怪奇ばかりな日常とゲェム記録   作:何処にでもある

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 この世界は何処も激務です。




日常-死んだ後も

 

 

「霧晴委員長と佐々木飼育委員は今日最後まで残るように」

「はいです!」

「突然じゃんか」

 

 4月の終わり。今日も雨が朝から降ってていやだなーと思ってた日の事だ。

 先生から居残り宣言されました。座式先生が委員長とか言う時はその手の仕事が来る時だけだから、委員としての仕事なのは分かるけど、佐々木と俺が一緒に残る理由がピンと来なかった。この二つ残す様な仕事って何?

 

「初めて2人きりになりますね委員長!」

「そうだねぇ、佐々木ちゃん。普段昼休みに遊ぶだけだからね」

 

 だがその前に、佐々木と委員についての説明が必要だろう。

 この世界、委員長…クラスの奴…は指名制であるものの、その仕事内容はコレまで前世と殆ど変わらなかった。何だそんなに怖くなかったなと今まで思っていたのだが、それ以外の委員は結構違ってた。

 

 美化は壁から出る染みとか天井の歪みとかの掃除と報告があるし、

 保健は身体に侵入して潜伏する奴に気付ける様にしなきゃだし、

 放送は予定外の放送が流れたら直ぐに聞こえない様にしなきゃだし、

 飼育は園芸も兼ねてて使ってない畑の手入れとか何も居ない動物小屋の手入れもしないとだし、

 生活は下校で帰り道一人になる子の見送りもやるし、

 体育は幽霊が途中参加した場合の対応とか教えられてるしな。

 

 図書や文化は元から無かった。どっちも乏しいしね…本当にさ、本が読みたいなぁ。

 まぁそんな感じである。その一年二年は何処でも出来なくて当然みたいな感じで見られてるから失敗を恐れる事は無いが、コレが五、六年だったら初めてやるとかで無い限りはちょっと呆れられそうだな。

 その中で佐々木は飼育委員である。何育ててるのか、何の為に土の手入れしてるのか分かってないとやる気無くしそうだが…でも必要だから仕方ないな。

 

 …委員はこんなもんか。彼女に話を移そう。

 佐々木三千代(ささきみちよ)、元気で言い回しが耳に残る。将来扇子持って歌舞伎でも見てそう。この世界歌舞伎無いけど。

 

「む?変なことを考えてる顔をなされてますね?」

「ん、普通かな。何の仕事するのかなって」

「あれま、それは確かに普通の事!何をするのか知らされてないのは怖い話です!」

「教室で二人だもんね。外は雨だし、雰囲気があるよ」

「私、トイレ行く時他の教室覗いたんです。何処も委員長らしき子と知らない人です!これはこれは、イベントの予感がしませんか!」

 

 前や後ろ、上にいる上級生も確認する。トイレに行ってる子も全員帰って来ていて、全員教室の真ん中の席に隣り合って座っていて、中には3人居る所も見受けられる。…うん、学校には『屋根ダルマ』と上の奴以外に怪奇居ないな。

 

「…まぁそれは見えてるから知ってるけどさ。…近くに怪奇居ないから不思議なんだよね。こういうのって其処にいるのを対処するとかありそうじゃん」

「…何が見えてるんです?」

「人の魂と怪奇全般」

「…どれだけ凄いかピンと来ないです!」

 

[…あ、あ〜。まいく〜まいくてすと〜。どぉもぉ〜3年A組の丸間先生で〜す]

 

 女性の声が聞こえた。怪奇の奴では無いから先生の一人だろう。こんなのんびりな先生いたんだな。…所で各地に待機していた各先生が準備運動しているのは何だ?

 

「…始まったな」

「ですね!」

 

[1年は知らないと思う〜。コレは月末にやるそのクラスで一番怪奇の対応がダメな子と委員長がペアになって〜怪奇役の先生から逃げるんだ〜。補修だね〜?がんばれ〜?45分で終わるからそれまで逃げてね〜。よ〜いド〜ン!]

