最短最速クリアしていきます。
[皿を一枚、二枚、三枚…]
落語のバッキー
[寿限無][まんじゅうこわい][くっしゃみ講釈][皿屋敷][儀式にならない範疇に納める方法]
[─音楽無しで踊っている映像─]
踊り手のジョニー
[静の動き][影を利用する][映えるには][踊りにおいての怪奇の注意点]
[─幾つもの紙を合わせて作られた詩を映した映像─]
詩誌紙史のチコ
[季節に合わせて五七五七七][漢文定番][紙は別にして書けば怪奇に引っかかりにくい!その他]
[─嗄れた声で物語が語られている─]
[嵐は船を揺らし、船が軋み苦しむ声を上げたのを、ガリバーは耳にしたんだ]
うろ覚えの読み聞かせシャノン/Shannon
[ガリバー旅行記1][Gulliver's Travels 1]
以上、アカウントを別けてやった動画である。大変だったし、休日1日これで消えたしな。後半息切れしてるのは気にしないで欲しい。体力が持たなかったんだ。原作版も読んだだけ許して欲しい。
しかし、随分怪奇関係は注意点とか言えたんじゃ無いか?知ってる人は知ってても、普段やらない事に関する怪奇には詳しく無いってのはまぁ良くある話だし。夏奈のやりたい事…本命では無いけど…ある程度出来たと思う。これで怪奇の注意点も投稿する文化とか、そういう風潮ができるといいな。
「でもなぁ…なんでどのアカウントも既に20万を超えてるんだ?1日で利用者どれだけ増えたんだか」
もう怖くてどれも見てないが、コレを最後にして引退すれば問題ないし後は気にしなくてもいいや。そう思いつつ学校に登校し、昼休みになった訳だ。
「ねぇ多々良ちゃん」
「なーに?霧っち」
「最近動画投稿で流行ってるのあるじゃん」
「Youtubeの事?いーよねあれ!マジあげ!ウチも早速ファッションとか投稿してみたら1500回も見られたの!すごいっしょ!」
「すごぉい。才能あるわ多々良ちゃん」
「えっへへー」
「今我が社の麒麟児、真倉朝凪が名付けたサイトの話をしたかしら?」
「おぉ天狗鼻」
「すごーい!」
だらりと、教室がいつもよりがやがやしてる月曜に話してたら、調子にノリにノッてる真倉がやってきた。元気だね。俺は今ぐったりしてるよ。
無理もない。今、小学校…どころか、世間はある話題で持ちきり。その話題のサイトを立ち上げるキッカケだって言うんだから、世の中どうなるか分からない物だ。調子ノッて良いと思うよ。
「でもアレ、動画だけじゃ無くてトーク機能も何かあるよね。コメントと別にさ」
「ネットの交流っていうジャンルを切り拓く為よ!兎に角色んなのに挑戦して、個別に出来そうなら切り離して別運営にするのよ」
「へぇ。じゃあそれ上手く行ったらTwitterって名付けてみたら?青い鳥をマークにしてさ、呟いた単語をトレンドとして表示する機能付きで」
「…ニュースと合わせれば…ちょっと席外すわ」
「いってらぁ」
「…忙しいねー、倉っち」
「まぁアイデア次第で稼げるってわかっちゃったからね。こういうの先着順だし、1秒も無駄にしたくないんでしょ」
「そーいう感じかー」
そう言う感じだよ橘。俺もこんなにすごい事になるとは思ってなかったけどなっちゃったから。俺さ、精々総アクセス数とか表示する個人サイトを想像してたんだよ。何か真倉も話に乗ってすごい事になっちゃった。こう、舐めてたよね。元AI経験者の頭脳と交渉力と製作能力。
俺はもう土曜に投稿した4つのアカウントの扱いに困るばかりだよ。ネタにしてたけど幻獣ってすごいんだな。
