怪奇ばかりな日常とゲェム記録   作:何処にでもある

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 いつかの失敗のツケがやってきました。




ゲェム-あーあ

 

 

【選出中………】

 

「…遅いな」

 

【選出中………】

 

「…よし、スマホで『先行投稿』の分やって、アカウントも凍結して『夢のアイドル』も対策完了っと…虚しい」

 

【選出中………】

 

「せめて死体だけでも火葬か何かしてやりたいんだけどな…」

 

【『花神楽』の討伐 残機×1】

 

「…よし。【不思議いっぱいTRPG】指定、『花神楽』」

 

【Error.Error.Error……接続完了。不思議いっぱいTRPGとの連携を開始します】

 

「…上手く行っちゃったかぁ」

 

 くぅ

 

 お腹が鳴る。人肉とか食いたく無いせいでご飯抜きだからな。しょうがない話だ。

 翌日、俺は地面に刺して大きくしたUSBメモリの内部情報を見つつ怪奇を指定した。ここら辺アバウトに行けるの便利だと俺は思うよ。

 

「…で、此処からどうな」

 

 


 

 

「死ねぇ!」

 

『誰が死ぬかぁ!』

 

 刀で斬り結び、花びらが舞う。片や鎧武者たる人の戦士。片や花びら舞わせし2本角の鬼。

 人が刀を大地を斬りあげたと思えば、鬼の下から岩の槌が襲う。

 それを鬼はひょいひょいと飛び立てば、花びらを足場に空を飛び回って避け、無数の花びらを刀に巻きつけて太太刀にして叩きつける。

 しかし人も負け劣らず、たたたと足を踏み鳴らして後転。高速で繰り返し、後方へと飛び去り避ける。

 

 両者共に互角の勝負であった。

 

『わぁすごぉい』

 

 そして、それを草花の陰に隠れて見ているのが俺だ。指を指して気づけば森の開けた場所に出て、角が生えて和服姿になった身体でちまちま歩いていたらこんな場面だからな。

 何か異世界転生したみたいでちょっと楽しくなりかけて、その後やった諸行を思い出して萎えたりしたものの、どうやらあの鬼が誘導する相手らしい。どうすれば良いのかの方針?それは視界端にあるんだよな。

 

【1/3 54:23】

【『夜叉』の山越えを乗り越える】

 

 こう言う感じで表示されてる。…コレTRPGか?どっちかと言うとVRじゃ無いか?…まぁコレもどうせ現実だろうし、滅茶苦茶はやっちゃダメな感じだろうな。先ずは話しかけてみるか。

 

『へぇいそこの勝負してるお方々や。何をそんなに争ってるの』

「何やつ!!妖か!…援軍か!」

『俺も知らん!』

「…誰だお前は?」

 

 2人とも止まってくれてたのは良いけど、その分こっちに警戒来ちゃったな…どうしよかな…事情聞いてみるか。

 

『何でそんなに争ってるか教えてくれたら教えるよ』

「…この鬼が村を襲ったが為よ。そのせいで田は荒れ、子供が死んだ」

『あ?人々が俺らの山を壊したのはどうなんだ?木々が無くなり、土砂で3人死んだんだぞ!』

「ええい!そんな事しておらんぞ!其方こそ村を襲ったあの姿!忘れる筈も無しだ!」

 

 …あぁ、あれか。ムカデに乗った鬼が居るわ。

 

『村を襲ったのは『夜叉』と『化蟲』で、山の方は『山蜈蚣』だねぇ。そこの『花神楽』を真似て襲ってて、山の木々はご飯として喰われただけだよ。アレの口は鋭いから斧で切ったみたいになるんだ』

「…どう思う」

『我らの話の食い違いが消えて辻褄は合う…しかし元凶がのこのこ出てくる訳もない』

「此方と同じか…信憑性に欠けるな」

『しかしだ。知恵者、それもあの目…と成れば…もしやするかもだ』

『ちなみにあっちに行くとどっちとも会えるよ』

「…休戦だ」

『ああ、千日手よりはマシだろう。調べて居なければ首を刎ねて続きとしよう』

 

 そんな訳で花びらと岩で動けなくさせられた後、のんびり寝っ転がっていると2人が戻ってきた。その手には『夜叉』の首と、刃と見間違うムカデの牙が有った。その場で行って殺して帰れるんだね。戦闘を専門にした人はすごいや。

 

「…お主、名は?」

『霧晴。霧晴の千歌だよ。元人間』

『人間…?しかし知恵のある者…どうする?』

「無理だな。惜しいが…此方に連れても首を刎ねて終いだろう。鬼への恨みは消えん」

『ならば俺の方がいいか…ついて来い。お前も功労者だ』

『あぁぁ…』

 

