人によって日常とゲェムの配分は違います。霧晴千歌は1:1ですが、人によっては2:3だったり1:4だったり、積極さで変わります。
「…ゲームをやらないか、ねぇ?」
「そう!倉っちどう?」
「んー、事情全部言ってくれたらね」
「むむむ…」
放課後の二人の会話である。二人でゲェムをしたあの日から橘は何人かに声をかけてゲェムに誘っていた。あの時は俺が複数のコントローラーを操作して対処していたが、これから作業機を増やしていくと人手が足りなくなり、オートで動き始め、そしてそのまま壊れるのが目に見えていたからだ。
怪奇は知識があれば対処は容易だが、そうじゃなければ初見殺しのオンパレードだからな。俺は見て知る事が出来るから大抵の相手には問題ないが、そうじゃ無いならまあ酷い目に合う。
「何?言ったら問題でもあるの?」
「…それは…うん。記憶が飛ぶっていうか」
「へー、中々見ないタイプね。事前説明が効かないか…試しにやってみて頂戴?」
「分かった!ええと、今は15:53、覚えてね?…それじゃあ言うよ?かなたらの願いってゲームが…」
そう言う訳で後日、橘はプレイヤーを増やそうとしている訳だが…これが曲者だった。事前に内容を教えても忘れるのだ。俺と橘、それから近くで見張っていた『人形』は忘れなくても、それ以外に説明すると
「…という訳で、お願い!手伝ってくれない?」
「…あら、16:02。本当に記憶が飛ぶのね」
「ダメかぁ!」
「…うん、興味深い。私の親の仕事に役立つ厄介さかも」
「これが役に立つの!?」
なのでよく見て条件を見つけ出し、試しにゲェムディスクをよく見える場所に置いてから一踊り踊ってみた所、コレがドンピシャに周りも踊り始め、俺が止めたら周りも踊るのを止めた。
どうやら、かなたらの願いは収容した怪奇の分だけ周囲に異常事態を引き起こす特性があるようだった。…厄介この上無いな?やる程危険性が増していくじゃん。
「そ。怪奇の起こす現象を飯の種にしてるのよ。怪具を量産したり、その時その時の怪奇次第でやる事は変わるわね。今は変質中の儀式の立ち合いとか、異界を調べる先遣部隊の派遣とか、そんなとこ。最近異界関係や電子機器の怪奇が活発というか、増えてるから」
「ほへー、すごいんだねー」
「凄いわよ?怪奇関係の大企業と言ったらで挙がる二つの会社の片翼なんだから!」
「で、ゲームやる?」
「お父さんの判断次第ね!」
そんな訳で今日も橘は遊びの付き合いにフラれるのでした。残念だが命に関わる事だからしょうがない。あれ、裏世界探索ゲーム他幾つかの不明なゲェムとの連携が出来そうな仕組みが見えてたからな。画面の先、未来みたいで異世界な気もするし、よくわからん先に繋がってるんだからな。
「だー…ダメ。全然人集まらない…」
「自分から関わる人、本当に居ないからね」
「それなんだけど、一つ思った事言うね」
「なーに?」
「あれってさ、霧っちが持ってきたコインから出た奴じゃん。何かこう、伝えてない事無い?」
「んー、橘ちゃん家に置いてて見る時間無いから本当に知らないね」
「ほら、そこだよ」
「んー?」
眼鏡を掛け直し、何となく帰宅途中の真倉を見る為に校庭の方を見る。あ、幽霊の彼が手を振った。振り返しておく。
…橘の奴、問い詰めてきたな。何か言わないとマズい事言い忘れたのあったっけ。
「いやさ、霧っちってよく見るとか言うじゃん。後手袋いつもしてるじゃん。それ何かなって」
「…これ言ってなかったっけ」
「うん。それってさ、ゲームに関係してたりしない?」
「普通の手袋だよ?ちょっとチェスをしたがるだけの。眼はアレじゃん……あー、ちょい言い回し考えるね」
「あ、ごめんねウチに憑いてるのがね…」
「あーうん許す許す。言いづらくなっちゃったな…」
やべ、橘に付き添ってる神様が見え始めた。迂闊なことを言えば無に放り込まれる。
「幼い頃からさ、眼が良くてね?それで色々なの見えるって言うか…聞こえるって言うか…取り敢えず、ゲェムにはちょっと関係あるよ。でもそこまでじゃ無い。そんな感じ」
知ってる事コレだけ何だよね。本当に詳しく無い。父さんの餓死耐性と同じ産まれる時の死因の対抗手段なのは知ってるけど…二つあったんだよな。脳の眼と盲人。
これ、つまりは
無いと死ぬと有ったら死ぬ。二つも殺しにかかる物を持ってた肉体とか厄介この上無いぞ!本当。
フル活用すると新世界の神になった気分になる情報が手に入るこの二つでさえ何かを封じる手段とか…その上でまだまだ厄介な要素のある身体だから、手に負えない。
何せ本来死ぬ筈の赤子、である転生者がこさえた死ぬ筈の赤子、に転生したやり方次第で過去改変できる特典持ちのTS転生者。まあ、いるだけで影響が凄いのも分かる話だな?
