星雲からの使者 作:完全にわかのバカ野郎
『産まれ直し』による
なのでユグドラシル時代からの『
「はい、ギガント・バジリスクの頭」
「相変わらず早いですね」
「場所さえ分かれば
「(とんでもない人なのは確定よね)それでは精査してまいりますので少々お待ちください」
受け付けを終え
━
「アンタらマジでついてったのか?」
「ああ、行ったが……次元の違いをまざまざと見せつけられたな」
「アダマンタイト級ってのはあんな次元なのか?」
「アダマンタイト級でもピンキリだからな、勿論あの人はピンの方だがな」
「心が折れる意味がよく分かったわ、天と地だもの」
「だろ? だからやめとけって言ったんだよ。ま、折れずに頑張れよ」
「そうさせてもらうよ」
また色々と騒いでるな、まあ別に良いんだけど。にしても本当につまらん
「トール様、お待たせしました」
「早かったね」
「準備しておりましたので、それでこちらが報酬になります」
「うんまあギガント・バジリスクならこれくらいか、ありがとね、また来るよ」
「お疲れ様でした」
背を向け冒険者組合を出ていった後もオルトの話題で盛り上がっていた。
━
━
━━
「ジールーくーん」
「なんだその呼び方は、それでどうした」
「イヤね、今色々あってムシャクシャしてるから暇潰しをしててさ、帝国魔法学院に見学しに行きたいなって思ったんだよ」
「本当か!」
「見に行くだけだよ、後は青田買いができれば尚良し」
「すぐに用意する、待っててくれ」
「あそこまでテンションが上がるって余程嬉しいんだね、さて、と。どんな子がいるかな」
━
━━
「ふーん、中々な建物だね」
━
━━
━━━
「じ、ジルクニフ皇帝陛下! 何故この様な場に!?」
「よい、楽にせよ。今日は臨時講師を連れてきた」
「だから見学にしきただけっていってるじゃん」
「それで? どうだトール、我が国の
「んー、正直弱いね」
「お前基準で測るな、これでも帝国の未来を担う若者達だ」
「未来を担う、ねぇ……。
無いとは思うけど第三位階魔法でも上位の魔法が使えるとかない?」
「第三位階魔法を習得できるだけで充分上位の
「(トール? ………! あの噂のお人か! 噂ではフールーダ様を超える
「……ん? んー、ねえ君」
「は、はい!」
オルトがパッとしない男子生徒に声を掛けると周りが騒ぎ、「君、レベル9……イヤ、10か。となると難度30に相当するのかな?」の発言で更に周りが騒ぎ出した。
━
「え、あ……い、いえ僕はそんなに……」
「謙遜は時に嫌味になるよ、気をつけるといい。君の
レベル10なら……30個か、こう考えると
それでもちゃんと育ててれば最低でも第四位階魔法までなら習得できるかもしれん、引き取ってみるか。
「し、失礼ながらその子は他の者より魔法を習得するのが遅く、難度が30相当だとは……」
「そうなの?」
「あ、はい」
「……理由は?」
「分かりません」
魔法の習得が遅い。確かモモンガくんが見つけた
「ねぇジル、この子もらっていい?」
「……駄目だ、お前がそこまで言うなら将来有望だろうからな」
「ちぇ。あ、そうだ、この中に
その言葉に生徒達が色めき立ち多数の生徒達が手を上げるが「嘘ついたら駄目だからね」と言うと残った手の数は二つだけだった。
━
二人も居るのか、良いね。ん?