 アレよアレよと連れていかれ、俺は『花神楽』の住む山の里に運ばれた。俺が歩きで行ける訳も無く、遅過ぎて背負われたよ。こんな簡単に懐に入れて良いのかと思うが…昔って事は『性善説』がまだ元気だった時期って事だしな。現代よりも善性のある奴が多いんだろう。

 それでも恨みとかは消えないけどさ。性根が善性になるだけだし。

 

『お前ら!報復は果たした!真に山を食い荒らした者はこの通り!人も妖も荒らした怪奇はこの通りよ!!』

『おお!これは牙か!これほどの蜈蚣が…さすが『花神楽』の旦那だ!』

『おさすげえ!』

『これでまた山を歩けるね!』

 

 鬼に始まり様々な妖怪が集まって、2mはあるムカデの牙を見て感嘆し、歓声を上げた。昔は妖怪との関係も悪く無かったって本当なんだな。俺が知ってる妖怪より理性を感じる。

 

『あ、まだ喜ぶの早いよ』

 

 今がいつなのかは知らないけど、能天気だと思う。だって2つ程山を越えた辺りに蟲と『夜叉』の群れがこっち来てるもの。コイツ先兵に過ぎないと思うよ。

 『空傘』が近寄り、俺の近くをくるくると回る。この妖怪も現代だと背骨抜いてくる奴なんだが、全然その様子を見せないしな。

 

『其方の鬼は?』

『なに、此度の功労者よ。人と口論になってた所に来てな?真に悪き者を伝えたんだ』

『へえ、そりゃ知恵者だな。如何にして知ったんだ?』

『2つ越えた先にある山でこっちに向かってくる蟲と『夜叉』の群れを見たから。コレもその先兵だね』

 

 しん…と。理解が追いついてない子供以外はその口を閉じて此方を見てくる。そして、まだ終わってない事を段々理解したのか、一気に騒ぎ出した。信じ過ぎじゃない?

 

『逃げなければ!』

『畑は!?漸く見つけた安息の地ですよ!』

『家財を纏めておかなければ』

『予言じゃ…知恵者の予言は当たるんじゃ!』

 

『‭─‬‭─‬静まれ!!!』

 

 『花神楽』の一喝で大人達が大人しくなる。もしかして結構偉い立場だったりするの?『花神楽』って妖怪。確かにどっかで聞いた事ある気がするけどさ。

 …それにしても蟲が多いな。魂が人に宿って無かったし、少なくとも400年より前か。

 

『今の我らが守るべき物を守れずして、如何に逃げた所で追い出されるだけだ!』

 

『あ、逃げるなら今畑の下に居る『光蟲』を全員分掘ってからの方がいいよ。絞った汁を飲めば1ヶ月は飲まず喰わずで生きれるから』

 

『その身に染みていよう!北の故郷からこの地に辿り着くまでの労苦を!また同じ事をすればどうなるかも悟っていよう!』

 

『立ち向かうなら人と協力した方がいいし、あっちにある『迷廊』の異界を活用しないと勝てないよ。後ろ歩きすれば脱出できるから後は地元の人に聞く感じで』

 

『…霧晴の。今は俺が答弁する時間故、しばし沈黙してくれないか?』

『ん、そろそろ旅立たないとだし…それなら言うだけ言っておこうかなって』

『なに?…それは後何刻だ?』

 

【1/3 02:01】

【『夜叉』の山越えを乗り越える】

 

 うん。今の俺が山って結構移動するのに時間かかるんだね。将来山登りするなら覚えておこう。

 

『もう直ぐパッと消えるから。あ、将来の為に人とは交配進めた方がいいよ。じゃないと子孫が魂が無いせいで理性を失っちゃうから。『因継の儀』があれば余裕だから玉幸村を訪ねてみて?』

 

 400年前、人に魂の臓器ができた時、妖怪は人間性を失ったんだそうだ。

 何でも人として在る為の核が脳に宿る思考から魂になり、今までは思考が在るおかげで人と友好的であれた妖怪は、魂が宿らなかったせいで人では無く怪物になったんだとか。

 まぁ、魂が腹にある間は物を考えられるらしいけど。だから魂の蟲の飼育してるらしいしな。

 だがまぁ、知ってるなら人と交わった方が後腐れも利便性も違う。何より蟲の飼育の手間が無くなる。勧めるならこっちだろうな。

 

『待て!子孫とは!魂が無いとは!?…未来か?それならいつだ!?』

『君が子供を作るくらい?……で、霧は晴れた?』

 

