星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 二人からの信頼が厚いオルトくん。


八十一話

「ようこそ森妖精(エルフ)の理想郷、ティル・ナ・ノーグに」

「(うわっスッゴイ此処、本当に森妖精(エルフ)の理想郷だ)ふーん、まあそれなりかな」

「(居るだけで温かくなってくる、力が沸いてくる……)そ、そうだねお姉ちゃん」

「それなり、か。少しは自信があったんだが、どうやら精進が足りんらしいな」

「(気を抜くとフニャフニャになる)こ、こんな国はどーでも良いから竜(ドラゴン)の巣とやらに連れてってよ。(早く、早くここから離れないと木陰で休みたくなる)」

「(流石オルト様、これ程素晴らしい国を御造りになられるなんて……木陰で休んでても良いのかな? ……駄目だよね)う、うん。早く行こうよ」

「てな訳でだジル、使者様は巣をご所望だ、速やかに行こうか」

「そうだな、レインダーカは?」

「彼は門の前に居るよ」

「ならば早急に行くか。(闇妖精(ダークエルフ)か、まさかトールの国に闇妖精(ダークエルフ)を寄越すとはな。余程家臣からの忠誠心に自信があるみたいだな)」

 

 一言も言葉を交わさず門の前に辿り着く。

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「洞窟だ、本当にここが門?」

「『門』というのはあくまで形而上表現だ、門の形をしている訳ではない」

「ふーん」

「そ、そうなんだ」

「中に入ろうか」

 

 

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 レインダーカが辺りを見回し「此処は……フォンロンの古塔か!」と叫ぶと、オルトはすぐさま超位魔法に取り掛かり砂時計を砕き即座に発動させる。すると、白銀の樹皮を持っていながらも透き通った水晶の大樹の防壁が瞬時に急生長し、ドーム状の『水晶樹の要塞』を構築する。

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「レインダーカ!」

「〈スキル〉鞍馬流・(くらまりゅう)縮地」

 

 レインダーカはその姿を確認すると転移(テレポーテーション)がごとき速度で近づきスキルの『虚空・(こくう・)天(てん)刃縮歩(じんしゅくほ)』を使い角を集中して何度も切り続け、オルトは『魔法三重化(トリプレットマジック)』を使った『輝石の流星(ピロクセヌス・メテオロン)』を発動し、放たれた九つの流星は角に当たると爆発し一角獣は嘶く。

 流星を喰らった一角獣は反撃と言わんばかりに体を震わせると角が激しく光り、幾筋もの落雷がオルト達を襲う。が、水晶樹の要塞が落雷を防ぐ。

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「レインダーカ、動きを止める引力弾(グラウィタース・グロブス)」

 

 オルトが放った魔力の塊が当たると強力な引力が発生し吸い寄せると、モンスターが逃れようと踠く。

 レインダーカは一つ息を吐き『鞍馬(くらま)流・(りゅう・)疾駆(はやが)け(け)』で近づきモンスターを蹴って空へと駆け上がり『喜見城・氷柱削り(きけんじょう・つららけずり)』で角を攻撃し流れるように『閻魔大車輪(エンマダイシャリン)』へと繋げ、『縮地・天歩』で残像を伴いながら地面に降るとすぐに『縮地』で距離を取ったタイミングで魔力の塊が地面に着弾し、爆発してモンスターの角が砕ける。

 そして『虚空・(こくう・)天刃縮歩(てんじんしゅくほ)』の言葉と共にモンスターを斬り刻む。

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「残心は解くなよ」

 G級個体が出てくるだろうとは思ってたけどまさかキリンが出るとは思いもしなかったな。

 

「言われるまでもない」

 キリンか、アレの素材は中々旨いんだよな、山小人(ドワーフ)の私(僕)にでも何か作るか? 

