星雲からの使者 作:完全にわかのバカ野郎
「先ずは褒美からしよう。デミウルゴス達の沙汰は後回しだ。
はて、褒美は何がいいかな」
「そうですね、何がいいのかさっぱり」
2人して頭を悩ませ考えていると、シャルティアが声をかける。
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「で、ですかアインズ様、オルト様。
私はシナジーの有るWIを既に下賜されておりんす。これ以上は……」
「シャルティア。それはソレ、これはコレだよ。
それに、今回の褒美は老婆を連れて来た事に対するモノだ。
つまり君の働きは新たな褒美を与えるに足る。と、
「その通りだシャルティア。何も言わず受け取ってくれ」
「あ、あぁあ……なんと畏れ多い……」
震えるシャルティアを見てオルトが「あっ」と何かを思い付く。
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「何か思い付いたんですか?」
「うん。いやまあどうかと思うけど、コレが良いのかなって。
てな訳で取ってくるよ」
そう言いRoAOGを使いどこかへと転移する。
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どうかと思う? つまり自信は無いけど褒美に足るモノ……そんなのオルトさん持ってたっけ?
1人考えているとオルトが何かを抱えて戻って来た。
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「……オルトさんソレって」
「うん、コレはね………テテーン。
ギルメン41人ぬいぐるみ……のペロくんぬいぐるみだ」
自分で効果音を言い、小脇から取り出したのは1/3サイズのペロロンチーノぬいぐるみだった。
そして……ソレを見たシャルティアが乙女が出してはいけない声で叫んだ。
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「あ、やっぱり効果あった」
「ソレって……」
「全ギルドランク3位を記念して
「あぁ、あの時の……あれ? 確かそのぬいぐるみって……」
「ここをポチっとな」
徐にオルトがぬいぐるみを押すと「エロゲーイズマイライフ!!」や「オルトさん。技術の発展は最初に軍事、次にエロと医療に使われるんだ。これはエロの偉大さを物語っているんだ」などペロロンチーノの声で再生された。
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「うわぁ」
「あっはっは、相変わらずだよねぇ。ペロくんの声を録音しに言った時にもこんな事言ってたよ」
再度押す時に「これランダムだから新しいの出るかな」と言いながらもう一度押すと「シャルティアは俺の嫁」と再生され、それを聞いたシャルティアはとうとう崩れ落ちた。
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「ペ、ペロロンチーノ……様」
「てな訳で、はいシャルティア。これを君にあげるよ」
「!? よ、よろしいのですか!?」
「
ペロロンチーノぬいぐるみを差し出されか細く声を漏らし、震える手で受け取り抱き締める。
その時ボタンが押されたのか「シャルティアは俺の理想」と声が流れ、耳元で聞いた懐かしき創造主の声を聞きビクンと体を跳ねさせる。
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「………」
「うん……まあ……いいんじゃないかな、喜んでるみたいだし」
「そうですね……」
「てな訳で、君達も褒美に足る何かをすればぬいぐるみもあげよう。最も彼らのぬいぐるみは最大の褒美だ、その前に与えるのは君達のビルドにシナジーのあるアイテムだけどね」
「あー……ん"ん"。我らのぬいぐるみが欲しければ相当する働きをせよ」
シャルティアが自身の創造主のぬいぐるみを幸せそうに抱き締める光景を見て、他の階層守護者達は羨ましそうに見続け「いつかは自分も」と意気込む者達の中、アルベドとデミウルゴスは「今の自分にはその資格は無い、しかし必ずや名誉挽回し、至高の御方々にアイテムも創造主のぬいぐるみも下賜していただくのだ」と意気盛んに奮い立つ。
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「〔こんなんで喜ぶんですね〕」
「〔そりゃあね、この子達にとって自分の創造主の……それもある種の生き写しとも言える物だからね。効果はあるだろうと思って持って来たんだ〕」
「〔ここまで予想出来ました?〕」
「〔まさか、想像以上の反応だね、ここまで反応されるとは流石に思わなかったよ。
まあでも、シャルティアも喜んでるみたいだしいいんじゃない〕」
「〔そうですね……ん? あれ? もしかして俺のも有ります?〕」
「〔勿論有るとも〕」
オルトの言に「いやまあそうですよね、俺もノリノリでやりましたし」と当時の事を思い返す。
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「これでシャルティアへの褒美は終えようか。んで、次はーー」
「コキュートスだ」