「それでさ、どんな動画がタイプだった?」
「読み聞かせシャノンさん!ワクワクする話で聞き惚れちゃった!」
ガリバー旅行記の風刺部分をマイルドにして、ジブリの風味効かせてアレンジした話を投稿した奴じゃん。口伝という媒体ならどんな話をしてもセーフな点に目をつけてやったんだよな。久々に話を思い出しながらやったから楽しかったよ。アレは完全に怪奇とか関係無い趣味枠だったし。
「んーーー」
「霧っちだよね?」
「違うねぇ」
「んーっていう声が霧っちと同じだったよ」
「違うよぉ」
「ガリバー旅行記って何?」
「船医のガリバーが嵐に巻き込まれ、小人の国、大人の国、ラピュタ、馬の国を巡る事になる話」
「ほらもうシャノンおばあちゃんだよ!先の話知ってるのはシャノンおばあちゃんだよ!ねー教えて!気になって眠れない!」
「あれ夜寝れない人の為の読み聞かせだよ?寝てよ」
「あれを寝る前に話すのは拷問だよ霧っち。子供は漏れなく深夜までぱーりー!」
「うそだぁ。嗄れ声の語り口にして聞こえづらくしたのに」
「確かにおばあちゃんの声だけど…あんなおばあちゃんいたら子供に囲まれて逃げられないよ」
えぇ?アレが?適当成分多めで話したのにぃ?…むー、ごほん。
「…あぁ、また眠れないのかい?それじゃあ…あったかいミルクに蜂蜜を入れようかね。飲めばぐっすりと眠れる筈さ。今ぁ持ってくるから…読み聞かせ?そっちがいい?…じゃああの話をしよう。港に住んでいたワタシが、船から降りたイカした男を捕まえて聞いた話さ」
「ソイツは立派な髭を蓄えた警戒心のある船医でね。目敏いワタシはその眼の奥にある物に何か素晴らしい熱をしたのを感じたのさ。ワタシは麻布のスカートを揺らして近づき、言葉巧みにランチに誘った。店長に硬貨を何枚かやって席を取り、コーヒーを飲んで、男はこう名乗った」
「───レミュエル・ガリバーと」
「本物だよ!!まんまだよ!」
「えぇ?」
「続き!」
「疲れるからヤダ」
喉疲れるから俺は少しも投稿したく無いし話すのはダルい。それに怪奇のあるこの世界に合わせてアレンジするのも面倒だし、英語で話すのも面倒。そっち方面の訛りとか再現ダルいのよ。
「疲れるならば!詩を書くのはどうですか!」
「あ、佐々木ちゃん。どうしたの?月末はまだだけど」
何だか久しぶりに話す気がする佐々木が絡んできた。グループが違うのか交友関係が重ならないからか、授業以外で話すのは稀な子が割といるんだよな。
「いえそっちじゃ無いです。最近ネットに出てきた動画サイトの事です!」
「Youtubeね。それで詩って?」
「チコさんという方の動画を見ましてですね!あいや私も知ってはいたのですが、アレほど色んな俳句が有るのかと!感銘した次第でして!今色んな人に広めてるんですよ!」
「正体はSの奴か」
「はい?…まぁそんな感じでして!どうでしょう、見てみませんか?バッキーさんとチコさんのですが」
「見るー!佐っちーのオススメだもん!その代わりこの読み聞かせの動画も見てみてー!」
「ほほう?」
どうやら仲良くなるツールとして良い感じに働いているようだな。…それはそれとして四天王が1日で有名になり過ぎだと思うけど。
「これねー…実は」
ふむ、5月下旬なら季語は…
「うすなつやもくもくすべし……ばんりょくか……かくれあやまち。みそれるばかり」
適当に語感で。緑の葉っぱ下に隠した過ちはどうか黙って見逃してください。隠したのが何かは…書いた人は黙って言いませんのでどうとでも受け取ってねって感じに。途中不自然なのは怪奇対策だから気にしない方向で。『音楽の悪魔』に連れ攫われるのは嫌だしな。
