怪奇ばかりな日常とゲェム記録   作:何処にでもある

16 / 72


 事前対処が完璧な程地味。




ゲーム-やる事リスト

 

 

 次に来たのは、コロニーの外殻付近だった。人類が創り出した装置から発生する球体状のエネルギーバリアであり、許可証を持つことで通り抜けられる絶対安全圏の壁。私の様にコロニー内からの通信は外に通すが、外から中に通信をしようとする事は出来ない一方通行の通信制限も搭載されている。

 

 別にコロニーに籠るなんてせずに大地一杯に暮らせば良いんじゃ無いかと私は思うんだけど、そこに関する情報は先任のデータにも無かったんだよね。歴史に関係した事の検索もAIには制限されてたし…まぁ怪奇によって空間か空気か、生存に必要な要素でも欠けたんじゃ無いかな?

 私も詳しく無いけど、さっきの『森の奥から』を見た後だと何かあったんだろうなって言うのは察せるしね。それにしては外殻の外でも人が普通に生きてるから、もっと広がらないのには疑問が残るけど。

 

【霧っちー、着いたよ?】

【…あ、到着した?移動の指示ありがと…では次の相手は『とまる』です。端的に言うと取り憑いた相手の動きが停止するってだけの怪異ですね】

【…怪異?幽霊じゃ無かったかしら?】

【……怪異で合ってます。…言った方が良いかな…どうかなー…】

【霧っちー、()()()()()()()()()?聞いた事ないよ?】

【だよねー。でも怪異だよ?あれは。まぁ最後まで説明を聞いてからね】

 

 二体の作業機が元から搭載されているアラーム機能をセットし、外殻に触れる。どちらも許可証を持っているため、外殻は作業機を傷つけずに透過した。二体の作業機は身体を半分だけコロニーに入れて、停止した。

 

【風説取扱、異界取扱という怪対免許があります。最近出来た神格と違ってこれは世間にはあまり認知されておらず、基本警察や公務員になって存在感が出てくる物です。その扱う物が怪異と異界。認知に関係した物と電子関係。今回は風説関係なので…まぁ、ミームですね】

【知らない単語の説明で知らない用語を出すのは感心しないわ】

【みーむ…?】

【まぁ、有るんですよ。怪奇現象の中に『それを本当だと信じた存在が一定数で実現する現象』が。あ、この怪奇はこれが正式名称です。下手に含み有る単語使う訳にはいかないので。だから民間に知らされてないんだ満足か?】

【……知ったらアレな……え、何で霧っちが知ってるの?】

【わーヤバそう】

【最初から見えてた。まぁそれで今回はアレです。コロニー内で外殻が動かなくなる迷信を動画配信とか特定のコミュニティで広まってたりで実体化ですね。終末論、暇な奴好きだろ?】

【は?理解できない】

【何それ怖いなぁ】

【うん怪奇とお隣さんな私らはそうなるよね】

 

 何それこわ。何でそんなのがあると分かってて情報の検閲をしないんだ?説明してやれば誰だって理解…いや、疑心暗鬼で本当に居る人を存在しないと信じてしまって殺すリスクとかもあるから説明は危険…理由は説明せずしれっと検閲するが最適解だな。

 終末論に関しては…何とも言えないね。私には理解できないが、この世界の人類は大なり小なり閉鎖感を感じているから、そういうのが流行る土壌が出来てしまっている。こればっかりは社会的な病であり、私にはどうしようもない。

 だから土地をいっぱいに使った方が良いと思うんだが…どうしてだろうね?

 

【まぁ怪異はそう言う奴です。略すのは別の意味を含めかね無いから禁止の『それを本当だと信じた存在が一定数で実現する現象』から産まれたり変質したり消されたりした変なのです。つまり妖怪と悪魔と同じ枠ですね。妖怪と悪魔を変質させて歪める奴でも有ります。では今のを聞いた上で聞かせましょう】

 

【相手は、取り憑いた相手を止めるだけ、です。それ以外は、無い。相手が何をしようとしても、想定外は、無い。最悪を考える必要は、無い。この言葉に嘘はない。信じていきましょう】

 

 どんな相手か理解したから、予め自身のバックアップを更新しておいた。その上で自動更新の設定をオフにし、外部から私に働きかけるシステムを遮断し、ネットワークから切り離しておく。私から伝ってコロニー内に怪奇が広まるのは回避しなければならなかったからだ。