「君達が望むならティル・ナ・ノーグに来て仕事をしてほしい、勿論魔法の習得も協力しようとも」
「待て待て待て、勝手に決めるな」
「さっき言ったじゃん、青田買いって」
「ティル・ナ・ノーグ……アーセル・レイにも此処と似た様なのを造りたいし」
「それなら教師の方だろう、ああだからと言って教師め連れてかせんぞ」
「フールーダは要らないから」
「それを聞けて安心したよ。それと今言ったアーセル・レイとはなんだ?」
「ティル・ナ・ノーグの都」
「お前の場合は神都か」
「なんでそうなるのさ」
「神王が治める地なんだ、神都と呼ばれるのは時間の問題だ」
「嫌だなー」
「いい加減諦めろ、それと教師も生徒も連れてかせん」
「その辺りは本人次第でしょ、本人の意思を尊重しなよ」
その言葉に言葉を失い「それも、そうだな」と絞り出した。
━
「てな訳で、考えといてね」
「お前はどこまで帝国から戦力を持っていくつもりだ」
「望む子らしか連れてかないって」
「本当だな?」
「本当だって。あ、コレ皆に渡しとくから興味があったら読んどいてね」
「お前は……」
「魔法研究所とかないの?」
「ここには無い」
「有るには有るんだ」
「当然だ、帝国において魔法は中枢の一部だからな、研究するに決まってるだろ」
「それもそうか」
「行くか?」
少し悩み「今はいいや、青田買いしたいしまだ見てる」と言い授業風景を見る。
━
「どうだ?」
「何人か欲しい子がいるんだけど」
「だれだ」
「五番の子、十番の子、十九番の子の三人。それとさっきの三十五番の子もだね。もらっていい? その代わり
「それもいいが例の
「
「そうだ。
期間は一人につき一週間、四人で一ヶ月だ。それと
「じゃあそれで」
契約が成立し見えない様にガッツポーズをし小声で「これで帝国は更なる繁栄が約束された」と呟く。
━
「他には生産系の者達もいるが、どうする?」
「見に行く」
立ち上がり魔法学部から離れて生産系の生徒達が居る場所に向かう。
━
━
━━
「ここは
「他は別の所に居る」
「成る程、うんまあ
スクロールを作るには
「他って事は
「そうだ、
「ふーん、
「
「当然でしょ、
口を手で覆い何かを考え「
━
「できると………折角だから教科書もあげる、サービスだよ」
「良いのか?」
「同盟国が栄えるのは望ましい事だからね」
「同盟国か、ソイツは嬉しい事を言ってくれるな」
「次はその
「ああ構わん」
数人いる
━
「じゃあ次にいこう」
「こっちだ」
━
━━
━━━
「ここだ」
「ああ成る程、確かに
「帝国は
「結構考えてるんだね」
「王だからな、お前もそうする事になるぞ」
「うぇ、やりたくない」
「強情な奴だな、何度も言うが諦めろ。なんの為に俺がお前の国を認めたと思っている」
「それくらい分かってるし、国ができる事自体は良いんだよ。問題は
「法国を滅ぼした時点で覚悟を決めておくんだったな」
「ぬぅ、あんな連中見逃せないでしょ」
「時には目を瞑るのも王と言う者だ」
「その割にはすぐに法国を切ったよね」
「お前という戦力と、法国から送られてくる奴隷を天秤に掛けて傾くのはお前に決まっているからな」
「実利主義だね」
「功利主義と言え」
「ならそう言う事にしておこうか」
工房を見て周り時折『成る程』と言ったり、『ふむふむ』等と考える素振りをして「もう分かったから次行こうか、次は何があるの」とジルクニフに聞く。
━
「後は帝国魔法省だな」
「じゃあそこに行こうか」
「案内しよう」
そのまま帝国魔法学院を後にし帝国魔法省に向かう。
━
━
━━
「随分と厳重だね」
「帝国の心臓部の一部だからな」
「ふーん」
中に入り見て周り「やっぱり全体的に偏ってるしスクロールも低位階のスクロールしか作れてないね」と言うと「お前基準で測るなと言っているだろう」
