星雲からの使者 作:完全にわかのバカ野郎
「ソチラは偽装工作だ、本命は墓地。しかもアンデッドの軍勢おまけ付きでな。数は数千はゆうに超えている」
「な! 何……じゃと……」
勿論適当だ、あの数を数える気はない。
「ん? その男は誰だ、さっきはいかなったと思うんじゃが」
「彼は私の仲間だ。来るのに少々時間が掛かってね」
「そうか、期待して良いんじゃな」
「うん、安心して良いよおばあさん。
事実、ここにいる3人の中で一番強いのは間違いなく
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「それで、だ。リイジー・バレアレ、私達はその中を突破する予定だ。問題があるとすれば、アンデッドの軍勢が墓地の外に溢れ出ないとも限らない事だな。
この話を多くの人間に伝えて、外に出ようとするアンデッドがいるならば押しとどめて欲しいと伝えてくれ。最も証拠に乏しい情報だが、この街でも有名なお前が言えば耳を傾けてくれるだろ? もし何も準備せずにアンデッドが墓地の外に溢れ出したら………厄介な事になる、そう思わないか?」
本音を言えば多くの人間が助かるのが好ましい、が。折角だ、騒いでもらって解決した時の名声を上げるのに使わせてもらおう。
「話は終わりだ。時間が惜しい、我々は早速向かう」
「待て! アンデッドの軍勢を突破出来る手段を持っておるのか!?」
ナーベラル、クヴァール。そしてブリュンスタッド、この3人を見渡し「我々4人が居るからだ」とリイジー・バレアレにつげた。
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エ・ランテル外周部。城壁内のおおよそ4分1、西側地区の大半を使った巨大な1区画。ソコこそエ・ランテルの共同墓地である。
他の街にも当然墓地は存在するが此処ほど巨大なものは無い。それはアンデッドの発生を抑止するためだ。
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「意外と発展した街だね」
「はい。要塞都市として機能させるのにこれくらい必要何でしょうね」
「まぁ、墓地をあんなに大きくしたのは疑問だけどね」
「そうですね、この世界だと負のエネルギーが溜まると発生すると言われているのに」
「本当にね、だからこんな事に使われる。頭が良いのか悪いのか……どっちなのかな。
まあ
遠目から墓地に溢れるアンデッドを見ながら他人事の様に言う。
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「ブリュンスタッドさん。そろそろ行きましょうか」
「ああ、君達の凄さを見せつけようか」
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「アンデッドだ! アンデッドの大軍だ!!」
耳を澄ませれば、蠢くような音が壁の向こうから聞こえる。全員で先の衛兵な続き、目の前に広がる光景に言葉を失う。
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「何なんだよ、この数は……」
「100や200じゃ済まないぞ………1000は………いるのか?」
衛兵達が騒いでいると、街の方から4つの人影が近づいてきた。
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「お、おい! 此処は危険だ! 直ぐに離れ……」
衛兵が離れるように言おうとした時、5つの人影がしっかりと見えた。
ソコにいた1人の冒険者は漆黒の瞳が英知を感じさせる魔獣を横に連れた
冒険者が来た! と喜んだがプレートの色が目に止まる。その色に先程の期待から落胆に変わった、それはプレートの輝きが銅だからだ。
最低ランクの冒険者に衛兵の1人が、この絶望的な状況に「もう、終わりだ」と呟き、それでも衛兵であるが故の言葉が出た。
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「聞こえなかったのか! 直ぐに此処から離れろ!」
衛兵の気遣う言葉を聞き流し、モモンガが「行きましょう、ブリュンスタッドさん」と隣にいる威風堂々とした王とさえ思える程の気配を漂わせた男が「うん、行こうか」そう言うとモモンガは背負うグレートソードを抜き放つ。
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「お前達、後ろを見ろ。危ないぞ?」
男の声に弾かれたように背後を振り返った衛兵達は死が脳を過る。
何故ならソコには4mの壁よりも巨大な影があったからだ。
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「あ……ああ、終わりだ」
そのアンデッドは無数の死体が集まって出来た巨大なアンデッド、
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「うわぁあああ」
絶叫し、我先にと逃げ出そうとした時、目を疑う光景が目の前に広がった。先程の戦士がまるで槍を投げる様に剣を投げたのだ。それも信じられない速度で。
慌てて飛んだ先へと視線を向けた衛兵達の前には更なる驚く光景が有った。それはネクロスオーム・ジャイアントが大きく後ろにのけぞり、そのまま倒れていくところだった。
ソレだけでも信じられない出来事だが、更に信じられない事が起きた。それはーー
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「邪魔だねアレ」
漆黒の戦士の隣にいる王が如く男が手を振るうと、あの巨大なアンデッドが微塵切りになった。
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「これで見晴らしが良くなった」
「何が……いったい何が、起きたんだ」
ボソリと呟き、目の前の出来事を呆けて見ていると、漆黒の戦士の隣にいる王が如く男が衛兵に「門を開けてくれるかい」と、まるで散歩に行くかのような声色で扉の横に立つ衛兵に言葉をかけると、衛兵は少しの間何を言っているのか分からず、数度瞬きを繰り返し漸く男の言葉を漸く理解する。
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「ば、馬鹿を言うな! 向こうにはアンデッドの大軍がいるんだぞ!!」
「うん、知っているよ。だから開けろと言ったんだ、アレを片付けるからね。
だから君、開けてくれるかい」
堂々とした振る舞い、自然と頭を下げてしまいそうな威厳のある声、故にその衛兵は扉を開けた。
彼ならあのアンデッドの大軍をどうにか出来るのではないかと思えてしまったからだ。
