0か1か。極端な結果になりがちです。
「はいでは死亡したってテロップ出たのに、その後ケバブ食べてる所まで放送された「リリカルガール」の霧晴千歌でーす。マジで単騎突撃するのは想定外となっておりまーす」
やぁ、6時間目が終わった直後に鏡で呼び出された俺だ。今は駅の通路の異界にいるぞ。どこの何番出口なんだろうな。そんな感じの異界だ。
「いやぁ…そこはさ、マジでやる?テレビ局でワイプで見てる人達居るじゃん。そいつら使いなよ。まぁまぁ続いてるレギュラー番組だよ?1ヶ月もアイドルやってない新米にやらせる事じゃ無いでしょ…もー」
黙ってカンペが渡される。事前調査によって名付けられてた怪奇の名前だけ書かれていた。
大体入院して人が居なくてカメラマン伊東との二人だけだからな。予算使えよ。
なんでこんなローカル番組や登録者数二桁の配信者みたいな環境なんだよ。
「命の危険があるからなのは分かるけどね…てことで文句はここまでにしようか。『出口数理』の異界ですね。最近東京駅で出来た異界です…と。まぁ出方は簡単です」
天井から床まで伸びた黄色い看板に、びっしりと羅列された数字を見る。他の怪奇とかもこのくらいわかりやすく説明して欲しいよな。まぁこの文章も最初の方とか誤字脱字してるけどさ。
他の怪奇を見た時の文字の出来損ないも色のイメージ図もよりは、数字を読み解くだけなのは楽でいい。
「えー、翻訳しますね。
『問題を解いて下さい。1つ解く度に数字が手に入ります』
『出口は数字を使って作ってください。「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」』
『数字は使えます。増やしたり減らしたりです』
『解けないなら戻りましょう。簡単にも難しくもなります。後2回使えます』
…て感じです。やり直しは今まで迷い込んだ人達と共有なんですねーでは行きましょうか」
こつこつ、と音を鳴らして進む。一応今日テレビに出るのは事前に聞いてたからな。化粧はしっかりやってきた。ランドセル?学校に置いて来てるよ。服はオーバーなやつで簡単に、佐々木から借りたナイトキャップでアクセントを加えた緩い服だ。
問題文を見る。やっぱりさっきと似たような数字の羅列だな。これはもう翻訳したのを常に言わないと伝わらないだろう。
『2020/7/11にパリの海に住む妖精はハガキを一つ盗んだ。何を損をした?』
「という問題なので、答えは人は100円と友人関係。妖精は31日の寿命」
ふさふさした毛玉みたいな塊が看板から出てきたので、掴んで全体を引っ張り出した。
そして俺は『7』を手に入れた。簡単だったな。
「今日ある郵便を積んだ船に『水精』が忍び込んで、とあるハガキにうっかり触れたんですよ。手紙は怪奇対策をしっかりしてますから、ハガキはその身を犠牲に『水精』の存在を一月程削り、追払いました」
「なので、ハガキ代とペンフレンドの関係、そして存在とは寿命なので31日の一月分。知識問題だね」
今回はこんな感じでいいか?駅の通路にずっと続く問題の書かれた看板を見てそう思う。
いやー、楽でいいな。最後のやつもこんな感じだと助かるよ。
『卵は3つ、魂は4つ、その内2つ落ちました。両方の数を合わせてください』
「卵が2つ落ちて1つだけ。魂は一人一つまでなので他は『霊脈』に消える。なので、残った両方を合わせて1つ」
果物の皮みたいなのが出てきたので引っ張り出す。『3』だな。もっとこう物体としていい感じにまとめて欲しいな。持ちやすくして欲しい。
「物理的に落ちれるのは卵だけ。割れた卵は孵らない。魂は便宜上は1でも、実際の存在としては0として扱う。-1が物体として存在しないように、数学上でもそこに無い」
色々やれる魂だけどね、結局は生きるのに余分な奴だからな。産まれなかったら消えるんだよ。
『30の異界を走りました。その内15の異界を減らしました。残りの上限は?』
「あーどうだろ…待ってね…2(1000×3)÷30/15=3000だから…違うなこれ親側だわ。子供は上限1000だから計算式は…×3が居らない…間違えたコレ寿命のやつだ。待ってね今思い出すから」
こんな時メモとか取っとけば良かったんだろうけど、普段から怪奇がいつまで居るとか計算しないもんだからど忘れしちゃった…。
悩んで1分程度、そもそもそこまで複雑な問題じゃ無いと気づいた。
「あー…『巡り電車』の事を言ってるだけかコレ。なら465年と0年」
小枝の『1』を手に入れた。そこら辺のゴミを拾ってる気分になるなコレは。
「前回の放送で壊したから0年、だけど『深夜廻り』に繋がって維持されてるから465年。余計な事考えなければ簡単な問題だね」
そうやってちょくちょく足を止めつつも、俺は順調に問題をクリアしていった。
『西暦0年より昔にいく時間の順路は?』
「無い」
『善性が無くなるまでの犯罪件数は?』
「無い」
『1924/2/29にある悪魔が7つの契約を作った。人が捧げたのは?』
「…多分歴史?人類史の内の幾つかなのは確かだと思うけど」
そんな感じにダブりつつも必要な全ての数を集めて終え、最初の看板まで戻って来た訳だ。
所定の場所に数字を当てがい、ついでに解けないまま戻れる回数に差し込んで102回にしておく。
背後に階段が現れて、上には駅を歩く人々の姿が見えた。
「はい回収完了ですね。タイムは10分でしたが、お祈りで答えに無いを連呼するのが一番早いと思います。マージンを取るなら今回のようにしっかり考えてやると良いでしょう。そもそも見れないなら、今回作った出口から出ましょう。一応60年は持つように余った数字を持続時間に数字を埋めたのでね」
カメラマンと一緒に階段を登って脱出した。味気ないが、初めから知ってる異界なんてこんなものである。徘徊する怪奇も居ないし、コレで視聴率取れるのか?
