怪奇ばかりな日常とゲェム記録   作:何処にでもある

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 ゲェムのしらせ
 【DDRPG】に致命的なバグが発生し、【裏世界探索ゲェム】のマッチング機能に影響が出ています。現在修正中ですが、ユーザーの安全の保証が出来かねますので、誠に申し訳ありませんが起動はお控えください。
 尚、【DDRPG】のご利用自体に問題は有りませんので、引き続き、お楽しみください。




ゲェム-異界の

 

 

『主人、それはダメよ』

「カセットとUSBを持った瞬間抑えてくるじゃん」

『今それをしたら主人は死ぬわ』

「普段から私を殺そうかなって考えたりしてるのに…急にどうしたの」

『あら、長生きするとどこか壊れるのは当然でしょ?兎に角それはダメよ。『裏世界』なんて碌なものじゃ無いわ』

「いつも通りマッチングが永遠に終わらないだけだと思うけどね」

『いいえ違うのよ。過去が変わる前に『八尺』に会ったのだけれど、その時みたいな嫌な予感がするわ』

「えー?」

『没収よ』

「わあぁ…」

 

 遂に食事も言葉も問題なく元通りになった俺だ。メチャクチャ嬉しいぞ!

 それに最近歌が正確に歌える様になったからカラオケが楽しい。歌を遠慮なく歌えるってこんなに楽しい事だったんだな。

 まぁ、そんな事は置いておこう。そろそろDDRPGが動き出す頃合いなので、ついでに裏世界探索ゲェムの確認もやろうとしたら、メリーに防がれた金曜の事だ。

 

「親が帰るまでには終わらせたいのに…」

『こんな危険物を1人で何とかできる訳無いの。…よく今まで無事だったわね』

「メリーでも危険だと思うの?」

『例えばそこの、怪奇は触れただけで未来へ送られる物でしょ?』

「かなたらの願いね?」

『通れば最後、メリーは存在しなかった事になるわ』

「今は『消した』に満ちた未来に繋がってるからね」

 

 メリーが来て3日経ち、特に問題なく日々を過ごせていたのだが…ゲェムをやろうとするとメリーが没収し始めるのだ。俺も嫌々やってるから別に良いのだが…いざという時にそれをやられると困るんだよな。

 元々は『人形』なだけは有り、メリーと遊んでいれば普段は静かに大人しくしてくれはするのだが…俺が料理しようとしたり、高い所にあるボタンを押す時に椅子の上に登った時とか、なんかよくわからない場面で動き出すんだよな。

 まともに動く部分があるだけマシなんだけど…コレで思考がふとした時に変な方向に行く事があるんだから油断は出来ないんだよな。普通の『人形』なら何があっても動かないのに、どんな感性をしてるんだか。

 

「でもさ、DDはやらないと誰か死んじゃうんから、それだけは返してくれない?」

『そんな民草の死亡シーン集なんて、観ても目が汚れるだけよ。捨て置きなさい』

「でもぉ…血を撒いたりするし…罪悪感が」

『いつか観た遊覧船みたいな邪悪さね?お前のせいだって突きつけるのは味方じゃ無くて敵がやる事よ』

「…メリー、今日は一段と正気だねぇ。正論の鋭さがすごいよ?」

 

 そうそう、全てのゲェムをメリーに隠すのは無理筋だった。TRPGと記録以外はバレたよ。本はなんかバレなかったから、それ以外でメリーが見つけ出した物だけ簡単に説明した感じだな。

 お陰でいつ両親にチクるか気が気じゃ無いぞ。その辺りは無頓着なのかまだ舞えてるけどさ。普段はじっとしてて、偶に動いても俺と遊ぶだけだし。喋る時はこんなにまともな事言わない。言葉は通じても会話してない感じだからな。

 

『そう?…そうかもね?ずっと『裏世界』に閉じ込められていたし、今の環境に気が抜けたのかしら?……』

「かもねぇ、所でゲェムやって良い?」

『ダメ。自分から拷問受けに行かないでメリーと遊びなさい』

「えー?」

 

 あぶね、今殺しスイッチ入りかける音がした。あのまま続けてたら腕鳴らしで散歩しに行く所だった。本当年取った人相手してる気分になるわ。前世の事思い出しちゃって懐かしいまであるよ。

