星雲からの使者 作:完全にわかのバカ野郎
「なあ」
「使ってない」
「となると現実化の影響か?」
「かもしれないね」
「
「予想外の出来事だね、どうする?」
「ジルクニフに言った以上どうしようもないだろう」
「だよね」
意味深な会話のやり取りをし二人同時にタメ息を吐く。その後、全員を呼び
━
「トール、今のはなんだ」
「今のは『鋼龍』或いは『風翔龍』と呼ばれる
「
「稀にね」
「稀でも出てくるのか」
「なあトールの旦那、一つ聞きたいんだが何故この巣に居る
「さっきも言ったけど本来は此処に来る為には鍵が要る、その鍵をちゃんとした手順で使えば捕獲して外に連れ出す事ができるんだよ」
「それは今戦った
「生きたまま捕獲できればね」
「躾る事は?」
「特殊な技術が要る」
「可能ではあるんだな?」
「一応ね、でも君達には無理だよ、せめて難度120以上の
「さっきの
「さっきのは140前後」
「140前後か、化け物だな」
「俺の時に出てきた
「ジルが見た
「あの時の
「今回は人数が多い分
「アレでも弱い部類だからな」
「アレが弱い!? あんな化け物が弱いと言うのか……」
「同じ個体でも個体ごとに
「地獄だな」
「まだマシな方だよ」
「強ければ
「次元が違いすぎて理解を超えたよクソッたれ」
「でも一つ
「このパーティーの平均難度は140前後、であれば出てくる
「それなら丁度適性じゃないのか?」
「出てくる
「
「そ、危機感を持って行動しようって訳」
タメ息を吐き「そうだな」と呟くと「
━
「不活性化とやらはどうやっていたんだ」
「定期的に門に入って門の中に居る全ての
そうすれば魔力が外に出る、その結果が僅かではあるけど不活性化させられる」
「何故今言うんだ」
「忘れてた」
そうならないと思ってたけどどうやらその可能性がマジであり得る様になった、フレーバーテキストが現実化した事を喜んでたけどまさかこうなるとはね、困った。
「重要な事を忘れんでくれ。しかしさっきの行動はそういう事か」
「活性化に気を取られすぎたね」
「まあいい。で、だ。ティル・ナ・ノーグの兵士、それも精鋭部隊の難度はいくつだ」
「低くて60、高ければ90前後だね」
「低くてもミスリル級で上はアダマンタイト級とか化け物じゃねぇか」
「門の不活性化する為に門に行かせてたからね、当然強くもなるさ」
「そんな事をしていたのか」
「見つけてすぐね」
「一つ確認したい」
「何?」
「弱い
「弱い奴は
「それを聞けて安心したよ」
「その辺りがドス・ランポスだな、奴らは
「区分が違うのか」
「
「奴らもそれなりに強かったと思うんだが……」
「このパーティーの平均値がそれなりに高いからね」
頭を搔き毟り「一先ずは安心材料があって助かったな」と呟く。
━
「それでも
「門の不活性化には次第バジウッド達を行かせる、フールーダが抜けるのは……イヤ、フールーダも行かせるか」
「その時は
まあ精鋭はレベル30超えたから連れていかせられないけど。イヤまあ雑兵? でもレベル20超えだからまだマシ……の前にコイツらのレベルはいくつなんだ?
