星雲からの使者   作:完全にわかのバカ野郎

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 この作品ではシャルティアが洗脳されていないので山小人(ドワーフ)勧誘には同行しない。
 その代わりにオルトくんに無礼を働いた(こっちは本人の勘違い)のと失態をして赦されていないと思っているこっちは明確な失態だけどモモンガくん達は既に罰を与えたから赦しているアルベドが同行する事になった。


八十二話

「アルベド、警戒を怠るな」

「ハッ! (名誉を挽回する為に必ずや期待に応えてみせます!)」

 アルベドが特殊技術スキルで瞬時に完全装備し、先頭に立たせる。

 ━

「(防御に特化したアルベドを前に立たせておけば何がきても対処できるだろう、やはりアルベドを連れてきたのは正解だったな)」

「〖アインズ様、山小人(ドワーフ)の都市の居住区と思われる場所を発見し、探索しましたが動く者の姿はありませんでした」

「何があった」

「充分に調べきれておりませんが死体などは発見されず、また家屋内に調度品も一切ございませんでした、争った形跡も〗」

「争った形跡はない。しかも調度品を持って逃げられる時間はあった……襲われた訳じゃないのか?」

「何らかの理由で山小人(ドワーフ)達は都市を放棄した……か、我々も向かう」

 

 アウラとアルベドが短く返答し後に続く。

 ━

「アインズ様、惑星統括細胞(スターセル)様、そろそろ居住区となっております」

「そうか、この先からぼんやりとした明かりのようなモノが見えるが……ハンゾウ、山小人(ドワーフ)はいなかったのではないか?」

「はい。おりませんでした、この光は水晶に近い鉱石が発しているあかりです」

「そんなモノが有るとはね、知らない事ばかりだ」

 

 目の前には大きな空間が広がっていた、明かりの発生源を探して視線を走らせれば天井を支える複数個の太い天然の石柱や天井などにクリスタルのようなモノが生えており仄かな明かりを発している。

 ━

「綺麗だね」

「これを見る限り襲撃以外での放棄、ですね」

 

 口を手で覆い「戦闘以外での放棄……考えられるのは……」の呟きと共に続けて「アゼルリシア山脈には竜(ドラゴン)が居る」と自問自答し、「しかし竜(ドラゴン)の襲撃なら被害は甚大な筈だ、となるの別の何か要因で……山小人(ドワーフ)は生産系統以外にもビルドを組める。物理攻撃を上げれば近接アタッカー、物理防御を上げれば盾役(タンク)にできる意外と使いやすい種族。

 山小人(ドワーフ)の国の全員が生産職だとは考えづらい……5:5、或いは6:4で分かれるのが無難……なのに何もせず住みかを移した? 理由は……」とユグドラシル時代にしていた状況からの推測を鑑みる。

 ━

「それにしても、なんだか思っていた山小人(ドワーフ)の国とは違いました」

「ん? あぁ確かにイメージにある山小人(ドワーフ)らしさは無いね、武骨さと重厚さが無いのは寂しいね」

「はい」

「住めればなんでも良い的な感じなのかな? 山小人(ドワーフ)が見つかってその辺りも聞きたいよね」

「はい」

 

 イメージと違った現実にどこか寂しさを抱きながらもすぐに「ゼンベル、誰かいないか呼び掛けてみろ」と言い、それに従いゼンベルは世話になった山小人(ドワーフ)の名前を叫ぶが洞窟内の筈なのに声はどこまでも広がり返ってこなかった。

 ━

「反応無しか。襲われた痕跡は無し、家財道具を持って移動できる時間はあった、何者かの襲撃を事前に知り避ける為に移住という形で避難した……。一番それらしい理由はコレくらいか」

「何者か、ですか……ハンゾウ。この都市にある此処以外の坑道に何か手掛かりになるようなモノがないか捜索せよ、この都市が放棄された理由わ探すのだ。どのような細かな事でも構わん。

 但し、坑道がどれ程深く、長いかに関しては見当がつかない、あまりにも深そうに思えたとなら撤収せよ」

「ハッ!」

「これで何か見つかると良いですね」

「隠密の天使(クランデスティン・エンジェル)、君も探しに行きなさい。些細な痕跡をも見逃すな」

「仰せのままに」

 