アカウントの事、ちょっと身近な人に広まり過ぎだなこれ。
「霧っちそれ俳句?なんだかスラスラ言いたく…なる…分かった、黙ってるね」
「理解が早くて助かるね」
コレでちゃんと伝わるんだからこの世界の人間って頭良いよな。出来ればそうなったらいいなーってのがちゃんと通じるもの。
「…霧晴、イケる口ですか」
「うん。自作はダメダメだけど」
「大丈夫です!みんな似たような物なので!…どうですか?今度の休みにでも作ったのを持参して読み合うとか」
「残念だけど霧晴は其処まで熱心じゃ無いわよ」
「倉っちおかえり!」
「おかえりぃ真倉ちゃん。どうだった?」
「ただいま…と。ぼちぼちね、まだ早いって感じ」
「そっか。佐々木ちゃん、誘いは嬉しいけどごめんね。即興とか自作は苦手だから遠慮しとくよ」
「…ふむ、それは残念です!では私はこの辺で!他の人にも広めたいですから!」
「あ、佐々木、後でいつやるかは教えなさい?私行きたいから」
「真倉ちゃん!分かりました!では後で電話でおいおいと!」
佐々木は嵐のように立ち去ったが真倉が誘いに乗ったのは意外だな。てっきり稽古とかの方を優先すると思ってたわ。
「真倉って乗るんだねあぁいうの」
「意外?私は結構その手のお茶会も遊びも好きよ?これからの流行りにもなりそうだし、社交界の練習を積むのは悪く無い選択だもの」
「そこでちゃんと将来に繋がるか考えるのは真倉らしいねぇ」
「それで、倉っちはどんな動画が好みなの?」
「踊りを投稿した命知らずのジョニーさん。下手すれば『音楽の悪魔』に連れ攫われるのに、あそこまでなら大丈夫だって魅せたのは賞賛に値するわ」
「音が有ったらもっと良くなりそーだよねー」
「文句は無し。死にたく無いのはみんな一緒だとして、あそこまで至るのにどれだけの苦労が有ったか考えると…その戦いには賞賛のみが向けられるべきよ」
ジョジョみたいな銅像の美しさを取り入れた上で、前世の影絵を利用した踊りをパクっただけなんだよな…。ほら、影なら小学生でも大きく見せれるし、匿名にするにも丁度良かったし。
バレない為の小細工とか、そこら辺はちゃんと考えてるんだよな、コレでも。でもそんなに一生賭けた苦労はしていないよ。
「へー!見せてー!」
「いいわよ。…これね」
「あ、ウチのオススメはこれだよ!」
「へぇ…うん。良いじゃ無い。語学が堪能なババアは強いわ」
「何か気づかない?」
「…何が?怪奇?」
「なんでも!」
「多々良ぁ。匂わせはダメだよ」
「えっへへ。メンゴ!」
「こいつぅ」
「…なに?霧晴も何か動画出してたり?」
「ん、頑張って見つけてみてね」
「…面白い事してくるじゃない」
一応全部の動画は声の調子とか使い分けたから早々にはバレないんだけど…コレ、多々良が鋭いだけなんだろうか、真倉と佐々木が鈍いだけなのだろうか。…どっちでもいいか。バレてないし。
俺は今をのんびり過ごせれば後は気にしないでいたいんだ。他人を気にし過ぎても疲れるからな。今は我儘モードだぞ。
ピロン
「あ、更新の通知…だ?」
「チャンネル登録してたのね。でも学校ではマナーモードにしときなさい…そろそろ昼休みも終わりね。橘、席に戻るわよ」
「うん。そうなんだけど…霧っちー」
「なぁに?」
多々良がこっちに近づき、画面を見せて来た。…おおん?[ガリバー旅行記2]と[Gulliver's Travels 2]の新規投稿?