 


 

 

【2/3 59:59】

【家督問題の解決】

 

『…無理じゃない?』

 

 豪華な日本屋敷の一室に降り立ち、視界端にある物を見た感想である。2/3ってコレ、ターン数か。そこはDDの方受け継いでるんだな。でも家督問題を突然現れた怪奇に任せる奴は居ないのよ。…人の魂が有るし、2020年から400年以内の何処かだな。

 

「おねーちゃんだれ?」

『ん、君のご先祖の友達かなぁ?』

 

 そして、近くにいるこの女の子も問題だ。角と魂を見た感じ、『花神楽』の子供だろう。寿命が長いとはいえ、妖怪も生き物だから子供を作る。どう考えても生き物じゃ無い奴も居るが、そこは生きている…成り立たせるのに利用した現象が違うから気にするだけ無駄だ。

 物理法則だけで成り立つのと『妖魔』の現象が無いと成り立たない奴の差はどうしようも無いからな。だが、交配すれば話は別だ。肉体の構造が似れば多少は辻褄を合わせてくれる。魂が宿るかの判定とかな。…何で聞き入れたんだ?怪しさの塊だったのに。

 

『父さんと母さんは?君1人?』

「うん!パパはせんそーに行くって言って、ママともう1人のママもいそがしーんだって!」

『そっかぁ大戦に行っちゃったかぁ…兄弟姉妹とか』

「にーちゃとねーちゃとおとーと!」

『面倒な奴だなぁコレ。約束の相続争いの助言とかやれるかな』

 

 …コレは無理だな。家族問題に口を挟める立場が無い。もうこの子と遊んで楽しませるだけ楽しませて次に行こう。

 

「…おねーちゃんお目目だいじょーぶ?ないないね」

『うん?…血が流れてないし大丈夫か』

 

 言われて気付いた。今の俺、眼鏡かけて無いせいで眼が無い。普通に見れてたから全然気付かなかったわ。…でも本気出した時みたいな見え過ぎな感じはしないな。ふぅん、所詮怪奇の仮初の身体って事か。なら万が一死んでも問題なさそうだな。

 

『ま、大丈夫大丈夫。無くても見えてるから』

「おてても無いよ?」

『いいだろ?幽霊掴めたりできるんだ』

「たべるの?」

『食べないよ…そうだな。私がやれる事も無さそうだし、好きに質問してみなさい。何でも答えよう』

 

 のんびり質問に答えつつ、縁側に座って日向ぼっこする。折角外に出られた以上、のんびり日に当たりたいと思ってた所だから丁度良かった。

 

「なら、かいきってなーに?」

 

『怪奇現象。この世界の物理法則とは、別の世界から流れ着いた法則だね。この世界に来て1000年経つと変質して、3000年で消える。ただ、物によってはそれを克服する怪奇も居る』

 

「なら、よーかいはこの世界の法則?」

 

『いーや、『妖魔』は別世界のだね。もう二度変質して変わり果てた物さ。元々は『スポーン』という魔物が出現する怪奇、それが『敵意の泉』という怪物を産み出す物になって、今は生き物を妖怪と悪魔に変化させる怪奇になった』

 

「おねーちゃんは妖怪?」

 

『この身体はね』

 

「魂が記憶を持って産まれたりするの?」

 

 …転生者とかがする質問系列ばっかりだなこの子。段々呂律もはっきりし始めたし。

 

『この世界の魂は『霊魂』の怪奇さ。魂と言う名の物質で臓器。最近変質して人にも宿ったが、元々は虫が1000年宿してるだけの物だ。霊道も、虫のものしか無いのがその証拠だろうね』

 

「記憶は?」

 

『今の説明で分からないかい?死んで、魂という臓器に記憶を吸われて、幽霊になるのが転生と呼べるだろうな。そして他人に憑依すれば転生者と呼べるだろうね。この世界に『輪廻転生』という怪奇は無いんだから』

 

 だから俺みたいな転生者はこの世界だと謎の存在なんだよな。真っ当に産まれて、魂という手段を使わずに記憶を引き継いでいる。魂が見れるから分かるけど、記憶を吸い取った魂はしてない頃とかなり変わるんだよ。

 

「…未来のことは知ってますか?」

 

 はい転生者確定ェ。口調から変わってるし最初猫被ってた奴だわ。…ていうか今思い出した。花神楽ってマイケルに当たったルーレットに乗ってたわ。

 確か…花神楽(かぐら)(ひびき)【日輪電化】。こんな所で転生者に会うとか奇遇過ぎるだろ。色々教えてあげよ。

 