 

「(あの時は全力じゃなかったのか! つくづく化け物だな)」

「(凄い。二つの『体』を同時に使ってキリンを翻弄するように戦えるなんて……アインズ様が仰っていた事はこう言う事なんですね)ちょっと面食らったけど私達要らないじゃん」

「(す、凄い……これが森妖精(エルフ)のオルト様の戦い方……)そ、そうだね僕達なんの為に来たんだろうね」

「(良し! いい反応だ、これで俺達がどれ程の脅威なのかを見せつけられた。……俺は何もしていないが、それでも三ヶ国と戦争をしようとは思わんだろう)」

「ま、なんとかなったね。レインダーカが居てくれて助かったよ」

 居なかったら僕(私)が魔法(魔術)で戦うだけだろうけども。

 

「キリンが出てくるとはな、意外だった」

「でも良いものを手に入れられかもよ?」

「そうだな、さっさと解体するか」

「トール」

 

 解体をしながら「なにー」と返し「今のはなんだ、どこから見ても竜(ドラゴン)じゃないだろ」と言われ、レインダーカが「今のは幻獣キリン、クシャルダオラに並ぶ脅威的なモンスターで古龍(エルダードラゴン)に分類されている」と答える。

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「幻獣?」

「滅多に現れないモンスターで今の個体の難度は凡そ240以上だね、後で詳しく話そうか」

「240以上だと!?」

「大丈夫、そう滅多に出ないよ。あー、蒼角は完全に砕けてるね」

「アレだけやれば仕方ないだろうよ」

「それもそうか、でもこれはこれで使い道あるから別にいっか」

「何か作るのか?」

「んー杖とか?」

「お前はそんなモン要らんだろ」

「あの子が使うかもしれないし一応ね」

 よーし、データクリスタルをじゃぶじゃぶ使って作るか。

 

「終わった事だし帰ろうか」

「まだ一体しか倒してないがいいのか?」

「ここには一体しか出ないんだよ、てな訳で帰ろう」

 

 一通り解体を終え、念のために周りを見渡し来た道を戻っていく。

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「さて使者殿、我が国のハーブティーは如何(いかが)かな?」

「まあそれなりかな」

「でも美味しいよ」

「それは何より、口に合って一安心したよ」

「トール」

「どうかした?」

「森林浴をしてくる、胃がキリキリしてきた」

「そうか、じゃあそこにある胃薬のポーションを持っていって飲んでて」

「胃薬特化なのか? お前の所にはなんでも有るんだな、ありがたく頂戴するよ」

 

 ヨロヨロと部屋から出ていき百貌に尾行させ城から出ていくのを確認して本来の関係に戻る。

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「どうだいアウラ、マーレ」

「凄いですオルト様、ここは本当に森妖精(エルフ)の理想郷です。あの森林に包まれてるとフニャフニャになります」

「どこかフワフワしてきて優しい空気でした」

「この国の木々はただの木々じゃないからね、それに森妖精(エルフ)にはステータスにボーナスが掛かる上に精神沈静化作用もある。

 地下に魔導国に繋がる転移門の鏡(ミラー・オブ・ゲート)が設置してある、暇を見つけたら来るといい」

「でも誰かに見られたらマズいんじゃ……」

「じゃあコレをあげるよ」

「これは?」

「それは顔無しの仮面。着けている限りどこにでも居る森妖精(エルフ)にしか見えなくなる魔法道具(マジックアイテム)だから此処に来る時に使うといいよ」

 

 そう言い無限の背負い袋(インフィニティ・ハヴァザック)から二つの仮面を取り出し渡す。

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「よろしいんですか?」

「構わんさ」

「謹んで拝受(はいじゅ)いたします」

「は、拝受いたします」

「もっと気楽に気軽に」

「至高の御方にその様な……」

「僕(私)がそう言っているんだ問題ないとも」

「で、ではその様にできる様に努力いたします」

「は、はい。努力します」

「さて、と。これでパフォーマンスは済んだしどうしようかな」

「定期的に私達が来ればよろしいんですか?」

「それが一番かな」

 

 ハーブティーを飲みながら様々な話をし、ジルクニフが戻ってくるタイミングで外に出て国の入り口まで案内をする。

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「使者殿、これからも友好的な関係が続く事を願っているよ」

「それはそちら次第かな」

「我々は魔導国と友好関係を築きたい、そう本心から思っているよ」

「そっかそっか、じゃあ期待してるよ。じゃあね」

 

 そう言うと連れてきていた魔獣に飛び乗り駆けていく。

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「森妖精(エルフ)の一種である闇妖精(ダークエルフ)でさえ神都に靡かんか」

「それだけの魔導王への忠誠心がある証拠だね」

「こちらに引き込めるかと思ったが無理か」

「だから言ったじゃん」

「そうだったな」

 