環境、血統、才能フルコンプ。ジャンプ主人公か?お陰で毎日命の危機。こんなの望んで無いし、ホラーたっぷりな世界だと寧ろ死亡フラグの塊だ。
そんな訳で、それ全部説明するの面倒だし神様も居るからなあなあで流しておいた。
ふと、校庭の方を見た。遠くに『垂らし糸』が見え、それ以外にも怪奇の異物が空に混じっていた。…そういや幽霊の彼を参加させる事って出来るのか?…橘の苦労も分かる話だし、いい機会だ。やるだけ試してみよう。
「そっかー。ならしょうがない、地道にやろっか」
「あ、でも1人やってくれそうな子は居るよ」
「マジ!?なら誘ってきて!ウチもう少し探すから!あ、そういう事なら手分けしようじゃん!それじゃまたねー!」
「またねー。…子供は風の子、と言うか嵐だなぁ」
さて、『地縛霊』がその場を離れるにはどうするか。前から知ってても試す機会も道具も無かったことをしてみよう。…やる事に抵抗感があるが、そこは俺が頑張ればいい。…橘の方を取る事。そう選択した。
家からゲェムカセットとボーイを持ってきても…まだ遊ぶ時間はあるからな。
『…それで僕に?』
「うん。ゲームさせたいなって」
『あんまりよく無いことなんじゃないかな、それ』
「大丈夫。誰も死なないから」
『死なない範囲で何が起きるの?』
「……成仏?」
『…つまり、僕を成仏させる気になったの?』
地面にかなたらの願いと書く。その上に彼を移動させ、近くの枝を釣りざおっぽくした。糸の先にはかなたらの願いのゲェム内容の説明が書かれている紙が結ばれてる。
「まぁ…かもね。いい加減成仏させないと…葬式屋の娘落第だし」
『…なんだ!それならそうと言ってくれればいいのに。いいよ、君が選んだのなら僕は受け止める。どんな手段でも笑って行って来るさ』
「…うん、ありがとう。君の相手が傷つかない為に全力な所、私は好きだよ」
『そう言ってくれる?嬉しいな、僕もこれでこの寒さと苦痛から解放されるんだ。幽霊っていつも真冬の中で裸になったみたいに全身が痛いからさ』
「うん、そこは本当にごめんね?引き止めちゃって。でも話してて本当に楽しかったんだ」
『僕も楽しかった。この寒さが和らぐし、人と一緒にいると苦痛が消えるし、なにより、君と話すこと自体が楽しかった!』
そんな訳で、引き留めてた彼を送る準備が終わった。
『垂らし糸』、極端になる前は『蜘蛛の糸』、更に遡って、現象としての名前は『老人の釣り』。死に近い生き物が魚類を釣ろうとする時に異界への通り道が作られる怪奇現象。この世にない物を釣る恐怖体験を引き起こすそれは、今では何処かに繋がる通り道でしか無くなったものの、どこか別の場所に行ける特性は強く、ずっと変わらない。
「それじゃ、私が釣りを始めたらその釣り竿の先を持ってね」
それこそ、『地縛霊』の離れられない法則さえ無効にする程に。怪奇の現象同士で矛盾が起きれば、より不変性の高い方が勝つのは見て知っていた。
そして、糸の先も俺の眼なら見て取れる。さっき遠目に見れる『垂らし糸』の根本を見て再確認した。海の底、異界の海。
『へー、これが成仏する為の…糸?…お、おぉ!?うわ!』
「証くん、さようなら!これから君は成仏の為の異界に行く!聞こえる声に従ってれば悪いようにはならないから!」
『わ、分かったぁーー…!!』
「さようなら!さようなら!また会う日まで!」
儀式にかなたらの願いを使ったから説明すると忘れるのが歯痒いが、それでも伝えるだけ伝えておく。嘘も方便、状況を呑み込みやすい設定を吹き込む。最終的に俺が全部操作するだろうけど、それでもだ。
手を離し、釣りざおの枝が糸になって上へ伸びていく。その先は、海の底。まだ俺も知らない海に繋がる、異界への一方通行の道。