『はは、やっと素を出したね?響くん』

 

「…ナンノコトデスカ?ワタシオンナノコダヨ」

 

『それをやるならちゃんと徹底しなさいな…そうだねぇ、未来か。Youtubeの4950万人死ぬ『信仰の悪魔』のデスゲームとか、鎌ヶ原の怪奇災害とか有るけど…どう言うのを知りたい?』

「デスゲーム!?災害!?…怖い事しかない!?そうじゃ無くて、もっと身近な物を…!」

『なら、ちょいと髪でも爪でも寄越しなさい。占ってあげよう』

「…はい、どうぞ」

 

 丁度いい感じに生えてる花神楽の角で髪を少し切り取り、噛む。同郷だし多少の不快感は許容しておこう。

 …うむ、青春コンプレックスのラノベ系で…これは「中二病でも恋がしたい!」の味だわ。ブルーベリーとメロンを載せたホールサイズのタルトって感じ。本来なら味や評価をしたい所だが…時間制限がある以上、今回はカットする事にしようか。

 ただ、文句の一つとして鉛とウラン製の…ザクザク部分を作る為のアルミケースで型を作ったのは頂けないのは言わせて貰おう。空襲で死ぬ人の味って感じだし…過去の人の味を見ると死因も分かるのか。いつもなら肉体の寿命の方だから初めて知った。

 

『お前は23歳に空襲で死ぬ』

「え?」

『死にたく無いなら鎌ヶ原に行くといい。あそこは空襲されないからね』

「…そこ怪奇災害がある場所だって」

『大丈夫だ。大した被害は出ないと見えた』

「…家族はどうなりますか」

『このままこの地に居るなら死ぬね。大阪辺りか、お前と一緒に鎌ヶ原に行けば死なない』

「どうすれば…」

『お前がこの家を継いで、引っ越せばいいさ。それで済む』

「……僕には無理ですよ」

 

【2/3 01:59】

【家督問題の解決】

 

 そろそろお暇か。思いがけず転生者にも会えたし、もうコレだけで何も成果を出さずに死ぬ結末になっても、後悔せずに死ねそうだな。

 

『私には、その特典とやらを使えばなんとでもなると思うけど…さて、私はそろそろ次に行かないとね』

「え、もう!?」

『約束だからね。あんまり此処には居られないんだ…言うべき事も、結構言えたしね』

「待って!僕1人じゃ無理だ!ずっとそばにいて!」

『情けない事言わない……いや、こう言おうか』

 

 めっちゃ情けない事言い始めたなコイツ…笑顔で喝入れるしかやれそうに無いか。

 

『しゃんとしな、男の子!もう霧は晴れてるんだから!』

 

 


 

 

【3/3 59:59】

【表社会へ行く】

 

 まぁ青春に執着した奴なんて青春って感じの応援すれば立ち上がれるだろ。無理だったらそこまで。1時間で人生観変えろって方が無茶だ。

 だからって自警団から組になった奴を社会復帰させるのはもっと無茶なんだよ。ふざけた難易度も大概にしろ…よ?

 

 雨が、頬に当たる。まだ街灯も無く、誰もが家に帰って静かに息を潜め、日が出る事を待ち侘びる時間。

 

『明日や。明日までに耳揃えてなきゃ全身売っちゃるからなぁ?』

「え"ほ…ごほ…それでアイツは…アイツは生かしてくれますか」

 

 どしゃぶりの雨が降っている路地裏だった。既知の会話だった。

 木香と見た過去が、目の前にあった。

 その隣に、木香と俺が此処を見ている事を、俺は見ていた。

 

『そりゃお前の誠意次第じゃ』

「うぐ…」

 

『まぁ、待ってよ。其処の方々』

 

 時間が入れ組んだ物になる感覚が湧いて来るが、此処まで来たからにはやるしか無い。後ろから母さんが近づいているのが分かるが、振り返る時間すら惜しい。

 過去を見てる俺の件もあって、取れる手段が多過ぎた。それこそ、1時間すら長く感じる程に。

 

「…だれ…ガッ!」

『お前は黙れ……テメェ、誰や?口出したからには』

『怪対員が来ている。今すぐ逃げなければ全員死ぬ』

『…チッ。マジなやつか。なら俺はこいつ連れて去るわ』

『叶うなら足は洗った方がいい。国が組を殺しに来てるから』

 

 タトゥーのある男はズタボロの男を担いで、塀を越えて走っていった。助言は聞こえているだろうけど、これで止めるやつは居ないだろうな。

 

