星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 おっかしいなーこんな筈じゃ無かったのに。

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 少々修正、多分また変わる。


七十二話

「やあモモンガくん順調そうだね」

「はい、ゲヘナも無事終わって次は蘆谷道満やジェームズ・モリアーティ達がしたナザリックを知らせる事にも成功しましたね」

「帝国も請負人(ワーカー)達を此処に攻めさせるらしい、百貌の情報によれば法国も六色聖典(ろくしょくせいてん)のどれかを投入する事も検討されてるみたいだね」

「漆黒聖典は来ますかね」

「どうかな、ソイツらは森妖精(エルフ)の国への侵攻に駆り出されてるらしいし可能性は低いとは思うけど、0ではないね」

「みすぼらしい槍を持った『隊長』にクレン? でしたっけ、彼女から齎された『番外席次』と呼ばれている神人。

 来てくれれば捕らえて情報を吸い出せるけど、そう上手く運ばないのが世の常さ」

 彼女には森妖精(エルフ)の国に行ってもらうつもりだしね。

 

「あ、そうだ言う事あったんだ」

「また何かしたんですか?」

「イヤー……その、なんと言うか、なんやかんやあって竜王国って所の王様になった。正確には王配(おうはい)殿下だね、女王の配偶者だから」

「え"………本当に何してるんですかオルトさん」

「経緯としてはーー」

 

 

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「その結果が王配ですか」

「うん」

 

 骨の顔を両手で覆い天井を仰ぎ見て一つ息を吐き「オルトさんにはそっち関係で動いてもらいましょうか、オルトさんは複数の『体』を同時に動かせるので怪しまれる事はありませんし」と答えた。

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「うんまあそうだね、怪しまれる事は無いね」

「ところで天使(エンジェル)のオルトさんはいつ帰って来るんですか?」

「マーリンが言うにはもうそろそろらしいね」

「侵入させる時には居て欲しいのでなるべく早く戻ってきてください」

「マーリン達に言っておくよ、僕(私)としてもいい加減帰って来て欲しいし。ん? お………噂をすればなんとやらだね」

「帰って来たんですか?」

「うん、記憶(記録)の同期がされた。ちょっと会ってくるよ」

「分かりました」

 

 

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「やあマーリン、天使(エンジェル)の僕(私)は……あぁソコに居たか。お帰り、随分と愉しんできたみたいだね」

「それはそれはもう愉しんだよ」

「フォウも行ってたみたいだけど成らなかった(・・・・・・)?」

「同期されているだろうに」

「あっはっは」

 

 すると天使(エンジェル)オルトの羽な中から一匹の猫の様な動物が出てきた。

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「フォウ、勝手な行動はしないでほしいな」

「フォウフォーウ、フォフォーウ」

「………まぁ、愉しかったなら良いよ」

 

 

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「やあモモンガくん、帰ったよ」

「あれ? 天使(エンジェル)のオルトさんじゃないですか、森妖精(エルフ)のオルトさんは?」

「領都に戻ったよ」

「意外と楽しんでますね」

「なんかシミュレーションゲームみたいで楽しいらしいね」

「オルトさんって色んなゲームやってますよね」

「時間をもて余した老人だからね、ユグドラシルができる前に色々とやってたのさ。街を作るゲームとかね」

「そうなんですね」

「暇人でやる事もない老人の数少ない楽しみさ」

 

 一つ笑い「それにしても本当に便利ですよね、オルトさんって」と唐突に言ってきてなんの事かと思ったが、その意味を理解し「あはは、本体の公式設定だからね、使わない手は無いよ」と答える。

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「何で出てくるのか分かりませんけどデタラメなキャラクターですね」

「最強の存在だからね、今更ながらよく斃せたモノだよ。それでこれからの事なんだけど」

「はい」

「こんなのはどうかなーーー」

 

 

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 執務室で様々な書類を片付けていると三回ノックされ「領主様、弟子と名乗る者が門の前に来ております」の声が扉の向こう側から聞こえ、「名前は」と返すと「アルシェ・イーブ・リイル・フルトと名乗っております」の返答が戻ってきた。

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「あぁ、彼女か。良いよ通してあげて」

 