 モモンガ達も引き続き捜索をするが目立った痕跡は無く、視線を動かし「アウラ、この中で最も感覚が優れたお前の知覚力に引っ掛かる何者かはいたか?」と聞くも「ありません、誰もいない感じです」と答えられる。

 ━

「アウラの知覚力でも駄目か、捜索に長けた天使(エンジェル)でも召喚するか?」

「惑星統括細胞(スターセル)、何が居るか分からない以上魔力(MP)の消費は最低限にしておきましょう。

 それに、ハンゾウと隠密の天使(クランデスティン・エンジェル)が居ればその内何かを見つけられる筈ですから」

「そうだね、そうしょうか」

 

 口を手で覆い「なら……そうだね、三つのチームに分かれよう。アルベドはアンデッド達を指揮して私の護衛、アウラは天使(エンジェル)を指揮しゼンベルが滞在したという山小人(ドワーフ)の家に行った後に此処からあまり離れないように注意しつつだ。都市内を回って山小人(ドワーフ)達がいなくなった理由を見つけてくれるかい?」と指示を出し、「分かりました」の返事を聞き「アインズ、私(僕)は空から調べるよ」と翼を広げ飛んでいく。

 ━

 射線が通る空に出たが何もなしか、誰もいない可能性が更に高くなってきたな。

 

「惑星統括細胞(スターセル)様!」

「彼処(あそこ)に立派な建物があるな、後はあの二つもだな、行ってみるか」

 随分と綺麗に整えられた都市だな、碁盤の目のように建物が造られている。中々に賢い者が居る、或いは過去に居たと言う訳か。

 

「惑星統括細胞(スターセル)様、御身を囮にするような行為はおやめください」

「そうだね、些か危険が過ぎた、許せアルベド」

「お願い致します」

「しかしアレが一番手っ取り早い方法だった、使わない手はないんだよ。さて、今見つけた建物に行ってみようか」

「アウラを呼び戻してはいかがでしょうか」

「イヤ、あの子には引き続き仕事をしてもらう。私(僕)達はーー」

 

 降り立ち、続きを言おうとした時にアウラの声が聞こえる。

 ━

「アインズ様、惑星統括細胞(スターセル)様、見て頂きたいモノが」

 

 その言葉を聞きアウラの後を追い、一つの建物内に入る。

 ━

「此処がゼンベルの世話になったという山小人(ドワーフ)の家なのか?」

「いえ、此処は違いますゼンベルが世話になったという山小人(ドワーフ)の家に向かって移動している最中に扉が微かに開いている建物を見つけたんです。それで調べたらコレが見つかりました」

 

 そう言い地面に触れるとオルトが「足跡か」の呟きに「はい、ですが恐らく山小人(ドワーフ)のモノではありません。山小人(ドワーフ)って素足で生活してないんでしょ?」とゼンベルに聞き、「あぁそうだ、アイツらは靴を履いてましたぜ」と返し、「足跡の他にも線状の跡もあるね、それは尻尾かな?」の問いに「恐らくは」と答える。

 ━

「蜥蜴人(リザードマン)の様なモノなのかしら?」

「細いから違うみたい」

「埃を被ってるね、となると足跡ができてから時間が経ってると考えた方がいいし、頻繁に来ていない。

 足跡を見る限り複数の何か……痕跡からして最低でも十匹は居た可能性が高いかな」

「分かるんですか?」

「一時期軍人をしてたからね、こういうのは得意なんだよ」

「(軍人? ただでさえNo.Ⅷのアーコロジーを作った人なのに……ますますオルトさんの経歴が分からなくなってきた)」

「それと何者かは入ってすぐに出て行ってるね、今推測できるのは『山小人(ドワーフ)の街を見つけて興味を持って入ってきた』。てな感じかな」

「惑星統括細胞(スターセル)」

「唯一の手掛かりだね、できる限り追いたい。アウラ、何か分かってる事はあるかい?」

「はい、どうやら外にも同じ足跡があるのであたしの後をついてきてくださいますか?」

「断る理由はないとも」

 

 オルトとアウラを先頭にぞろぞろと歩き、時折オルトとアウラが何かの跡らしきモノを見つけ話し合いながら進んでいき、オルト達が辿り着いたのは先程オルトが見た巨大な建造物だった。