 思惑が外れた……否、想像通りの結果にタメ息を吐き「部屋に戻ろうか」と声を掛けると小さな声で「そうだな」の言葉が返ってくる。

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「ああそれと、悪い知らせだ」

「聞きたくないんだが」

「大事な事だよ」

「なんだ」

「キリンが出てきた」

「あの化け物か、出てきたな」

「活性化が想定を上回っている、それも想像以上に」

「いつだ」

「今すぐに開いても可笑しくない」

「クソッ!! すぐに会議を始めるぞ!」

「そうしよう」

 

 二人は踵を返し城へと戻っていく。

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「此処がエ・ランテル? なんの冗談だい」

「ここ最近になって開発が進んでいるん、魔導王の指示だ」

「(知り合いだとは聞いていたがここまでの仲なのか)住民は不満に思っていないのか?」

「砕けた口調ですまないが構わないか?」

「それでいい、気にするな」

「すまない、どうしても堅苦しいのは苦手でね。

 で、だ。住民からの不満だったな、その辺りはスターセルとやらが担当している。それもあってか住民達の不満は最小限(・・・)で収まってる」

「最小限、ね」

「有るには有ると?」

「見渡せば分かるだろう? どこを見てもアンデッドだらけだ」

「でも変な天使(エンジェル)も同数くらいはいるね」

「そのお陰で最小限で済んでいるんだろうな」

「天使(エンジェル)は天使(エンジェル)で不気味だね、体に穴が空いてる。アレ本当に天使(エンジェル)?」

「スターセルはそう言っているな」

「あくまで本人談か、よく受けいられているね。

 子供達は笑顔で走り回ってるし天使(エンジェル)の肩に乗ったりしてるしで異様な光景だね」

「笑顔で過ごせるのは良い事だ、良い事だが……」

「不安だよねぇ」

「その最小限の不満の一部はモモン殿が?」

 

 一つ息を吐き「はい」と短く答える。

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「大変だねぇ」

「それは君だろう?」

「ホントだよ、こうなるつもりじゃなかったのに」

「自分の行いを振り替えるといい」

 

 不貞腐れた顔で「そんなつもり無かったんだけどなー」とボヤく。

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「同じ事を言われたな」

「そうなのか?」

「言われたね、自業自得だって」

「君は昔から変わらんな」

「何が?」

「『面白い事、面白そうな事を優先』だとも」

「それは否定しない。つまらない人生なんてつまらないじゃん、人生は面白くないとね」

「ははは、そうか」

 

 二人で話し合っていると道の奥から豪奢な服を着たアンデッドが現れる。

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「これはこれはアインズ・ウール・ゴウン魔導国へようこそ神王陛下に皇帝陛下、言ってくだされば歓待したのですが」

「ご機嫌麗しゅうございます魔導王陛下」

「ははは、城へ来られますかな?」

 

 周りを見渡し「もう少し街を見て回っても?」と返し、「ええ構いませんとも、神王陛下、皇帝陛下。いつでも城へどうぞ」と言うと踵を返し去っていく。

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「いつ見ても恐ろしいな」

「アンデッドだからね」

「トールは恐ろしくないのか?」

「見慣れてるからね」

 

 少し沈黙し「昔に何かあったのか?」と聞かれ「これでも元宮廷魔法師団長だよ? 色んなモノを見るさ」の言葉に隣に居るモモンが「そうだな、今まで様々なモノを見てきたな」と同調する。

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「豊かではあるね」

「アンデッドが農業労働を肩代わりする分が他の生産に回っている」

「近隣のモンスターは?」

「基本的には冒険者が行うが手が回らないところにはアンデッドか天使(エンジェル)が駆り出されている」

「ふーん。あ、そうだモモンくん」

「何かあったのか?」

「竜(ドラゴン)の巣が現れる事は知ってる?」

「一応な、本当にあの場所なのか」

「これでもかって言う程に酷似してる」

「私はよく知らんが法国という連中はロクな事をせんな」

「滅ぼして正解だったよ」

「だが間に合わなかった、と」

「うん、もう時間は無い。近々の内に至る所に門が開く」

「悪い事だらけだが悪い事ばかりじゃない。竜(ドラゴン)の巣が現れれば魔導王もそちらを無視できない」

「かもしれんが奴の戦力は脅威的な程に充実している、魔導王が直接動く事は少ないだろう」

「そうか……そうだったな、奴の配下は化け物揃いだったな」

 