 万が一の準備はやって損はないからね。

 

【お、予定に無い作業が…あーあ、感染すると判断したか…じゃ追加されたな…対策で安心してくれてると良いんだけど…ではやりましょう。怪異の現象としての在り方は単純で、私達が知っている事の挙動しかしません。そのせいで不確定な所はその場の周囲の認識に合わせるので解釈のある匂わせな動きをして来ます。……【鐘】と言うだけで発動とか…裏世界行きになるとか……父さんそう思わされてたしなぁ…まぁ逆にそれっぽい封印儀式を信じさせて封じたんだけど……】

 

【…つまり、相手は私達がそうだと思った能力を持つって事?】

【うん。大枠は大衆の認識だけど細部はそう】

【私と相性最悪ね。企業人は常に最悪の備えをしてるってのに…それがダメなんて】

【怪異ってはそういう相手だから。だから何度も止めるだけって言ってるの分かって】

 

 …成程、今私は墓穴を自ら掘ったか。

 

【…よし!つまりウチが真っ直ぐ殴れば解決するのか!】

【成程思考放棄ね?考えたわね】

【良かったなお前ら。私らが現場に居たらタッチーの両腕にコロニー内の全生命が懸かってたよ】

【…あ、私が殴らないと解決しない事になるんだこれだと!】

【ダメね思考放棄する様な奴は。考えなしよ】

【それも真っ直ぐにね?……まぁ、厄介な相手です。思考プログラムいっそのこと止めてやりましょう。余計な能力を与えずに済みます】

 

 厄介な相手だな怪異とは。流石に今回は確保なんてできないだろう…あ、これがダメなのか。そう思いつつ、私は一時的に思考プログラムを一時停止した。1時間後に起こしてくれ。私には無理だ。

 

【さて、思考プログラムの停止が確認された所で今回の『とまる』はこのゲェム内での噂、迷信から創られた怪異です。見た所その内容は「外殻に座って対談した結果w」の配信の切り抜きコラがバズった結果産まれました。対談する有名配信者2名が色んな写真の背景で空中イスしてるイースター的な奴です。…ヒカ◯ンと世紀末モヒカンが話してるだけで面白い…みたいなもんか?…そういうノリらしいです】

 

【くっっっだらな。それで自分守ってるっぽい外殻を消し去るって?…ばっっっっか!!】

【……理解できない言葉が多いけどそれ話してる中身の方が大事なんじゃ?】

 

【絵面が面白いってコメントが見えたからそんな感じだと思う。…まぁそれは発端ですね。事の問題はそれが巡り巡って「通過させるのはエネルギーを大いに消耗するから、許可証を持ったまま外殻に1時間触れ続けてると外殻が消える」とかいう話が出て一部妄信する人も出た事ですね。元はただのCGだったのですが…こうなるともう発端は関係無い。噂は一人歩き出し、『とまる』として実体化しました】

 

【…つまり、今回は「1時間許可証を持って外殻に触れてると外殻がエネルギー切れになる」って怪奇なのね。】

 

【いや、『とまる』に「触れてると動けなくなる」「そのまま動かないでいると全身が固着化する」が固定で今だけ私らが操作してるAIの認識で「ネットワークから感染する」「ただし動けなくするには触れた上で取り憑く必要がある」だね。外殻を住処にすれば能力の方は外殻限定じゃ無くても噂とはつじつまが成立する……コレなんて呪術◯戦?】

 

【は?なに、つじつまとか解釈変えるの有りなの?現象としてそこの融通は効かない様にしなさいよもう!】

【ずっる】

 

【だから神格と異界より早い四番目の免許なんだ満足か?…まぁ、最長三千年後は綺麗さっぱり無くなってるだろうね。物理法則に入る余地が無いから…よし取り憑いた。待機させてたもう二体で捕まえて…『とまる』は「取り憑かせた上で電波の遮断された無重力空間に居ると無力化出来る」映像確保!その映像を誰も信じないとか起きない限り問題無し!】

 

 目覚めたら全部終わってた。そして二体の作業機が犠牲になった。だが今回は通信は出来ないものの、心が目覚めた訳でもなく、研究の進み具合で解放出来る余地がある為そこまでの痛手では無い。