 ━

「此処は……」

「どうかしたんですか?」

「さっき空を飛んだ時に見つけた建造物だよ」

「アインズ様、惑星統括細胞(スターセル)様、此処で同数の足跡と合流しています。この別働隊はあちらから来たみたいです、別働隊を調べますか?」

 

 モモンガとオルトが伝言(メッセージ)で話し合い「先にこの足跡の主達がどこに消えて行ったかを追った方が良い、別働隊は後で調べる」と伝える。

 ━

「畏まりました」

「行こうかアウラ」

「はい」

 

 二人が再び歩き始め、都市を横断するような形で壁に接した建物、平屋に見えるが敷地面積がかなり広い建造物に辿り着いた。

 ━

「此処ですか?」

「うん、此処だね」

「……誰もいないと思うが念のために魔法を使う。私を中心に敵の防御魔法が炸裂する可能性がある、お前達は少し離れよ」

「私(僕)も使おうか?」

「イヤ、惑星統括細胞(スターセル)は防御魔法を頼む」

「了解。第七位界天使召喚(サモン・エンジェル・7th)、守護の権天使(プリンシパリティ・ガーディアン)」

 

 召喚魔法(サモン・マジック)で広範囲防御魔法が使える天使(エンジェル)を召喚し、モモンガから少し離れる。

 ━

「(もし相手が攻勢防壁を使える手練れであれば間違いなくカウンターが飛んでくる、このメンバーで一撃死があり得るのはゼンベルぐらいたが無駄に体力を減らす理由はない)」

 

 オルト達が離れたのを確認して魔法の感覚器官を作り上げ建物の中に進ませ、建物内を調べる。

 ━

「(この建物はなんだ? カウンターに……これはロッカーか? 風呂場にしては男女に分かれていないが……山小人(ドワーフ)独特の建物なのか? 

 もしかして此処は関所や砦のような働きをする建物か?)」

 

 調べながら様々な考察・推測をし、探索をする。

 ━

「この建物が何か知っているか?」

「すんません陛下、そこまでは知らねぇんです。俺が知ってるのはさっき陛下達が見ていたデカイ建物? 何者かの足跡があった建物の通りの先にあった建物で政をやっているとか言っていた事ぐらいです」

 

 一通りの説明をし、更に何があったのかを話している時にユグドラシル時代にしていた小声での情報整理を聞き終え、声を掛ける。

 ━

「何か分かりましたか?」

「駄目だね、流石に情報が少なすぎる」

「そうですか……」

 

 その会話を聞きアウラが「足跡は此処から出入りしています」と口を開き、続けて「先に進みますか?」と提案をしてくる。

 ━

「イヤ、それはやめておこう。まだこの都市内で調べるべきところはある筈だ、この先を調べるのは最後の最後だ。第一、その時にはハンゾウも居た方が良い」

「ハンゾウや隠密の天使(クランデスティン・エンジェル)が未だに戻らないのは坑道がかなり広いと考えた方が良いからね」

 

 そう話し合っているとハンゾウリーダーに伝言(メッセージ)を起動させる。

 ━

「〖ハンゾウ、情報か集まらないのかお時間が掛かってしまい申し訳ありません。ですがアインズ様、お喜びください。何者かの影を捉えました〗」

「〖本当か?〗」

「〖証拠ではありませんが、どうも坑道の奥に何者かが音を立てています〗」

「〖自然の音ではないのだな?〗」

「〖はい、何者かが鉱脈を掘る音のようです、いかがいたしましょう。私の方でできる限り情報を集めましょうか?〗」

「〖イヤ、それは止せ。その前に私達をそこまで案内せよ、私達が居る場所はーー。(イヤ、言葉で伝えられんか)そうだな、松明が目印だ〗」

 

 アインズはアイテムボックスから松明を取り出すと自動的に発火し、松明を近くに居たアンデッドに手渡す。アンデッドは松明を左右に振り、どこかに居るハンゾウへの合図とした。

 ━

「何か分かった?」

「はい、鉱脈を掘る音がしているそうです」

「それは良い情報だ」

 

 少しするとハンゾウがどこからともなく現れる。

 ━

「御前、失礼いたします」

「挨拶は不要。時は金なりだ、急いで私達を案内せよ」

「畏まりました」

 