 そう返すと「畏まりました」と返ってくる。

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「貴方、弟子なんて居たのね」

「同期はしてないの?」

「知らない方が面白いでしょ?」

「否定はしない」

「でしょ?」

 

 数分経ちノックされ「アルシェです」と聞こえ「どうぞー」と返す。

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「いらっしゃい、他の子らも来たんだ」

「パーティーメンバーだからな、そりゃ来るさ。にしてもスゲぇな此処」

「此処は森妖精(エルフ)の理想郷よ、住める子達が羨ましいわね」

「じゃあ住めば? 言ってくれれば家ぐらい用意するよ」

「おっ、マジか」

「帝都を拠点としていますが此処に移すのも良さそうですね」

「帝都まで一週間程でつきますもんね」

「じゃあついでに馬車と馬も用意してあげる」

「至れる尽くせりだな」

「知り合いらしい知り合いは君達くらいしかいないからね、その代わり此処で働いてもらうけど」

「仕えるつもりはないわよ」

「外部協力者で構わないさ、兵士の教練だったり魔法の研究だったりね」

「それくらいなら、まあいいか?」

「それよりトール、隣の方は?」

「僕(私)の名代(みょうだい)、僕(私)がいない間仕事してもらってる。僕(私)は冒険者だからね、依頼(クエスト)もするしそれ以外の事もするから連れてきた」

「初めまして、私(僕)はディラシグ・インシュリフト。彼の外戚にあたるわ」

「じゃあ貴女も太古の森妖精(プライミーバル・エルフ)?」

「ええ勿論、戦闘スタイルは違うけどね」

「どうやって戦うんですか?」

「私(僕)は斥候(スカウト)や忍び寄る者(ストーカー)、弓兵(アーチャー)といった感じね」

「ザ・森妖精(エルフ)だよねディラシグは」

「貴方もじゃない?」

「でもディラシグさんも魔法使えますよね?」

「簡単な魔法(魔術)だけよ」

「(簡単な魔法(魔術)だけ? 少なくとも第五位階魔法は使えそうだけど)」

「それで? なんの用で此処に来たのさ」

「今帝国で冒険者や請負人(ワーカー)を集めてんだ、トールもどうかと思ってね」

「あぁ、謎の遺跡か。僕(私)は行かないよ。それと君達も行かない方がいい」

「なんでかしら」

「嫌な予感がするから、行ったら多分死ぬよ?」

「トールがソコまで言うなんて意外ね」

「森妖精君主(エルフソブリン)としての勘だよ、それに折角弟子にしたのに死んだらなんか嫌。

 そもそも人間なんてすぐに死ぬから弟子にしたくないんだよ」

「数万年生きてりゃそう思ってもしゃーねぇわな」

「せめて新しく渡した魔術書を習得(取得)してから行きなよ、それでも死ぬけど」

「なんでソコまで言いきれるのかしら」

「………言ってなかったけど僕(私)には第七感(セブンセンシス)っていう生まれながらの異能(タレント)があるんだよ、軽い未来予知みたいな生まれながらの異能(タレント)だ。

 それを使う限り君達は行ったら最期、戻ってこない。だから死にに逝く様なモノだよ」

「第七感(セブンセンシス)……聞いた事がないな」

「生まれながらの異能(タレント)なんてそんなモノでしょ」

 本当はスキルだけど、生まれながらの異能(タレント)の方がそれらしいし。

 

「これ以上は止めないよ、行きたいなら逝けばいい」

「トールがソコまで言うんだ、やめとくか」

「そうね、数万年生きる森妖精(エルフ)の生まれながらの異能(タレント)を信じるわ」

「そう、なら暫く逗留するといい、帝都には無い武器もアイテムもあるから見ていけば?」

「それは良いことを聞きましたな」

 

 それらしい事を言って情が移ったフォーサイトの面々をナザリック行きを止めた。

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「あ、それと僕(私)は竜王国の王配になったから」

「あの噂は本当なのね」

「ラディのゴリ押しだよ、ビーストマンを壊滅に追いやった英雄には相応しい褒美だとか言って譲らなかった。定期的に竜王国に行かなくちゃ駄目だから面倒でしかない」

「ラディ?」

「竜王国女王ドラウディロン・オーリウクルスの愛称、一応夫だからフルネームで呼ぶのも名前で呼ぶのもなんかアレだし相性作ってそう呼んでる」

「仲良いのね」

「それなりには」

 