「君達の
「自分で言うのもアレだが大体オリハルコン級の上位ってところだな」
「オリハルコン級………」
んー、となるとレベルは20から25辺りか? そこまで強くないな、
「忌憚なく言わせてもらうけど強くないね」
「アンタらに比べればそりゃ弱いだろうよ」
「
「英雄級と比べんでくれ」
「さっきの
とはいえそれ以下の、ジルの時に出てきた
「俺の時に出てきた
「あの時は適性だね。あの時は四人で平均値も高かったからね」
「アレが適性か。(トールは知っているから驚かんが、レインダーカとか言う奴の
「まあそうだね」
項垂れタメ息を吐き「問題だらけだな」と呟く。
━
「合鍵でも作るか?」
「あー、そうすれば調節できるのか」
「合鍵が作れるのか!?」
「一応は、だけど」
「時間が掛かるのか?」
「一つ作るのに早くても半年は掛かる、何せ
イヤまあ合鍵を造る前提の
「早くて半年か……だが合鍵を作れば中の難度の調節が可能となり、入る場所を決める事ができる。冒険者の適性の合った巣に行ける」
「半年も待てればね」
「そこが課題だな」
「だから
「………なあトール」
「何?」
「俺達はどうすればいい」
「強くなる。それだけだよ。
だから強くなってよ、何もクシャルダオラレベルの
でもナルガクルガ程度の
「その為にはお前の所にある門を使えと?」
「そうだね、帝国三騎士である君達が一人ずつ精鋭部隊に同行して強くなる。これが一番手っ取り早い、後で教練書をあげる。
それを基に
「強くならねば世界が滅ぶ」
「クシャルダオラレベルの
「やらなければならないと言うわけですね?」
「
「真っ先に滅ぶのは王国だろうな」
「まあそうだよなぁ、あの国は腐ってるからな」
「それにあの
「アレを死んだと言っていいか分からないと思うが」
「言葉通り消滅したからな」
「悍ましい魔法ではありませんが、心底恐ろしいと思いました」
「ああ、あれ程恐ろしい魔法はない」
「今は関係ないんだから考えなくていいって、目先の危険を見る。いいね?」
「そうだな、その通りだ。
フールーダ、バジウッド、ニンブル、ナザミ。お前達にティル・ナ・ノーグへの出向を命じる、だが一人ずつローテーションを組んでだ、帝国の戦力を削ぐわけにはいかんからな」
「ああそうだ、一つ言う事がある」
「まだあるのか」
「今クシャルダオラが出てきたから活性化が
「…………どれぐらい早まった」
「
「三ヶ月も早まったのか」
「今
「助かる」
「不活性化の為なら構わんさ」
そして『門』の事で話し合い、どうするかを煮詰めていく。
━
━━━━
[雪がちらつく
しかし先の戦争にて疲弊している王国は沈黙。事実上の不承認だったが、この日を以て『ティル・ナ・ノーグ
これを聞き帝国、竜王国は
━━━━
「集まったなはいいが……どうする?」
「竜王国はトールのお陰でビーストマン問題は解決した、手を貸す手筈は整ってるぞ」
「二人には頭が上がらないな」
「何を言うかと思えばそんな事か、先に助けられたのは私が先じゃないか。それにトールは私の夫だからな、国が変わろうができようがその事実は変わらん」
「俺はお前との関係が続く事こそが国家安寧の為になる……と言う発表してはいるがそれはあくまで王としてのモノだ。
俺は俺個人の感情が大きい、お前は俺の大事な友人だからな」
「だとは言え本当に助かるよ、ありがとう。
さて、本題に入ろうか」
「うむ」
「ああ」
「
会議は問題なく進み、話題は煮詰まり最後の仕上げになった。
━
「現状ではその方法しかない……と」
「俺が見た
「ジルの言う通りティル・ナ・ノーグの兵士はどこの国より強いと自負しているよ」
「難度90の
「精鋭部隊の一部だけどね」
「トールよ、それでも充分だと思うんだが」
「この程度で胡座をかいてちゃ駄目なのさ」
「『鋼龍』……か」
「先程言っていた
「
それでも難度100前後の
「その
「お前達は何故そこまで落ち着いていられるんだ、難度160以上の
そんな
「そうならない為の会議だ、決定した事を再確認するがいいな?」
二人は首肯をもって返した。
━
「
「異議なし」
「私もだ」
「両名賛成により決定とする。各々帰り次第準備を」
「
「それは何よりだ」
「私も帰り次第準備をする二週間程待ってくれ」
「了解」
話しは決まりドラウディロン、ジルクニフはティル・ナ・ノーグの会議室に置いてある
━
はー、想定外の事が起きたけどこれで少しでも面白くなれば良いな。以前の想定より高いから死者が出るだろう危険性は増した、それでもこれで冒険者が対モンスター用の民間傭兵・便利屋から脱却させられるかもしれないし、やる意味はあるかな。あるのかな? あってほしいな。
━
━━
━━━
━━━━
「前々から言ってましたけど本気でやるんですか? てっきり冗談だとばかり……」
「本気だとも、冒険者が対モンスター用の民間傭兵・便利屋なんて寂しいじゃないか。冒険者とは冒険をしてなんぼでしょ?