と返される。
━
「お前の所はどこまでの位階魔法をスクロールにできるんだ?」
「最低でも第八位階、今は第十位階魔法をスクロールにできる様にさせてる」
「第八位階魔法……だと……」
「第五位階魔法からは羊皮紙が重要になってくるしできなくても仕方ないさ」
「ならお前はなんの羊皮紙を使っているんだ」
「ドラゴンハイド」
「は?」
「ドラゴンハイド、つまり
「そんなモノをどこから仕入れているんだ」
「
「い、幾らで売るつもりだ」
「んー、交易共通白金貨を五枚くらいかな、サービスで二ヶ月の間は一ダース、十二枚を五枚で売ってあげる」
「(一ダースで交易共通白金貨二枚か……あり得ん値段だな)三ヶ月目からは幾らになる」
「一枚で一枚。つまり等価だね、その値段で売ってあげる」
「(等価か、それでも充分破格な値段だな)」
「まあ作れるかは君達次第だけどね」
「爺なら第六位階魔法まで使える……が、アイテム製作系統の技能は無い」
「つまりドラゴンハイドか有っても意味がない訳だ」
「お前から
「ま、頑張ってよ」
新たな可能性を知り、これからの帝国の繁栄を確信した。
━
「ん? なんでフールーダが此処に居るのさ」
「帝国魔法省の総責任者だからな」
「それは分からなくもないけどナザリックとやらには行かなかったの?」
「無理矢理引き摺って帰ってきた。が、帰ってきてからはあのアンデッドに渡された魔法書に首ったけだ」
「なんで」
「字が読めんらしい」
日本語だろうしそりゃ読めんか。
「
「習得していない、だから読む為にあれやこれやと試しているとの事だ」
「なんか意外だね、じゃあコレあげる」
「コレは?」
「
「良いのか?」
「沢山あるし、作ろうと思えば作れるから一個や二個くらいあげても困らない」
「後で渡しておこう」
オルトがじっと下を見て「下に何か居る?」と聞くと驚いた様子で「ああ」と短く返ってくる。
━
「爺、爺!」
ジルクニフの声に体を大きく揺らし「お、おおジルか、どうした」と返し、「下に案内せよ」と言うとピクリと反応し視線を横にズラして頷き「案内致しましょう」とこたえる。
━
━
━━
━━━
━━━━
「へぇ、そう言う事か」
「
「そんな中に
「あの御方は死の頂、死の深淵にて座す御方なのです」
「ふーん」
ぶっちゃけ
「
「何を仰られるのですかトール様、貴方様から渡された魔術書はまさしく青天の霹靂にございました。死霊
「参考になった?」
「それはもうこれ以上無い程に」
「それは良かったよ」
つまりコイツは幾つか
「で? 使役はどうなのよ、できそうなの?」
「未だに」
「だろうね」
「トール様は何かご存じで?」
「
「何故、ですか……」
「君は
つまり君は死霊系統魔法をそこまで修めてない事になる、だから今の君には不可能なんだよ」
「で、ではどうすれば
「これから死霊系統の魔法だけを習得すれば良いけどできるかどうかは君次第」
「トール」
「何」
「お前ではなんとかならんのか?」
「んー、
「ティル・ナ・ノーグの
「彼は戦士職、魔法とは無縁だから一番無理。ハノンエチグは生産系だから魔法を修めて……いなくもないけど死霊系統じゃないからやっぱり無理」
下唇を噛み「爺が強くなる事は帝国が強くなる事と同義だ、なんとかならんのか」と聞かれタメ息を吐き、「国の書庫に死霊系統の魔法書があるから持ってきてあげる、習得できるかどうかはフールーダ次第だよ」と返す。
━
「スマン、助かる」
「その代わりタダでとは言わない、交易共通白金貨を十枚もらう。それかハノンエチグの出向を無くすかだね」
「すぐに用意しよう」
「だよね」
「しかしトールよ、何故お前は自分が修めていない魔法の魔法書を持っているんだ?」