帰り方は直ぐに見つけてみせるから。無理だったとしても無事に成仏させてみせるから。
どうかその魂を俺の為に使ってください。木香証くん。
「ふぅ…はい、よーい…スタート」
校庭の埋め込まれたタイヤに座り、眼鏡を掛け直す。それからゲェムを起動して、マッチングが完了し、読み込みが始まった。
僕は呆気なく死んだ。
「ごめんね、お兄ちゃんはここまでだ」
「やだ!行かないで!ずっと一緒にいて!」
「にーに!やだ!やーだぁ…ああぁぁ…!!」
それはもう呆気なく。折り紙のように畳まれて、りんごの芯みたいになるまでくしゃくしゃと食べられた。
妹が居たんだ。2人。どっちも可愛くて、自慢の妹だ。後で聞いたけど、『手』っていう相手は人が好物で、食べるほど『手』が増えるんだそうだ。だから、僕は妹2人を守る為の折鶴になったんだ。
『やね だるま 捧げる数だけ 鬼になる』
「いいよ、僕を殺してくれ」
そう、僕は『屋根だるま』にこの身を捧げた。『手』に食われるくらいなら、守ってくれる相手の方を強くしたい。千の子供を吊し、吊るした折鶴の数だけ強くなる相手の方が。
それが必要な犠牲だったのか、余計な判断かはもう分からない。だけど、その結果は僕にとって望ましい物だった。
『だから、僕は死んだ事に後悔はないよ』
「…そっか。誰かの為に全力に生きたんだね」
『そうかな。僕は僕が大切な者の為に生きたから、誰かってより、大切な人の為にって言う方が正しいと思うけどな』
「そうかな。話してる感じ、君はそこに居たのが妹じゃなくても同じ事をしていたと思うけど」
『どうだろう…寒くてもう分かんないな』
「…もう少しだけ話してくれない?」
『いいよ、でももう遅いから、また明日ね』
「…うん、またね!」
そして奇縁とか存在するもので、死んでから仲良くなった人が居た。霧晴千歌、僕が見える霊感の強い人だ。死んであやふやだった僕に話しかけて、成仏させる為の練習相手に成ってくれと言ってきた変わり者。話してて楽しかったから、その日の夜に成仏するのをやめた相手。死んだ僕を気にかけて、このまま成仏したら後を追うんじゃ無いかって不安にさせてくる人だ。
そんな奇縁は結構長く続いて居たが、ある日千歌は成仏の儀式をして、僕は成仏する為の異界に行く事になった。遂にとも、やっととも、漸くとも思った別れをして、僕は糸に釣られて海の底にやってきた訳だ。
『…どこなんだ?ここは』
そんな訳で、僕は沈没した潜水艦の中にいた。
見た所、中に水は入っておらず、潜水艦自体に損傷は見られない。窓からは真っ暗な世界が広がっていて、地面すら見えやしない。
運転席に一人。寝床となる場所に二つ死体が並んでいるが、いずれも目の窪みに血が溜まっていた。
いや、それは正確では無いだろう。時間の経過で骨と皮となり、その中にある血だけが蒸発せず、漏れ出さずに溜まっているのだ。明らかな怪奇現象で、肉だけがきっちり食べられたみたいな死体を見て怖気付く。死者の旅路というのは、どうやら一筋縄では行きそうに無いようだった。
【幽霊に対する操作が全然効かなくて困惑してるのが俺なんだよねなゲェム実況、はっじまるよー】
『…この声が千歌が言ってたものか』
そして、声が聞こえてきた。この鉄の棺桶にいる状況で唯一の先に知っていた手がかり、それを逃すなんてあり得ないだろう。
【はいでは…うっわ……うわ…え、は?……あー、成程。では先ずは其処の乗務員達の死体にいる悪魔を無力化しましょう。幽霊だって食っちまう相手です。背中を見せれば襲ってきますので、見続けながら潜水艦の端に転がしましょう】
『え、怖』