「それは俺も思ってましたけどいくらなんでも
「一番それっぽいからねモンスターハンターの
「それ大丈夫なんですか!?」
「それを今どうするか考えてる、なのでモモンガくんも手伝ってね」
「当たり前ですよ、開く
.hackの
「.hackの
「そうですね、フロム
「でしょ? だから一番良いのはモンスターハンターなのさ、それに下位の
「
「その辺りは合鍵を作っては規制しようかなって、まあ
「オルトさんにしてはザックリとしてますね、丈夫なんですか?」
「
「それは……そうかもしれませんね。あ、それとオルトさん」
「何かあった?」
「型月
「アヴァロンの鍵か……悪くはないね。イヤ、でもアレを知られるのはマズいか」
「オルトさん?」
「アヴァロンの鍵の
「あー、確かに。駄目ですね」
「面白い事をできそうだと思ったんだけどね。ま、今は目下の目的を果たそうか」
「建国、そして世界の正義になる。ですね」
「うん頑張ろうか」
「それでシナリオは?」
「ああそれはねーー」
━━━━
[
そして11万もの兵士を塵一つ残さず消した
季節は春、
━━━━
「静かですね」
「仕方ないさ、アンデッドにどこからどう見ても怪物の
「でもどこか変わった気配も感じとれるね、消し飛んだのが正規軍だけだったからかな?」
「民兵に被害が出なかったからですか?」
「多分ね、あの結果で此処に住む人達がどう反応するのか……分からないね」
「死んだのは悪徳貴族にソレに追随する腐った連中、民間人にはマイナスどころかプラスですらある」
「ん? 坊やどうかしたかい?」
「あ、あなたは神様なんですか?」
「どうだろうね、王国軍を壊滅させた張本人。
子供は
でも
━
「お父さんは悪い
「そうか、君のお父さんは余程貴族に不満があるんだね。
それでも民間人に被害が出なかった訳じゃない、君のお父さんは助かったかもしれないけど他の人達は違うかもしれない」
「ううん。お父さんはエ・ランテルからつれていかれた人達はむきずで帰ってこられたって言ってたの。それでね、お父さんは
うんまあ民間人を殺すつもりは無かったから道満に言って民間人を左右に配置させる様にさせたけどまさか此処の住人全員が助かったとは思わなかったな、だからこの変わった不思議な気配が漂っていたのか? ……マイナスじゃないし別に良いか。
「エ・ランテルはどうなるの?」
「今日からエ・ランテルは
「けんこく?」
「エ・ランテルは別の国のモノになるんだよ」
「別の国になったらどうなるの?」
「基本的には変わらないよ、ああイヤ少し変わるかな」
「どう変わるの?」
「今はまだ決めてないから
「本当?」
「うん、本当だよ」
子供と話していると壮年の男性と、妙齢の女性が駆け寄り子供を抱きしめ頭を下げる。すると男性が「あの時、貴方様は我々民兵に被害が出ない様にしてくださいました。本当に、本当にありがとうございました」と嗚咽が混ざった声で例を言った。
━
うーん。こうなるか、予想外の反応だな。…………利用するか。
「見ての通り
何故なら戦争は横から攻めるのが定石だからだ、故に貴族は中央と左右の内側に集まっていた。
そして貴族達は武勲を立てる為に中央に陣取り
「だから貴族だけを……」
「そうなるのかな」
有能・優秀な貴族は残したけど、後ガゼフも。彼をこの段階で死なさるのは惜しい。
「(相変わらずだけど即興でそんな話し作れるなんて凄いなオルトさんは)」
それを聞いた男性は遂には大粒の涙を流し何度も感謝の言葉を言い続けた。
━
━
━━
━━━
「なんと言うか、意外な反応でしたね」
「やはり
「神様ねー、なんでそうなるのかが分からない」
「何も知らない者達からすればその純白の姿は神にしか見えんさ」
「確かに神様っぽいですよね、その見た目って」
「ふぅむ…………そこまで神様に見えるなら利用しようか」
「宗教でも作るか?」
「んー、そうだね……明確な縋る対象、祈りを捧げられる存在が居ると思ってるし使わない手はないか」
「
「名前どうしようかな」
「元ネタからとってクリオラはどうだ?」
「んー、クリオラ・スターセル……イヤ、クーリオーラ・スターセル…………うんこっちにしよう」