 タメ息を吐き、変わりつつあるエ・ランテルを見て「これが逸脱者を超えた逸脱者が治める国か」と呟く。

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「歓待感謝しますアインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下」

 

 オルトが周りを見渡し「成る程」と短く呟くと周りに居る者達が緊張する。

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「(あの化け物どもが緊張している? ……トールの強さ(レベル)に驚いたのか? なんにせよ良い反応だ)」

「恐ろしい家臣を引き連れてるね、世界征服(・・・・)でも考えてるんじゃないかって思っちゃうね」

「ははは、その様な事はしませんよ。我々は皆様の味方です」

「それを聞けて安心したよ。じゃあ今から竜(ドラゴン)の巣に関しての建設的な話をしようか」

 

 これから、竜(ドラゴン)の巣不活性化会議が長時間に渡り執り行われた。

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「どう見る?」

「協力的ではあるみたいだね」

「だがなぁ……」

「アンデッドなのが気になる?」

「当たり前だろ」

「その辺りは受け入れるしかないよ、目下の目的は門の対処だ。その為にモモンとルヴァン、しかもあの闇妖精(ダークエルフ)を派遣してくれるらしいし良かったと思うしかないさ」

「そうだな、現状マイナスではない。

 あの魔導王は本当に生者に憎しみを抱いていないのか?」

「今のところはそういったのは感じ取れないね」

「警戒しながら上手く付き合うしかないか、あの化け物が敵にならないようにな」

「そう思っておこうか」

 

 馬車の中で愚痴を溢すジルクニフを諭すオルトという構図ができあがり帝国、そしてティル・ナ・ノーグへと帰っていく。

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「また厄介なのが出たのう」

「カンスト三人だからね、仕方ないさ」

「私は遠距離からヤらせてもらおうか」

「よろしく」

 

 竜(ドラゴン)には似つかわしくないジェットエンジンの如き音を響かせ、大気を激しく燃焼させる爆音が夜天に轟きオルト達に落ちてくるが、オルトが魔法の『世界樹の天蓋(キャノピー・オブ・ユグドラシル)』を発動させると二人を守る様に頭上に巨大な世界樹の幻影(天蓋)を展開する。

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「これ使ってると動けないから後よろしく」

「ならば動きを止めねばな。ソルガニール(見た者を拘束する魔法)」

 

 オルトの注文に答えるようにクヴァールが束縛(ホールド)魔法を使い動きを止める。するとそこに青く光る彗星が飛来する。

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「無毀なる湖光(アロンダイト)か、良いね」

 

 青い彗星は竜(ドラゴン)、バルファルクを容易く貫通し、内部で爆発し叫び声をあげながら怯み、その瞬間にレイルザイデン(大体なんでも切る魔法)により首が刎ねられる。

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「腐ってもレベル100の竜(ドラゴン)だよ? 君達って本当に反則だよね」

 

 姿を現したエミヤに「君がそう造ったのだろう?」と言われ、「そうだけども」と短く返すとクヴァールに笑われる。

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「まあいいや、解体して他のも一狩り行こうか」

 

 その言葉に従う様に解体し探索を続ける。

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「体を動かせるのは退屈せんで良いんじゃが、数が多いのは面倒やのう」

「だがデータクリスタルを回収できるのは我々にとってプラスだ」

「違いない」

 

 和気藹々と話し合い、時にはモンスターを倒しを繰り返しているとフィールドな魔力が迸る。

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「乱入だな」

「一番可能性が高いのはイビルジョーかな?」

「ホクホクじゃな」

「すぐ終わるだろうけどね」

「私は竜(ドラゴン)特効の武器を大量に作れるからな、問題はない」

 

 話し合っていると木々を薙ぎ倒しながら暴走する竜(ドラゴン)が現れる。

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「おー『怒り喰らうイビルジョー』か。良いね、クヴァール」

 

 巨大な口で噛みつこうとするがソルガニール(見た者を拘束する魔法)を喰らい動を止め、エミヤが矢に改造した無毀なる湖光(アロンダイト)を至近距離から脳天目掛け放ち、刺さった瞬間爆発する。