 見せられた映像も、実際目の前で青みを帯びたモザイクをくっ付かせた作業機が何も出来ずに居る光景を見れば、このやり方は確かな様だった。案外何とでもなる相手なんだな怪異って。

 

【枯れ尾花と思えばそうなるのが怪異ってね?さて次です。名前の付けられてない怪奇ですね】

【あら、未発見の怪奇なのね。確かにそれは注意が必要よね】

【怖いよねー。また新しく気をつけないとだし】

【んーん?みんな知ってるけど認知してないから名前が無い方だよ】

【…学者の発表会で新参が死ぬ程挙げる題目の論文じゃ無い。不思議ね、ちょっと前はこの話題否定の嵐が飛び交い過ぎるって思ってたけど、さっきの怪異の件を考えたら先ず否定する人達の気持ちが理解できるわ】

【テストが実は怪奇によるものとかこの0点用紙実は怪奇の仕業何だよとかのノリ?】

【ん。んー…言ってもいいか?…今回は私の眼が保証してるから…分類、第伍種。異界案件。何で神格より異界が先か。土地が消える?別の世界?いーやもっと問題有り。何故なら思想家はこれのせいで廃業したんだから。あ、これ関係は全部私命名で押し通すからね】

【…しそうか?】

【あれよ、ほら。大昔の職業よ。()()()()()()()()()()()

 

 声の一つが一息入れた。

 

【『性善説』にて、全ては統一されています。西暦0年から誕生する人類の性根を善性に固定化する怪奇。現在衰弱中で弱くなってます】

【『市民、あなたは幸福です』から死んでください。幸福になると自殺する精神病の怪奇。もう居ない】

【あなたに『決定論』。全てが既定路線になる精神成長を否定する怪奇。もう居ない】

【『英雄譚に』憧れ溺れてる。英雄願望を必ず持たせる偶然できた物語の怪奇。もう居ない】

 

【それらの出所の『宇宙の無意識領域』は、一つずつしか変なのを出さない代わりにずっと昔から存在する怪奇。思考のある相手を支配しかねない怪奇。宇宙の怪奇。私はいつかコズミックなのが溢れるんじゃないかと疑ってる怪奇。ずっと元気】

 

 つらつらと、人の精神に関わるような怪奇を挙げていく。…脳の奥がチリチリと焼けるような、妙な確信が存在していた。それが本当の事であるという確信だった。今まで信じていた思考回路の根本が剥がれ落ちる様な、奇妙で、手遅れになる確信があって、それでいて快感すら感じた。

 足元が崩れ落ちているのに、それが心地よいのだ。

 

【以上、今言ったのが全部異界案件で最上級の秘密にしなくちゃいけない事です。これ以上はお口を塞いでおきましょう。ベールはあんまり剥がさない方が良いしね】

 

【…今日だけで私生かして置けない度数どれだけ上がったのかしら】

【…ウチもその時は一緒だよ。…でもなんか気持ちいーね?】

【…私もそうだけど破滅願望なんてハマっちゃダメよ。戻ってきなさい】

 

【見えるって損だよね。私産まれて夜空を見た事ないもの。まぁそれはいいや。異界関係には人の思考を汚染する性質も含みます。ある所に迷い込み、考えが変わるホラーってあるじゃん?それだよ。その経緯も夜空を見る、隕石が降る、宇宙の声を聞く、まぁ大規模なのは宇宙関係しか無いんですけどね?個別で見ると異界に行ったりとかあります。今回は大規模な方、これから宇宙の色が一つの怪奇と一緒に転移して来るのでそれが拡散する前に収容しましょう】

 

 最後の2体の作業機が事務所に届いた電磁パルスで相手を拘束する銃を装着し、ウラン製の運を背負う。時刻は夕方、夜がもう直ぐ来る頃合いだった。

 人々が騒がしくかつての農地に降る灰と、突如現れた全長250mの土の山について語っている。外殻の4分の1程度の高さの山が出来ればそうもなるだろうし、その土地の持ち主が私たちの事務所であることも噂しているのが見えた。

 

「あ、あんたら聞いたぜ!あのでっけぇ山の持ち主なんだろ!?俺を雇っ」

[すみません!ちょっと質問良いでしょうか!今ネットで]

