星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 神を信仰し天使を使役するスレイン法国の天使系魔法詠唱者(マジック・キャスター)集団。六色聖典(ろくしょくせいてん)の陽光聖典隊長、ニグン・グリッド・ルーイン。果たしてこの男はどうなるのか。



十三話

「(何者だ? この者等は、ガゼフは何処に行った。この男のどちらかが隠したのか?)」

 

 死闘の痕跡が僅かに残る草原、草原を染め上げていた鮮血は夕日が隠し血生臭さは風に流されていた。

 ニグンの前には突如として現れた見知らぬ男が2人と全身鎧を着た正体不明の者が1人、奇しくもガゼフが言ったいた数と似かよっていた。

 確かに彼に焦りは有る、されど気づかれないよう取り繕い、正体の分からぬ3人に問いかける。

 ━

「誰だ、貴様らは、ガゼフ・ストロノーフを何処にやった」

「ああ彼かい、彼は安全な場所に移ってもらったよ、彼は良く戦ったからね。

 勇敢な戦士には休息が必要だ」

「場所を移した? この短時間で? ハッ! そのような事などあり得ぬわ、嘘を吐くにも現実味の有る嘘を吐くと良い。まあ良い。

 貴様らを殺しその後であの男を探せば良いだけの事。そして、貴様等に私が出る必要すら無い。

 お前達よ信仰を示し天使であの不届き者どもを………殺せ」

 

 炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)に確実に指示を出した、しかし自慢の炎の上位天使達は動かなかった。

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「な、何故だ、何故天使達が動かん! ハッ! 貴様らか! 我らの天使に何をした!!」

「私は何もしていないとも、ただ……ソレらが我が友に攻撃をする事が出来ぬだけだ。

 それと、あなた方に聞きたい事が有りましてね、あなた方が連れている天使は第三位階魔法辺りで召還出来る炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)だと思うのだが………合っているかな?」

 

 わざわざ聞く必要は無かった、モモンガ達にとって確認ですら無い質問。だが、わざと聞いた。

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「何も言わないか………()も気になっていたんだけどな。何せユグドラシルと同じモンスターを召喚しているんだ、ユグドラシルのモンスターは神話などから来る名前が多い………特に天使系や悪魔系が多かった。

 ソレらはキリスト教関連、となるとこの世界に宗教としてキリスト教がなければならない。しかし、()が知る限りそんな宗教は無い、であれば上位天使(アークエンジェル)と呼ぶ天使の存在は不自然だ、これ以上無い程に。

 それはつまり………この世界に私達と似た者の存在があるということになる。うん、実に興味深い」

「何を………(なぁに)を言っている貴様らは! 我らの天使がどうとか、我らの天使が攻撃出来ぬなどと! あり得ん! その様な事、あり得んわ!! であれば! であるのならば!! この(わたぁし)が! 直接殺してやろう! 監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)よ! あの男を殺せぇ!」

 

 自身が召還出来る攻撃力は低いものの大抵の人間であれば容易く殺せる天使を召喚し、そして己のタレントを最大限使い、その手に持つメイスを以て殺すように指示を出した。が、やはり動かなかった。

 ━

「な、何故だ………何故動かん! 何故(なぁぜ)動かんのだ! クソ! クソ! クソ! はぁはぁはぁ……もう良い、こうなれば最高位天使を召喚する!!」

 

 懐から魔封じの水晶を取り出し掲げ自慢げに声高らかに叫ぶと、陽光聖典の隊員達が色めき立ちモモンガ達に思い思いの魔法を放ち時間稼ぎを試みる。

 最も彼等に低位階魔法などという物は意味がなく時間稼ぎにすらならないが二人は伝言(メッセージ)での会話に夢中で奇しくも時間稼ぎが出来ていた。

 ━

 最高位? あぁアレか、警戒する必要すら無いな。

 

「〖だ、大丈夫なんですか? 最高位天使って至高天の熾天使(セラフ・ジ・エンピリアン)なんじゃ〗」

「〖ん? あぁ大丈夫だよ。彼らが言う最高位天使は恐らく威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)だろうからね〗」

「〖はぁ!? 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)!? アレが最高位天使なんですか!? しかもその程度のモンスターを魔封じの水晶に入れているんですか!?〗」

「〖多分ね、村で威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を召喚した時、襲撃者達が威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)を見て、最高位天使だのなんだの言ってたんだ。

 それより、呼び出した後どうするかなー天使である以上今の(・・)()には通用しないし、可哀想になってくるね〗」

「〖そうですね、どうしましょう。さっきの奴らみたいにしますか?〗」

「〖それが一番手っ取り早いかな〗」

 

 その結果魔封じの水晶から彼等の言う最高位天使の召喚を成功させ、彼等は声高らかに勝利の勝鬨(かちどき)をあげた、何故ならばその天使は彼等にとって希望そのものであり勝利を確信できる程の物だからだ。