「シャノンさんの動画、予約とかしてたー?」
「してないね」
「……………」
「……………」
ピロン
「…さっきの電話で解除してたの忘れジョニーさんの動画が投稿されたじゃない!ちょっと、今!?…帰るまでが楽しみね!」
そう言って真倉は自分の席に戻って行った。
「…霧っちジョニーさんって」
「私のアカウントは4つある。バッキー、ジョニー、チコ、そしてシャノンだよ」
「霧っち実は結構エンジョイしてた?」
「うん」
「予約」
「全部してない」
「怪奇で身に覚え」
「知らないけど…怪異…いや違うか条件を満たしてない」
「今見たけど4つ全部投稿されたのは…ヤバい?」
確認する。絶望した。4つのアカウントを用意してる事実に絶望した。
「…未来を確定させて結果を持ってくる怪奇だ」
「先取り的な?」
「そこに周囲の評価された対象を評価に寄せる怪奇もいる」
「偶像は本物に優るみたいなノリ?」
「一番酷いの。一定以上信者が出来た存在を好き勝手できる悪魔がいる」
「高評価、チャンネル登録しないでコール必須じゃーん…で、登録の上限は?」
「50万」
「今見たけど4つアカウントどれも49.8〜49.9万の秒読みだよ。霧っちどうなるの?」
「知らない?……アカウント4つ有って…悪魔の性格的に…残機4つのデスゲームが始まる。多分倒れるから保健室に運んでおいてね」
「分かった…情報広めるのは?」
「しなくていい」
キーンコーンカーン
コーンと、チャイムが最後まで鳴る前に俺は、真っ白な空間に立っていた。後ろを見れば、俺より先に来たのだろう人達もいる。
「…やっちまったね」
なにこれ
誰視点?
シャノンの生配信から来た
怪奇?
テスト
先に悪魔について、説明が必要だろう。簡単に言うと妖怪や悪魔を生み出す怪奇から出てきた、不思議な力を持つ知的生命体である。悪魔は海外を主に活動していて、よく人を破滅させたりして遊んでるんだよな。
今回の件は信者の数という、どうやっても宗教が貧弱なこの世界だと成立しない能力の発動条件を持った、認知されてない悪魔が真倉の会社のセキュリティを抜いたという形だな。俺も認知したのさっきだし、ずっと陰に生きてたんだろうな。
うん、この世界で新技術が広まる度に起きる大規模な怪奇の事件に巻き込まれたわ。
『レディーーース!!!アーンド!ジェントルメーーン!!!此度はワタクシのハコニワにようこそおいでくださいました!では早速、ゲームを開始します!』
「初めてだから進行の仕方とか知らないタイプだねこの悪魔」
でもコメント欄とか視界端に表示するのはセンスあると思うよ。ゲームのギミックに利用しそうだね。
はい。英語。私はリンゴです。
翻訳される?
コメントだけして体調調べるテスト
↑翻訳される
まだコメントしてない人は控えて。どんな悪魔か分からない
視点の人の声、これボイスチェンジだ。他の配信確認したけど無かった
身体もコイツだけモザイクだわ。怪奇じゃないかコイツ?
他も似たり寄ったりだねー!
↑お前小学生だろ?未来ある奴が関わらない方がいい
鋭い人だ!
特異性があるのは注目対象としてリソース割いとけ
んー、前世とコメントのノリが違いすぎていっそ笑えてくるわ。そして多々良はどうか情報は晒さないで欲しい。この世界の人鋭いんだからさ。
「…よし」
さて、大体見終わった。
総勢97人。俺がアカウント4つだからそっちで数えたら100。ボイチェンは多分特典の影響。肉体の調子は変化無し。脱出条件は1人になるまで終わらない。死亡時チャンネル登録者も共に死ぬ。
この悪魔の思考回路は古臭いから、ゲームも似たようなものが出る。
『デスゲーム!他の悪魔の話を聞いててやってみたかった!!なのでミナサマに!4つのゲームをして貰います!!最初は……『音楽コンテスト』!!ここならもう音楽の悪魔の影響は受け付けませんからね!あん畜生が大層羨ましがる物をやって下さい!ワタクシと視聴者がポイント付けますので、総合で一番高い25名が生存です!』
『あ、コメントしても特に何かしたりしませんよ。存分に楽しんでくださいませ!』
「でもさ、見た感じ私らが死んだら登録者死ぬんだよね。解除しても逃げられなくて、登録するほど死ぬ数が増える仕組みだし。50万が100アカウントで1人生き残る」
クソみたいなゲーム
なにそれ俺ら家族諸共死んだな
おはよう。炭鉱のカナリア一家。今日も元気に様子見放棄か?
