星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 コキュートスの失敗・デミウルゴス牧場は原作通り発生。オルトくんは何を言うんですかね。まぁ基本的にオルトくんは原作に起きる出来事には関与しませんが、今回のデミウルゴスの行動にはどう思うのか。


四十八話

「スクロールの材料となった獣はどんなモノだ」

 何故デミウルゴスはスクロールの材料を確保したんだ? 必要無いと言った筈だが……オルトさんに頼まれたのか? 

 

 何故スクロールの材料を確保しようとしたかは後で聞こうと考え、一先ずどのような獣から作られているのか疑問に思い、支配者としては知っておいた方がいいだろうと判断しデミウルゴスに聞く。

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「獣? …………ああ! アインズ様が仰った獣達ですが……そうですね、ローブル聖王国に生息しておりますので聖王国両脚羊でアベリオンシープなどという名前はどうでしょうか」

 

 ピクリと眉を動かし「何?」と呟き、少し考え「まさか」と再度呟く。

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 愉しそうに答えるデミウルゴスにコキュートスは疑問を抱く。デミウルゴスは基本的に気立ての優しい人物だが、それはあくまで至高の御方々によって生み出された者に対してのみ。

 それ以外には非常に残酷な人物だ。なのに彼は笑みを浮かべ機嫌が良かった。それを見たコキュートスは機嫌の良さの下に彼の残忍さが、見え隠れしているのをコキュートスは不思議に思っていた。

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「成る程………羊か………まぁいい。ではその羊から皮を剥ぎ取れ」

 羊かーわざわざそんな低レベルのモンスターから皮を使って作るのか、オルトさんのエリア(小世界)に行けばドラゴンハイドが手に入るのに。それも国って事は外だろうしデミウルゴスは何でそんな事を? 

 いやでも確かにドラゴンはユグドラシルでも強力なモンスター、倒すのはそう簡単ではない。ソレを考えれば低レベルモンスターを倒して低位のスクロールを作った……なくはないか。となるとやっぱりオルトさんからの指示? イヤでもオルトさんがそんな必要無いことを……

 

 オルトは思案する。この世界に来た時にNPC達の事を自身で書いていたナザリック地下大墳墓および、自身のエリア(小世界)のNPCカルマ値・フレーバーテキスト記録本を再度読み直していた。

 そのため、全NPCの在り方を知っているオルトは、愉しそうに嗤うデミウルゴスに違和感を抱いた。

 それ故に聞いた。

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「デミウルゴス、ソレ(・・)を乱獲する事で生態系に問題が出る可能性はあるのかな」

「先程も申し上げた通りまだ野生(・・)の羊が大量におります。ですので何一つ問題は御座いません。それに治癒魔法を使用する事ですぐに皮を剥ぐことが可能になりますので、大量生産をするのでなければ多くのシープを集める必要もありません。

 これも非常に優秀なモンスター、トーチャー達のお陰です」

 成る程、困った事をしてくれる。スクロール問題は来た当初から解決している。勿論低位スクロールを作るのは間違いではない、

 なのに彼はあろうことか()でするとはね、これも狂信故の、崇拝故の行動だろうね。

 でもそれは悪手だよ、デミウルゴス。

 

「………そうか、そうか。今度その聖王国両脚羊(アベリオンシープ)とやらを見に行こうかな。

 君が自発的に造ったモノだ知っておくべきと思ってね」

「!! それは是非ーー」

 

 それはましく天にも昇る喜び。自分がした事を誉めてくださり、わざわざ足を運んでくださる事は天上の喜びだった。しかしーー二の句を告げられるまでは。

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「この場で()達に報告したのは誉めよう。でもねデミウルゴス。

 何故その前に連絡しなかった、何故やる前に相談しなかった。

 ()達が外に出る時に報告・連絡・相談をするよう厳命した筈だ。

 なのに何故勝手に動いた、()が納得出来る言い訳を聞かせてくれるかい」

 あ、やっぱりオルトさん指示出して無かったんだ。だとすると何故、デミウルゴスはーー

 

 モモンガが考えようとしたその時、オルトの言葉と共に周囲の空間が歪み、幾筋もの金色の光が迸り玉座の間を埋め尽くした。

 それは運が悪い事に今のオルトは人型でもエルフ型ではなく、本来の姿に1番近い暗色力の身体に水晶が散りばめられた蜘蛛の姿だった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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 ……うっわ、ヤッバ!! 