死体から離れる。どうやら悪魔という奴らで、僕は捕食対象らしい。そんな相手に近づきたくは無いのだが…しかし、初手で言われた事に従わないのも死が見える。死んでもいいが、悪魔に食われるなんて結末はごめんだ。とはいえ幽霊は物理的な力が弱い。どうしたものかと悩んでいると…
パサリ
ふと、何かが落ちるような、本のページが捲れるような音がした。死体から眼を逸らさないようにチラリと視線を向けると、真っ白な右手用の手袋が落ちている。
【はいでは其方の手袋を装着しましょう。幽霊にも着けられる物なので、それで端まで押してください】
『……え、これを?胡散臭…』
至り尽せりだが…今は従うしか無いだろう。着けてみると、力が湧き、死体を端まで押す事ができた。成程、これなら潜水艦の操作もやれなくは無いだろう。問題は僕が潜水艦なんて動かした事ない事だが。
【はい、終わりましたね。そしたら…ほい】
ころりと、石が転がる。死体の近くに転がった何の変哲もない石だった。どうやら、この声は色々な物を取り出せるらしい。
【はい安全になりましたね。では潜水艦を動かしていきましょう】
『え、これで?』
不思議がっていると、死体が動き始めた。襲われると身構えるも、一向に動かない。いや、正確には動いている。唯、ひたすらにゆっくりで、ノロマなのだ。…確かに、これなら安全で、気にしなくていいだろう。向こうが一歩進むのに何日もかかるなら、その間に行動を済ませて仕舞えばいい。長い棒で距離をとって刺せば、それだけで終わる。
【じゃああのスイッチを…そしたらこうして…】
『ええと、つまりこれを…右手だけだとやり辛いな』
大人が運転する事を前提とした潜水艦は、子供には操縦しづらい。それに右手しか使えないとくれば、声が教えてくれても動き出すのに時間がかかった。…潜水艦の動かし方も知ってるとは、声の正体が全く読めない。
【最後にそこのスイッチを押して下さい】
『これで…最後!』
がこんと何かが動くのと同時に、機体が軋む。何年も経った骨董品なのだろう。それも海底に放って置かれてたなら、動き出しただけ奇跡みたいな物だった。機体が進む。進行方向は声の言う通りにした。真っ暗な中、ライトも付けずに進むのは言いようのない恐怖に苛まれる。
【はい、では暇な時間を埋める為皆様の為にぃ…この裏世界について解説します】
【この裏世界は何処かの海の底…なんて曖昧な物ではなく、黒海の底です】
…知らないな。何処だろうか。
【地中海から繋がるヨーロッパとアジアの間の海ですね。潜水艦なんて投入する機会が滅多にない海です。ここが大きな戦場になるなら大抵露の人達が凍らない海を求めるか、どうかなって感じの。そんな所の潜水艦ですね】
…知らないな。と言う事は小学生になったばかりの知識で太刀打ちできない奴だ。
【さて、ではそんな黒海の底が何で裏世界に成ってるのか。簡単な話で、戦争の時にこの海が主戦場になった時があったんですよ】
【戦争の時にですねぇ…なんやかんやで独と露が争いまして、その時に投入された戦力にですね、『人狼』、『吸血鬼』、『唄貝』などなど、怪奇が初めて戦場に実戦力として露と独が投入したのですが、この時に色々あったみたいでして、詳しい話は知りませんが…何やら異界に黒海が飲み込まれまして】
【この世界、黒海なんて言葉は70年前には消えて存在しないんですよ。あるのはひたすら続く奈落です】
…あ、奈落?それなら見た事がある。『黒谷』の事だろうか。ひたすらに続く真っ暗な崖と穴は、教科書を適当に捲ってても目に付く物だった。異界というものが初めて世界的に定義された出来事とか何とか。3年になってから使う物と言われ、見る分には今からでもいいと先生が言ってたから家で沢山読んでたのを思い出す。ほんの十数日前だが、懐かしい思い出だった。