「
「魔法書もか?」
「一番欲しいじゃん、どんな魔法があるのか知りたいでしょ?」
「そうか、だがそのコレクター魂に例をせねばな」
「いつ頃に持ってこればいい?」
「できるのであれば今すぐにでも」
「じゃあそうしようか、君達は白で待っててよ」
そう言うや否や
━
「一瞬ここの警備を厳重にするか悩んだが……」
「あの方もまた魔の頂に立つ御方、ここの魔法的警備程度なら容易く抜けるでしょうな」
「そうだな。俺達は城に行こう、金を用意せんとな」
「予算の方は問題はないので?」
「…………考え中だ」
「左様でしたか」
━
━━
━━━
━━━━
「ほら、用意しておいたぞ。だが良いのか?」
「何が?」
「フールーダに決まってるだろ」
「今更じゃない?」
「中と外では話が違うだろ」
「だからこその実験さ」
「中なら
「中でも外でも
「そうかもしれんが……」
「それに、だ。
「それならアルシェとかいう奴だけで充分……じゃないな」
「あの子とは方向性が違うからね」
「後はとっ散らかっていない事も大きいな」
「あの子は純魔力系
「その方が強くなれるからな」
「フールーダは二つ名はカッコいいかもしれないし、ある程度知っている者達からすれば脅威なのかもしれないけど」
「
「分かった?」
「偏っているビルドを死霊系統に傾ける事ができるのかを調べるのか」
「うん、やってみる価値はあるでしょ?」
椅子に深く座り、後頭部に手を当て天井を見ながら「あるな」と短く答える。
━
「てな訳で、やってみようかなって」
「ならとことんやるか」
「勿論そのつもりさ」
「鍵は渡すのか?」
「今のところは渡さない」
「ならどうやって
「モモンガくんを外に出して建国させ後に門を開く」
「本気で言っているのか?」
「本気だとも」
口を手で覆い「それだとモモンガくんが外に出たからそんな事が起きたと言われるぞ」と言われ「あー、確かに。言われるかもしれないね」と返し、「ならどうする? 近々の内に開くか?」と聞かれ「そうした方が良いかもね」と答える。
━
「いつにする」
「折角だし
「そのタイミングがベストか」
「『法国が隠してました』とか言えばヘイトは滅んだ法国に向くしね」
「そしてそれを暴いた
「良いシナリオだね、それでいこう」
「建国の方は順調に進んでいる、後は宣誓だけだ」
「嫌だけどやらないとね」
「まあ頑張れ」
「へいへい。じゃあ
「雑務はやっておく」
「よろしく」
そう言い来た時と同じ様に
━
━
━━
━━━
「待たせたかな?」
「早くて驚いているところだ」
「じゃあ早速渡そうか。
先ずは基礎の基礎、
「はい」
「じゃあその次の
取り敢えず中位の
「お、おおお! これ程までの魔法書を………」
「一冊で十枚で二冊だから二十枚だね」
持ってこられた魔法書を見て涙を流し手を震わせながら手に取る。
━
「これがあれば私は魔の、死の深淵に近づける………」
持ってこられた魔法書の数を見てフールーダが更に強くなる喜びと、交易共通白金貨四十枚という金額に頭を悩ませる。
━
「悩んでるみたいだけど安い買い物だと思うよ」
「分かっている、それでも最近は出費が多いからな」
「武具の売買にナザリックにいく時に貸した武具の賃料、買うのであればドラゴンハイドも追加だね」
「ジル、今回の条件も前回同様国力増強と同じモノ、であれば国庫から出しても問題はないと思うのだが」
頭を抱え悩みに悩み「爺が言う通り爺が強くなる事は帝国の国力が上がる事を意味する、国庫から出しても問題はないか」と弱々しく呟く。
━
「毎度あり」
「お前と付き合っていると金が幾らあっても足りんな」
「一時的な出費でしょ」
「それなら嬉しいがな」
「ああそうだ、言う事があるんだよ」