「え?あそこが?朝蒸気と火を纏いながら走ってたあの」

「マジか。確か特異存在をえれぇ数確保してる火薬庫だろ?爆破実験でも」

「いや、さっきまで一体だけやたら大量の特異存在連れて中に」

[初めまして。当機は‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬

 

 事務所から出た作業機に一人が気づき声を挙げると、それに釣られてどんどんと野次馬と今後の交流を申し込む作業機、戦闘機、広告機、その他多様でカラフルな機体が群がって来た。全身を初期カラーの白から変えていない私の2機が取り囲まれる。金の匂いを敏感に感じ取って来たみたいだ。

 

[‭─‬‭─‬‭─‬失礼、話はまた今度に。道を、開けてくれ]

 

【ねぇすごい!空が飛んでるよ!】

【不思議ね。世界がたくさんの波長に見えるわ】

 

【失敗したらそっち世界の宇宙もこっちと同じになるからその時は覚悟しろ。精神保護なんて開発する暇があると思うなよ?…あれはほっとけば治るけどね?身体がさ、影響に晒されすぎて耐性できてるから。風土病みたいにね?】

 

 おやこれは随分とハッキリと気合を入れに来た。言われずとも、依頼は理解している。

 

[これから世界を救いに行くからさ]

 

 道が開く。真実とか言い出す頭のおかしいAIと思われようと、今日はそれでも良かった。声に言われるまま森も止まるも何とか出来た。なら今日だけでも信じるには十分じゃ無いか?頭おかしいと思われてもさ、それはこれから評価を修正すれば良いから問題ない。

 

【では後10歩進んでください】

 

 んーーーーーッ近くない?私はね?少なくともここからは離れると思ってたんだよ?気まずいなんてものじゃ無いんだよもう。

 

【では箱を置いて一人は蓋を持ち、もう一人は距離を取って銃を構えましょう。あ、タイミング来たらカウント言いますね】

 

 言われた通りにして待機する。まさかさぁ…うちの事務所の目の前なんて思わないじゃん。マジやばくない?私の威厳が死にそうだよもう。ほらもう見なよ。遠巻きに見てる住民の目を。頭おかしい奴を見る目だよもう。

 

【…時間あるな。解説しよ。今回の怪奇は『救済欲』。誰かを助ける事と三大欲求のどれかと交換する怪奇です。色として存在しており、その色を見る事で置換作業が行われます。これが宇宙の色ですね。一応眼球に付着した色素さえ取れば治りますが、光の速度でまた罹るのであまり意味は有りません。なので出現と同時に安定度の高い物質で囲んで封じましょう。今乱数調整してますから】

 

 …乱数調整?もしかして…近くで出現する、じゃ無くて近くに出現させる、なのかい?…もーーぉ!!この感情を私はどう処理すれば良いんだ本当!

 

【宇宙や空間はねぇ…見えれば誘導しやすいんですよ…『パァ』…よし行けた0で発射で…10…9…】

【は、私がどうした!そんなのいつも通り!】

【ウチは何処までもウチ!何も変わらない!】

【おかえり…5…4…】

 

 ちょっと早まったな。銃の引き金に指を構える。姿勢も状況も演算は終わらせていた。

 

【…0】

 

 寸分の狂い無く、機械の指は共に作業した機体ごと撃ち止めた。

 

 コップにお湯を入れる音が響き、マスターが最近買ったらしい粉をお湯に入れて混ぜ、一口つけた。

 

「…ふぅ。では34、報告を」

 

 マスターがコーヒーを啜りながら報告を待つ。最近の私の仕事により、多少の贅沢を許容できるまでになっていた。

 

[作業機が9体稼働不可になりました]

 

「よし、落ち着いて細やかな経緯を話してくれ。いいか?少しずつだぞ?」

 

[6体が土の下に、2体を無重力状態に、1体は壊れました。どれも必要な犠牲だったかと]

 

「よーしどんな相手かも一緒に言ってくれ。34がそこ迄の被害を出すということは相当な相手だったんだろう?」

 

 一つずつ、その脅威と一緒に報告していくと、マスターの顔は青から白、白からまた青色へ、虹色と言わずとも、結構な変化をさせた。どれもがコロニーに甚大な被害、或いは壊滅にさせる物とくれば宜なるかな。私もちょっとこの後の事を考えると頭が痛くなって来るからお似合いだね。