「…はい、はい分かりました。…霧晴さん、尺が短いのでもう一つお願いだそうです」
「えぇ?良いじゃんもう。コレ生放送だよ?」
「普段なら観光名物とか、事前に名店巡ったりしておいて映像撮っておくんですけどね。霧晴さん直前まで登校してたじゃないですか。なので撮り溜めとか出来てません」
「うっそーん。それこそスタジオの人達の出番じゃ無いの?」
「こういうのは異界を探索した人が行かないとアピールに欠けちゃうので…」
「来てよ。探検隊はいつだって募集してるよ?」
え〜っ…と感じにスマホをすわいぷして探しつつ、待機中の駅員を捕まえて異界の出入り口を封鎖するように言っておく。いつでも出れるって事はいつでも入れるって事だからな。
先にテープでバッテンは作ったけど、迷い込まないように封鎖させなきゃだ。
「あー…見つからないねぇ」
「お得意のネタばらしでなんとかなりません?」
「良いの?なら今から『裏東京』に行く?今なら前に見た時より寂れてるし、行っても割となんとかなると思うんだけど」
「嫌な予感がするんでそこ以外でお願いします」
「ん、りょー」
前に手袋の怪具を買った時に見た妖怪や悪霊が居た異界だな。重なる感じにあるから触れても触れない感じの異界だ。…もしかしたら、普段のみんなはこんな感じに触れても触れない上で、見えない感じなのかもしれない。
普通の人への理解が深まった感じがするな。
しかし…見つからないな。なんかこう、【直ぐに行けて直ぐに帰れる異世界でも有ればいいんだけど】…今なんか反応したな。
「…星空だ」
「…異界、巻き込まれましたね…あ、電波は届いている様です」
「後ろに帰り道があるからねぇ」
「あ、ほんと…消えましたね…電波も映像も届いていますし…通信も出来ますね」
「どうしようねぇ」
空を見上げて、伊東さんと一緒に唖然とした。多分【プリズンワールド】の特典が反応したのだろう。アレからめっきり減った視線と関心から放置で良いかなって思ってたけど、異世界に行きたいみたいな心情になると行ける感じみたいだ。
「…不釣り合いな程甘い臭いがする」
枯れ木と人丈の黒い岩に、ひび割れた大地の荒涼とした土地。『宇宙の無意識領域』や月関係の怪奇の無い普通の月…月?模様が違う月が一つ。天の川は見えるけど、そもそも今世だと初めて見たレベルの光景だ。普段は怪奇に塞がれてて見えないんだよな、星空って。
遠くに山とわずかに海、7月の夏着には肌寒い風に乗って、錆鉄と甘ったるい洋菓子を混ぜた臭いがした。少なくとも、こんな荒地にあって良い臭いでは無い。
「どうしますか?」
「……あむ…やっぱり」
ばさり、
と、左手の手袋が落ちてしまったな。半透明な手が無くなってるわ。拾ってポッケの底に…右手に嵌る…無理か、力は上がるけど、直ぐに外れそうだ。怪具が嫌がってる感じがする。
そんでだんだん中心が白くなる視界も、聞こえなくなっていく音も、覚えがあったので自分を舐めて確かめた。人肌の味で、決してたんぽぽコーヒーではなかった。聖女の方…感覚は繋がるが、こっちも見えなくなってるか。俺越しに出来なくなるのが伝達してるっぽいな。
「…ここ、私の知覚が効かない。怪奇は見えない。人の心が聞こえない。食べたものの象徴もわからない…そして、私の感覚が弱まってる」
「─────?」
「ごめんね。今聴力無くなってるから、聞こえない」
怪具で眼を作って見てるからなぁ。もし眼が無くなったら大変なことになるぞ?