 ハンゾウが戻り、ハンゾウに案内をもとに進み、ハンゾウが「この建物内に坑道が隠されておりましてその中に何者かがおりました」と説明し、「アインズ様、惑星統括細胞(スターセル)様」と二人に声を掛けると「真新しい足跡だね、しかも出て来た形跡が無い。

 それに靴跡、大きさから判断するに身長はユグドラシルの山小人(ドワーフ)と同じくらいかな。で、数は一つ。近くに居るね」と推測を話す。

 ━

「ハンゾウ、その音が聞こえた場所まで案内せよ」

 

 ハンゾウに案内され、建物を通り抜け坑道を進むと天井が高くなく、ユグドラシルの山小人(ドワーフ)の姿を想起させる。

 ━

「この高さからすると身長は低そうだね、アウラ、何か聞こえるかな」

「難しいです、音が反響して正確な距離がつかめません」

「フム。一直線なら魔法の目を飛ばして相手の正体を掴むんだが………惑星統括細胞(スターセル)」

「森妖精(エルフ)の私(僕)なら聞こえるんだろうけど、今は違うからね」

 

 現状を確認し合い、出した結論は隠密行動ができる『アウラ』、『ハンゾウ』、『モモンガ』、『オルト』の四人で向かう事にし、アルベドに「君は待機してて」と指示を出し「御命令とあらば」の言葉が返ってくる。

 ━

「イヤ、此処での待機はまずいか、天井はしっかりとした岩盤だけど崩れる可能性が無いとは言えない」

「そうですね……アルベド、先程の建物まで戻り私達の帰還を待て。だがそうなると……」

「アウラ」

「この足跡は音の発生源まで続いていると思います」

「なら私(僕)とアウラで足跡から目的地まだ辿れる、ハンゾウを置いていっても問題はないよ」

「ならハンゾウも残れ。

 此処から先は三人で行く、私と惑星統括細胞(スターセル)、アウラ以外の者はこの坑道の入り口の建物まで戻れ。不足の事態があった際、特に同格級の強者だと思ったら即座に撤退を心掛けよ、その時は私達は私達で逃げるとする。何、心配はいらん、転移門(ゲート)の出口はアウラが森に作った建物にしておけ」

「ハッ! ご武運を」

「守護の権天使(プリンシパリティ・ガーディアン)も置いていく、有効に使うといい」

「畏まりました」

 

 そのまま二手に分かれ、オルト達は奥まで進むとオルト達にも鉱脈を掘る音が聞こえてくる。

 ━

「〔成る程、音を立てないように掘ってるのか〕」

「〔だから聞こえなかったんですね、だとするの相手も警戒している可能性が高いですね〕」

「〔だね〕」

「〔どうします?〕」

「〔んー、相手の出方次第かな〕」

「〔逃げるようなら捕まえる、ですね〕」

「〔問題はファーストコンタクトで暴力的に出られた場合だね〕」

「〔その場合は友好関係を作るのは難しいですね〕」

「〔だからこそのアウラの出番だ、頼めるね?〕」

「〔お任せください!〕」

「〔私達は不可視化で……イヤ、念のため不可知化でアウラについていく〕」

 

 音を辿り到着するとそこには山小人(ドワーフ)と思わしき人影があり、アウラが小声で「アインズ様、惑星統括細胞(スターセル)様。アレです」と声を掛け、「やっぱりユグドラシルの山小人(ドワーフ)とそっくりですね」の言葉に「山小人(ドワーフ)は背が低くて髭もじゃと相場が決まってるからね」と返す。

 ━

「いいか、相手とは友好的な対話を試みる、相手が攻撃してきたとしても防御のみを許す。決してこちらからは攻撃するな、それを徹底せよ」

 

 山小人(ドワーフ)が背筋を伸ばし一息ついているところにアウラがゆっくりと近づき、明るい声で声を掛けると山小人(ドワーフ)が驚きマントの様な物を取り出し全身を隠す。

 ソレはどうやら魔法道具(マジックアイテム)らしく、効果は不可視化だった。

 ━

「む、不可視化かー。

 ねぇねぇ山小人(ドワーフ)さんあたしは危害を加える気はないよ、そこに居るのは分かってるから姿を見せてよ」

 