 そう言うながらもタメ息を吐きオルトには珍しい愚痴を溢す。

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「まあなんだ、頑張れ。…………あのさ、へりくだった方が良いか?」

「やめてよそんな事、寒気がする」

「トール」

「何」

「これは貴方しかできないわ」

 

 そう言われ渡されたのは領地で採れた穀物や、オルトが連れてきた山小人(ドワーフ)の自分が造った最上級(アドヴァンスト)以上の武器とポーションを含めたその他諸々の生産量が記された書類だった。

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「別に僕(私)じゃなくてもよくない?」

「武器やポーションはいいかもしれないけれど穀物の類いは税金としても扱われてるのよ? 本物の領主がやりなさいな」

「ぐぬぅ、面倒くさい」

「此処の税率ってどれぐらいなんだ?」

「農家に商人、職人全部ひっくるめて10%」

「はぁ!? 低すぎねぇかソレ」

「お金なら依頼(クエスト)やれば稼げるし、重税とか莫迦がする事だよ。領民あっての領地だ。領民が豊かに暮らせないと意味がない、豊かに暮らせないと領地は枯れ廃れる。

 これでも元王様だからね、国民の安寧は国家の安寧だ」

「他の貴族どもに聞かせたい言葉ね」

「ソイツらはいずれ潰れるよ、様々な要因でね」

「例えばどんなの」

「一番可能性の高い潰れ方は領民の一揆だね、内部からの崩壊、最期は領民に首を切られて死ぬんだよ。ま、この国だとそうなる前にジルが首を刎ねるだろうけどね」

「確かに」

「訓練場にでも行く? 案内……僕(私)が案内してあげる」

「良いのか?」

「僕(私)がやるべき事はやったしそれくらい問題無いでしょ、それにどれぐらい育ってるか気になるし」

「ねえトール」

「何?」

「此処の兵士は人間? それとも森妖精(エルフ)?」

「そんなの森妖精(エルフ)に決まってるでしょ、帝国中から森妖精(エルフ)を迎え入れた。戦える者達は兵士に、戦えない者達は農民やその他の職人をしてもらってる。

 勿論人間がいない訳じゃないよ、税率の低さを知った人達が流れてきたからね。彼らにも色々とやってもらってる」

 レベル上げって楽しいんだよね、同じか少し上のモンスターと戦わせればレベルは必然的に上がる。元から強い子達も居るし適当に捕まえてきたモンスターや、秘密裏に捕まえたビーストマンとも戦わせてるし最低でもオリハルコン級程度に、可能なら下位アダマンタイト級にはしたいね。そうなるとその内帝国一の軍隊に成りそうだ。

 

「どんな訓練をしてるの」

「適当に捕まえてきたモンスターと戦わせてる、強く(レベルアップ)なるには実戦が一番良いからね。勿論死なない様に細心の注意を払ってるから死者はでない、訓練で死なせるとかそれこそ莫迦がする事だよ」

 

 どこぞの王と同じ事をしているが、オルトは安全性を確保した訓練と現地の実戦をさせている。このまま上手くいけば帝国一の軍隊へと成るのは確実なのかもしれない。

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「それで、行く?」

「見てみたいし行くか」

「善は急げだ、すぐに行こう。ディラシグ、後は頼んだ」

「はいはい」

 

 

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「俺の気のせいじゃなければあそこに居るのはジャギィじゃねぇか?」

「そうだね」

「大丈夫なの?」

「当然。教官も付けてるし危なくなれば彼らが倒す」

「あの」

「うん?」

「ドス・ランポスも居ませんか?」

「居るね」

「トール、マジで大丈夫なのか?」

「うん。教官達はドス程度なら一撃で倒せるよ、それどころか竜(ドラゴン)も倒せる」

「マジかよ」

 だって僕(私)の『体』だしドスどころか竜王(ドラゴンロード)でも倒せる……と思う。古龍種が倒せるんだし竜王(ドラゴンロード)も倒せるでしょ。

 

「とんでもない軍隊ができそうね」

「目指すは帝国一さ、じゃあ次は魔法研究塔だね、森妖精(エルフ)は魔力系魔法や森祭司(ドルイド)系統とかの適性が高いからね」

 