 

 キーンコーンカーン…

 

「成程鬼ごっこ!では早速」

「先ずは座れ話は其処からだ」

「はい!」

「素直なんだけどな…非日常感でうっかりしちゃうのはダメだね」

「気をつけます!」

 

 鐘の音が鳴る。直ぐに逃げようと立ち上がった佐々木を座らせた。『屋根ダルマ』来るからやめなさい。…成程ね、この世界の委員長ってこういう時の採点役やるんだね。万が一本物が出た時のセーフティでもあると。そりゃ一番優秀な奴にやらせるわ。

 

「いい?コレね、鬼ごっこじゃ無くて怪奇の対応なの。テストなのよ。遊びじゃ無いんだよ」

「はい!」

「返事はOK、理解は浮かれててダメだなうん。じゃあ大体の判断は任せるけど、私が待てと言ったらそれ以降はちゃんと従ってね?」

「はい!」

「…なんでこっちは理解出来たの?んー…本当に危険な事に働く勘かぁ。佐々木ちゃん、無意識の判断の方が優秀なんだね…」

「失礼な事言いましたね?」

「後はそれを普段使いできる様に頑張ろうね?こういう時じゃなくてさ?」

 

 思考が単純なせいか、魂見れば何考えてるか分かる子ってのも珍しいな。普通もっと複雑怪奇で其処までは見えないんだけど。やり易いけど心配になってくるよ俺。

 こうしてぐだぐだと佐々木霧晴ペアは教室を後にした。そろそろロッカーに隠れて煙草吸ってた座式先生出て来そうだったしね。サボりじゃ無いとは思う。ああいう分かりやすい例も必要だろうしな。

 

「いやー、何故か他の教室の人達が見かけ無いですね!」

「私達が話してる間にみんな動いたからね。留まってるとダメな怪奇も居るから」

「それってどんな怪奇なんですか?」

「…さあ?今時のって私はあんまりだから…見れば分かるんだけどね?今回は先生がやってるから何とも」

「それはそれは、楽にはいきませんね。困りました、逃げる方針が決まらないです!」

 

 最近のはね、『昔昔新聞』に扱われてないの。聞いて回っても数が数だからキリがないし、直接見るのと違って教科書のは普通に覚えなきゃだから大人の記憶力には厳しい物がある。

 そうしてる間に階段と靴箱辺りに出た。先生が1人待機してるけど出てこないって事はまだ反応する条件は満たしてないらしい。

 …あ、外から入ろうとしてる奴居るな。排水口からの侵入、怪異かぁ…七不思議とかどっかのクラスで噂でもされたかな。…これならゲェムで知った『あわくもの儀』で対応可能。相手の中身を見た俺が今そう確信したからいける。

 

「階段登ります?それとも校庭?」

「んー…今回は佐々木ちゃんが決める事かな。少なくともここに居てもしょうがないし」

「む、む、むーん…」

「ゆっくり決めていいよぉ」

 

 悩む佐々木に気づかれない様に下がり、ポケットに入れていた鉛筆を壁に押し当てた。壁の向こう、外側には、水で構成されたムカデに似た怪異が居た。

 木の棒なら何でもいい。この儀式に必要な道具はそれだけで、後は歌っていればいい。

 

『あまにふむ みづはねぬ さえるこゑに あわめぶく かしにつきては きさきのままに』

 

 簡単に一つ、丙程度の奴を特徴的な音で。コツは声としてじゃなく音として、雨音や棒を叩く音を出すイメージだ。万が一ゲェムをする事になった時の為にちょっとずつ練習してたから俺の一発芸達と同じ程度にはもう出来るんだよね。

 儀式ってすごいぜぇ?沢山覚えてると魔法使いみたいだし。でも儀式って怪異と同じ怪奇が起源の奴混ざってるからなぁ。コレが幽霊とかの呪いと同じ起源のならまだ安定するんだけど。

 …おお、ムカデの全身が泡になって排水口の水に流された。逆走なんてするからそうなるんだよ。

 

「…よし、上に行きましょうか!」

「げっほ…こほこほ…なら後ろから着いてくね」

 

 喉を抑えつつ、ボロボロと崩れていく鉛筆を外に撒いておく。ずっと持ってるのも面倒だしな。

 

 階段を登って2階に行く最後の段差に、赤い毛糸が一本端から端まで貼られていた。…コレは簡単な奴だな。

 

「…む、何やら赤いのが」

「どうする?私は見守るよ」

「…踏まない様にする!コレが王道!我が道です!」

 

「あー!やっちゃったねー!」

 

 佐々木が踏まない様に登ると、近くの2年の教室から見守っていた、若い男性が顔を出してアウトを宣言した。

 あー、そういう感じなんだ怪奇のフリって。別に先生がロッカーに隠れる程気合い入れてる訳じゃないのね。そりゃそうか確認する必要あるし…座式先生?