 

「…ん、分かった。何して遊ぶの?」

『すまほ?の花一匁というゲームよ』

「嫌な奴が来たなぁ」

『悪魔に手紙でお茶会に誘われたのよ。行ってみたらオススメって言われたわ』

「…先にやってみたりした?」

『まだよ?こういうのは一緒にやってこそじゃないの?』

「そっかぁ」

 

 何だろう、あちこちに罠張りにくるのやめて欲しいんだけど。ゲェムの代わりのゲームをしても、中身はそんなに変わらないってふざけてるよね。でもやらないと機嫌悪くなるしな…よし、3日も経って真倉達も謎の感謝をしたりしてたし、前よりは安全な筈だよな…試しにやってみるか。

 

 


 

 

 キラキラ光る草原と丸太ハウス、小川が流れ、少し歩けば着く場所に街が見える世界。

 それと荒れた畑と井戸。…この牧場系ゲームの初期配置を見れば分かるだろう。

 

「やるんじゃなかったなぁ」

 

 やぁ、自分で作った初音◯クをイメージしたアバターになった俺だ。上書きの『とりかわり』じゃ無くてアバターに憑依させられるやり口でゲームの世界に取り込まれたぞ。

 

「…みーくみくどうが……何故声はそのままなの…其処はミクのにしようよ」

 

 …まず、言い訳をさせてくれ。ゲーム自体には怪奇は無かったんだ。ただね、ゲームをしてるメリーと俺の横に置いていたUSBから幽霊が出てきてね?

 そのまま俺の身体に入ってな…押し出された俺は異界の進行事態は止めたけど、若干異界になってる空間に吸い込まれてな。この様だ。多分この前、高倉の為に異界とかを見てたのが不味かったと思うんだ。そのせいでこの異界の特性の一つ、吸い込まれる条件かなにかを達成してたらしい。

 

「一応TRPG以外のゲェムとガチャコインは勝手やって来たけど…脱出できるかなぁ」

 

 見た感じゲームとして進めても生活環境が良くなる以外に意味は無いしな。閉じた世界から脱出するの俺やった事無いんだけど。

 

「DD…ここネットの中じゃ無くて異界だし、其処らへん挿しても無理か…コインか…」

 

 助けを待つのは…どうだろ。母さん達は間違いなく怪対員に電話して救助は来れるだろうけど…費用が致命的だし、直ぐに帰らないとメリーが何するか分からない。マイケルの件でイヤな思い出しか無いけど…やるしか無いか?

 

 ガシャン ガシャン

 

「よし、もう引いたからには後戻り出来ない…覚悟して…待ってどっちも触りたく無い」

 

 …引いた物を紹介しようか。金色に輝く聖杯って感じの奴と、くるみみたいな謎の種だ。ファンタジーだけどイヤな予感しかしないぞ。…コレさ、切符の事を考えると使い切りだよな…どっちだ?どっちがマシだ?

 いっそ両方同時に行くか?ここ異界だから何が有っても大量に人が死ぬ事は無いだろうし。使い切りを同時に使うとどうなるかは知っておきたいし…いや早まるなよ俺。種はエイリアンっぽさもあるから此処は聖杯だけにするのがマシかも知れないんだぞ。

 

「…【裏世界探索記録帳】」

 

 そして俺は聖杯っぽい奴に触れると、それは光となって俺の身体…俺のアバターの中に入り込んでしまった。

 

 特典行使→難度1

 6D147(89,71,138,31,97,15)=441/1

 キム・スヒョン【進化樹形図】

 シトナイ【エゴのララバイ】

 暮星茜【スカイスカイ】

 カール・ウェッヘン【神聖革命】

 ハリー・ボッシュ【銘々解明録血脈忌憚】

 オト【スペースマザーマシン】

 

「…6人?…俺含めたら7人で…パロゲェだコレ…」

 

 *情報登録終了_合意プロセス完了_ルール開示終了

 *全工程終了_準備段階に移行

 *参加者_6名_error//登録完了//_7名へ変更

 *開始まで_10秒セット

 

 確かにアレもゲェムではあるけどさぁ…願いたい事も確かにあるけどさぁ…!それはダメだろ!