「ああ
その言葉にコキュートスはピクリと肩をあげ、先程の緩い雰囲気からガラリと変わり空気が張りつめる。
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「コキュートスよ、
「惨敗……とまでいかなくとも君は敗れた」
「ハッ! コノ度ハ私ノ失態、誠ニ申シ訳アリマセン。コノーー」
コキュートスの謝罪をカツンと杖で床を叩き制止する。
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「コキュートス。君の戦闘をリプレイで見せてもらった。何故負けたのか、どうして負けたのかーー」
「敗軍の将の言を聞こう。今回、先頭に立つのではなく指揮官として戦い何を感じた」
代わる代わる言われる2人の追及に、ほんの一瞬息を呑み白い息を吐き出すと共に語る。
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「ハッ、兵ヲオ預カリシタニモ関ワラズ、更ニハアインズ様ガオ作リニナッタ指揮官役ノ
「ん? ああアレか。あの程度など幾らでも作り出せるアンデッドだ、アレがどうなろうと惜しくない。気にするな。
私が聞いているのは軍を率いて戦った感触だ、先に言っておこう。私はお前の今回の敗北を強く責める気はない」
「そもあの程度の軍勢で勝てる可能性はほぼ無いからね」
オルトの発言に守護者達がざわつく。
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「(ヤハリ、デミウルゴスが言ッテイタコトハ………ム)」
1人納得するコキュートスは主人達の言葉が続く気配を感じとり、思考を切り替える。
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「よいかコキュートス。どのような者もまた失敗するからだ。それは私も、オルトさん………もそうだ」
「いや
「いや……あの、失敗する光景が浮かばなくて」
「何度も失敗してきたからこそ今があるんだよ」
「! 至高の御方デアルオルト様モ失敗ヲナサルノデスカ!?」
守護者達は信じられないと言わんばかりに驚き、口をついて出た。
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「
だから同じ失敗をしないように前もって行動出来るようになるんだ。その要が報告・連絡・相談なんだよ。
1つ『誰が、どの場所に居て、何を、どの程度、どのような段階までの事をしているのか』
1つ『誰が、どの場所で、何を、どの程度まで、どのような段階までの事を自分が知っているのか』
1つ『治める者はどこまでの情報を知っているのか、そしてどこまでの事を把握しているのか』
いいかい皆、情報は共有してこそ意味がある。
組織の長に報告する事で、より良い知識で、より良い方針に、より良い方向に舵をきれるんだ」
この言葉は失態を晒した
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「
!? それって……オルトさんはやっぱり……
「ソコで部下達に徹底させていたのは情報の共有だ。誰も彼もがお互い何をしているのか知っている状態を徹底させていた。
それは1つの組織を纏める……イヤ、1つの組織として機能させるために必要だからだ。
常に情報を共有し、時には助けに行き、時には助けを求める。
助ける事を当たり前に思える様に、助けられる事を恐れないために。
君達もそう思って欲しい、そう考えられるようになって欲しいからだ。
1人で出来る事には限りがある。だが、お互いが協力し合えばより大きな事が出来る、そのためにギルドの長であるモモンガくんに……勿論
情報を共有すれば求められた者は適したアドバイスを出来るかもしれない、求めた者は適したアドバイスを得られるかもしれない、
助けを求める事を恐れてはいけない。君達にとって
コキュートス。今回君が敗北した理由は
しかし、失敗を恐れる事もしてはいけない、それは失敗から学べる事があるからだ。
まあ今回は別だけどね」
オルトが語ったのは自身が長い人生で、最も大事にする、大切にしている事だった。
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「オルトさんの言う通り、コキュートス、お前は敗北から何を得た。どうすれば勝てたか分かるか」
言いたかった事をオルトが殆ど言ったが、再度コキュートスに問う。
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「
「ウム、その通りだ。どんな弱い存在でも侮るのはいけない事だ。
ナーベラル。お前にも見るように言ったな、であれば見た筈だ。お前はどう思った、お前ならどう行動した」
「…………
ですが、
もし私が指揮官として彼処に居たとしても……いえ、私が居たらコキュートス様より早く敗けていたかと思います」
ナーベラルが言ったのはナザリック地下大墳墓のNPCに強く根付く、人間は弱く脆い下等生物であり、取るに足らない存在であると言う考え。
故に今回のコキュートスの敗北は、今悔いている2人を除いたナザリックの者達にとって青天の霹靂なのだ。