 

 佐々木が長い事使われた痕跡のある、画用紙で作られた赤い丸を渡された。

 

「はいこれ。間違えたら渡されるから持っててね」

「あう…何がダメなんです!?」

「この毛糸は異界への入り口として貼っててね。踏み越えた時点で異界に攫われるって怪奇の再現なの」

「…あー、外のマットの」

「うん。自由落下させてくるあの廊下。あれはこんなにわかり易い物じゃなくて隅っこの埃とかで偶然成立するから防げないけど、世の中このくらいわかり易いのもいるって事で」

「うー、理不尽です…」

「怪奇はそういう物だからね。こういうのは避けるのが大事だから怪しいのを見かけたら先ず近寄らないのが大事なんだ。それじゃ、テスト頑張って!」

 

「あ、所で先生。ちょっと肩を貸してくれません?」

「うん?委員長の子は別にテストの対象じゃ」

「…はい、ありがとうございました。じゃ、行こっか」

「はい!」

 

 疑問符を浮かべてる男の先生の肩を叩いてから去り、のんびりと歩く。

 手を合わせ、簡単に般若心経を唱えて叩いて呪われた手を清めておいた。何だかんだこの手のお経効果あるから凄いよな。

 

「…なんで最後肩を叩いてたんです?」

「仏説摩訶般若心経っと…んー?将来有望な『居ない』が憑いてたから」

「…つまり?」

「隠れてた悪霊に触れて調子狂わせてバレ易い様にした。今の読経は…呪い祓い?何であれ悪霊に触れたら呪いにかかるし」

 

 人に触れ合うと霊は寒いとか孤独感が薄れるからな。だから触れ合うと調子が狂い易いのだ。コレでも葬儀屋の娘。霊の扱いならお手のものだ。木香証くんは丁寧な成仏を目指したから情が移って散々な目に遭わせてしまったが、悪霊に遠慮なんて要らない。

 祓えなくても、気づけるようにはできる。

 

 後ろから悲鳴が聞こえるが…まぁ、母さん達に頼ってくれ。電話で直ぐに来るだろうし、そんな数時間では死なないしな。

 

「コレでも幽霊の扱いはしっかり上手なんだよ私は」

「すごい…凄いんですかね?」

「まぁ私の立場ならコレぐらい出来なきゃダメって感じ」

「むー。ではあっぱれ!ということで!」

 

「君には赤丸あげちゃう」

 

 あっぱれと。佐々木はそう言いながら近くの歳な女性の先生からアウトを貰った。

 話しかけずスルーして進んだのがダメだったらしい。

 それ以降の話は…する必要は無いだろう。俺が学校を見回って、佐々木が赤丸貰って、何故か他のペアを見掛けないままにテストは終わった。魂で位置は分かるんだけどな…なんかすれ違う事なく終わったのだ。何この偶然。

 しかしこの補修、怪奇による変なのがやってくるパターンをまぁまぁ網羅していたけど…防災訓練としてもっと盛大にやれる余地は全然あると思う。今より本格的にして怪奇もより細やかに最近の物からピックアップしてやれば…どうだろうな?

 

[補修終わり〜。どうだった〜?赤丸何個貰ったかな〜?]

 

「結局32個も貰っちゃいました…」

「全部引っかかってたしね」

 

[あったら危機感持ってね〜?怪奇からの贈り物を受け取っちゃうなんて…()()()()()()()()()()?]

 

「…33個目だね?実質」

「もう私はダメです…雑談に夢中になって怪奇に食べられちゃうんです…」

「コレに関しては私にも刺さる事だからそう悲しまないで。怪具とか贈り物その物だし」

「委員長ー!」

「鼻水はこのティッシュでねぇ?」

 

[そういうのは専門家に任せましょうね〜。なのでこういうのは貰わずに〜逃げましょ〜。以上、丸間先生からでした〜。最後に忙しい中やってくれた先生に感謝を伝えて〜挨拶して気をつけて帰ってね〜?]