「なんか面白そうですね」
「試しにやってみようか、でもその前に神殿が必要だね」
「アンデッド達に急いで造らせますか?」
「神殿を造るのにアンデッドを使ったらマイナスイメージがつきかねないから
「成る程、神聖な神殿を造るのにアンデッドだとなんか、こう……不自然と言うか冒涜的と言うか、アレですもんね」
「
「機械仕掛けの
「この
━━━━
[同月にアインズ・ウール・ゴウン率いるナクト=アラクア、
しかし、リ・エスティーゼ王国は短期間で二つの国が建国した事、真っ先に国家承認をした事を引き合いに出しティル・ナ・ノーグ
だが、
僅か数ヶ月で二つの新たな国が誕生し、激動の時代を迎える]
━━━━
「どう思う」
「魔導王?」
「それしかないだろ」
「今は静観かな、何もしてないしおとなくしてるからね」
「宣戦布告してきたらどうするんだ」
「してくるとでも思ってるの?」
「ないな、アインズ・ウール・ゴウンは頭が切れる。
「なら今は静観だね、
「アンデッドの力を借りるのか?」
「今のところそれは考えてない、戦力もそれ以外も潤ってるからね」
「お前の所の作物はどれもこれも品質が高いからな」
「
「帝国でも評判は高い、その分値が張るがな」
「適切な価格設定だよ」
「不満は無いとも。それと、話しは戻るがあの話しは聞いたか?」
「神殿?」
「そうだ、見た事がない変わった
「スターセルだっけ? そんな事もできるんだね」
「調べた限り新たな宗教、自身の名を取ってクーリオーラ・スターセルと言うらしい」
「クーリオーラ・スターセルねぇ、あの
「俺のところには不確かな情報しかないが、お前はどうだ?」
「似たようなモノだよ」
「きつい・汚い・危険な労働をアンデッドにやらせている……か」
「
アンデッドへの忌避感を
「俺が知るモノと同じだな、あのアンデッドは何がしたいんだ。世界征服か?」
「その割にはおとなしいじゃん」
「
「将来的にはすると?」
「無くはないだろう?」
「少なくともこの先数百年はおとなしくしてるんじゃないかな」
「何故そう思う」
「建国してすぐにそんな事をすれば国内が荒れる、魔導国の現状はエ・ランテルが魔導国に割譲されて混乱してるし
「一理あるな、つまり俺が生きている間は戦争はないと思っても良さそうだな」
「寿命でも延ばす?」
「俺は人として死ぬ、人として死にたい」
「寿命がちょっと延びるだけで人として死ねるよ?」
「数千年も生きるなぞ御免だ」
「それは残念。長生きしていると友人知人がどんどん……先に死んでいくんだ。当然と言えば当然だ、でもこれは何度経験しても慣れないんだよ」
「長寿故の痛みか」
「そうだね、だから少しは本気で言ったんだよ、まあ断られるのは分かってたけどね」
「爺が居るだろ」
「ああそういえば彼の寿命延ばしたね」
「爺とお前とで魔導国の監視をし続けてくれ」
「そうだね、そうなるよね、めんどくさいなー。まあでもそれが役目だと思えば悪くないか。それにその頃には次世代も育ってるでしょ」
「お前の子か?」
「できれば良いね」
「できんのか?」
「前も言ったと思うけど
「それは同族同士の話だろ? ただの
僅かな驚きとで沈黙し「成る程、ソレは考えた事もなかったね」と返す。
━
「この国の
「望む子が居ればね」
「お前が言えば全員手を挙げるんじゃないか?」
「うんまあ……だよね」
子作りかー、ぶっちゃけその辺り枯れてるんだよなー、でもリネイが言う神人とやらの正体には興味がある。
プレイヤーと現地人の子供……一般的な現地人とは隔絶した早さで強くなれる存在。強くなる幅が違う存在……作る価値はある、あるが、それを確認するだけの為にソレをしてしまえばあの下道と同じだ。死んでもやるかそんな事。
「ま、望む者が居たらね」
「国内に発表してみろ、我先にと押し寄せるぞ」
「建国してすぐにそんな事を?」
「だからこそだろう、次代を考えるのも王としての責務だ」
「責務、ね。今は考えない。やる事が山積みだからね」
「はは、そうだな。ああそうだもう一つ確認したい事があるんだが」
「漆黒のモモン?」
「やはり知っていたか」
「