 視界端に表示される情報を見つつ、少なくとも全く勝ち目が無い事実に目が眩む。全員強そうな名前と特典だし、俺の知らないゲェムのルール教えられたみたいだし…死なないでおく事を重点に考えるしか無いだろう。

 穏やかに流れる小川と草原を見る。多分もう少しすれば消え去るだろう景色を覚えておく事にした。

 

「…3…2…1…」

 

 0と同時に足下が地面を離れ、雲が近づいた。

 

「うわぁ!」

 

 正確に言うなら、開始と同時に、俺は空高く射出された…が正しいだろうな。何かの力に押し上げられて、何千mも上に飛ばされたのだ。

 それを把握する頃には、下の方で50万の銃弾が鳴り響き、10の異界が展開され、未知の巨大な生命体が産声を上げて地を慣らして、宇宙船みたいなのと血を武器にした人が争っていた。

 

「うわぁ…」

 

 やっば…俺だけホラーしてる中であいつらだけ何でも有りのバトルマンガみたいな事してるじゃん…。え、コレからあの中に落ちるの?骨も残らないじゃん。

 

【まぁまぁ、あんさんは気にせぇへんでええよ】

 

 空の上で真っ赤な髪してる女性に、背後から声がかけられる。多分俺を空に打ち上げた人だ。状況からして【スカイスカイ】の人かな。

 

「あなたは暮星さんですか?」

 

【そやで?まぁあくまでも再現なんやけどな?参加者なら首折ってええ?】

 

 呼吸出来るか否かのギリギリを攻めないで欲しい。多分願いが叶うとか何だろうけど勝利狙いすぎだろ。

 

「まだ生きてるので殺さない方向で済ませてくれません?」

 

【ならお前主催者か。目星つけてたけど、正解でよかったわ。んじゃちょい横飛ばされてろ】

 

「わぁぁ…」

 

【…ざっこ】

 

 俺は暮星が指を向けた方は落ちるように飛ばされた。気分は飛行機だな。寒すぎて死にそうだけど空を飛んでるみたいで楽しくはある。この身体がアバターで良かったと心底思うねを

 

「…おぉ、そんなに速くないから寒いけど楽しめる余地がある」

 

 下の方のひっどい争いを観て思う。これ異界でやって良かったと思うよ。仮にそこら辺でやったら大惨事間違い無しだもん。2度目の死を迎えた自覚があるせいか遠慮なく代償の重そうなの連発してるし。アレが居る間は人類死なないなって気分に成れるもの。

 

「なんで助けてくれたか知らないけど…堕とされたら終わりだなぁ」

 

 …それにしても、地面に転がったままのあのくるみみたいなの、変に反応しないよな?まだ検証も何もしてないんだよね。…あ、随分離れた暮星が500機の戦闘機を呼び出してレーザーを…あれどっちかと言うと空爆じゃないか?…高速発射されてる爆弾だアレ。

 …特典って火力にするとこんなヤバいのばっかりなんだな。俺の特典は…過去改変やら考えると同じくらいか?もう思考放棄したいよ。

 

「…あ、いつの間にか倒されてた未知の巨人からデッカい樹が生えた」

 

 あー…眼のない腐ったドラゴンや怪物や黒い粉撒き散らした亜人みたいなのが戦争に参加してる。亜人にしては包帯巻いてない辛うじて人型の黒煙だけどさ。

 そっか、ドラ◯もんの創世セットか。異世界運営系のゲェムだ。なんで別世界用意せずにそのまま出しちゃうんだ異界で本当に良かったな。見た目の化け物っぷりがもう対話不可能だし。

 

「…力合わせて対抗し始めた…不死身かあの怪物…見た感じ光に弱いみたいだけど…太陽の出す光以外の光かぁ…つまり火と電以外での光?怪奇じゃないと無理じゃん」

 

 なるほど、周囲の環境に合わせて進化したのか。思えばどの特典も物理攻撃オンリーの苛烈な環境だし、元から死んでたり気体の身体なら死なないのか。へー、考えたなぁ。生物?の進化ってすごい…コイツら絶対外に出しちゃダメだな。科学が終わるわ。

 

「嘘でしょ、転生者が押されてる…異界で樹を囲んで包囲網敷いてるのに、それに適応してる…ってか、既に知ってるみたいな動き方だな…」

 

 何だろうな。戦闘能力のある俺が沢山いるみたいだ。…良く見たら全員目が無いな。

 もしかして創造主の特性を受け継ぐとかそんなゲェムだったりする?確かに全力の俺なら特典もある程度は見れるけど…まさかぁ?