 

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「此処が魔法研究塔。帝国の帝国魔法学院より凄いと思ってる」

「スッゲぇ高いな」

「その上横にもデカイわね、これじゃあもう要塞よ」

「魔法で造ったからね」

「こんな事ができる魔法があるんですか!?」

「うん」

「その、位階はどこですか?」

「十位階」

「じゅ、十位階魔法…………神の領域、ですね」

「凄すぎて言葉もでないわね」

「取り敢えずバケモノなのを思い知ったわ」

「まさしく神の御業……」

「あー、えっと。この中は研究所なのよね?」

「うん、山小人(ドワーフ)に頼んで研究器具とか造ってもらった。後は僕(私)が持ってたヤツも置いてある、じゃあ入ろうか」

 

 見た目に劣らず中も広く、数多くの森妖精(エルフ)達が居て、その中には森妖精(エルフ)だけではなく山小人(ドワーフ)や人間も数名居た。

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「領主様、いらしたんですね」

「捗ってる?」

「それが、お持ちくださったスクロールやその材料、ポーションの材料も見た事が無い物だらけでまだ再現はできていません。ですがとても楽しいです」

「楽しんでるなら良かったよ。ま、無理せずにね」

「ねぇトール」

「何?」

「このスクロール様の革って何?」

「ドラゴンハイド。つまり竜(ドラゴン)の革だね」

「ど、ドラゴンハイド………」

「第十位階魔法のスクロールを造るならドラゴンハイドじゃないと造れないからね。ああそれと、此処で見た事聞いた事は全部口外禁止ね」

「言っても誰も信じねぇよ」

「同感」

「でも先生なら飛んできそうですね」

「あり得るかも」

「あの爺さん……爺さんじゃねぇけど、爺さんならやりそうだな」

「折角だし幾つかスクロールやマジックアイテムでも持ってく? 確か第四位階魔法のスクロールって造れてたよね?」

「はい、中位(ミドル)魔法までならスクロール化に成功しています」

「なんと!! 信仰系魔法もあるのだろうか!?」

「信仰系魔法でしたら『集団(マス・)軽傷治癒(スライト・キュアウーンズ)』『集団(マス・)中傷治癒(ミドル・キュアウーンズ)』『重傷治癒(ヘビーリカバー)』などがあります。他には中位・(ミドル・)毒治癒(ポイゾウーンズ)、後は………」

「あの、転移魔法はありますか?」

 

 

 聞かれた研究員は「残念ですが転移(テレポーテーション)は第五位階魔法からなのでありません。ですが、第三位階魔法の次元の移動(ディメンジョナル・ムーブ)ならございます」と答える。

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「次元の移動(ディメンジョナル・ムーブ)………」

「はい。術者のみが転移で、あまり遠くへは移動できない魔法です」

「あの、そのスクロール売ってくださいませんか?」

「あげるよ」

「え、でもそんな貴重なスクロールを」

「君は僕(私)の弟子だ、なら持っておくといい。他の子らも何か持っていっていいよ。

 あーでも戦士職だと使えないか………ならマジックアイテムでもあげようか、例えば飛行(フライ)のネックレスとか火球(ファイヤーボール)の指輪に雷撃(ライトニング)の指輪、雷球(サンダーボール)の指輪とか。後はそうだね、逃走用の鈍足(スロー)に集団(マス・)鈍足(スロー)とかかな」

「ねえアルシェ」

「交易共通金貨が百枚有っても買えません」

「貰えねぇよ」

「弟子とその仲間が死ぬとか嫌だから持ってけ」

 

 喧喧囂囂と言い争い結局はオルトが押し付けた。

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「あ、ついでに雲操作(コントロール・クラウド)のスクロールもだね。野外の逃走用には丁度いい、全員が使えるように指輪のマジックアイテムもあげよう」

「完全武装ね」

「なんなら武器も持ってく?」

「あー……念のために聞くけどよ、どんな武器だ?」

「君達がアーティファクトと呼ぶ武器より上の武器だよ」

「マジかよ………」

「じゃあ見に行こうか」

「見にってどこに」

「武器庫」

 

 

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「此処だよ」

 