【はい。そんな訳で、此処は黒海。かつて存在した海の底。今は奈落となって永遠に落ちる穴の本来の土地ですね。いやー…驚いた。まさかかつて消えた海がこんな所に有るなんて…ねぇ?】
話を聞いてる間に、光が見えてきた。海面では無く、何か穴だらけの自然物から漏れた光。緑色のそれは、恐怖と好奇心を煽る物だ。
【で、話してる間に目的地に着きましたね】
ハンドルやレバーを動かして光の中に潜水艦を入れる。緑色に満たされた洞窟は、僕に先を進ませる事を躊躇わせた。声の指示に従い、自然と出来た迷路を進む。戻ったり進んだり、方向感覚はすぐに消えた。今自分が何処にいるのか分からないと言うのは、思ったより不安になる。
そうして進んで行くと、外から見た時と比べて明らかに巨大な円柱状の空間に出た。あちこちに穴が空いていて、何処か生き物が通った後を思わせる空間だった。
【では、エンジンを切りましょう。此処からは重力に任せて進みます】
言われた通り、エンジンを切ると、僕から見て上に落ちていく。どうやら逆さまで進んでたらしい。
【『幽霊船』が『緑石海迷宮』で特定の道順を踏む事で発生する時間に囚われない特殊な幽霊の通り道、其処で下に進む事で辿り着ける場所…これの影響ヤバいだろうなぁ…】
…何か、不安になる事を言っていた。…僕は本当に成仏する為に進めているのだろうか。此処まで進んでおいて何だけど、不安が増していく。この海に来てから、ずっとこんなのばっかりだ。
『───』『───』『───』『───』
『…これは』
落ちていく中、声が聞こえた。水っぽくて何を言っているのか定かでは無い。しかし確かに人の声だった。
【ええと、解説挟みますね。『緑石海迷宮』は海外の怪奇でして、エメラルドとかラビリンスとか呼ばれてる怪奇です。その特徴は未来や過去の断片を見れる予知と過去視の空間。海に沈んでますが、元は実体化した時間軸其の物らしいです。此処の影響で割と未来と過去が変わるみたいですよ?】
頭が痛くなってきたのに難解な言葉を羅列されても困るな。
【まぁ所詮怪奇です。大それてても歪むし変化する。物理法則では無いのでこれも長い時間で変わりました】
『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』
『耳が…』
声が聞こえる。沢山の人々の声。ぼやけたそれを聴こえないように耳を塞ぐ。変わらずに聴こえ続けた。
【今、裏世界にあるコレはただのエメラルドの山です。時間軸とかそんなのは消えました。しかしちょっぴり残った物もあります。それは見る力。未来の方は消えましたが過去を見る力の残留は残ってまして、幽霊が特定の空間に行くことでその力を手に入れる事が出来るんですね】
『…うあっ』
『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』『───』
人が見える。人が見える。人が聞こえる。人が聞こえる。人を感じる。人を感じる。過去が見えている。未来は定かでは無くなっていた。
視界が、緑色に染まった。
【その死を明かしてください】
悪魔に取り憑かれ、今や悪魔の棲家となったそれと、視界上で手を重ねる。いつの間にか腕時計をしていた。
握りしめると同時に、ダイヤル時計は反回転した。
霧晴千歌
ゴース◯◯リックかクロ◯◯リガーみたいなの始まったなって思ってる。
木香証
死を明かし、未来を作る事になった。
『幽霊船』
幽霊が動かす船全般。ちょっと壊れてても動けるのが特徴。
『血溜まりの悪魔』
死んでも動けて魂も食べられる。
『緑石海迷宮』
未来や過去を見れる鉱脈だった。今はただのエメラルド鉱脈。