 

「ずび…はい!」

「…結局丸間先生って何の怪奇役だったの?」

 

『それはね〜最後まで聞いた子を〜』

 プツン プツン  プツンプツン

プツン プツン プツンプツンプツン

 

 パチリと放送を繋がるスイッチを切った。なるほど、本物が来るから役に徹する必要が無かったのね。

 各教室の放送の電源が委員長達の手で切られていく。私の足は遅く一番最後に切り、校舎には静寂が戻った。

 

 ロッカーから座式先生が出てくる。煙草の臭いが濃くなった。

 

「それじゃその赤丸は廃棄しとけー?それ俺ら配ってない奴だから持ってると酷い目に遭うからな」

 

「…へ?これ昔から使われてそうですよ?」

 

「何言ってる。この学校でそんな防災訓練、毎月やる余裕はない」

 

「ん?でも先生ここに残る様にって」

 

「霧晴委員長、佐々木飼育委員。()()()2()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「…は?」」

 

 その言葉に煙草の臭いを辿り、その位置に全感覚を調整し、その立場で過去の記憶を改めて見直す。

 全て、教室の中で起きた出来事で、俺達は見えない先生に対して会話していた。

 

「霧晴委員長、君は眼が良いがそのせいで感覚を狂わせてくる相手には弱いな。特に見える幻が本物だと尚更」

「あれも間違いなく本物だった」

「だが、あんなお粗末な防災やる意味あるか?防災ってのは本物より厳しくなくちゃ意味がない。お遊戯会みたいなのが怪奇の予防とは…俺は思えないな」

「ならアレは?何だったんですか!」

「魂だけでの体験談らしいぞ?何処行ってんのか俺も知らねーけど」

 

 佐々木が声をひっくり返して聞く。今の出来事が夢だというには赤丸が沢山入れた袋が手元にあった。

 その中身をよく見て、理解した後袋を引ったくり、そのポケットに新たに出現していた物も取り出して袋に入れてゴミ箱に捨てた。…巧妙に隠しやがって碌でも無い!必要でもやっちゃダメなラインがあるだろ!

 

「委員長!何で捨てて」「…ふぅ、落ち着け…持ち主の愛する人の心臓が破裂する。その後、『ゾンビ』として周囲の人間を襲う。対処として必要なのは一切濡らさずに燃やし、その灰を埋める事。しかしこの時持ち主自身が捨てた場合、持ち主の心臓が破裂する為第三者が廃棄する必要がある。それが、33」

「…むぇ?」

「33人の大事な人を失くす。具体的にはクラス29+先生1+両親2+自分1=33名。そういう事だ。それじゃゴミ袋持って焼却炉に行くぞー」

 

 教室を出ると、他の生徒と先生達と顔を合わせた。階段を降りる人達も合流し、全員いる事を確認した後にゴミ袋を回収していく。燃やしたらダメそうなのに、それが最適解なのは凄まじい悪意を感じた。全部再確認して理解した後だと寧ろ善意の方が多いんだけどさ。

 

 最近目の調子が殆ど戻ってきたのを喜んでたんだけどな。その矢先にコレじゃあ先が思いやられる。燃えるゴミの光を感じながら、みんなで終わるのを待つ中、佐々木が一人一人先生に話しかけていき、こっちに戻ってきた。

 

「…丸間先生居ないです。テストで会った他の先生も誰も居ませんでした」

「この世界には居ないって事だよ」

「死んでたんですか」

「この世界ではね」

「この世界って何ですか」

「『もしも生きてるなら』っていうさ、死者が住む空間があるんだよ」

「…偽物だったりですか?」

「いーや本物。それが偽物になろうとしたりはあるが…会話したのは本人で、教えてくれる内容はこっちでも有効なのだったでしょ?」

 

 佐々木以外の子達や先生も耳を傾け始める。誰だってこの奇妙な気まずさが嫌なんだろうな。

 

「…霧晴さん、でしたか。私は丸間先生の後を引き継いだ先生ですが、アレが本物というのは?」

「死者って成仏した後地獄なり天国なり行くんですよ。あそこはその内の一つですね。多分鎌ヶ原で死ぬとあそこ行きますよ。地域柄って奴ですよあの死者の国は。私も初めてでしたけど、いやー勘弁だなアレは」

「死者の国って…コレから毎月行くの?」「やだなぁ」「何で俺が…」

 