 目の前に聳える様々な武器を見て全員が言葉を失う。

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「魔法研究塔の中に武器庫があるのね」

「倉庫も兼ねてるからね」

「馬鹿みたいにデケぇな」

「職人達が好き勝手に造ってるからね。

 んー、双剣使いの君だと……鈍式・塵骸(チリムクロ)がいいかな、この武器は攻撃した相手に鈍足(スロー)を与える。手数がウリの君にはピッタリだ」

「お、おう」

「ああこれもいいね」

「つ、次はなんだ」

「脇差、特段………此処じゃあ珍しいのかな?」

「武器と言うより芸術品ね」

「シンプルを極めた先に在るのは芸術的な美しさすら宿るのさ」

「それの武器は何が……」

「この脇差は猟犬の歩方ってのが付与されてる、言うより使ってみた方がいいから使ってみて」

「おう」

 

 脇差を受け取り腰に帯て鞘から抜き放つ。そして一つ息を吐き武器に宿った力……戦技を言葉ではなく感覚で理解し猟犬の歩方を見事に使ってみせた。

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「お、おお……なんだこれ、なんか見える景色が遅く見えた」

「いつの間にそんな所に」

「今、一瞬だけど姿が消えたわね」

「距離も遠いですね」

「これくれんのか?」

「うんあげる。双剣使いだしもう一振あげるよ、こっちはローレッタの斬撃の神恩(ギフト)が付与されてる。後で訓練場にでも行って使おっか」

「神恩(ギフト)?」

「さっき彼がやって魅せた技術だよ」

「初耳ね」

 

 今適当に作ったそれらしい事を言うと、当然突っ込みが入り「僕(私)が居た国の言葉だよ、武器や防具に宿った特殊な技術や現象の事を言うんだ」とそれらしく理由付けした。

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「………まあ……ありがたく貰うよ」

「そうそう、貰えるモノは貰えば良いのさ」

「(渡してる武器がとんでもないモノだって事は分かってるのかしら)」

「えーっと……弓兵(アーチャー)の君だと、ハープボウと蛇弓とかがいいかな」

「…………その二つはどんな事できるのかしら」

「ハープボウは速射ができるだけだね、矢を選べばかなりのアドバンテージになる。後で矢も持っていくといいよ。んで、蛇弓は弦を引き絞れば絞る程威力が上がる弓だよ。だからソコまで強い武器じゃないね」

「充分強い武器よ」

「あ、それと蛇弓には毒付与の神恩(ギフト)も宿ってる。当たった相手に毒を蓄積させられる、まあオマケ程度な神恩(ギフト)だね」

「それはどんな矢を使っても付与されるの?」

「うん」

 

 イミーナがタメ息をしているが無視して杖や見た事が無いアイテムが置いてある場所に来て「えーと、君。ロバーデイク? だっけ、君って信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)だよね?」と聞く。

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「ええはいそうですが」

「んー、じゃあこれかな」

 

 そう言い取り出したモノは聖印と呼ばれる特殊なアイテムだった。

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「それは『聖印(シギッルム)』、僕(私)が居た国で信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)が使うマジックアイテムだよ」

 

 ロバーデイクは渡された聖印(シギッルム)に目を奪われ「なんと美しい」と言葉を溢した。

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「その聖印(シギッルム)は黄金樹信仰の祈祷アルボル・アウレア・フィデース・オラティオの神官(プリースト)達が使う聖印(シギッルム)。名前を『黄金樹の聖印(シギッルム・アルボリス・アウレアエ)』だけど」

「それだけじゃ使えないと?」

「聖印(シギッルム)はあくまでも魔法(祈祷)を使う為の触媒でしかない。でも今君が使ってる信仰系魔法の性能が上がるし、その聖印(シギッルム)にも神恩(ギフト)が籠められてる」

「どの様な神恩(ギフト)が?」

「聖なる光輪(コローナ・ルーキス・サンクタエ)。どんな神恩(ギフト)かは訓練場で使おうか」

 

 そう言いながらアルシェに近づき目の前に立ち「君はどこまで覚えた?」とアルシェに訪ねる。すると生唾を飲み込み、堂々と「渡された魔道書の魔法は全部です」と力強く答える。

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「……へぇ、全部か。じゃあ『ギ』の魔法も使えるんだね?」