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「ふ、フフフ、フハハハ! これこそが!! この天使こそが、二百年前に大陸中を荒らし回った魔神の一体を単騎で滅ぼした最高位天使だ!! もう貴様等に助かる(すべ)は無い!!」

「本当に威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)だったか、もったいない。その程度のモンスターに魔封じの水晶を使うとは、誰がそんな事を」

「本当にね。でも仕方ないさ彼等にとってはアレが最高位なんだよ、惨めでしか無いけどね」

「つ、強がりもそこまでだ、最高位天使たるドミニオン・オーソリティが貴様等を打ち砕き! ガゼフを探しだし殺した後、あの村を蹂躙してくれるわ!!」

 

 この発言に反応したのはモモンガだった。肩を僅かに揺らしながら籠手を外し仮面を取り、そして指輪(・・)を外した。

 そしてソコの現れたるは濃密な死の気配を漂わせるまさしく死の神が立っていた。

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「な、なんだ、何故あなた様が……闇の神たるスルシャーナ様がソコにおられるのですか!? あ、あり得ない! あり得ていい訳が無い!! 何故我らの前に立ちはばかるのですか!」

 

 モモンガの姿を見てニグン・グリッド・ルーインは動揺を隠せなかった。その理由は単純なモノ、今のモモンガの姿はスレイン法国に伝わる闇の神:スルシャーナその者だったからだ。

 彼の動揺は部下達にも伝播する、伝播してしまう。故にニグンはーー

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「この私が……この私達、アインズ・ウール・ゴウンが手ずから助けた村を蹂躙する? 不快だな。

 ただ殺すだけではすまんぞ人間ども!」

「いや、いいや!! あり得ない……こんな事あってはいけない、我らはスルシャーナ様に刃を向けたのか!? ……違う………そんな筈は無い!! スルシャーナ様がこんな辺境におられる筈が無い!! アレはスルシャーナ様を騙る大罪人だ! 殺せ、あの不届き者を直ちに殺せ! 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)! 善なる極撃(ホーリースマイト)を放てぇぇ」

 

 否定するしか無かった。ただただ大声で部下達を奮起させるために、最高位天使さえも召喚し最強の一撃を放つも何も起きなかった。

 何故ならソコには予想だにしなかった存在が現れたからだ。

 ━

「へぇ、闇の神ねぇ。だとしたら光の神もいるのかな?」

 

 ニグン達が見たのは純白の衣服だと思っていた代物が次々と開き10対20翼におよぶ翼へと変わる瞬間であり自分達がした大罪が脳裏を過る。

 ━

「アーラ・アラフ………様」

 

 隊員の1人が呟くと他の者達もざわめき、1人また1人と頭を垂れ、遂にはニグンも地面に付かんばかりに頭を下げる。

 ━

「お、恐れ多くは光の神:アーラ・アラフ様。

 我らはあなた様の行いを邪魔をするつもりはございません。お、御許しを………」

「アーラ・アラフ……ね」

 確かそんなプレイヤーが居たような気がするけど………思い出せないな。天使系ならナザリックと敵対しててもおかしくないけど、う~ん思い出せん。

 ま、後で調べるか。

 

「そうか、昔はそう名乗っていた事もあったね、だけど今は違う。

 今の()惑星統括細胞(スターセル)、この惑星を統括せし者、即ち輝く星の神なり。

 我に己の罪を懺悔し告解せよ」

 

 全て翼を広げたオルトにニグンは国から言い渡された命令を話す。その最中(さなか)大きく空が割れた。

 ━

「おや? 今のは情報系魔法かな? どうやら誰かが君達を監視していたようだね」

「そのようだな、効果範囲内に我々が居たが故に対情報系魔法の攻勢防壁が起動した」

「うん、だからたいして覗かれてはいないと思うけど……何を仕込んでいたかな? 覚えてないや。

 アインズ、君は何を仕込んでいたか覚えてる?」

「ん? そうだな………確か、広範囲に影響を与えるように強化した爆裂(エクスプロージョン)だった気がするが、こんな事ならもう少し上位の魔法を仕込むべきだったか」

「中々良い魔法仕込んでいるんだね、()は何にしたっけ? んー……あぁ、思い出した。

 魔力大呑(エーテル・ドランカー)にしたんだ。通りでMPが溢れて余剰MPが出来てるのか、今頃どうなってるのかな。

 ま、死ぬことないし……それに自業自得だからどうでも良いけど」

 うっわエッグい事するなぁオルトさん。アレってマジでエグいんだよなぁ、オルトさんがいる空間内でオルトさんのパーティー以外のプレイヤーに敵性モブとNPCのMPを根こそぎもってくんだよな。

 それに、MPの回復アイテムが無いユグドラシルにとってオルトさんは魔法詠唱者(マジック・キャスター)の天敵、その結果付いた別名が魔法詠唱者(マジック・キャスター)殺し。

 しかも余剰MPがストック出来るんだっけ? ズッルいよなーアレ。




 オルトくんの種族と職業(クラス)考えるの難しいし面倒くさい、ただレベルは付けやすい。
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