 山小人(ドワーフ)は沈黙し警戒しながら体を少しづつ動かすが目で追われている事に気づき「おぬし……闇(ダーク)妖精(エルフ)か? 何故こんな所に?」と問い掛けると「山小人(ドワーフ)の都市に来たらもぬけの殻でね、理由が知りたくて人を探してたの。そしたらあなたを見つけたんだ」返すと続けて「五年ぐらい前まで此処で山小人(ドワーフ)さん達は暮らしてたんだよね? どうしたの? 何かあったの? というかそろそろ姿を見せてくれてもいいんじゃないかな?」と聞く。

 ━

「どうやらおぬしには本当に儂の姿が見えているようじゃ」

 

 魔法道具(マジックアイテム)をしまい姿を現す。

 ━

「うん、それじゃあ最初から。初めまして、アインズ・ウール・ゴウン魔導国から来ましたアウラ・ベラ・フィオーラです」

「魔導国? すまんが寡聞にした存ぜぬのじゃが……闇妖精(ダークエルフ)の国か? どこ辺りにあるんじゃ? おっと失礼した、儂は山小人(ドワーフ)王国のゴンド・ファイアビアド、よろしくの」

 

 手を伸ばし握手をしようとするが汚れている事に気がつき服で手の汚れを拭き取り再度手を伸ばす。

 ━

「よろしく! 畏まらずにお喋りしても良い?」

「おぉ! それは助かる、わしは一般人だからな。おぬしがお偉いさんだったら口を結ぶ事しかできんわ」

「〔いい感じですね〕」

「〔このまま順調なら友好関係を結べそうだ〕」

「それじゃあさっきの質問の続きだけどさ」

「五年くらい前まで此処で生活してた山小人(ドワーフ)さん達はどこに行ったの?」

「ふむ……三年程前に別の都市に移住したんじゃよ、何か用があったのか?」

「そこで少しの間暮らしてたっていう蜥蜴人(リザードマン)が山小人(ドワーフ)さん達が居ないから心配しててね、教えてあげたいんだ」

「蜥蜴人(リザードマン)? 五年前?」

 

 暫し考え「……あー、そういえば聞いた事があったな」と思い出した。

 ━

「見た目は覚えてる?」

「儂は会った事は無いがそんな話があったな、蜥蜴人(リザードマン)など初めてだったからのよく話題になっておったわ。確か片腕の太い奴というはなしじったが」

「そう! ソイツだよ!」

「そうかそうか、それでソヤツがどうかしたのか?」

「お世話になった人がいなくなったから心配してるんだ」

「そうか、先にも言ったが儂らは居を移したからな」

「蜥蜴人(リザードマン)に親切にしてくれた人達も移住したんだね、その移住先を教えてもらえる?」

「坑道から向かっても構わんか?」

「んー、多分大丈夫だけどできれば地上のルートを聞きたいかな」

「むぅ……すまんが地上を歩く事は滅多になくての、『フェオ・ジュラ』……移住した先の都市の名じゃが、そこまでそこまでの道を説明する自信はないの。北に数キロ……という漠然とした説明になっちまう」

 

 アウラは案内するのなら報酬を払う旨があると言うと、一瞬驚くがアウラが此処に一人で居る事を聞いた。すると「平気だよ、他にも仲間も居るし」と返すが、まだ納得していないのか心配を隠せず「そうか? ……しかし今は一人じゃろ? 関心はせぬな、坑道には土の中を這うモンスターも居る。

 決して一人で歩いて安全な場所ではない」と忠告し、続けて「おぬしの連れに子供を歩かせるのは大人の恥じゃと言ってやらねばな!」とゴンドは坑道を通って行けるのかを心配し、尚且つアウラが成人していない事を指摘し、年長者に相応しき態度と物言いにモモンガは関心する。

 ━

「大丈夫、それなりの人数で来てるから。大勢で来たら迷惑かなって思って坑道の入り口で待ってもらっているんだ」

「入り口? ……ふむ? 成る程それは安心じゃ、しかしのぅ……やはり一人でこの坑道を歩くのはあまり良い考えではないの。此処は決して一人で歩いて安全な場所ではない、まぁ儂の持っているアイテムがあればなんとかならんでもないがの。(見た限り魔法道具(マジックアイテム)の類いを持っておらぬな、どうやって此処まで来れたんじゃ? 分からぬ)さて、行くとするか。おぬしの連れに会って説教してやらんといかんからな」

 