 そうして観察していると、怪物から空を飛ぶ生物が産まれ始め、その上に黒煙の人型が乗って、槍らしき物を構えてこっちに向かい始めて来た。おー神殺しする気満々だねぇ!勘弁して?

 

【お前異界来いや。輩ども空飛び始めた】

「え?わぁぁぁぁ!」

 

 それと同じく暮星さんもこっちに来て俺を掴み、急降下する。相手の放った黒い土槍をスルスルと避けて俺を異界に運ぶらしい。

 

「いいけど…多分アレ私の特典…」

【指示出来るか?】

「無理だった」

【なら関係ないわ。戦力になれ】

 

 異界の中に入る。吹雪と冬よりも寒い氷結の世界が俺を凍らせるが、直ぐにあったかくなった。安全圏に入ったらしい。降ろされたのでふらふらしながら前を向くと、そこには座ってる若い女性と色白な男性が居た。

 

【初めましてやなぁ?】

【空芋砂女か。来たと言う事は】

【ああ、協力する。生き返っても直ぐ死んじゃ意味無いからな】

【なら、一時休戦ね】

 

「あの、私ルール知らないから話に着いてけないんだけど…説明してくれたりは…」

 

 3人同時に信じられないものを見るような目で俺を見た。あれ、俺なんかまずい事言ったかな。

 

【は?マジ言うてる?】

【…主催者だよな?】

「全部特典がやったから知らないかな」

【そんなんある?】

 

 女性が立ち上がり、他に指示をしてからこちらに近づいた。

 

【…他2人は戦力補充。説明は私がやるから】

【りょーかい】

【けー】

 

 俺を持ち上げてソファに座らせて、女性も座る。意外だが、どうやらしっかり説明してくれるみたいだった。

 

【私はシトナイ。1200年代に北海道で産まれた転生者。あなた、どうせ中身は大人よね?難しい事もないし一気に言うわよ】

【ルール1、主催者は殺した場合不成立とする】

【ルール2、参加者が5名死んだら終了】

【ルール3、終了した時、3つの願いを叶える。これに人数制限は無い】

 

「やり方次第で1人で3つも叶えられる感じかぁ」

 

【そこに個人個人でルールを一つ渡される。これはその参加者のみに適用されるルールとなる】

【ルール4、ゲームを長引かせる程、参加者「シトナイ」は願いがより融通が効くようになる】 

 

 目の前の女性、シトナイはそう言って一息付いた。うん、コレさてはこんな短期決戦になる予定のゲェムじゃ無いな。もっと知略とか巡らせる想定のゲェムだ。狭い異界で、戦闘能力のある特典持ちばかり集まって出来た事故だったっぽいな今回の戦争は。

 

「…割と本格的だったんだね」

【えぇ、私もルールを見て街を舞台に隠れ潜みながら戦う物と思ってた。結果はご覧の通り、ドッカンバトル。生き残れたのも籠城してたからに過ぎないし…】

「ちなみに私にはルールの説明が無い代わりに参加者の名前と特典が分かって、情報の無い参加者が1人居るよ」

【…なんでこんなせっまい異界で主催したの?ルール的に人狼ゲームの系譜よね?】

「この異界に閉じ込められてね…苦肉の策で特典で出した物を使ったらこうなったよ」

【うわランダム?…内容は?】

「探索ゲェム、経営ゲェム、ノベル選択ゲェム、TRPG」

【…ゲームのガチャ?】

「うん。対応したゲーム機やパソコンが無いと使えないよ」

【現状カスも良いところね?】

 

 急に罵倒された。でも戦闘機出したり宇宙船出したりしてる人達見た後だと何も言い返せないな。

 

【よし、言い換える。出来る事は?】

「特典は使えない小1だよ?情報しか無いよ」

【ウソつけどう見ても4歳じゃな…マジ?…ちゃんとご飯食べてる?】

「ん、食べてる」

【…ねぇ、あなた本当に転生者でいいのよね?頑張って話合わせてるだけの子供だったりしない?】

 