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「コキュートス、今言った事以外に思い付く事はあるかい」
「ハイ。オルト様の言う情報不足ダッタカト思イマス。相手の実力、地形。ソウイッタモノガ不確カナ状態デハ、勝算ハドウシテモ低クナルト思イ知リマシタ」
「ほぅ、他には何かあるか」
その他にも思うところがあるかを聞き、コキュートスは様々な足らない、足らなかった考えを列挙していく。
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「その通りだ。素晴らしい。
無論、他にも幾つかあるが、コキュートスは充分に学んでくれた。
連絡し合う。相談し合う。そのどちらも大事だが、今回は誰にも聞かず、お前だけで気付いて欲しかったが……許容の範囲だろう」
「ではコキュートス。何故最初からそうしなかったのか、君は自分でどこまで分かっているかな」
少しの沈黙。そして階層守護者として、偉大なる創造主に造られた己が指揮をとれば何をせずとも、力押しで勝てると思っていた事を言い、誰かに頼ると言う考えがなかったと話す。
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「確かに、君達階層守護者は強い。そしてこの世界の住民……現地人とは隔絶とした強さだ、それはレベル差的にも明らかだ」
「だが、アンデッドどもが死んで色々と考えた訳だな? よろしい。二度としないように精進するならば、それはオルトさんの言う通り意味ある失敗だ」
落胆は無く、責める事も無く。ただ微笑む主人達が見えた。
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「失敗にも色々な種類があるが、お前の失敗は致命的なモノではない。あの
逆に繰り返し失敗をしないよう守護者が学んだ事を考えれば御釣りがくるぐらいだ」
「アリガトウゴザイマス、アインズ様!」
「そしてこれはアルベド、デミウルゴス。お前達にも言える事だ。
我々の
スクロール問題は既に解決していた。勿論低位スクロールも有った方がいいのは確かだ、低位位階魔法のスクロールにドラゴンハイドを使うのは勿体無いからな。しかし、その材料もオルトさんの
だがお前達はオルトさんの
お前達の失敗はコキュートスの失敗とは違い、致命的なモノ。
よって、デミウルゴスはオルトさんが言った通り暫くの間、
そしてアルベド、お前は守護者統括という立場だ。であれば我々に逐次報告せねばならない立場という事でもある。故にお前の罪は重い。
故にアルベドよ。暫くの間、守護者統括およびナザリック地下大墳墓の管理の任を解く。自室での謹慎処分とする」
デミウルゴスは
ナザリックのNPC達にとって何もしない、何もさせてもらえないと言うのは死よりも重い罰だった。
アルベドは守護者統括という立場故に、デミウルゴスより重い罰を与えられたのだ。
最も、モモンガは「罰ではあるけど仕事し過ぎだし、これをきっかけに頭を冷やさせて休ませよう」程度でしかなかった。
━
「その間のナザリックの管理は……オルトさんのNPC:レオナルド・ダ・ヴィンチに任せる。オルトさん頼めますか?」
「言っとくよ、大事な事だからね。あの子……パンドラズ・アクターはどうする? あの子は色々と役に立つし」
「そうですね………アイツは
沈黙していたデミウルゴスが口を開く。
━
「彼は始め、する必要は無いと言っておりました。アインズ様が必要無いと言ったのだからその行為は必要無い事であると」
「ほぅ」
「じゃあ何で彼に手伝わせた」
「彼は
「あぁやっぱりそう言う事か」
どう言う事だ?
「パンドラズ・アクターが変身出来る
もう1つは今の姿のアトラク=ナクア。
この『体』のビルドは幻術系で固めたデバッファー。
「はい。その通りでございます。ですので彼には協力して欲しかったのです」
オルトが持つ『体』の1つ、異形種のアトラク=ナクアは幻術系で固めたデバッファー。この世界に来てフレーバーテキストが意味を持つようになって、より使いやすくなった『体』の1つ。
━
「……デミウルゴス。パンドラにその『体』を使わせ
「リ・エスティーゼ王国の南西に位置する半島にローブル聖王国なる人間の国がございます。そしてそこに隣接している亜人達の住むアベリオン丘陵なる地もございます。
私はアベリオン丘陵の付近に施設を作りローブル聖王国の村から人間どもを拐い、その施設にて皮を剥ぎスクロールの材料にしております」
「そんな事だろうと思ってたよ」
呆れた様子で言うオルトに「気付いていたんですか?」と驚きながら聞く、すると「デミウルゴスがやる事だからね、ただのモンスターじゃないだろうとは思ってたからね」と事と無げに答える。
━
オルトくんが居ることで全ギルドランキング9位だったのが3位になった模様。まぁオルトくんだしこれくらいはね。
取り敢えず3位にしたけどORTがいるんだから1位でもいいのでは?と思うようになってきた。
ギルメン41人ぬいぐるみはクラフト系オルトくんがるし★ふぁーと一緒に作ったぬいぐるみ型ゴーレム。ぬいぐるみなので戦えない。
因みにボタンを押さなくても勝手に喋りだす。
原作とは違い