死ぬ時はお前も一緒だな?
見た?何を?
怪奇の情報でしょ。私も偶に見えるしそういうのをネタにした投稿者もいる
そういうのあるんだ
↑初耳だが
レスポンス遅い矢印がいるな
↑あ?
何人死ぬんだこれ
「99×50万が最低数?つまり…4950万死ぬ?いやダブりも入れたらもうちょい減るかな…100のアカウントに紐付けられてて、私は4つアカウントを持ってるから、私が生き残ればもうちょい生き残るけど…」
俺らの命背負ってるんだから絶対生き残れ
私死にたく無いから蹴落としてでも生きて?
他の犠牲は仕方ないから見捨てよう
俺ジョニーさんとシャノンさん登録してるからどの道無理だしどっちでも
まぁ…遅かれ早かれだ。登録者が条件ならいつかは似たような事が起きてた
コメント見てる奴遺書の準備しとこうな。
死にたく無いです死にたく無いです死にたく無いです
おー、生徒達が発狂し始めた
風説どうしよ…
4つのアカウントどれ?
「バッキーとジョニーとチコとシャノン」
周りの人達も遠目だけどコメント欄と相談してるな。まぁ音楽が消えた世界で名曲なんてやれる訳ないわな…よし、『音楽の悪魔』に無理させるチャートが作れたけど…。
…コレしか無いか?……無いか。…コレなら1つ目のゲームは全員生存で行けるか?どうだろ。そもそもやれるかってのと、もうどの道死ぬ人の数が多すぎてヤバいのに実感湧かないんだよな。
今想像してるのを出来るのか、読みきれない部分は悪魔に聞いて、後は流れでやってみようか。
「信仰の悪魔よ!楽器や歌う人は空想で具現化出来るのか!?」
『いっけまーーす!!誰も知らない物を堪能するのですから!誰もが絵空事を本物に出来る様にしなければ不公平なので!…あれ?ワタクシ信仰の悪魔と自己紹介しましたっけ?』
よし………やるか。【オーケストラ】の再現。生前の姿も特典も実際にやったし、出来るだろ。…折角だし四大幻獣にも力を貸してもらおうかあ。多分シラフで完遂出来ないからなあ。
「じゃあ、こほん…昔々、ある所にマイケルという貴族からトンと落ちぶれた奴がおりまして」
バッキーの語り口だ
今そういうのやるか?普通
死ぬ前にいいもん観れるんだから文句言うなよ
動画より楽しくなる語りね
いいですよね
モザイクで身体が見えないらしいし、イメージで出した影で覆って輪郭を作っておく。造形は…ミク…鬼龍でいいや。やる事考えたらマッチするだろ。後は視聴者が見てるカメラの前辺りに歌詞でも載せてっと。
モザイクが影になったね
ジョニー筋肉すごい
本当に4つアカウント作ってたのか
なんでそんな事を?
エンジョイしてるわね
画面下の奴は何?まさかコレがチコ要素って言うつもりか?
マイケルクソ野郎過ぎない?
アドバイスのお礼が仇過ぎだな
「………────私が聞いた、この世で一番の音楽を聞かせてあげようじゃ無いか」
おばあちゃん!
ボイチェンといいモザイクといい、年齢不詳過ぎるだろ
これ聞かせないと寝れない子供って何だよ
老婆も少女も超越してるって見えたけどなにこれ?キャラ設定って?
影が男だから性別も超越してる
おばちゃんじゃん
影はおっさんだぞ
アメちゃん居るか?サルミアッキだけど
「【接続曲:『裏世界』】世界を繋げる音色を謡おうじゃないか」
『おお、これは!……あ?待て!待て待て!止めろ!!』
「【受難曲:『消した』】ほら!見渡し!確かめ!進み明かせ!消し去った歴史が帰ってくるぞ!」
『消えた存在を呼び戻すな!!』
地震か?
