁ、何かアドバイスできる事……。

 

「強いて言うのでしたら……ガゼフ戦士長、アレらはどこまでいこうが召喚モンスター。

 天使を倒したところで召喚者が生きていれば魔力(MP)が尽きない限り次々と召喚されます。

 天使を狙うのも大事ですが、可能なら先に召喚者を討ってください」

「成る程、心得た」

 出来るかどうかは別問題だろうけど、そこは僕が気にするところじゃないし。

 

「………ゴウン殿、スターセル殿。良ければ雇われてくれないだろうか」

「それは何故?」

 

 その意味などオルトは分かっていた、分かっていた上でガゼフを問いただした。

 ━

「もし、雇われてくれるのであれば我々とは別動隊で動いていただきたいのだ」

「〖どうします? 俺はどっちでも良いんですけど〗」

「〖それは同感だけどココで手を貸してしまえば彼らの実力が分からないままで終わる、それはちょっと面白くないかな〗

 ガゼフ殿、あなたと共に戦う事は出来ません」

「………報酬は望み通りのモノを渡そう」

「それでもお断りします。()達が手伝う必要性を感じない」

「………かの召喚された……イヤ、止めておこう。制御用の外部装置が要るのだ、私では扱えないことは流石に分かる」

「ソレは正しい判断だ、君達の部隊に被害が出ない保証は無い」

「それなら王国の法を用いて強制徴集というのはどうだ」

「ソレを選ぶのなら()達はあなたに失望し、ココから去るだろう。最も、ソレが私達がとる一番穏便な選択ですが」

 

 その言葉は暗にそれ相応の行動をとる……と、言外に伝えているのだ、ガゼフとて馬鹿じゃない、気づかない訳がない。

 ━

「(ふぅ、これ以上この2人に何を言っても無意味だろう。それに、スターセル殿が言いたい事は分かるつもりだ。

 我々全員がこの村を出てしまえば、この村を守る為の戦力が無くなってしまう、そうなればこの村はあまりにも無防備が過ぎる。

 彼らがこの村を助けた意味が無くなってしまう。スターセル殿はそれを懸念しているのだろう……ハハ、私もまだまだだな)言う必要は無いだろうが、これだけは言わせて欲しい………この村を頼む」

「行き掛けの駄賃……程度で良ければ」

「あぁ! それでも構わない、礼を言う。

 もし王都にこられることがあれば、お望みの物をお渡しよう。ガゼフ・ストロノーフの名にかけて」

 

 手を離して2人に跪こうとするが、それはアインズ(モモンガ)に止められた。

 ━

「そこまでなされる必要は有りませんよ、我が友はこの村を気に入っているらしい、であれば友たる私も手伝うのは当然の事。

 我ら、アインズ・ウール・ゴウンの名にかけて」

「感謝する、ゴウン殿スターセル殿。これでもはや後顧の憂いは消えた。

 私は前のみを見て進ませていただこう」

 ふむ、どうせだしアレを渡しておくか。

 

「……ガゼフ戦士長、その前にコレを差し上げます」

「なにやら手の込んだ品物に見えるが?」

 

 戦地に赴くガゼフに背部に小さな羽が付いた穏やかな顔をした、1頭身の天使像のアイテムを渡す。

 ━

「なんて事の無いアイテムですよ。まぁもう手に入れる事は出来ませんので、珍しいと言えば珍しいかもしれませんね」

「そのような貴重なアイテムを貰っても良いのだろうか」

「ご安心を、()には必要の無いアイテムですから」

 イベガチャから出たゴミアイテムだし、まだ腐る程有るんだよねぇ、アレ。

 

「そうか、であれば有り難く頂戴しよう。ではゴウン殿、スターセル殿。名残惜しいが私は行かせてもらう」

「闇夜に紛れて、ではないのですか?」

 

 首を横に降り「闇視(ダーク・ヴィジョン)などを使われれば意味がない、それどころか我々のほうが不利になる。

 それに『私達が逃げ出した』というところを視認して貰わねばならん」

「成る程。王国の戦士長という地位に相応しいお考え、敬服いたします。ご武運を祈っておりますガゼフ殿」

「自分を囮にするか、確かに効果的だ。ガゼフ戦士長の命を度外視すれば……ですが」

「その程度、承知の上ですよスターセル殿」

 中々どうして、肝の据わった人だね。ガゼフ戦士長か、気に入った。ならココは1つ策を巡らせるか。

 この状況、僕などうするか……『逃げ』は無い。そんなモノは作戦とすら言えない。

 確かに、戦略的撤退は一考の余地はあるがそれは一度戦ってから考える事だ、戦う前に行うのはただの敵前逃亡でしかない。よって『逃げ』は論外だ。

 故に最初の作戦を考えるとしたら……敵陣に突貫する。うん、作戦の1つとして考えられる。が、危険性を孕んでいるのも事実。

 やるならそれこそ囮を使う、使うなら()以外を使う。

 そうだな、やまいこくんにやってもらい色々と動けば茶釜くんが釣れるだろう、そして茶釜くんがそんな事になれば、なんだかんだでペロくんも釣れる。

 これで見事に囮を2人ゲットだ。やまいこくんにはそうだな2人の後ろに居てもらえば良い、その次には……次は……いや、今それは関係無い、考える必要も無い。思考を切り替えろ……思考を戻せ……今は関係の……無い事なのだから。




 なんだかんだ言ってもオルトくんも皆が大好き。
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