 疑われる要素有った?急に煽ってくるじゃんか。

 

「なんでぇ?」

【だって…泣きそうなのを我慢してる声してるし…目元泣き腫らしたみたいに赤いし…何より、立ち振る舞いが子供】

「…えぇ?大人だよ?」

【どうかなー、私の時は即バレしたしなー。与えられた情報だと今時の子って成長早いらしいし…うん、一旦情報の方全部言ってみて?】

 

「『敵意の泉』は周囲の環境から逆算して最も効果的に殺戮を行える生命体を生み出す泉。今回の事例はそれに酷似している為、類似例として対応可能と見えた。基本意図的に脆弱性のある攻勢で、出て来る生命体に欠点を持たせるのが最適解だが、今回の場合は電気と熱エネルギーを経由しない方法で生み出した光エネルギーを投射する事で対応可能。本体となる樹木は傷つけず、周囲の土地を枯らす事で自然消滅を狙える可能性が高い。また、元が観察対象としての存在意義がある事から、特定対象の観測者にとっての意外性を持つために、進化の方向性として観測する者の特性を模倣しているとみられる。コレは私の盲目を産まれた全生命体が倣っていた為に立てた仮説だが、あまり有力ではない為無視しても良い。そして」

 

【ストーップ!】

「ん」

 

 全部と言われたので普段言ってない部分もまとめて言ったんだが…まだ半分しか言えて無いのに止めるのはどうなんだ?

 

【…よし、必要な分だけ言ってちょうだい?】

「熱と電気を使わずに光を作って全面投射。終わったら土地を枯らして放置」

【あなたそっちが本体なんじゃない?まだ解いてない問題の答え合わせをされてる気分よ】

「うん、でもその代わりに15歳辺りで脳萎縮で死ぬ感じかな」

【…因みに前世は何歳で死んだの?】

「26歳の出血性ショック。3時間かけてゆっくりと」

【ガキを超えたガキじゃん】

「そう言う其方は?」

【前世は18の転落事故。今世は76の大往生。それでも現代の生活への憧れは止まらなかったって感じ】

 

 負けた。寿命バトルはシトナイの勝ちだった。でも死ぬまで苦しんだ時間なら俺の勝ちでいいだろ。

 

【ふう、待っておきな。今お婆ちゃんが全部解決するから】

「頑張れぇ」

 

 そんな感じで、後はスパッと終わった。謎の青い光を出す生き物が全て殲滅して、一瞬で砂漠化して樹木が倒れたからな。転生者って集まると出来る事は増えるよな。そう思いつつ、チラリと視界端にある残りの参加人数を見る。

 

 残り参加者_3名

 

 今倒した種、参加者だった。つまり、願いを1人1つで良いなら、1人死ねば終わりである。

 それによって何が起きるか。2人で同盟組めた瞬間終わる話し合いである。

 

【私なぁ、死ぬべきはシトナイやと思うんよ。異界作るとか物騒やし】

【私はキムさんかな。生命に対する酷い侮辱を感じる】

【俺と主催者生き残りFA。異界も一人空軍も現代に用途無し。俺医療に貢献できるタイプだから】

「死者なら全員大人しく成仏するべきだと思うなぁ」

 

【私の願いはこの時代に若い身体で蘇る事。この世界でも流石に2020ならあるでしょ。SNS】

【今世で病で死なせてしまった妹を、病が治ったって事に過去改変。そもそも黒死病が存在しないがイケるならそっちや】

【ある怪奇の出来る限りの弱体化または消滅と現代に蘇り。ちょい因縁ある怪奇あるんだわ】

「異界脱出。この異界を何事も無く崩壊させるのが可能ならしたい」

 

【私のルール4はゲームを長引かせる程願いの融通が効く事だよ】

【私の4つ目は参加者のキル数多い程融通効かす書いてたわ。ちな2】

【俺は参加者の前世の名前を知るほど融通。苗字だけ名前だけでもオッケーでもガチ無理っしょコレ】

「あ、なら言っとくと私の前世は小鳥遊だね。ルール4は無いねぇ」

【俺主催者ちゃん大好き!】

 

