星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 ナザリックNPC、特にアルベドとデミウルゴスの信用回復イベント作らなきゃ。


五十三話

「はい。アインズ様よりお借りしたアンデッド、およびオルト様よりお借りした百貌の方々を使わせてもらい、周囲4キロ範囲で警戒を行っていますが現在のところ、特別なものは引っかかってはおりません。

 それと、あたしの魔獣で探知系に長けたものを送り出して周囲6キロ範囲の警戒を行っておりますが、不審者の報告は受けておりません」

「そうか………完全不可知化を使い接近してくる可能性があるが、その辺はどうなっている」

「それに関しては()が言おうか。

 召喚した探知系天使達による警邏、マーリンによる探知魔法を併用して周囲を見させている、何かあればすぐに連絡が来る筈だよ」

「成る程、マーリンですか。確かに彼なら見逃す事はなさそうですね。

 アウラよ見事な働きだ」

 

 モモンガに働きを褒められ、嬉しそうに長く尖った耳を小刻みに揺らす。

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「オルトさん。ここまでしてもWIを使ってこないのはやっぱり」

「法国しか持っていない。と、考えるのが妥当だね」

「それでも傾城傾国とその所持者を奪われているんですよ? なのに何もしてこないのは………」

「警戒している。それか、綺礼から齎された正体不明の墳墓と言う存在が、そしてその主が奪った相手であると仮定し、綺礼の情報を基に奪還の準備をしている……と、言った感じかな」

「いずれ攻めて来る……と言う事ですね」

「恐らくはね。どんな奴らが来るのか、愉しみだね」

「は、ははは」

 

 愉しそうに嗤うオルトを見て、ナザリック侵攻の時1000人のプレイヤーを相手取り愉しそうに戦っていた事を思い出す。

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「アレは既に()達のモノだ、二度と()達のモノは盗らせない。全ての者達に()達の恐ろしさを身をもって知らしめよう」

 

 オルトの『二度と』の言葉にいち早く反応したのはアルベドだった。

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「オルト様。今『二度と』と仰られましたが、以前にもあったのですか?」

「うん? ああ七色鉱山の事だね」

永劫の蛇の指輪(ウロボロス)を使われて鉱山の有るワールドに入れなくなりましたよね」

「されたねー。その間に鉱山が奪われてアイテムも奪われた。その結果、その時は熱素石(カロリックストーン)が1個しか作れなかった。まあ最もーー」

「なんと……なんと不敬な行い! 至高の御方々が支配する地を奪うなぞ万死に値いたします! ただちに奪還命令を!」

「落ち着けアルベド。その件は既に終わっている。それに、その後にオルトさんが奪い返した。ですよね?」

「うん。封印が解けて彼らが油断するのを待ってから亜種(・・)で出張ってやったよ」

「え"。亜種で出たんですか?」

「うん。いやーアレは愉しかった、プレイヤー達が騒ぎ立てて運営に抗議を入れたみたいだね。

 まぁ、運営は何もしなかったけどね」

「ははは、抗議したくなるのも分かります。

 オルトさんのアレ(・・)以降の『体』は理不尽の塊ですからね」

「お陰でサ終の時に()エリア(小世界)に色々と組み込めたし、結果オーライって事だね。

 ……まあそのせいもあって()エリア(小世界)が複雑になったけど」

「アインズ様。無知なる私はオルト様のアレや亜種。と、言う姿を知りません。いったいどの様なお姿をしていらっゃるのですか?」

「ん? ああそうか、お前達はオルトさんの本来の姿を知らんのか」

「無理もないさ、アレで出歩くのは禁止されていたし、そもそもデカすぎて()エリア(小世界)から出られないからね」

「その事に関してはウルベルト様が言っておられましたので存じております。

 ですが何故、禁止されているのかは寡聞にして知らず」

 

 オルト産NPC達はオルトが出歩く事が禁じられている理由は知っているが、ナザリックのNPC達はオルトの本来の姿も、そしてその姿での行動を禁じられているのかは誰も知らなかった。

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「オルトさんの真なる姿、或いは亜種の姿で出歩けないのは世界(ワールド)を塗り潰してしまうからだ」

「世界を? それはいったい……」

「言葉通りの意味だデミウルゴス。

 オルトさんは真の……あの姿で動いてしまうと世界(ワールド)の法則の改竄……オルトさんにとって最も好ましい環境へと強制的に変更させる。それ故に運営が幾つかの条件下でのみ行動を許されている。

 その内の1つがWIが使われた時の行動許可だ」

「それが一番緩い条件だね、WIならどれでも該当するからね」

「世界の法則を塗り潰す……オルト様にはその様な事が出来るのですね!!」

「ナザリックに戻ったらライブラリを見るのもいいな、オルトさんの強さを理解できる筈だ」

 