「良い知らせか?」
「悪い知らせだね」
「お前が言う悪い知らせは世界が滅びそうだな」
「あながち間違ってないかもね」
「なんだ」
「
「今なんと言った」
「だから
「悪い冗談……ではなさそうだな。何故分かった」
「どうやら法国が独占してたみたいだね」
「滅んでもロクな事をせんな奴らは」
「だからソレをどうにかする為に
「聞きたくないが一応聞こう。(ドラゴンハイドの入手経路はソコか)」
「
「どう言う意味だ」
「門が活性化してる。法国が刺激し過ぎたんだろうね」
「クソ野郎どもめ」
「だから今の内に強くなった方がいい、まあ
「何か分かってるのか?」
「君達でも倒せる
「そう、か。はぁ……問題だらけだな」
「
「その場合ドラゴンハイドはどうなる」
「
少し沈黙し「そうすればお前からドラゴンハイドを買う必要はなくなるのか」の言葉に「そうなるね」と短く返し「いつ頃開く」と言われ「早くて
━
「
「約一年だね。とは言え
「かもしれんが短すぎる」
「ただ一つ気になる事があるんだよね」
「まだ何かあるのか」
「こっちは悪い知らせじゃないよ、良い知らせとも言えないけどね」
「教えてくれ」
「法国が隠していた
「
「戦士達はそこで実地訓練をするんだよ、
「そんな国が滅んだのか」
「相手が悪すぎた、としか言えないね」
「王国を襲った悪魔か」
「うん、あのアイテムはほぼ無限に悪魔を召喚し続ける。質が高くても量には勝てない」
「聞くだけでも恐ろしい
「考えられるのは一つ」
「悪魔崇拝者と法国が繋がっていた、と?」
「しかないかなって」
「下道どもめ、よくそんな事をしておいて人類の守り手を名乗っていたな」
「本当にね」
「つまり法国はその鍵を使い
「可能性は高いだろうね」
「そして鍵を使い過ぎた結果、鍵を使わずに門が開くと」
「そうなるね」
「門から
「分からない、何せソコまで使っていないからね。
「クソがッ! アイツらはなんて事をしてくれたんだ!!」
「もう少し遅かったらどうなってたんだろうね」
「想像すらしたくないな」
「それで? どんな
「前に見たモンスターを覚えてる?」
「ん? いつの事だ」
「フールーダ達に武器を売った時だよ」
「ああ、あのモンスターか。あのモンスターが出てくるのか?」
「雑魚としてね」
「雑魚?」
「うん、雑魚としてね」
「あのモンスターでも相応に強そうに見えたが」
「あの時のは大体難度が30程度だね」
「アレが30か……それより強いんだな?」
「それこそ次元が違うよ」
イヤまあランポスもG級に行けば話は変わってくるけど、それでも雑魚でしかないから嘘ではない。
頭を抱え「クソッ!」と叫びながら頭を搔き毟り手を見ると髪の毛がついていた。
━
「頭が痛い、胃がキリキリする」
「ポーションでもあげようか?」
「くれ」
渡されたポーションを呷り一つ息を吐き「これからどうすればいい」と聞かれ「現状は何も無い」と答える。
━
「そうか……ウッ、胃が……」
「ストレス解消した方が良いよジル」
「何をして解消するんだ」
「んー、森林浴とか?」
「お前の国か……行くか」
「今から行く?」
「………そうしよう」
「じゃあ近寄って」
よろよろとオルトに近づくと何故かフールーダも近づく。
━
「なんで君も近づくのさ?」
「最近疲れがたまっておりまして」
「まあいいか、
魔法を使い応接室からティル・ナ・ノーグへと転移する。
━
━
━━
━━━
何度も深呼吸し長く息を吐き降り注ぐ穏やかな光と新緑の香りに身を委ねる。
━
「落ち着いた?」
「ああ……心が洗われるようだ」
「確かにこれは心が洗われますな」
二人が神都中央に作られたベンチに座り空を見上げていると「そのお二人さんが帝国の王様と最高戦力か」の声が聞こえる。