 

「…はー、34。一先ず、お疲れ様、今日はありがとう。君の働きでこのコロニーは救われた。今後も俺とこの国の為によろしく頼む」

 

[はい、マスター。特異存在、『森の奥から』の変質体6体とその土地、『とまる』2体、『救済欲』1色、他4体の特異存在を管理し、マスターの生活をより良いものにする事を約束します]

 

「ああ、頼む」

 

[…所で、マスター。…入れ…こちらをどうぞ]

 

 最後まで残った作業機が扉から入り、一つの瑞々しい果物を渡した後、恭しく礼をして下がる。オートでもその手の礼儀は入力されていた。

 

「…これは?」

 

[林檎です。灰の中から芽生えた木が急成長し、一つ実らせたそうなので取らせて参りました。解析した所、かつての農地に植えられていた果樹の物で毒も無かったので食べられます。腹を突き破るなんて事も起こりませんよ]

 

「りんご!相当な富裕層が食べられるというあれか!はは、外に追いやられていないだけの俺なら普通は食べられないな…確かにこれを食べられるのは希少な体験だが…その後の果樹はどうなった?」

 

[崩れて枯れました。長年放置された種な上、空気に舞っていた特異存在の樹の花粉との交配で奇跡的に出来た物ですから]

 

 マスターは林檎を軽く投げては掴むのを繰り返すと、軽く匂いを嗅いでから立ち去ろうとしていた作業機を呼び戻し、その手に林檎を置く。

 

「これは埋めて育てなさい。その樹の様な脅威的な成長だったなら刈り取り、制御できる範囲でなら見渡す限りの果樹園を作るんだ。枯れやすいならそのままに、埋まった作業機の救助が早まるからな。既存利益から色々言われるだろうが、その時は種を渡せば黙るだろう。向こうだってプライドはある。それさえあれば自分の畑で挑戦する。無理だったら裁判だろうさ。向こう数年は問題ない」

 

[ではそのように。マスターの判断を尊重致します]

 

【ではコレで今回のゲェムは終わります。今後はこまめに様子を見るようにしないとダメだねぇダメよねぇ?コレは毎回大人数でやるものじゃないねぇ?…ね?】

【…勉強にはなったし、私はいつでも構わないわ。それにこれ、星の配置的に別惑星でしょ?どうやって人類が其処に行けたのか興味が出て来たわ。その歴史と技術を知る価値は計り知れないもの】

【あ、これ別惑星?あー通りで…】

【え?これお月様とかの出来事!?お姉ちゃんどの星にいるの!?】

【えー?其処までは分からなーい!少なくとも天の川は確認したわ!ま、太陽遠いけどあるし太陽圏のどっかじゃない?もしくは太陽のある宇宙の何処か】

【当てにならないなー…】

【答えたのに酷いわね粗いアナログで其処まで分かっただけでもすごいのよコレは】

【…ドットの3Dだしね。よくこの表現の画素で其処まで…親三人の力ってすげぇ…でも、詳しいね星空にさ。なんでぇ?】

【いつも小屋の格子窓から見てたから。星や月を見るのは私の昔からの趣味みたいなものよ】

【わー、ほしをみるひと。なら私は泥でも眺めるかな】

【霧っちよく分かんないネタ言うよね!今度元ネタ教えて?】

【それは…また今度。それでは今回はここまで。やる事リストや研究チャートの作成はやったので後はお願いしますって感じで、さようならぁ】

 

 声が途絶える。今日も騒がしく、そして最大限の成果を上げて去っていった。どれだけ地味でも、奇異の目に晒される事になっても、未来でも見た様なその鮮やかな手口には、長い時間をかけた賞賛以外は送れないだろう。

 しかしいつまでも賞賛する訳にもいかない。私は作業機に指示して「火元」を持たせながら白化粧をした山に果樹を植える。直ぐに芽を出し、その体躯を大きくするが、あの森のものほどじゃない。それに安堵しつつ、私は金銭を稼ぐための種を作る事にした。

 今日だけ見れば大損害な以上、できる限り手早く前以上にする必要があった。こういう時こそ寝る必要のない機械の出番だ。管理だっていつまでもしない訳にはいかない。ある意味今からが私の仕事の本番だった。

 

[では私は効率的な走行プログラムを作るから、作業機は果樹の量産を。パターン解析でより効果的なやり方に随時更新させながら進めなさい。暫く休む暇は無いと思え!]