 

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「さて、守護者達よ時が来た。我々ナザリックの威を示す時が」

「コキュートス、頑張りなさい。君の働きで、行動で蜥蜴人(リザードマン)の今後が決まる。頑張りなさい」

「ハッ! オ任セヲ」

 

 意気込むコキュートスを見て「んー……アルベド、デミウルゴス」と2人を呼ぶ。

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「「御傍に」」

「出来ればこの侵攻で君達に汚名返上の機会を与えたかったけど、今回はコキュートスとだけ戦う事を条件にしてしまった。

 すまないが今回は出撃するのではなく、事の行く末を見て己の糧とし、次の機会に備えて欲しい」

「なんと慈悲深きお言葉。オルト様のご期待に添えるよう粉骨砕身の覚悟をもって成し遂げて魅せます」

「期待しているよ、デミウルゴス」

「ハッ!!」

「アルベド、君にも汚名をそそぐ場を必ず設けよう。待っていなさい」

「愚かな私のために汚名返上の場を設けてくださる慈悲深きオルト様のご期待に答えるべく……いえ、オルト様のご期待以上に事を成し遂げて魅せますことをこのアルベド、お約束致します」

「……そうか、期待しているよ。アルベド」

「ハッ!」

 鬼が出るか蛇が出るか……この意欲が良い方向に転べば良いんだけどね。でも……期待する事も上に立つものの役目だ。彼女を信じようか。

 

 

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「へぇこれは驚いた。あの程度の数で来るとは、予想外だね」

「10人程ですね。どうしてこの数に?」

「………そうだね、コキュートス。君はどう思う、言ってみなさい」

「アインズ様、オルト様。恐ラクハ勝チニ来タノデハナク、己達ノ……蜥蜴人(リザードマン)トイウ種族ノ価値ヲ魅セニ来タカト愚考シテオリマス」

「いい回答だ。であれば君も、君の武を彼らに魅せつけてやりなさい」

「ハッ!!」

 

 

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「自分達の価値を見せに来た、か。どう思いますオルトさん」

「彼らもこの戦いに勝ち目が無い事くらい分かっている」

「大前提としてレベル差がありますよね」

「うん。百貌達に調べさせたところ、高くてもレベルは20程度。どう足掻いてもコキュートスに勝てない。

 例え大軍を………蘇生した蜥蜴人(リザードマン)全員で来ても勝率は凡そ3~5%が関の山。

 ()は昨日、コキュートスに補助系(バフ)云々を言ったけど……正直、補助系(バフ)を使わなくても彼らの勝率は1割にも満たない負け戦で死に戦。

 戦えば死は確定。ならばどうするか……少人数で赴きこの人数でも圧倒的強者とも戦えるのだと見せに来たんだろう」

「でもどうしてそう考えたんでしょうか」

 

 それは思って当然の疑問。彼らは何故少人数で戦場に来たのか……理由は至極単純なモノだろうとオルトは考えていた。それはーー

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「恐らく理由は間引きだろうね。

 ()達は間引きはしないと約束した。とは言え、彼らとしては必ずしも信じられるモノでもない」

「確かにそうですね、彼らからすればあくまで口約束。本当に間引きをしないと信じきれない、理由は俺がアンデッドだから。

 現地人(リザードマン)達にとってアンデッドは生者を憎むモンスター……これらの事を加味すればやっぱり信じられない。

 ならどうやって間引きさせずに生き残らせるか、それが自分達の命を賭けて蜥蜴人(リザードマン)は生かすの価値が有るぞと示す戦い……いえ、死に戦をしに来た」

 

 彼らの価値を示すための死に戦、己の命を賭けて同胞を護らんとするため戦場に立つ。

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「それ故に今の彼らはある意味では恐ろしい者達でもある」

「恐ろしい? レベル差的にも蜥蜴人(リザードマン)に勝ち目は無いんですよね?」

「うん。確かに彼らの勝ち目は無い。

 戦闘……戦争において最も怖い者達は決死の覚悟を決めた者達。

 彼らは死ぬ事を恐れない、故に果敢に攻め続ける。例え仲間の亡骸を踏み越えてでも食って掛かる。勝てないだろうと分かっていても、死ぬだろうと分かっていても彼らは攻め続ける。

 レベル差が有ろうが無かろうが、絶対的強者だろうが関係無い。

 目的を……多くの蜥蜴人(リザードマン)を生き残らせる事が出来るのであれば自分の命など安いのさ。

 いいかい皆、相手がどれ程弱者であろうと侮ってはいけないよ」

 

 この場に居る階層守護者全員の返答が重なり、聞こえてくる。

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 コキュートス、君は彼らとどう戦う。蜥蜴人(リザードマン)に何を見出だす。

 

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蜥蜴人(リザードマン)達ノ戦士ヨ、オ前達ノ輝キヲ見セテクレ」

 

 沼地に立つはナザリック地下大墳墓、階層守護者の1人。そしてナザリック序列3位『武器戦闘最強』名を冠するコキュートス。

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「…………戦士達よ! これは勝つための戦いではない! 我ら蜥蜴人(リザードマン)の価値を魅せる戦いだ!! 