 

 デミウルゴスは絶望に染まっていた。オルトに捨てられるのではないか、ナザリックを去ってしまうのではないかと思わずにはいられなかった。

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「お、オルトさん。落ち着いてください。確かに連絡をせずに勝手に動いた事は叱るべき事柄です。

 そのためにも先ずは落ち着いてください」

「………そうだね、ごめんよモモンガくん。少々熱くなりすぎたようだ。

 さて、改めて聞こうかデミウルゴス何故勝手に動いた」

「そ、それは……」

 

 生唾を呑み込み正直に話す。

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「い、偉大なる御方々であられるオルト様のエリ(小世)()……それもオルト様のために造られた特殊な、特別な階層にございます。

 故に多用するのは畏れ多い行為ではないか。と、思い我々の総意で別の手段でスクロールの材料を確保できないものかと話し合いました。

 その中で聖王国両脚羊(アベリオンシープ)を見つけ、低位ではありますがスクロールの材料に出来る事を発見いたしました」

 

 する必要は無いと言った事を勝手に、しかも自分達に連絡せず事に憤り強い口調で話す。

 ━

「はぁ、その程度のために危険を冒すのか……愚の骨頂だなデミウルゴス。

 それと我々と言ったね、後誰が関わっている」

「は、はい。私の他にアルベド、そしてパンドラズ・アクターです」

「アイツも関わっているのか……バカ息子(・・)

 

 自身が造ったパンドラズ・アクターも関わっていることにタメ息を吐き、小声でパンドラズ・アクターの事を息子と呼んだ事が聞こえたのは、隣にいたオルトだけだった。

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「それは本当かいアルベド」

「は、はいオルト様」

「はぁ、いいかい君達。()達の存在は可能な限り知られてはならない。それはナザリックが世界に出るには順序があるからだ」

「順序……ですか?」

 

 オルトが考えるナザリックの世界進出。確かに自分も考えていたが、既に具体的な手段を考えている事に感心していた。

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「うん。()らがこの世界に出るためには大義名分がいる。ただ出ただけではマイナス面がデカイ」

「……! 俺がアンデッドだからですね」

「その通り、この世界においてアンデッドは生きる者を憎むモンスター、故に討伐対象であり()達は世界の敵になるだけ、勿論()はカルネ村に行った時の天使で出るつもりではあるけど、それでも不信感は拭え無いだろう。

 それを払拭する大義名分がいるんだよモモンガくん」

 

 常に先の先を見て盤面を整え世界を動かす。それはオルトが得意とする手法で、ユグドラシル時代にも数多くのプレイヤーを裏から操り、猛威を振るった。

 ━

()はね、何らかの方法で冒険者並びに請負人(ワーカー)をナザリックに侵入させ、それを以て世界に出るつもりだ」

「……確かに……それなら俺達は侵入された被害者でそれを建前に被った損害を送り込んできた連中に請求できる。後は……可能であれば此処には昔から居たと主張し、この近辺は我々ナザリックの領地だと言えますね。

 ソレ、良いですね。それでいきましょう」

「それは良かった。モモンガくんが嫌だって言ったら尊重して別案を考えるつもりだったからね」

「確かに……皆で造ったナザリックを荒らされるのは嫌です。でも俺もどうやってナザリックを表に出すかを考えていました。多分俺もその結論になっていたと思います」

 

 2人の発言に待ったをかけたのはやはりアルベドだった。

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「なりません!! 至高の御方々がお造りになられ統治するナザリック地下大墳墓に人間を……それどころか侵入させるなんて!!」

「アルベド、それは視野狭窄だ。言ったろう? ()達には大義名分が要ると」

「ですが!!」

「愚かな行いをした君に否定する権利は無い」

 

 その言葉に来た時の事を思い出しアルベドは歯噛みするしか出来なかった。

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「でもオルトさん、どうやって侵入させるんですか?」

 

 そう。ソコが1番の問題だった。どのようにして冒険者・請負人(ワーカー)をナザリックに侵入させるのか。侵入させるためにはナザリックがある事を広めなければならない。

 しかしどうやってナザリックの事を認知させるのか……その際にモモンガとオルトが関わっている事を知られてはいけないからだ。

 ━

「本当はデミウルゴスに動いてもらい王国か帝国、或いは両方の冒険者や請負人(ワーカー)達にナザリックの事を知らせるつもりだったが……今回の件で君は暫くおとなしく………イヤ、聖王国両脚羊(アベリオンシープ)だったけ? それの管理をしていなさい」

「か、畏まりました」

 

 オルトから言い渡された事は暗に『何もするな』。と、言われたのと同義だった。

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「そうだな、王国では道満に帝国ではジェームズにやらせよう」

「法国はどうしますか?」

「あの国か……墳墓と知ればアンデッドがいると考え何かしらの行動を起こすだろうね」

「法国ではどうやってナザリックの事を知らせますか?」

「………あの国なら綺礼にやらせよう。旅の途中に墳墓を見つけた……と、言ったところかな。

 どうやらあの国で綺礼はそれなりの信頼を得ているらしいからね」

 恐らくはニグンを助けたからだろう。利用しない手はない。

 

「でも、その前に色々とやって、最後にコキュートスの方を解決してからだね」

「全員の役割と蜥蜴人(リザードマン)ですね」

 

 モモンガより下賜されたシモベを引き連れ、蜥蜴人(リザードマン)の村の制圧を指示されたが失敗してしまった。そのため『何がいけなかったのか』のかを話し合う必要があった。

