星雲からの使者 作:完全にわかのバカ野郎
「貴方が私を呼ぶなんて珍しいですね、影持つ者」
「やあアウラ、久しぶりだね」
その姿は女神の名に相応しい美貌で、少女のような、それでいて妙齢の女性のような声色をしている。
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「私を呼んだ……と、言う事は
「その通り、
「それは構いませんが、そのような事が出来るのですか?」
「あの機械を使えばね」
指をさした先にはパラケルススに見せ、説明した『
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「…………なんて恐ろしく、悍ましいモノをお持ちなのですね。そして、このようなモノは世界に有ってはならないモノばかりです。
誰が、何故、どのような意図でこんなモノを創ったのか……想像するだけで腹立たしい」
顔を歪め、嫌悪感を隠さず『
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「…………その人物にとって、これを創るに至る
「例えどれ程崇高な大義であっても創ったのは間違いです」
「まぁ……確かにソレに関しては同意見だ。が、コレらが有るお陰で本来出来ない事が出来るようになるのも事実なんだよ、アウラ」
「私としては今すぐ破壊したいですが……見逃しましょう。貴方にとってコレらが必要なのでしょう?」
「そうしてくれると助かるよ」
「それで
「ああまだ言ってなかったね、レイシフト先は
その者達より先んじて行き、少しでも多く情報を集めたい」
700年、それはスレイン法国を建国する理由になったプレイヤー集団。『六大神』達が現れるより100年前、その理由はWI『傾城傾国』を所持・装備していたカイレから聞いたスレイン法国の始まり、プレイヤー『六大神』が何をしたのか、その時代に何があったのかを調べるためにレイシフトを使う事にした。
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「700年前ですか……理由を聞いても?」
「今から600年前に
その結果、
そしてスレイン法国の連中は人類の守り手等と嘯き、他種族狩りを率先して行う人類至上主義主義を掲げる国だ」
「人類至上主義、ですか。その信念は立派ですが、やり方は誉められた事ではありませんね」
「私は此処に至るまで数多くの人類を、人間達の人間性を目の当たりにしてきました。この中には敬える者、素晴らしき者、
その中に
それは、純人類以外は穢れており、居てはいけない存在だ、と」
「行き詰まった人間は誰も彼も同じような事を考え、実行する。それこそが正義であると信じてしまうものさ」
「そう、ですね。
………人間はどこまで進化しても根底は変わらないのですね。最も、私が言えた義理ではありませんが。
何せ私は、己の果てを見極める為にフラスコの中の小人………
伝承に於いてパラケルスス…………テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイム、或いはヴァン・ホーエンハイム・パラケルススは神の領域に挑戦した。それは、人間が人間を創ると言う禁断の領域。
伝承では製造に成功したとも言われているが、その後を追った錬金術師達は再現出来ていない。
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「君の場合は自身の能力の探究、錬金術師としての限界への追究だろう? そして君は成してみせた。それは素晴らしい事だ」
「そう、言っていただけると嬉しいですね。他でもない、完全中立である貴方に」
話し合っていると水晶の床を叩く複数の足音が近づいてくる。
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「やあやあマスター、私達を呼んで何をする気なのかな」
喋りながら入って来たのは水晶樹鉱山渓谷、及びナザリック地下大墳墓の幻術による隠匿を担っているマーリン、そして「全く、フィギュア造りで忙しいのに」とブツブツ呟きながら入って来るのは水晶樹鉱山渓谷、及びナザリック地下大墳墓の監視網を張っているメディア。
そして水晶樹鉱山渓谷における各種アイテム開発者にして施設・設備の総責任者、レオナルド・ダ・ヴィンチは「調べろと言ったくせに私に何をさせるつもりだ、アヤツは」と愚痴を溢した。
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「ねぇ、貴方。私、忙しいのだけど」
「君の
それに、だ。付きっきりでしてくれと言う訳じゃない。ある程度手伝ってくれれば後は好きにして良いし、この
「あら、やっぱり貴方は話が分かるわね。なら良いわ、やってあげる」
メディアを説得の仕方。彼女は
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「助かるよメディア。
マーリン、レオナルド。君達も同じように手伝ってくれ、メディア同様付きっきりでしなくていい、基本的な事はアウラがやる。自分の仕事を優先しながら彼女のサポートをして欲しい」
「ふむ………では合間を縫って私は私の仕事をして良いんだな?」
「それで構わない、頼めるかい」
「相分かった、引き受けよう」
レオナルドの説得は簡単。お互いがやりたい事の妥協点を作る事。レオナルドは研究者、自分の研究時間さえ確保出来れば強力を取り付けるのは容易い。後は癖の強いマーリンだけ残った。
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「さてマーリン」
「何かな
「君が此処を含めナザリックの為働いているのは分かっている」
「そうだとも! 私は意外と忙しいし真面目にやっている、なのにコレ以上仕事を増やすつもりなのかい」
確かにマーリンの仕事は重要で一歩間違えればナザリックの事が露呈しかねない。しかし、レイシフトをする上でマーリンの千里眼が有用であるのも事実。オルトが考えた説得方はーー
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「マーリン。
「ああレイシフトの話は知っているよ、視てたからね」
「それなら話が早い。
マーリンの趣味……それは人々の営みを見る事。マーリンにとって世界は一枚の絵のようにしか見えておらず、彼にとって『美しいもの』は『人間の遺す結果・人類のハッピーエンド』をその目で見る事。
その行為はマーリンにとって何よりも楽しく、嬉しい行為であり
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「過去の人間の人生!! それは良いね! 面白そうだ。
あぁ、過去の人々の人生はとても気になる、ハッピーエンドが視られるのかなぁ。
今回は君の勝ちだ、僕は付きっきりで協力するよ」
「おや良いのかい?