は?
おいおいおいおい
何あの星
ファンキーな銅像
海から龍が出て来
待って死体の村が
¿Hello?¿help me?
私『メリー』さん。今『裏世界』から出て来たの
あかさんか?あおさんか?
あうん
ねえ?私…きれい?
遊覧船が星に行くんだ
ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ
がらがらと地響きと共に、真っ白な世界は何処とも知れない場所に落ちていく。正確には、持ち上がっている…が正しいが。いやぁ…見えてはいたけども、コレを開放するのは酷い所業だと俺は思うよ?
でもね、残念だけど俺の特典は真っ当な攻略は出来ない、酷く限定的な特典だからな。目の前の4950万を助けるだけでは済まないんだよ。
この白い空間は…ゲームだなんだと不意打ちをしたのはそっちな以上、壊されても文句は無いよな。俺はもう、4950万と天秤に載せてこっちの方が被害が出ないと判断した。今の科学力と文明ならイケると思う。この世界の優秀な人類なら多分やれる。何よりこの空間が壊れれば他の怪奇も此処を訪れる。つまり、盛大なオーケストラに釣られる奴が居るって事だ。
『…【伴奏:音楽の悪魔】能力の共有…また逢えたな。音楽の悪魔よ』
「…今はお前がそうだろう?私に逢いたいが為に音楽を捧げた悪魔よ」
ピアノの横で指揮棒を振るい、楽団を支配する悪魔を見て答える。何でこんなことをしたのかは見て分かった。俺の視界ってそんなヤバかったんだな。コレからは気をつけ…どう対策すれば良いんだ?……一旦求められてる役割通りに演じるか。悪魔らしく振る舞えばいいっぽいし。
『…音を。もう一度貴方の演奏を。対価は、俺の全てを』
「不要だな。お前が持ってるものはもう私も持っている。真に私の演奏を求めるなら、価値を付けずに聴けばいい。その指揮棒を振えば聴きたいものを奏でてくれると思ったか?蒙昧が。ただ、聴きたくば聴け。席を立つならば立て。それで終わりだ」
『おお……!おお…!』
悪魔らしさってコレでいいのか…。俺もうマイケルの事が分からないよ。でも面倒な拗らせ方してるのは分かった。なんで俺なんかの演奏に熱中してるのかは分からないが、兎に角今は悪魔の為に演奏しなきゃいけないのは確かだ。
「───【葬送曲:マイケルと悪魔】」
『それが貴方の……ああ───素晴らしい』
其処から演奏してる間、『音楽の悪魔』は立ち尽くした。聞き惚れた悪魔を殺す歌だ。
ただ、音楽に愛されて産まれ、楽しんで、生きて、狂っても、その終わりまで音楽だった。
此処から何かが始まる訳じゃ無い。此処から改心する余地は無い。彼のゴールは此処で、奪った音色が人に返されるが今。ぶっちゃけ葬儀屋的に手に取る訳にはいかないのもある。
「……すぅ…ふぅ…ご静聴ありがとうございました」
最後の音色が終わり、静寂が訪れた時、既に2体の悪魔は消えていて、『信仰の悪魔』に攫われた人々しか其処には居なかった。
拍手は無い。全て死体になっていたから。
幽霊も居ない、全て『裏世界』から飛び出した怪奇に喰われてしまった。
コレは俺が選んだ結末だ。俺だけは『音楽の悪魔』の力で生き残った。
ちゃぶ台返し、『信仰の悪魔』の思い通りにさせない為の犠牲だ。
登録者の死は無かった。それより先に『信仰の悪魔』が死んだからな
ただ、世界中で怪奇が溢れてな
各国が頑張って対処事態はできた
推定死亡者数は100万らしい。行方不明はもっと多い
だが、あのまま『信仰の悪魔』の思惑通りに4950万死ぬよりはマシだな
コレがお前の選択なら、先生はそれを否定しない