 そう言うと横に置かれていた様々な道具の中にあった袋に鉱石を投げ込む。が、その袋は膨らまなかった。

 ━

「〔あの袋、魔法道具(マジックアイテム)ですね〕」

「〔無限の背負い袋(インフィニティ・ハヴァザック)ではなさそうだけど……自作の魔法道具(マジックアイテム)かな、興味があるね〕」

「さあ行くか。おぬしも完全なる闇を見通せるようじゃが明かりはあった方が良かろう。

 ……まぁ、光でモンスターに見つかるかも知れんのじゃが滅多に遭遇しないとはいえ用心せねばならん」

「〔さっきも思いましたが年長者として素晴らしい態度ですね〕」

「〔うん、これこそ大人だね〕」

「大丈夫。あたし一人だったら逃げるのは簡単だから。それと別に一人って訳じゃないんだけどね」

「ん? そうか儂はこのマントで不可視化できる、その時は儂を置いて逃げてくれても構わんぞ。じゃが相手の振動を感知して追ってくるモンスターも居る、そういった時は儂が注意するから動くでないぞ」

 

 魔法道具(マジックアイテム)らしき革袋を背負い、「では行くとするか」の言葉と共に先頭に立ち歩きだす。

 ━

「それでさ、此処は安全ではないって言っていたけど元々は山小人(ドワーフ)の都市でしょ? 何か危険な事があって避難したの?」

「この都市ではないんじゃが、此処より北東に今の

 儂らの首都『フェオ・ジュラ』と言うのがあるんじゃがその近隣で土掘獣人(クアゴア)の姿を見る様になっての。各個撃破されたら目も当てられんじゃろ? この都市……『フェオ・ライゾ』を一時的に放棄する事になったんじゃよ」

「クアゴア? 何かの種族?」

「うむ。儂らと同じ土の種族なのじゃがめんどな奴らでの、儂らとはお互いに見かけたら殺し合う程に非常に仲が悪い種族じゃな」

 

 土掘獣人(クアゴア)の話題になってからゴンドは、延々と土掘獣人(クアゴア)がどんな種族なのかを語り始める。それはアウラに警戒を呼び掛ける為だった。

 ━

「〔文明レベルは低い、理由は武器を作るまでもなく自身の体が並みの武器より強いから……そして武器による攻撃を吸収する〕」

「〔そうなる仕組みは鉱石、金属類を食べる事で得られる〕」

「〔金属類で作られた武器の攻撃の吸収はユグドラシルで言う武器耐性……金属武器耐性ですかね〕」

「〔そうだね、そう考えて対処するのが良いだろうね。後はどの程度の耐性なのかが気になるね〕」

 

 二人が話し合っていると「あのさ、多分ソイツらじゃないかなーって足跡がさっきの街の中で見つけたよ」と教えるとゴンドが振り返り「なんじゃと! 此処も塒にしようとでもいうのか! 彼処(あそこ)と同じ様に!」と叫ぶ。

 ━

「彼処(あそこ)? ……んー、取り敢えずまだ住んでる感じじゃなかったよ。通りすがりとか、偵察の意味があったんじゃないかな。

 でもさ、放棄するなら壊していけばよかったんじゃない?」

「その通りじゃが儂らは此処を永久に捨てた訳ではない、もう少し軍備を整えた暁には此処に戻って来るつもりだったんじゃよ。

 ほれ、儂が先程掘っていた様にまだまだ鉱石が埋まっておるからの」

「ふーん」

 

 この言葉を皮切りに黙って歩き出したのを見て頷き合い先んじてモモンガが完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)を解除し「さて、そろそろ私達も自己紹介させてもらおう」と声を掛けると、今までいなかった第三者の声に驚き振り返る。

 そしてアンデッドだけ(・・)を見てゴンドは百面相よろしく次々と表情が変わり、けたたましい叫び声をあげる。

 ━

「ば、ばけ! に、逃げるぞ! 走れ!!」

 

 しかし、誰が現れたかを知るアウラは動かず「はし、走らんか!!」と叫びながらもアウラのてを取り逃げ様とするが微動だにせず、アンデッドが「慌てるなゴンドよ」と声を掛けると「何故儂の名を!? 魔法か!? どうやって見抜いた!」と叫ぶがモモンガは「冷静になれ、今までの会話を聞いていた。私はアインズ・ウール・ゴウン魔導王、魔導国の王である。そして彼がーー」隣に居る人影に手を向け「魔導国の宰相、惑星統括細胞(スターセル)だ」と天使(エンジェル)が居る事も教えた。