「その程度、私に掛かれば容易く出来るとも。私は優秀な
だからこそのこの提案。そして思惑は結実した。
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「確かに君はとても優秀だ。何せ君は
そしてNPCマーリンはその条件をクリアし
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「それは、頼もしいね。
さて、話しは済んだ。レイシフトの準備を始めようか」
その言葉を
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「此方の準備は整いましたよ、影持つ者よ。貴方はよろしいですか?」
「ああ問題ない、WI対策にコレも持った」
手に持った石版をアウラに見せる。それはアウラが持っていた鎖で縛られていた石板だった。
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「
使う時は気をつけてください。腕輪程ではありませんが、召喚時、及び召喚時間に応じて侵食されます」
「その辺りは
石板とは別に八つの色が間を置かず入れ替わる球体のアイテムを
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「成る程確かに、其方のWIを併用すれば侵食度の大幅な減少、或いは侵食度そのものを相殺出来るかもしれません。
ですが、過信はしないでください」
「ああ分かった。レオナルド、レイシフトを実行してくれ」
コフィンに入り、レオナルドにレイシフトの実行を促す。
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「うむ。気張って行ってこい」
コフィン内で最終チェックのやり取りをし、レオナルドがレイシフトが始まり、天使オルトは700年前へとレイシフトをした。
その瞬間、
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「ーーーー!! 成る程、こんな感じになるのか。これは中々に面白いね」
「何か有ったのかね」
「別で動かしていた天使の
その結果、天使の
これはレイシフトをしたからこんな形で移ったのか、それとも二つ以上の『体』を使い片方の意識を切ったらこうなるのか……要検証かな」
「相も変わらず奇妙な
「そりゃあ……ねぇ。本体がアレだからね、
さて、
「ああ頼むよ。とうとう皇帝様が痺れを切らしてね、明日、君の
「うぇぇ、領地なんて要らないのに。どうにかなんないかな」
「諦めたまえ、何せ君は侯爵になるんだ、それ相応のモノを手にするの当然の事だ
ジルクニフはオルトの意に反して予定通り、複数人残しておいた
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「んー、どーしよーかなー……。領地運営とかマジでしたくない、こう……なんか、無いかなー」
「君は複数の『体』を同時に動かせるのだろう? 別の
「まぁ、出来るっちゃ出来るけどさ、そこまでして
「上に立っていた事が有るなら出来るじゃないか、ただ、少々管理する面積が広いだけで」
「………他人事だからって君は、はぁ……どうにかするしかないかな、外での立ち位置は欲しいからしょーがないないか。はてさてどれを使おうかなー、やっぱりザ・
ま、成るようにしか成らない……か」
「やる気が出て安心したよ。何、安心してと良い。私もある程度だが協力するさ」
「……どこまで手伝ってくれんのよ、君は」
「フム、そうだな………料理番の教育、くらいか? 私に出来るのはそれくらいだ。後は……そうだな、弓兵の教育だな」
「君を領地に残しっきりは困るからそれで良いよ」
あれやこれやと話し合う中で残り二人の話題に入る。
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「私と君はこれで決まった。残りは彼女達だ、どうするつもりかね」
「どう考えても牛若を置いてきぼり出来る訳ないでしょ」
「だろうな、彼女は君の指示しか聞かない。君以外に手綱は握れんだろうよ。
となればもう一人の彼女、ユリ・アルファはどうす」
「んー、このまま連れていっても良いんだけど……領地を貰ったのにパーティーの誰一人残らないのは少しマズいかな」
「彼女は残すと?」
「そうだね、本来の職務に就いてもらおうかな」
「本来の職務……戦闘メイドにでもするのか?」
「只のメイドだよ、メ、イ、ド。違う点はメイド長……領地の家に居る事になるであろうメイド達の統括だね。
「確かに彼女は優秀だ、その程度なら容易くこなせるだろう。それに、何か有れば
「だろう? 流石
「………君から言えば当然従うか」
「何せ神様だからね
「そうだな、ナザリックの者達は君とナザリックの長を崇拝している。悪し様に言うのならイエスマンの集団だ」
「困ったモノだよね、どうにかして自発的に考えるように出来ないかな」
「コキュートス……だったか? 彼にした事をすれば良いのではないのかね」
「コキュートスの時は丁度良い相手が居たから出来た事だよ、そう都合の良い相手なんてぽこじゃか現れないっての。
まぁ、だから用意するんだけど」
「あの国は知れば知る程腐っている事を突きつけられる、憐れみすら抱かない。
アレは
「へぇ、
だからこそ君にはあの国が赦せない」
「…………それも、在るのだろうな。
私にはあの国の在り方が看過できない。このように感じてしまうが、
「別にソレで良いんじゃない? それが君の在り方で、根底に在るモノだろうからさ」
「…………そう、だな。そうなのだろうな。なんとも歯痒いモノだ」
俯き顔を手で隠し、一つ息を吐き心を落ち着かせ「この話しは終わりにしよう。今はやるべき事が有る」と言うと、少しの沈黙の後「そうだね、祭典と領地の事をどうするか考えないといけないからね」と返してこの話題から無理やり話を戻す。
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「領地運営させるのはあの『体』を使うか。
「
「
「確かに、
オルトが持つ『体』には三体の
一人目は今使っている信仰系
二人目は魔力系
最後の
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Fateのアライメントがフワッとしか理解できない。
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アーラ・アラフに似た姿でレイシフト。どうなるんですかね。