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「次はヴィクティムか」

「『はい。あいんずさま、おるとさま』」

「お前を呼んだのは他でもない。想定外の事件が起こった際に……喫緊で言えばオルトさんが考えたナザリックへの侵入者達への対応だな」

「多分ヴィクテムが出る程の強者はいない、問題ないよ。それに8階層に行く前に()エリア(小世界)で片付く………片付けるの方が正しいね」

「『ありがとうございます、おるとさま。ですが、わたしもあいんずさま、おるとさまのシモベ。

 それにわたしはしぬためにうみだされたのです。そのちからでしこうのおんかたがたのおやくにたてるのであれば、これいじょうのよろこびはありません』」

「そうか……許せ」

 

 突然頭を下げたアインズと目を閉じ黙る至高の御方々の姿にヴィクテムが驚き、ワタワタとした動きを見せ、独自の言語で騒ぎだす。

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「場合によっては相手を逃がさないために私達がお前を殺すかもしれない。それも受け入れてくれ」

()達は決して君が憎くてやる訳じゃない。友が残した1人である君を傷つけたくないが……未だ見ぬ未知の敵を放置して、我々が痛打を受ける可能性があるかもしれない」

「オルトさんの言う通りだ、そのために……」

 

 ヴィクテムが独自の言語で2人に自身の心情を語り、それは誇らしい事であると言う。

 ━

「ナザリックのギミックの1つとして用いられているこんな言葉がある。福音書から引用したものだが、『人、その友のために自分の命を捨てること、これよりも大いなる愛はなし』。まさにおまえに相応しい言葉だ。お前の愛に感謝しよう」

 

 ヴィクテムの深い忠義・忠誠心を噛み締め、次の守護者へと視線が動く。

 ━

「次はシャルティアだ」

「は、はい!」

「先ずはお前の功績を称えよう。

 お前の働きのお陰で我々の脅威が1つ減り、そしてWIがこの世界にも有ると言う脅威を知った」

「それだけじゃないよ、シャルティア。

 君が連れてきた老婆から中々面白い話を聞けた、これはかなりのアドバンテージだ。良くやった」

 

 至高の御方々であるモモンガとオルトにこれでもかと言わんばかりに誉められ、脳がパンクし夢見心地だった。

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「どんな事が分かったんですか?」

「あの国はプレイヤーが関わっている」

「!? プレイヤーがですか!」

「うん。法国は600年前に現れた強大な力を持つ者達によって救われた人間の国だ。そしてその者達は間違いなくプレイヤーだ、何せ老婆がプレイヤーの事を知っていたからね。

 その数は6人。だからあの国は自分達を救った6人のプレイヤーを六大神と呼び信仰している。『土・水・火・風・闇・光』に分けられている。

 あの老婆曰く、『最初、世界には()()が存在し、そこから四大神が生まれた。

 故に()を司るスルシャーナは()を司るアーラ・アラフと共に、四大神より上位の神』との事だ。

 そして闇の神:スルシャーナはモモンガくん、君と同じ死の支配者(オーバーロード)だ」

「!?」

「老婆に君の写真(スクショ)を見せた、そうしたらその写真を見てスルシャーナと言い祈り始めたよ。

 だが気になるのはニグンが天使の()を見てアーラ・アラフと呼んだ事だ」

「天使じゃないんですか?」

「老婆が言うにはスルシャーナ以外は死んで残って居たのはスルシャーナのみ。

 もし、アーラ・アラフが天使であればスルシャーナ同様生きていた筈だ、なのに生き残ったのはスルシャーナだけ、これでは辻褄が合わない。

 可能性として考えられるのは天使に見えるような装備をしていた……少々無理があるけどそう考えなければ間違える理由がない」

「その老婆にオルトさんの天使の姿を見せなかったんですか?」

「勿論見せたとも。そしたらニグンと同じ反応をしたよ、だからこそ解せない」

 

 何故天使のオルトを見てアーラ・アラフと思ったのか、スルシャーナ以外は死んでいる。であれば寿命のある存在だと分かる筈なのに見間違えるのか……オルトにも答えが出せないでいた。

 ━

「オルトさん、そのスルシャーナ? はどうなったんですか?」

「ああ、ソレかい。口伝ではあるけど500年前に転移してきた八欲王なる者達に殺されているとの事だ」

「プレイヤーを殺せる相手………その八欲王もプレイヤーですね」

「恐らくはね。ああそれと法国が人類の守護を掲げるのはコレ(六大神)が理由だろうね、最もやり方は極端だけどね。

 彼らは人類の守り手として他種族狩りなどの活動を長年に渡り行っている、それは人こそが神に選ばれた民であるという宗教概念を持ち、人以外の他種族は殲滅すべしだってさ」

「本当に極端ですね」

「さて、法国の事は後でモモンガくんと話す事にして、今はシャルティアへの褒美だね」

 

 一先ずの共有を終え、功労者であるシャルティアへの褒美を考える事にした。

 ━




 まさかまさかのデミウルゴスへの謹慎処分。ゲヘナはどうなるんですかね。

 アルベドの失態が2つ(本人はそう思っている)に増えてしまった。果たしてアルベドはこれらの失態を挽回出来るのか。

 ヴィクティムのえのぐ語は各自変換してください、私にえのぐ語を書くのは出来ません。

 今回の内容は書籍・web版が混同しています。注意してください。
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