 ━

「え、天使(エンジェル)。じゃと……何故両極に位置するアンデッドと天使(エンジェル)が共におるんじゃ」

「仲が良いからね」

 

 疑わしい視線を向けながら「魔導国は闇妖精(ダークエルフ)の国では……」と声を搾り出し聞くと「いいや、私を王として戴く様々な種族から成る国である」と伝えると「し、しかしアンデッドなんじゃろ? 生者を憎んで……」と言い掛けるが視線を横に移し「しかし天使(エンジェル)が共におる……悪しきアンデッドではないのか?」と頭を悩ませる。

 ━

「アインズ様の言う通りだよ、嘘なんかついてない。アインズ様と惑星統括細胞(スターセル)様はずっとあたしと一緒にあなたの話を聞いてたの、それにさっきの話には一切嘘がないからね。

 あたしは闇妖精(ダークエルフ)だし、蜥蜴人(リザードマン)が此処に来てるのも本当。それでアインズ様も惑星統括細胞(スターセル)様もあたしとあなたが出会った時からずっと一緒に居たの、だからあなたの名前を知っているんだよ、それに言ったでしょ? 一人じゃないよって」

「あ、あれは聞き間違いではなかったのか……しかし……」

 

 アンデッドのモモンガと天使(エンジェル)のオルトを交互に見て生唾を飲み込み覚悟を決め、そして深呼吸をして「陛下……と、宰相殿……で、よろしいだろ……でしょうか?」と尋ねる。

 ━

「好きなように呼んで構わん」

「君の呼びやすい呼び方で良いよ」

「魔導王陛下は元闇妖精(ダークエルフ)とかで?」

「イヤ、私は生まれながらのアンデッドだ。怯える必要はない、どんな種族にも善人と悪人が居るものだ、それはアンデッドも同じだ、現に私と天使(エンジェル)が共に歩いていることが何よりもの証だろう? 友好的なアンデッドもいるという訳だ」

「な、なんじゃそれは……友好的なアンデッドって……善なる悪魔並に訳が分からんぞ」

「(上手い事を言う)」

 それは本当にそう。普通は友好的なアンデッドなんていないと思うよね。

 

「意外とそうでもないよ? 闇に堕ちた天使(エンジェル)もいれば、光に憧れた悪魔もいたよ」

「そんなのがいるのか…………」

「勿論私(僕)は闇に堕ちた天使(エンジェル)じゃないから安心していいよ」

「お前の警戒は分かる。だがこれだけは知っておいてくれ、私達はお前に害を加える気はない」

「アウラ、離していいよ」

 

 その言葉にアウラは手を離すとゴンドは少しだけ距離を取るが、逃げ出そうという様子は見せなかった。

 ━




 山小人(ドワーフ)編が始まったのは良いけど、先が長すぎるのとオリジナル要素がいれづらいかどこかで変えたい。どこまで書くべきか、それが問題だ。
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オリジナルキャラクター募集中です!▼活動報告にて募集しております!▼オリキャラ設定▼フウマ▼【挿絵表示】▼ガンマ▼【挿絵表示】▼ヴェロニカ▼【挿絵表示】▼レンカ▼【挿絵表示】▼アモール▼【挿絵表示】▼ケサギ▼【挿絵表示】▼エルフィア▼【挿絵表示】▼風神衆▼アカマル▼【挿絵表示】▼カザネ▼【挿絵表示】▼ピエール▼【挿絵表示】▼あらすじ▼フィオーレ王国。▼数多く…


総合評価:39/評価:-.--/連載:27話/更新日時:2026年09月20日(日) 15:07 小説情報

オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~(作者:ぶーく・ぶくぶく)(原作:オーバーロード)

注意!これは自分好みの女性NPCに懸想するオリ主の物語である。捻った話が好みの人には合わないと思います!▼小話、パラレルが増えたのでページ分けました。「オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめhttps://syosetu.org/novel/244941/」になります。▼かつて〈ユグドラシル〉のプレイヤーであり、今は青と白の毛並みを持つ人狼として異世界に…


総合評価:9470/評価:7.63/連載:244話/更新日時:2026年07月30日(木) 00:00 小説情報


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