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「便利だねー、魔法威力凝縮化・(コンデンス・マジック・)彗星アズール(コメテス・アズール)」

 

 手をかざし、星空の奔流たる極大の彗星を限界まで一点に凝縮し心臓目掛け放ちピンポイントで破壊する。

 ━オバロ アルベド 種族

「お主も大概反則じゃろうて」

「ははは、じゃあ解体しようか」

 

 乱入してきてイビルジョーを解体し、フィールドを再度一通り回り掃討したのを確認してから外へと出る。

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「一時はどうなるかと思ったが馴染むモノだな」

「竜(ドラゴン)は魅力的だからね、それに世界(ワールド)に行ける条件もつけたし」

「銀(シルバー)級からにしたんだったな」

「いくら僕(私)でもNewbie(ニュービー)には行かせたくはないからね、目的は冒険者を減らす事じゃない。冒険者の底上げだ、銀(シルバー)級のレベルは7から9くらいだから下位のランポスやドス・ランポスは安全に倒せるだろうしね」

「郷国(きょうこく)、魔導国、帝国、竜王国。四ヶ国による竜(ドラゴン)の巣の不活性化……と言う名の竜(ドラゴン)の巣での冒険者のレベル上げ、か」

「この世界の冒険者は弱い前に夢が無さすぎる、対モンスター用の民間傭兵・便利屋なんてつまらない、冒険者は冒険してなんぼなんだ」

「掃除屋は磨耗するからな」

「重みが違うね」

「だがこれはあくまで私のフレーバーテキストからくる感情で認識だ、本物の感情ではない」

「そうだね、その通りだ。でも元ネタも似たようなモノだよ」

「そうか」

 

 寂しい空気はその後の和やかな話題で消えていった。

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「戻ってきたか」

「おや? ジルじゃないか、何かあった?」

「魔導国から親書が届いた、恐らく此処にも届いている筈だ」

 

 エミヤとクヴァールに「すまないがコイツを借りていく」と言うと「好きにして構わんよ」と返ってくる。

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「なら城で話そうか」

「何故だ? 城に行きながらでも構わんのだが」

「今日は特殊な事があったからね、それを言おうかなって」

「特殊な事?」

「今日は乱入が発生した」

「乱入? なんだそれは」

「何かしらの要因でボス級の竜(ドラゴン)が乱入してくるんだ」

「なんだその地獄は」

「あっはっは、地獄か、良い得て妙だね」

「どんな奴が乱入してきたんだ?」

「イビルジョーっていう竜(ドラゴン)、書庫にどんな竜(ドラゴン)なのか記録が残ってるから後で見てみるといいよ」

「時間があれば覗いていこう」

 

 執務室に到着し、中に入るとレインダーカが書類仕事をしており「邪魔するよ」と声を掛けると「魔導国か?」の返事がきて「届いたか?」と返すと「ご丁寧にな」と答える。

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「読め」

 

 渡された親書を読み、「随分と丁寧に書かれてるね」の言葉に「何か裏があると思うか?」と聞かれ「内容からは何も」と答える。

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「魔導国が山小人(ドワーフ)の国に出立し、供は此処に来ている闇妖精(ダークエルフ)と正妃である推定悪魔種の家臣。そしてスターセルときた、『何も無い』と考える方が無理があるだろう?」

 相変わらず深読みするね、デミウルゴスといい勝負だ。

 

「純粋に山小人(ドワーフ)の国に興味があるだけかもしれないよ? まあ下心ありきだろうけど」

「ルーンだな」

「だろうな、つい最近帝国に魔導王が来た。その時にルーン武器を見ていたらしい、しかも、だ。魔導王はルーン武器の事を知っていた、だがルーン武器が廃れている」

「理由は?」

「流通が止まったんだよ。どうやら山小人(ドワーフ)側に何かあったらしい」

 

 口を手で覆い「つまり魔導王はーー」と推測をし始める。

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 帝国から戻ってきたモモンガがオルトの階層(エリア)にある一室に来てすぐに「オルトさん、どうやらこの世界にもルーン武器が有るみたいです」と、中に居る巨人(ジャイアント)のオルトに声を掛け「現物は見た?」の返答に「はい、なんでも山小人(ドワーフ)の国にはルーン工匠(ルーンスミス)が居るらしいんです」と答える。