 

 


 

 

ゲェム記録

 

2020年4月26日

 別惑星is何?

 しかし納得できる事もある。最初に見た段階から同じ世界の感覚ととんでもなく遠くから音がちょっぴり聞こえてた。未来とか過去とか関係なく何しようがこっちに影響なんてある訳ないわ。

 たま◯っち式のリアルタイムだから現在かなって一瞬考えたけど、それにしては宇宙が綺麗だし見える奴から違う。俺の知ってる今世の夜空はあんなに綺麗な物じゃない。もっとどろどろしてて悍ましい。だから現在では無いな、あるとしたら未来だろ。技術力あるし。別世界?天の川あるなら多分それは無い確率が上がった。

 

 今回は3体の大きめな怪奇と小粒なのを4体捕まえておいた。

 『森の奥から』『とまる』『救済欲』

 が大きいのだ。最後のは俺が名付けた。この世界、精神関係は4課の怪対員が対応してるんだけど、名前のない怪奇が多いんだよな。異常に思う前にやられるからだろう。

 俺も何体かの影響を受けた事はある。一番の修羅場だったよあれは。そのせいで前世からは随分性格変わってそうなんだよな。

 前世の俺、「チート!ゴリラ!ウッホウッホウホホラッホラ!」とか「ぽぴでばびでぶーw鑑定解析強奪回復模倣反射反響宣託執行憑依殲滅鬼龍王冠幻想……兄貴!」とか「はーっ!げんま!げーま!ぶへへへ!!」とか言いながら神様の説明の時に前転しながら走り回るタイプだったしな。…よく生きてるよな、うん。絶対あの時騒いでたやつだって父さんにはバレる訳いかないんだわ本当。

 『似たもの写真』『役目の無い』『立ち去らず』『あわくもの儀』

 が小さいのだ。

 順に写真を伝って物を移動させる。役目の無い状態の存在の上に鳩を止まらせる。排他的な呪いに対する対抗手段の製造法。泡や雲を作る儀式となる。

 乙から使い物になるけど、それまでは役に立たないだろう。でも夏奈なら5日でそこまでやれそう。思ったより凄いんだよね成果。生きてたらどうしてたんだろうな…考えても仕方ないか。

 前者3つはかなたらのゲェムで。後者の儀式は万が一裏世界の方をやる事になった時用だ。そんな日が来ない事を祈るが、万が一だ、直ぐにクリアする為の手段は必要だろう。コレあったら黒海簡単に元の世界に戻せるし。

 

 最近記録っていうより日記になってるから気を付ける。其処で一つ丁寧な考察を置く事にした。

 考察:ゲェムコインの獲得理由は真倉を助けた事だが、真倉の奴宇宙開発のスポンサーとして技術の進歩をめっちゃ推し進めた可能性が高い。

 理由、コロニーの中心部の管制塔っぽい形状の機械に真倉の魂が取り憑いてたから。お前なんでそんなとこにいるの?

 

 






霧晴千歌
 真倉にこのゲェムやらせるのダメじゃね?と思いながらやってた。
真倉朝凪
 姉を操作するとか橘にやらせちゃダメなゲームじゃない?と思いながらやってた。
橘多々良
 眼やゲームの獲得経緯的に霧っちがこのゲームやってて良いの?と思いながらやってた。

『とまる』
 とまらせる怪異。ふんわりしてる分発祥次第。
『救済欲』
 助けたい。食か睡眠か性のどれかが置き換わる。置き換わった物に対する興味関心は消える。
『役目の無い』
 仕事が無い、道具として使えないものの上に現れて溜まり場にする鳩。
『立ち去らず』
 侵入禁止とかの場所に気づかれずに入れる。見つけられたく無い物を探すのに使えるペンダントの造り方。
『あわくもの儀』
 水を泡や雲にする儀式。昔の一部の歩き巫女はこれで雲を運んで干ばつの町村に雨を届けた。水中呼吸にも使えるから泳ぎにも有効。当然戦争にも使った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。