 大体話終わり、最終的に先に死んだ方が負けの争いとなった。話し合いで終わる訳無いに決まってたな。お互いの心情が誰か死ねば必ずもう片方を殺しに行く矢印だったし。

 

 結果?俺はその時離れさせて現場に居なかったが、最初にシトナイが死んで、その後暮星が死んだそうだ。

 異界に籠るのが本領なのに目の前に居るシトナイが二人に真っ先に狙われて死んで、空を飛んで一方的に砲撃した暮星を、それよりも高高度に待機させていた生物の牙で食い殺させたキムの勝利である。

 どうやら話し合いしてる間に飛ばしてたらしい。二人とも殺すと言うだけ有ってしっかり準備していたな。お香は…もうとっくに死んでる人にやるのは…うーん…昔過ぎて部外者だし辞めとこうか。手を合わせるに留めておこう。

 

【二人はそんな感じだったよ。…んじゃ主催者ちゃん、『それを本当だと信じた存在が一定数で実現する現象』弱らせと現代蘇りよろ

 

 

 最後まで言い切る事なく、キムはこの異界から消え去った。その手の情緒無く済ませるのはこの手のゲェムとして落第点だと思うよ俺は。

 

「ん、終わったね」

 

 戦場になった異界を見渡してみる。

 草花は燃え、砂漠の上に大きな樹木が倒れ、クレーターが幾つも出来、土は赤錆色に染まり、空は真っ黒な黒煙の怪物の死体で埋まっていた。寒い風が肌を撫でる。シトナイが死ぬと共に消え去った氷土の異界の風だった。

 …本当に異界でよかった。手を合わせて祈りつつ、そう一人呟いた。

 

「…この異界の脱出を私に都合のいい手段でや

 

 


 

 

ゲェム記録

 

2020年6月5日

 余ってたガチャコインを引き、異界からの脱出には成功した。

 3つの願いを叶える聖杯の方はそのまま【聖杯ゲェム】

 『敵意の泉』に似た木の種は【世界樹の種世界】

 と名付けておこう。ジャンルはバトロワと創世シミュって感じで、今回は当たりだったな。

 

 聖杯の方では、転生者と種が参加し、争う事になった。俺はルールで殺すのは禁止だから良かったが、他の転生者と会話した後死んだと分かったらしんみりしちゃうな。昔も昔の人達だからあんまり死んだ事は引き摺らなくて良さそうだ。蘇ったキムさんも、是非とも元気にやってて欲しい。

 怪異との関係が何なのかは気になるけど…韓国は遠いからなぁ。気が付けばメリーと雑談してる最中だったし、願い自体は叶えられてるのは間違い無さそうだけど。

 

 種の方は…正直、DDよりも欠陥システムだと思う。怪奇をそのまま渡しただけって感じだし。死体や樹木のある異界はあの後国家が見つけたって扱いになってるし、お粗末な点が目立っていた。

 ゲェムにも完成度の違いがあるのは間違いないし、コレはハズレと見てもいいんじゃないかな。

 少なくとも、聖杯無しで相対した時の地獄は考えたく無いな。

 

 そうだ。ゲェム記録なんだが、メリーを潜り抜けて書く方法が見つかった。

 学校に持って行って余裕ある時に書く。実にスマートな解決法だな。やっぱり持ち運びするのが一番の防犯だな。

 

 後、今回の騒動の起点である肝心の幽霊だけど、メリーに聞いたら発狂して地獄に行ったらしい。

 そんなに嫌がる事無いのに…。

 そう言うわけで、DDは放置しててもマズいと確定した。ガチでメリーを突破してやる方法を考えた方が良いかもしれない。長く放っとくほどリスクだ。

 

 






霧晴千歌
 今日から怪異が弱体化したらしいけど、実感が無い。
キム・スヒョン
 今度こそと気合い入れてる。
花神楽の高倉ゲーム開発陣営
 なんか問題の怪奇が消えて恐怖してる。さっきまで部屋にいた筈のゴキが消えた時の恐怖。

『敵意の泉』
 怪物の落し子を作る泉。一応生き物。変わった先が『妖魔』。
『それを本当だと信じた存在が一定数で実現する現象』
 怪異が発生する怪奇。変質する事になった。

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