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「ルーン工匠(ルーンスミス)か、型月とのコラボでルーン魔術が実装されたからルーン武器を作れるっちゃ作れるけど、この世界のルーン武器にも興味があるね」

「ユグドラシルのルーン武器ってピンキリですよね、ピンの武器はアレですけど」

「ルーン武器はNewbie(ニュービー)からカンスト勢まで使える武器だったけど造るのがね」

「最下級(コモン)でも中級(レア)の素材やデータクリスタルを要求されるんでしたっけ」

「そうなんだよね、レア度が高いからどうしても割に合わないだよねルーン武器って。

 まあNewbie(ニュービー)でも買える値段設定で売ってたから彼らにとっては『先ずはルーン武器』だったからね」

「オルトさんは比較的レベル1から20までのプレイヤーのルーン武器を造ってましたよね」

「だねー、まあでも……」

「モンハンのMRのアイテムとかを大量に溶かしてましたよね、オルトさん」

「最上級(アドヴァンスト)一つ造るのにどれだけマラソンをした事か」

 

 昔を懐かしみながら「物欲センサーさえなければ」と遠い目をして呟くとモモンガが笑っている。

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「でも一時期ルーン武器流行りましたよね」

「僕(私)が造るのにハマってたし造れるプレイヤーも少なかったから上の等級のルーン武器は高値で売れてたんだよね」

「お陰でナザリックの資金が潤いました、ただこの世界ではどうやらルーン工匠(ルーンスミス)が廃れてるらしいです」

「そうなの?」

「俺も詳しくないんで会いに行こうかなと思ってます」

「僕(私)も一緒に行くよ、ルーン工匠(ルーンスミス)とやらに興味あるし」

「誰で行きます?」

「んー、惑星統括細胞(スターセル)かな。神殿造りも終わったしあの姿なら怖がられないでしょ」

「怖がられないのは大きいですよね」

「ね。それで誰か連れてくの?」

「アウラとアルベドを考えてます」

「アルベド? 連れてって大丈夫? アルベドには外交官させてるし」

「頭脳面だけを成長させようと思ってるんです、アルベドもデミウルゴスと同じ様に斜め上の勘違いや深読みをしたりしてますし、なんの事かは分かりませんがオルトさんに『無礼を働いた』とも言ってますので挽回のチャンスを与えようかなと思ったんです。

 コキュートスが蜥蜴人(リザードマン)の戦争で成長したようにアルベドも成長すると思ってるんです」

「ふーむ………成長するのは望ましい。しかし曲解して成長するのは困る。が、今回はモモンガくんの意思を尊重しようか、アルベドにも良い勉強になるかもしれない」

「はい、NPCの成長能力を信じましょう」

「それでいつ出発するの?」

「次の竜(ドラゴン)の巣に行かせた後にするつもりです」

 

 口を手で覆い「この国には帝国の間者が数名居る、僕(私)達が山小人(ドワーフ)の国に向かえばその情報を知るだろう。だからわざわざティル・ナ・ノーグに行って匂わせる必要は無い」と呟き、続けて「親書を送って……その必要も無いか?」等と思案する。そしてーー

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「やっぱり親書を送ろうか」

「なんでそんな事を?」

「隠し立てする必要は無いからね、黙って行くより伝えておいた方が邪推されないと思う。皇帝はデミウルゴスみたいに深読みするんだ、だから包み隠さず伝えて大手を振って行こう」

「分かりました、内容はどうします?」

「素直に書けば良いよ、『山小人(ドワーフ)の国に行くので今回の派遣はできません』みたいな感じで」

「じゃあ書いてきます」

「うん、よろしく」

 

 そう言うとモモンガは魔導国に帰っていく。

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 はてさてどうなる事やら。……ところで山小人(ドワーフ)の国はどこにあるんだ? 