 白い蝶が見えた。

 

「…オイオイ?誰の許可取ってサァ、妖怪風情が私の娘の姿借りてんだ?」

 

『私も本人だね。ちょっと時間が入り組んだけどさ』

 

 振り返る。真っ暗な世界に溶け込んだ、蝶を腕に纏う母さんが居た。これを見てる木香と俺が驚いているのも見える。

 

 母さんから見たら、角が生え、眼が無く、左手の無い、和服の、ちょっとだけ成長した娘が仕事の邪魔をした形になるのだろうか。

 

 銃が向けられた。

 

「…何でこんなことした?」

 

『『花神楽』の組が居ないといけないから』

 

 右肩を撃たれた。傷は無く、動かなくなって痛みが走る。

 

「答えになってないな。ソイツは真っ当に社会復帰しようとしてるから様子見の奴。『高倉組』と『笠木組』の抗争には関係無い」

 

 あ、そうなの?じゃあ何でこんな場面に来たんだよゲェムがよぉ。罠だろコレ。

 思い出せ。あの時見た過去ではどんな話をしていたか。母さんが今言った事の引っ掛けだけは避けろ。

 

『アレはどっちかと言えば内部争いでしょ?商売敵の娘を助けようと身内を裏切った奴の誠意を見る為の』

 

「…………」

 

『…………』

 

「次、万が一お前が未来から来た私の娘だとして…どうしてそうなったか答えろ」

 

『『信仰の悪魔』と『音楽の悪魔』の件に巻き込まれたから。それを何とかする為にこうなった』

 

「悪魔を何とかして妖怪になるかよ」

 

 左胸が撃たれた。心臓直撃のコースだ。いたい。どの道死ぬならやるだけやろうか。

 

『見てるでしょ?私。友達が動画サイトを作るならチャンネル登録される数は制限して。50万がボーダーだけどぶっちゃけ向こうの気分次第だから。信者と判定されないようにしてね。もし対決するならアカウントを1人に集中させる。私なら音楽で殺す手段がある』

「囀るな怪奇がサァ」

 

 いたい…脳を破壊されたが、残念ながらそれだけで一回死んだ事のある奴は止まらない。いたいけど。

 

『見たけど『裏世界』は全てで13階層。だから後は11階層。過去を変える事で未来は変わるけど『裏世界』を地球と統合すれば宇宙に飛ぶ必要が無くな』

 

「…死んだか…妖怪に魂あるか?有っても口周り以外消し飛ばしちまったけど…ちょっとした補填になりゃいいけど」

 

 無数の銃弾で穴だらけになり、大半が水に流され、にも関わらず痛みだけが感じる。何も出来なくなった。いたい

いたい

【45:21】

 

 いたい。蝶が俺に止まり、いたいその管を伸ばす……俺、記憶吸われて消えるのか。いたい

 

【45:18】いたい

いたい

 いたいまぁ…最後がいたい母さんの弾丸として手伝えるいたいなら…ごめん流石にキ…いたい

いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【43:45】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【40:23】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【36:11】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【33:08】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【30:45】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【27:40】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【25:52】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【23:10】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【20:12】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【17:52】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【15:26】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【12:40】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【10:05】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【09:48】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【08:37】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【07:39】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【06:44】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【05:55】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【04:17】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【03:26】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【02:57】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【01:02】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい【00:25】いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい

 

【3/3 00:00】

【表社会へ行く】

 

【シナリオ名『花神楽』クリア】

【ガチャコイン+2】

 

【あなたの選択肢は一つだけだ】

【10日の休息がオート選択されました】

 

 


 

 

「あぅ…あーぁ…あ?」

 

 いつの間にか、痛みは消えていた。

 

「あぁ…あー…ん、んー…」

 

 喋り方の記憶も、消えていた。

 

「…あーああ」

 

 カーンコーン

 

「授業始まるぞー」

 

 チャイムが鳴り、授業が始まった。

 

「…あーあっあぁ…ん…」

 

 日常を取り戻せた。

 それだけ確認し、俺は気絶する様に眠りに落ちた。

 

 






霧晴千歌
 たった今喉・口・舌の動かし方を忘れた。其処に卵を植え付けられていた。
霧晴百葉
 怒りで口周り以外を全て撃ち抜いてた。
花神楽響
 女組長から社長になった。生きた。
高倉組と笠木組
 花神楽に併合して主要人だけ生きた。
テレビ屋の人
 生きた。

『裏世界』
 大体戻った。何体かは行き来できる様になった。
『音楽の悪魔』
 死んだまま。
『信仰の悪魔』
 2019年に死んだ。

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