魔導王側ではあるが比較的市民側に近いとも言える、言えるがそれでもやはり魔導王側の存在、市民を守るかと言われれば正直分からない。そこに現れたのが……」
「市民の英雄、漆黒のモモン」
「配下に下る代わりに……ってヤツだな」
「まさしく英雄だね」
「内部分裂は狙えるか?」
「まず無理、やるだけ無駄」
「何故だ」
「
「意外と知っているな」
「優秀な諜報員も育ってるのさ」
「
「使わない手はないよ」
「大丈夫なのか?」
「事ここに至って使わないのは愚者がする事だよ」
「不活性化は不可能だと?」
「させる為にやってるんだ、可能な限り早く巣の魔力を霧散させる必要がある。今は二日に一回のペースで入ってる」
「それでも間に合わんのか」
「活性化のペースが上回ってる、このままのペースで進めば
「また早まったのか、魔導国に
呟きと共にタメ息を吐き頭を抱える。
━
「ああそうそう、今のところ
後はアレ、漆黒のモモンを受け入れる様に進言したのもあの
「それが救いなのか、何かの策略なのか……図りかねるな」
「今は静観するしかないね」
「そうだな………」
項垂れるジルクニフに国で採れるハーブティーを差し出しながら「飲むといい、少しは落ち着く」と言うと、笑いながら「合法か?」と返され「当たり前でしょ」と答える。
━
━━━━━━━━━━━━
「
「まさか二週間かそこらで神殿がここまでできるとは思ってませんでしたよ」
「
「住民があそこまで協力的なのは驚きましたね」
「いつの時代も人は己を助く存在を見いだし縋る、特に神を名乗った
縋りたいのは平常心を取り戻す為、日常を取り戻す為、そして
「宗教とはそういうモノだからね、ある意味一番手っ取り早い人心掌握だ。
清廉潔白でなければいつかの時代に背中から刺される事になる」
「カルトか」
「早い話がね」
「カルト? なんですかそれは」
「元号は平成、その初期に起きた無差別テロを行ったカルト宗教。不当に寄付をさせたカルト宗教。
片方は法で裁かれ、片方は被害者家族の手によって裁かれた。しかし悲劇も起きてしまった」
「悲劇?」
「
「逆恨みの、テロ……」
「『あの国』にはテロが無い。等と思っている者達が数多くいたがそんな事はない。
いつの時代にもテロは有った、ただその事を忘れただけだ。『平和』という仮面の中には数えきれない程のテロが起きていた」
「赤の軍団や山荘だね、まあその時はまだ産まれて無かったから詳しくは知らないけどね」
「いつの時代にもテロはあった……じゃあ俺達がいた時代はどうなんですか」
「日夜各地でテロ三昧だ、巨大複合企業が隠してたけどね」
一つ息を吐き「僕らも人の事を悪く言えないさ」と呟き「そうだな、僕はテロの一部を扇動した」と溢し「でも僕はその行為が悪とは思っていない」とも言った。
━
「扇動した? なんでそんな事を」
「削る為だよ」
「そう、奴らの力を削る為にはこの方法しか無かった。まあそれもあってかたっちくんには警戒・監視されてたけどね」
「へ?」
「たっちくんは警察官だからね企業の長であっても……イヤ、だからこそかな。僕は単独企業、僕の会社は一個の会社で全てを回せたし、誰にも慮らずに奴らと戦えた。奴らは奴らで僕に手を出せずに
「それはどうして」
「電脳化、義体化するには僕の会社を通さないと行えないからだよ」
「僕の会社は全アーコロジーに分社がある上に電脳化技術も義体化技術も僕が独占していた、だから奴らは僕に手を出せなかった」
二人のオルトが代わる代わる『何が』あったのか、『何を』していたのか、『何故』警戒されていたのかを話し「だから僕は様々な情報を掴めたし、掴める立場にいた」と完成しつつある神殿を見ながら答えた。
━
「(だからたっちさんは俺にあんな事を………)」
「ゲーム内では私情を抜いて一緒に楽しんでたけどね」
……まあ警戒はしてただろうけど、特に僕とウルベルトくんの二人を。仕事熱心だよね、彼って。
「さて、昔話はこれで終いにしてこれからの事を話そうじゃないか」
「え、あ、はい」
「神殿が完成したら専用? の神官も任命しないとね」
「育てるのには
「モンスターハンター
「うん、エ・ランテルと王都近辺にいくつか開くつもりだからね」