━
「あ? 誰だ? 今はゆっくりしたいんだ」
「彼がティル・ナ・ノーグで
「ああそうか、後で話し合おう。今はただ……この暖かい光を浴びていたい」
「随分とお疲れだな」
「
「御愁傷様」
「どうにかならんのか」
「もう無理だな」
「そうか………胃が爆発しそうだ」
「戦力増強の機会だと思うしかない」
「それで何人死ぬ」
「
「……当たり前だがトールとは性格が違うな」
「そりゃあ別人だからな」
「そっくりではないがそれなりに似ているからな、一瞬混乱する」
「だろうな。門を見に行くか?」
「後で行こう」
「あぁ一つ聞いておこう、どう呼べばいい」
「好きに呼べ」
「ならジルクニフと呼ばせてもらおうか」
「ああ……」
そこから数十分森林浴をしゆっくり立ち上がり「
━
━
━━
━━━
「ここが『門』だ」
「ただの洞窟にしか見えんが」
「『門』、というのはあくまで分かりやすく表現しているだけだからな、実際にはこういった洞窟が入り口だ」
「入り口?」
「奥に行けば分かる」
土を踏む音だけが響き暫く歩くと開けた場所に出る。
━
「これ、は………」
「なんという事だ、こんな事があり得るのか……」
「本来は『鍵』に反応して入る世界が決まる」
「本来は?」
「『門』の奥にあるのはある種の別世界だ、どこに繋がっているのかは入るまで分からん。
だから『鍵』を使い入る場所を限定する」
「『鍵』は確かに鍵の形をしている。でも、『鍵』の意味は『門』の中を限定する為の
「今は持ってるのか?」
「今日は突然だったから持ってきてない」
「つまり?」
「此処がどこなのか、此処にどんな
「地獄だな」
「だから気を付けると良い」
「何をだ」
「『鍵』を使わずに入った場合は入る者の力量に応じて
「でも最大値ではなく平均値、
「そう……待て、ならここに出てくる
「それなりに強い
「
生唾を飲み込み「分かった」と短く返す。
━
「来たぞ」
「アレは……」
「迅竜『ナルガクルガ』凄まじい速度と隠密能力に長けて尻尾から飛ばされる鱗は並みの剣より鋭い」
「
上位か? G級では無さそうだな。
「レインダーカ、
後は逃げないように
様々な
━
「な、なんという事だ」
「爺、今の魔法はなんだ」
「分からん、何一つ分からん。ただ一つ言えるのは第七位階以上の魔法である事だけ……」
「そうか、こう目の当たりにするとトールの化け物さが分かるな」
「そうですな、やはりトール様も魔の頂に立つ御方」
「これで充分かい?」
「ああ、充分だ」
「回復
「要らん、一撃で終わらせる」
一つ息を吐き腰に履く鞘に手を掛け鯉口を切り地面を強く踏みしめ跳び『
━
「それなりだな」
「まあ君からしたらそうだろうね」
「お前も同じだろ」
「否定はしない」
「(なんだ今のは、今のが武技だとでも言うのか? アレが? この男も……化け物だな)」
「取り敢えず解体しようか」
そう言い首だけ刎ねられほぼ無傷のナルガクルガに近寄り、鱗、皮、肉、骨その他諸々に解体していく。
━
「おお、天鱗じゃないか、珍しい物が採れたぞ」
「運がいいな」
「天鱗とはなんだ」
「この
「そうか、とにかく凄いアイテムである事は分かった。(そんな
「うん? あーこれか」
あー、そうだった、
「
「毒? そんな物を持っていて大丈夫なのか?」
「結晶化してるから持っても問題ないけど処理するのには相応の技術がいるから
この結晶は所謂討伐証明扱いだね」
「確かに
「まあ開かない事がベストなんだけど」
「そうだな、それが一番だ。はぁ……確認は済んだ、帰るとするか」
「そうだね」
オルトの言葉に従い来た道を戻りモンスターハンターの
━
「と、まあこんな感じなヤツが各地に開く」
「お前達の場合は論外としても
「そうなるね」