 おっと変な流れだ修正しなきゃ。

 

「特徴は!…その特徴は自分を忘れるまで過去の思い出を繰り返す。忘れたら新しい存在の核になる。それが赤丸です。アレ、一つ一つが記憶がまっさらになった魂です」

 

 先生含め全員が焼却炉の方を見た。…あれコレ知らない人多いのか?俺知ってると思って先生の代わりに説明してる気分でやってたんだけど。

 

「それが燃えるとこの世界の新たな命になる。濡らせば死者の国に引き摺り込む錘になる。ね?間違いなく死者の国でしょ?私達をシステムに組み込んでるのは…『屋根ダルマ』仕込んだ昔の人に言ってください。コレ昔の人が考えた最も気楽な死者の末路と人工的な命の循環ですから」

 

 その言葉にそれぞれ思い耽って、その間に焼却が終わった。座式先生が立ち上がり伸びをして空気を変えようとする。

 

「…33×6×5=990。それが×12で11880人…一つの市としちゃ十分過ぎる余裕だな?俺も今初めて聞いたが、あり得ない訳じゃ無いわな。霧晴、作り話としても十分合格だ」

 

 座式先生が灰を取り出し、袋に詰め込み始めた。俺も変な空気を変える為に立ち上がり、袋の入り口が崩れない様に持って手伝う。

 

「保証は私の眼だけ。一回経験しただけの一年の言葉なんてそんな信じるなんてねぇ?貴方次第でしか無い」

「…誤魔化し下手ですが、手伝います!」

「それ言ったら終わりだよ佐々木ちゃん」

 

 俺のツッコミ未満の何かでみんながちょっと笑ったり気を緩めたりして動き始めた。どうやら化かされてた体験は飲み込めたらしい。俺の漏らした情報については人に寄るだろうけど。

 そうして灰も一部を畑に埋めて軽く耕す…の予定だったらしいが雨なのでそのままお開きとなった。だから飼育委員の佐々木居たの?

 ちょっと周りに聞いてみると、全員委員長と飼育委員のペアだった。飼育委員は人がいるから交代しながらだが、委員長は毎回参加らしい。…コレを?毎月?

 

「いやーコレを毎月は骨が折れるよ」

「委員長頑張って見守ってたでーす!」

「あー、全部向こう側での出来事だったけどね?」

「でも委員長!結局説明の時に言ってたそれが偽物になろうとーとかは何だったんですか?」

「…忘れてないか」

 

 下校中2人で会話する。帰り道が同じ上級生がいるから別れても安心だった。…偽物とかは忘れてくれたら良かったんだけどな。

 

「…あの世界で死者側が生者を33人殺せば1人だけ生き返るんだよ。殺した誰かの皮を被ってさ。だから丸間先生の逃げろって説明は合ってた。死者の中で本気で生き返りたい奴が居れば殺しに来てたからな」

「…そういえば悪霊居ましたよね。委員長が見つけ易くした」

「殺しに来てたんだろうなぁ。死んだ後も生徒を守る為に頑張ってるなんて、先生には頭が上がらないよ。本当にさ」

 

 6年5クラス2人ペアと先生。合計90人居るから自分ならと狙いたくなる奴もいるだろうさ。

 だから、最終的に善意の方が多いんだ。碌でも無いし悪意もあるが、それ以上に色んな人が頑張ってる話だからな、これ。

 先生の職業に対する負担がずっとヤバいけど、まぁ30人も先生いるならまだ大丈夫だろ。…子供の数はもっと多いけど。

 

 






霧晴千歌
 放送を聞いて佐々木に対して失礼な勘違いをしていた事に家に着いてから気づいた。
佐々木三千代
 別にバカじゃ無く年相応なだけ。おちょくる時はでーす!と伸ばして言ってくる。
座式先生
 煙草休憩と隠れるのに全力だった。大人には子供より殺しにくる奴が多いので隠れる必要がある。
丸間先生
 お茶目な嘘とか大好き。怪奇災害で死んだ。死んだ先生は死の国側の学校の治安維持の仕事がある。

『もしも生きているなら』
 人工的な死者の為の空間の総称。最大限死者に配慮し、その結果生者に負担を強いる物が多い。生者の魂を定期的に取り入れて維持する。

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