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「ありがとう。
「はい。お気をつけて。ご武運を」
扉を開けた衛兵は墓地に入る4人と1匹の魔獣へと無意識にその言葉が出ていた。
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「さて、クヴァール、ナーベラル。君達は雑魚を片付けてくれるかな。
「お任せください、オルト様」
「ウム、久方ぶりに暴れるかのう」
その言葉に満足しモモンガとブリュンスタッドは奥へと向かう。
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「彼処だね」
「カジット様」
「馬鹿なのかい君達は、まあ知ってるいるから今更だけどね」
「何?」
「良い夜だな、つまらない儀式をするには勿体無い程にな」
「ふん、儀式をする夜は儂が決める。貴様らには関係無かろう」
「確かにその通りだ、だから……その儀式を邪魔をするのも
「もう1人は何処にいる、女がいるだろう狂った女がな」
静かで平坦な、人間性の無い声で問い掛ける。
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「アンタらあの
「雑魚? それは君達の方だろう? イヤ、今はそんな事はどうでもいい。君達に聞きたい事がある。
どちらが彼を攫った、どちらが攫う計画を立てた」
「あ、ソレ私ぃ。法国からさー」
「そうか、君か。君があのタレント持ちを使う計画を立てたのか。
その為に叡者の額冠を法国から盗み、自力では使えない魔法を使う為に本来は女しか装備出来ないアイテムを、彼のタレントで悪用してこんな巫山戯た事をするとはね。
やっぱり雑魚なのは君達だね」
「何でそんな事知ってんだよお前」
「言うと思うかい? 脳足りん。まさかソコまでお花畑とは思わなかったよ」
「あ"あ"!! てめえ死にたいの? てか殺す」
そう言いうとクレマンティーヌがブリュンスタッドに武技を使い飛びかかってくる。が、ブリュンスタッドには届かず驚き、すぐさま後ろに飛び退く。
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「……へぇ、ちょっとはやるじゃん。(今のは武技か? 何の武技だ)」
「今……何かしたのかい? あぁ武技とやらを使ったのか、気づかなかったよ」
今度は会話の途中に魔法が飛んでくる。が、またもやブリュンスタッドの前で弾ける。
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「ん? 今のは
「!? (何だ、今あの者は何をした。武技? イヤ魔法か、どちらにせよミスリル級以上だな)」
「彼は……ンフィーレア・バレアレは何処だ」
どこまでも抑揚のない声で喋る。
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「言う訳ね~じゃんバ~カ」
「それもそうだね、じゃあ後で聞こう。君を殺す前にね」
「あ"あ"てめえが何処の誰か知んねぇけどさぁ、てめえごときがさぁ、この人外相手に勝てると思ってんの?」
「へぇ、人外……ねぇ。それは愉しみだよ」
「てめえ、マジでムカつくな。楽に殺してやらえねぇよ」
「それは
君は楽に殺さない、懇願されても殺さない。死の苦痛を味わわせ続ける、それでも殺さない。
楽に死ねると思うなよ」
「は? 何でてめえが私の名前知ってんの」
「さぁ、何でだろうね」
「ふ~ん……ま、いっか。殺す前に聞けばさぁ」
「ははは、流石気狂い女。出来もしない事を夢見ているのか」
「〔俺はあの男を相手します〕」
「〔ああ、頼むよ。殺しても良いけど死体はナザリックに連れていこうか、聞きたい事が山程有るからね〕」
2人で話し合っていると今にも刺し貫かんとばかりに睨むが、さっきの事を思いだし威嚇するだけで終る。
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「何こそこそ話してんだよ、そんな余裕がてめえらにあると思ってんの?」
「有るから話し合っているんだよ。
さて、君とは向こうでやろうか、此処で4人でヤるには狭いからね。それじゃあモモンくん、頼んだよ」
「任せてください、すぐ片付けます。
さて、掃除をするとしよう。
カジット・デイル・バダンテール。お前のくだらないお遊びはもう終わりだ」
「何故儂の名を! イヤ、今貴様は何と言った!! 遊びと……遊びと言ったか! 貴様は!! 儂の崇高なる儀式を遊びと宣うか!! 貴様には分かるまい! 儂の願いが! 貴様は生きて帰さん! ただ殺す! アンデッドにすらせずただ殺す!!」
「そうか、私を殺すか。出来るのであればするといい、出来るのであればの話だがな」
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「アンタって
「へぇ、それは面白そうだね。でもそちらは愉しめないから君で愉しむとするよ」
「お前……この人外――英雄の領域に足を踏み込んだクレマンティーヌ様を相手に楽しむとかさぁ……今の内にほざいてなよ」
「ははは。君に、本当の、
「へ~、教えてよこの私にさぁ。英雄の領域に立つ私に」
英雄、か。確かニグンが言うにはガゼフ・ストロノーフが英雄の領域に入るかどうかだったか。
つまり、コレは彼より強いのか、愉しみだな。
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「これだけ離れれば良いかな。さぁ人外とやら、殺り合おうじゃないか」
「ハッ、一瞬で殺してやるよ。
能力向上、能力超向上! 疾風走破」
3種の武技を使い一瞬でブリュンスタッドに接近し、スティレットを突き刺す。しかしーー
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「武技を使ってその程度かい? 期待外れも良いとこだ」
「!? (私の最速の突きが届かない!?)」
彼女のスティレットはブリュンスタッドの数cm前で止まっている。まるで見えない壁がそこに有るかの様に。
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「じゃあ、
手を振るう。そう、ただ手を振るっただけの……攻撃ですらないその行為は、クレマンティーヌに危機感を抱かせるのに充分なモノだった。
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原作と違い、クレマンティーヌの相手はオルトくん。攫ったのはカジッちゃんでも攫う計画を企てたのはクレマンティーヌだから仕方ないね。
しかし問題はモモンガくんが戦士として成長する機会をどう作るかだ。