 戦士達よ我らの価値を魅せる時だ!! 逝くぞぉおぉお!!

 

 短くも長い沈黙が場を支配する。そしてーー

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AAAALaLaLaLaie! (アアアアラララライッ)

 

 そして、息を吸い込み大声で叫びながらコキュートスに突撃する。

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 上から鈴のような声が聞こえてくる。

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「どうだった、コキュートス。彼らの輝きは」

「ヤハリ確カナ輝キニゴザイマシタ、コノ者ラハ生カスノニ相応シキ者達カト」

 

 フワリと笑い「そうか、君がそう言うのならそうなのだろう」と言いながら空想具現化・劣(インフェリオール・マーブル・ファンタズム)を使い10人の蜥蜴人(リザードマン)を浮かせ、モモンガとコキュートスを連れ村へと向かう。

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「君達の戦士達は死んだ。君達を生かすために」

「それは即ち、お前達は我々ナザリックの支配下になると言う事だ」

 

 2人の話を聞き、白い蜥蜴人(リザードマン)が泣き崩れる。

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「そして君達の戦士達は輝きを魅せた。

 それは君達は生かすのに相応しい種族であると言う輝きだ。それは死んでいった戦士達も同様、喪うには惜しい。

 だからこうしよう」

 

 オルトはそう言うと全ての翼を広げ、コキュートスと戦った10人の蜥蜴人(リザードマン)にスキルを使い蘇生させる。

 すると、蜥蜴人(リザードマン)達はざわめき口々に「奇跡だ、これこそが神の奇跡だ」と聞こえてくる。

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「うっ……此処は……俺は、確か……」

「あ"? 村? 何で此処にいんだ?」

「あ……あぁ。かみのきせきで……よみがえったんだ。じゃあ、ぼくたちはまけたんだ」

「……あ…………そうか、やはり……負けたか。分かってはいたが、悔しいものだな」

「ザリュース!! ああ! ザリュース……本当に、本当に……」

「クルシュ、迷惑をかけたな」

 

 先の戦いで命を散らした戦士達がオルトの手によって蘇り、戦いを見守っていた蜥蜴人(リザードマン)達は二度の奇跡を目の当たりにする。

 そして白い蜥蜴人(リザードマン)……クルシュ・ルールーはザリュース・シャシャに駆け寄り止まらない涙を流す。

 ━

「我が友は価値有る者達(種族)であれば一粒の砂であろうと拾い(救い)上げる、故に歓喜せよ」

 

 一粒の砂。そこ言葉にピクリと反応するが、目の前に居る死の支配者と天の支配者にしてみれば、自分達蜥蜴人(リザードマン)など砂粒に等しいのだろうと思い、何も言い返せなかった。

 ━

「それで、これから君達にしてもらう事だけど……」

 

 村に居る蜥蜴人(リザードマン)全員が天使の言う事に生唾を飲み込み、身構える。

 ━

「特に無い。これまで通りの生活をすればいい。

 ()達がするのはこの村に……君達蜥蜴人(リザードマン)を管理・統治する者を付ける事だね」

 

 それは意外な内容だった。何も変わらない、強いて言えば管理者が寄越されるだけと言うモノ、全員が呆気にとられていた。

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「そ、それだけ……ですか?」

「そうだ。だが、我々が出した指示にいつでもどこに居ても必ず従え」

「後は強くなるための訓練かな、こちらは()が訓練の場を用意しよう。

 ()達の部下であり、最高の戦士が君達は『強くなれる』。と、言ったからね」

「俺達が……強……く……」

 

 天使が言った事が信じられず、思わず聞き返していた。

 ━

「そうだ、先にも言ったがそのための場所は()が用意する。

 あぁ、勘違いしてはいけないよ? これは君達のためでは無く、()達の実験の一環だ。君達は()達の都合で動いてもらう」

 

 蜥蜴人(リザードマン)達に告げられたのはどう考えても支配ではなく、ある程度の強制はあるものの自由な生活と強くなるための訓練。マイナスな事は無かった。

 ━




 オバロって小難しい言い方(表現)するからスッゲェめんどくさい。


色々と終わったのと、少しはスランプから脱却出来たので再開?
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