………
………
よくやったよ
助けてやれないのが悔いになる程にはな
「…まあ、ネットの中だしね」
ただ、代わりに大多数の登録者は生き残った。何人かは死んだが、全員よりマシな筈だ。
「…はぁ。帰り方は特に考えて無いし…このままネットの中にある異界に居たまま死ぬ感じかなぁ」
真っ白な世界に、黒いひび割れが出来ていて、その先には真っ青な世界が見えた。俺1人助けるより、もっと近くの人を助けるに決まってる以上は…助けは来ないだろうな。悪魔と踊った対価は重かった訳だ。
「あー…簡単に終わるのはこの世界の悪い所だね。踏み外せばもう終わりだ」
一応、まだ配信は繋がっているから本来の喋り方はしない。先生はまだ見てるからな。…見送ってくれてる人が居るだけまだマシだろう。真倉や橘達は…生きていたらいいな。
母さんと父さんも…まぁ、親不孝な娘で申し訳ないと思う。
カラン カラカラカラン
「ん?…あぁゲェムか…そう言えばまだ引いて無いのが有ったな…カセット達も目の前に来たし…死ぬ時は一緒だ」
【オーケストラ】で出したワックスをかけた木製の床に、俺の特典で引いたゲェムと、夏奈にアドバイスして貰ったゲームコインが転がる。いつもはこういう時額にぶつかるんだが、今回は床に転がったな。普段からそんな感じなら良いんだけど。
とは言え、裏世界探索はそもそも裏世界の中身が全部消えたし…かなたらは未来と繋げたところで此処が詰んでるし…DDは休息中は動かせなかったしな。
「…まぁ、最後だ。折角だし引くだけ引こうか」
ガチャン
ボトンと本が落ちた…TRPGかぁ。
「……【不思議いっぱいTRPG】?また変な奴が」
だがまぁ、本ではあるのでパラパラと流し読みしてみる。中身はルールブックとサンプルが幾つか有るだけだ。何か選んだ怪奇を誘導してシナリオをクリアする感じらしい。誘導ねぇ?ルールが分かるだけコレまでよりマシだけどさ。
「……ま、後は死ぬだけだし…やるだけやってみるかな」
選ぶのは…指差して指定するのか。なら…丁度良いゲェムがあるんだよな。そろそろやらなきゃいけない感じの奴。丁度明日、25日に休息が終わるんだよ。
「…ま、それやったら終わりって感じで…待ってみるかぁ」
ここネットの中だし、そこら辺の床にでも挿せば起動はいけそう…イケたわ……でも画面が…そもそも何もしなければ血肉が溢れるんだし、反応自体はするだろ。うん………はぁ、馬鹿やったな……寝よ。
霧晴千歌
出来たチャートが4900万か100万の命を選ぶ天秤だった。100万殺す方を選んだ。
霧晴夫妻
仕事で忙しい。
真倉朝凪
死んだ。
橘姉妹
死んだ。
桐根他12歳以下の子供
死んだ。
座式先生
生きた。肯定できたが、こっちにくれば良いのにと思った。
マイケル
満足して死んだ。
『信仰の悪魔』
偶像されたものを集める。信者の数に応じて色々出来る。死んだ。
『笑う月』
星と星がぶつかり易くする怪奇。
『嚮導者の像』
狂気に陥れる怪奇で作った像。
『リヴァイアサン』
デカい蛇。5000kmくらいの。
『ゾンビ村』
死んだ結果の末路を一つ追加する怪奇。
『求めた助け』
助けを求めると助からなくなる怪奇。真っ赤。
『メリー』
人形の怪異。目的地まで殺しをしながら進む。
『とくさんか』
赤い紙と青い紙を渡す怪異。聞かれた時点で死ぬ。
『阿吽』
怪奇から逃げられなくなる怪奇。
『くちさけ』
悪霊の才能があり過ぎた霊。
『伝染病』
未知の病気を溜め込んだ船。空から撒く。
『八尺』
周囲の神を知っている12歳以下の子供は死ぬ。