「危険ではあるが、同時に強くなる近道でもあると……どうにかできるのか?」
「それは分からない、塞ぐ手段があるかもしれないし、無いかもしれない。でも
「問題だらけだな」
「対処ができるのなら確実に強くなれる場所でもあるのは事実だよ、強くなるには危険と隣り合わせだよ」
「帰り次第バジウッド達と話し合う必要がありそうだな」
「まあ頑張って」
「他人事じゃない……と、言いたいがお前達は例外中の例外。参考にすらならん」
「ははは」
「一先ず帰るか」
「送るよ」
「頼む」
振り返り「じゃあ後はよろしく」と言い残し
━
「
━
━━
━━━
「それマジで言ってます?」
「大マジだとも、この目で確かめた」
「鍵、門、そして
「これがダンジョン、か……」
「地続きならモンスターの大量発生による溢れ出る可能性は?」
「さっきジルにも言ったけどその辺りは分からない、何せこんな事は初めてだからね」
「0とは言えないと?」
「そうだね、やろうと思えば
「
「どの程度の
「なんにも分からないって、さっきも言ったけどこんな事は初めてなんだ。
各地に現れる門も
「つまり最後に入った者がオリハルコン級やアダマンタイト級の後は要警戒という事か」
「そう思った方がいいね、ま、一番良いのは定期的に中に入り、
「頭が痛いな、どこに門ができるのかは………」
「分かる訳ないでしょ」
「だよな」
「冒険者に兵士、君達騎士が定期的に
「なあトールの旦那、俺達も確認したいんだが行けるか?」
「
「却って危険じゃないか?」
「どんなモノか知らない人物だけで入れる方が危険だよ」
「それも……そうか。鍵は使うのか?」
「使わない方が危険性が分かって良いんじゃない?」
「死ぬ危険性は」
「
「頼めるか?」
「じゃあ行こうか、
ジルクニフの返事を待たず範囲を拡げた転移魔法でまた、ティル・ナ・ノーグへと転移する。
━
━
━━
━━━
「また来たのか」
転移魔法でついた場所には何故かティル・ナ・ノーグ
━
「度々ごめんね」
「これでは仕事が進まん」
「後で手伝うから許してよ」
「馬車馬の如く働いてもらうぞ」
「その前に一ついいか?」
「ん? なんだ」
「何故我々が来る事が分かった」
「ああその事か、この国に生える木々はただの木々じゃない。外部からの
「なんでもアリだな」
「
オルトとそっくりな男が居た事と性格の違いに驚くもすぐに正気に戻り「アンタが
━
「それで? また行くのか?」
「彼らが見たいって言うからね」
「
「
「はぁ、仕方ないか」
━
━━
━━━
「これが門?」
ジルクニフにした様に説明し、開けた場所に出た。ソコはティル・ナ・ノーグにある木に似た木々がある古き森だった。それを見たオルトは何も言わずに
━
「此処は古代樹の森か」
「
「任せろ」
阿吽の呼吸でお互いのする事を確認しあいすぐさま行動に移す。
━
「〈スキル〉
何もいないにも関わらずレインダーカがスキルを発動したと思ったら、突如として天を切り裂くような異様な鳴き声によって破られる様に空から
━
「〈スキル〉
空を駆け上がり目にも止まらぬ速さで
その隙を見逃さず「
━
「
「〈スキル〉
起き上がろうとする
━
「終わったみたいだね」
「久しぶりに愉しめたな」
「そうだね、こんなにやったのは久しぶりだ」
二人が話し合うのを背後から見ていたバジウッドの「化け物じゃねぇか」の呟きが此処に居る全員の心情を代弁していた。
━
文字数を大場に増加、したのですけれどどれぐらいの文字数が良いんですかね。
━━
前も書いたと思いますが、私が忘れたので書いておきます。オルトくんの
理由は異世界とは違いユグドラシルの仕様を受け継いだ別個の
やったぜご都合主義!
━━
モンハンのモンスターのレベルが決めづらい。