「はい」

「そうかそうか、全部か。

 おめでとうアルシェ・イーブ・リイル・フルト、君は第五位階魔法を扱う魔法詠唱者(マジック・キャスター)だ、おめでとう」

「第……五位階、魔法………」

「じゃあその次の段階(ステージ)だ、君に渡すのは二つの魔術書。

 一つは今回習得した魔法の上の魔法が載っている魔道書。

 もう一つは同じ魔力系魔法だが別系統の魔法が載っている魔術書。

 さあアルシェ、君はどっちを選ぶ」

 

 二つの魔術書を目の前に出され一つ息を吐き力強い声で「二つとも、ください」と言った。

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「二つとも?」

「はい、二つともです」

 

 

 沈黙が場を支配しフォーサイトメンバーが心配そうにアルシェを見て、恐る恐るトールを見るといきなり呵呵大笑と言わんばかりに肩を揺らして笑った。

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「ああそれでこそ魔法詠唱者(マジック・キャスター)だ、魔法詠唱者(マジック・キャスター)たる者強欲であれ、だ。

 その選択を待っていた、受け取るといい。一つは前回渡した魔道書、『火典・(かてん・)珀火書(はくかしょ)』の上位互換、『炎典・(えんてん・)華紋書(かもんしょ)』で『ギ』の上が載っている。それだけじゃない、召喚魔法も一つ載っていてね、その魔法の位階は第七位階魔法(・・・・・・)。正直に言えば今の君にはギリギリ習得できるかどうかの魔法だ、死に物狂いで覚えるといい。

 そしてもう一つは重力の魔術(グラウィターティス・マギア)、この魔術書に載っているのは第六位階魔法以上しか載ってない、習得(取得)してみなさい」

 まあフロム系の魔術ってフロム世界(ワールド)に行けば拾えるし買えるから習得(取得)するのは簡単だろう。………多分。

 

「はい!! 必ず習得(取得)します!」

「うっるさ。それなりに(・・・・・)期待してるよ、さて、訓練場に行こうか」

 

 

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「じゃ、俺からいくぜ………さっきはなんとなくでできたが、どうやればいいんだ?」

「武器に意識を向けてれば使い方が分かるよ」

「りょーっかい! ……神恩(ギフト)! 猟犬の歩方!」

 

 その瞬間ヘッケランの姿が消え、ランポスの横に瞬時に現れ二刀の脇差で斬りつけ更に「ローレッタの斬撃!」と叫ぶと刀身が輝き伸びてドス・ランポスを両断する。

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「うお! マジか!」

「ドス・ランポスを一撃で両断!?」

「なんと………これが、神恩(ギフト)の力……」

「凄い。多分今の第五位階魔法に相当すると思う」

「そうなの?」

「うん、ヘッケランの魔力が一時的に跳ね上がった」

 

 肩で息をし「通りで疲れた訳だ」と溢す。

 ━

「じゃあ次は私ね。ふぅー……(速射、ならーー)神恩(ギフト)・ラピッドアロー!!」

 

 途端に自分の意思とは離れた手の動きで矢筒から五本もの矢を取り出しては射ちを繰り返しドス・ランポスを滅多射ちにした。

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「何、これ…………手が勝手に動いた」

「それが神恩(ギフト)の力だよ、本来ではできない動きを可能とするんだ。感覚を掴めば更に多くの矢を連続で射てる様になる。ま、頑張りなよ」

「では次は私がやりましょう。……こう、ですね。神恩(ギフト)・聖なる光輪(コローナ・ルーキス・サンクタエ)」

 

 唱えると聖なる光輪が手を振るうごとに生じ、ドス・ランポスを輪切りにしていく。

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「お、おお……」

「信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)といえど攻撃魔法(祈祷)があっても……イヤ、だからこそ攻撃魔法(祈祷)が必要だ、ソレも慣れれば光輪の数が増える。最後はアルシェ、君だ魅せてみなさい」

「はい。…………バクローム! まだ! ビバクローム!!」

 

 連続で魔法を発動させると小規模な炎の竜巻と中規模な炎の竜巻を発生させ、ドス・ランポスを丸焼きにした。

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 オルトくんに加減をすると言う言葉はない模様。

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 意外と気に入っていたのかフォーサイトをナザリック侵入をやめさせるオルトくん。
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