 

 

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「蜥蜴人(リザードマン)の一人が山小人(ドワーフ)の国の事を知っていました、この後蜥蜴人(リザードマン)の里に行って話を聞いてきます」

「良い情報だね、ところでどこに住んでるのかは分かってるの?」

「そう言えばまだ言ってませんでしたね、山小(ドワー)人(フ)の国はアゼルリシア山脈にあります」

「アゼルリシア山脈? どっかで聞いたような………」

「知ってるんですか?」

「んー……ああ思い出した、竜(ドラゴン)が居る所だ」

「この世界の竜(ドラゴン)ですか!?」

「うん、確かそんな事をフールーダが言ってた」

「どんな竜(ドラゴン)か気になりますね」

「使えるなら使うのも面白そうだよね」

「捕まえますか?」

「可能なら捕まえようか。それとコレを持っていって」

「コレは?」

「ルーン文字が書かれてる魔術書だよ、ルーン工匠(ルーンスミス)が居るなら役に立つかもしれないでしょ?」

「成る程、良い取り引き材料になりますね」

「じゃあ行こうか」

 

 

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「自然豊かですね」

「荒らされていない山や森を見るのは気持ちいいね、昔はよく登山をしたよ、懐かしいな」

「どんな山を登ったんですか?」

「霊峰富士、富士山だ。あの国で……日本で最も高い山だよ。山頂からの朝日は格別だった」

「…………俺も、見たかったです」

「この山の山頂から眺めよう、この山もそれなりに標高が高い、良い景色の筈だよ」

「楽しみです」

 

 和気藹々と話し合いながら歩を進め山腹の台地に出て、キャンプ地とした。

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「要塞創造(クリエイト・フォートレス)」

「塔創造(クリエイト・タワー)を使った時も思ったけど現実化の影響って凄いよね」

「色んな魔法が化けましたよね」

「ネタアイテムの実用化、ネタ魔法の実用化。現実化の影響が大きい」

「遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)とかね、中に入ったらこの近辺を探ろうか」

「第一に情報。ですよね」

「うん」

 

 

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「パッと見は何も見当たりませんね」

「どこかの中に住んでるのかな、例えば洞窟とか」

「成る程」

 

 遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を使い周辺を調べると、森林しか見えず情報は何一つ得られなかった。

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「ゼンベル」

「へ、へぇなんでしょう」

「お前の記憶を見せてほしい」

「そ、それは後遺症とかは……」

「その辺りは問題ないよ、僕(私)の方で何度か試したからね」

「でしたら、大丈夫すけど……。(神様が言うなら本当なんだな)では、どうぞ」

 

 手を翳し魔法を使い記憶を探るが「不鮮明だな」と溢し、伝言(メッセージ)で記憶が頼りになりそうにない事を伝える。

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「君にはこのまま案内を頼もう」

「分かりました」

 

 山腹にて一泊し山小人(ドワーフ)な国へと向かい、出立から三日目にしてゼンベルが知っている場所だと叫ぶ。

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「各員ゼンベルに続け」

「私(僕)は空から調べよう」

 

 そう言い翼を広げ飛んで行き、ゼンベルから聞いていた箇所を探すとそれらしき場所を見つける事に成功した。

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「此処だ!此処に間違いない!」

「アウラ」

「はい。

 山小人(ドワーフ)の国よ! この場所より南方にできた新たなる国、アインズ・ウール・ゴウン魔導国が王、アインズ・ウール・ゴウン陛下が参りました! 案内の者を出しなさい!」

 

 返答がない事を知り、モモンガがポケットマネーで召喚した忍者系モンスターのハンゾウに「内部に侵入し条件を確認してこい」と指示を出し、そしてハンゾウは「畏まりました」と返答し続けて「そらでどの程度調べてまいりますか? 話に聞くには山小人(ドワーフ)の都市は幾つもの坑道を持つ都市。網の目のように走った坑道を全て調べ終えるには時間が掛かってしまいますが」と聞いてくる。

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「最低限でいい。都市の中央部となる都市機能が集まった場所さえ調べればるだけで構わん。坑道内を調べるのはその後だ」

「畏まりました」 

「第一位界天使召喚(サモンエンジェル・1th)・隠密の天使(クランデスティン・エンジェル)。お前もハンゾウに続き内部を調べなさい」

「仰せのままに」

 

 オルトの指示に返答し広げた翼で体を包むと天使(エンジェル)の姿が空間に消えていく。

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 多分その内森妖精(エルフ)オルトくんの詳細から魔法とスキルを別にするかもしれない。なんか見にくいし。

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 下位のドス・ランポスならレベル的には合うでしょ。

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 これで大体一万字くらいです。これくらいが丁度良いのかな?文字数が多いと目が滑りますよね。
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