「ティル・ナ・ノーグに同盟の使者を送りましょう」
「条約は……なんでもいいか」
「基本的な条約で良いでしょ」
「送るのは誰を送りますか?」
「アルベド辺りでも送るか、最近張り切ってるみたいだしな」
「悪い方に転ばないといいよね」
「空回り気味ですもんね」
「思いっきり空回りしてるよね」
「アルベドにつけてる百貌曰く『無礼を働いた』とか言ってたな」
「無礼を働いた? なんですかそれ」
「
「もう一つの問題はいつ送るかだ」
「誰もいない時に送りたいけどあの国って溜まり場なんだよね」
「オルトさんか連絡がくるまで待ちますか?」
「それが一番かな」
会議と言う名の雑談を終え、トールが治める国との同盟設立を決めた。
━
━
━━
━━━
━━━━
━━━━━
「使者が来た? いつだ」
「四日程前だね」
「どうだった」
「特に何も無かったよ、条約も一般的なモノだったし」
「そうか……無理難題を吹っ掛けられてはいないと、
「協力するってさ」
「なん……だと……。何を、何を考えているんだ」
そもそもが同じ根っこだから何もないんだけど……まあ深読みされても今のところは困らないし別にいっか、困るのは
あるとすればモモン経由で何か邪推される辺りかな。……今は成り行きに任せるしかないか。
「考えが有る無しはおいおい考えるとして、今は
「……いくら化け物と言えども同等な強さを誇るトールには喧嘩を売らんか」
「それもあるだろうね、単独で乗り込んでくるなら相討ちになるのは目に見えてる。かといって二人、ないし三人で来れば『戦争しに来ましたよ』って言ってる様なモノだからね」
「確かにその通りだな。ふぅー……今は裏が無いと思っておくか」
こう、深読みするのはデミウルゴスに似てるね。はてさてこの考え方がどう転ぶのか……分からん。
「さて、巣の方はどうなってるんだろうね」
「今日はレインダーカと行っているんだったな」
「ナザミって子と二人でね」
「何もなければいいんだがな」
「彼が居るんだし大丈夫でしょ」
「だからこそ怖いんだが」
「大抵の
口を手で覆い「それもそうだな」と呟き続けて「それで? 不活性化の進捗はどうだ」と聞き「大体3%くらいかな」と返すと「それだけか」の言葉と共にタメ息を吐く。
━
「一応聞こう、何%になれば安心できる」
「最低で30%」
「つまり無理と言う事か」
「現状ではね、魔導国の協力でどこまで進捗率を上げられるかが肝かな」
「ここでも出てくるか魔導国……」
そりゃまあ怖いよねー、でもまあしょうがないと言えばしょうがないか、何せモモンガくんアンデッドだから表情が読めないんだよね。その事が有利にも働けば不利にも…………不利になる事はないか。
「なんなら魔導国から来る協力者と一緒に行く?」
「やめてくれ、俺はまだ死にたくない」
「大丈夫、
「うっ……少し、考えさせてくれ」
「魔導国の兵士が来るのは一週間後、まだ時間があるからゆっくり考えといて」
「そうしよう………」
頭を押さえながら
━
「もう良いよ、モモンガくん」
「誰も来ませんか?」
「門は閉じたから」
「そうですか、なら大丈夫ですね。それで、これからどうします?」
「取り敢えず『ティル・ナ・ノーグと魔導国は繋がっているのでは』といった邪推を無くしたい。けど、そんな事を思ってるのは王国だけだろうね、ジルもラディも
「これまでの活動が実を結びましたね」
「だねー、望外の結果だよ」
「
「んー、そう、だね………」
来させるのは階層守護者達、アルベドとデミウルゴスは無し、変な深読みとかされたら困る。シャルティアは朱い月である
パンドラはモモンガくんの影武者で必要だから無し、と。魔導国的に行動するのなら………。
「アウラとマーレにしようか」
「でも二人は
「『
「あー、そうですね。じゃあアウラとマーレに言っておきます」
「よろしく、ああそれと砕けた口調でって言っといてね」
「分かりました」
その言葉を最後に転移魔法で帰っていくのを見送り「どーなる事やら。ま、なるようにしかならんか」と一人考え、これからの事を妄想に耽っていた。
━
月日の表記は捏造です、それらしくしました。
━━
あんな事書いて大丈夫かしら。
━━