だけど、それ以上に聞き取れないのがまずいよな。コレ、前世の時と同じ感じになってるもん。
この静寂は前世で体験した。トラックに跳ねられて辿り着いた、一切の音のしない空間。懐かしいけど、前世の俺に近づいてるならその内喋れなくなるだろうな。仕方ない、手話にしようか。前世の奴覚えてて良かったよ本当。
[だからここからは手話で伝えるから、そのつもりで]
「────────。─────」
[取り敢えず歩こう。ついて来て]
「──」
多分、頷いてくれた。左手がない片手手話だが、伝わって良かったよ。
幸い月明かりは不自然なほど明るい。昼間とそう大差無いなら、通じるだろう。
視界の中央は見えないが、端っこは分かる。躓いて転ばないように手は繋いだ。こんな高低差のある外で転ばない訳ないからな。前世のバリアフリーな場所でも転んだんだ。あまり俺の学習能力を舐めない方がいい。階段はね、割敵側なんだよ。
とつとつ、とつとつと、先を慎重に確かめて歩く。…しかし、何もない場所だ。現状臭いの濃い方へ進んでいるが、こんな空間が何に役立つんだか。
【プリズンワールド】、閉じ込めた世界とあるけど、見られた数的にこの世界の人類ではなさそうではある。そもそも少ないしな。だが…それならここは何処だろうな。ホラーやファンタジー的に考えたら異世界だけど…天の川あるし、そもそも世界なんて言い方で指すのは複数ある。
世界中の国と表す「星」単位、遍く三千世界の「平行世界」、数多の宇宙を包む単位の「世界」、特典になりそうな組織、生き物が集団として纏まれる限度を考えれば…星だろうな。
星を単一国家が治れば「世界」を治めた組織だ。銀河を架ける文明とかSFにはあるけど、ワールドならここら辺だろう。
まぁ、分かった所でって話だけどさ。プリズンの方はなんだよってなるし。…星一つを収容室にした、とか?それならなんでもなく危険な連中なんじゃないかな。この特典にいる連中って。
[止まって。この先危険あり。動く影有ったら逃げる]
手を縦に振ってくれたので、多分伝わった。
一応さっきから手話しながら喋ってるんだけど、言葉通じてるかな。「あ」、「ん」しか言えてないとか無いよな?
手話の単語、一つずつ喋ってるんだけどさ、答え合わせできないのって不安になるよな。
そうして歩こうとすると、繋いだ手に引っ張られた。軽く手を引いても伊東さんは動こうとしない。何かを見たっぽい反応してるな。改めて歩こうとした先に顔を向ける。
熱い何かが近づいたみたいな、熱い空気の壁が押し寄せた。
「────!!」
[なにがあっ]
手話を終える前に、抱えられた。風が肌を横切って、上下に揺さぶられる。
直ぐにどっちがどっちだか分からなくなったが、燃えるような熱が来てるのは把握できた。
だから今の俺に出来ることは、全力で伊東に捕まって、今逃げている相手に追い付かれない事を祈るだけだ。
「─────!!!」
「…………?」
本当にそうか?
考えることは出来るんだしっかり考えてみよう。
無いのは、眼とかの知覚、【ゲームガチャ】が補佐してくれてた左手、多分喋りも。聴覚もか。
有るのは、「晴眼」の作った眼、能力自体はある手袋、さっきの異界のあまりの『8』と、鉛筆と、伊東…あれ?怪奇はもしかして封じられてない?
どれも神様関係なのか?もしかして。怪奇は問題なく動くのか。
怪奇の奴で今即席でできるのは…『のっぺら』に『パァ』…あぁ。
火に対して有効なのが有るな。海は…歩いた方角と逃げた方角を考えて…最近一回やってて良かったよ、本当。ぶっつけ本番じゃない。口遊むにはちょっと不安はあるけど…数字の奴で鉛筆を8つに増やせば1回ぐらいは…。
『あまにふむ みづはねぬ さえるこゑに くもめぶく かしにつきては きさきのままに』
あ、一発で成功した。
耳が聞こえなくても聴こえる音を、笛のように口遊む。本来なら笛吹いてやるのを口でやるからな、結構難易度高いんだけど、これも練習の賜物…偶然だろうな。そこまでは驕れない。
『───────────────』
産まれた雲を、筆先の方へ来るように鳴らす。
『───────────────』
周波数を間違えたので、修正した。
『───────────────』
よし……よし…湿った風が来たな?よし、こっちであってる。計算合ってて良かったマジで。
音で誘導する。途中4回くらいあらぬ方向に雲をやってしまったが、修正したんだから良いだろう。そろそろ伊東さんも遅くなって来ててキツそうだしな。でも降るのは自然任せだからなぁ。細かい調整出来ないんだよな。
「──!─!……!………!!」
ぽつ、ぽつ、水を含んだ冷たい風と共に、腕に点々とした冷たさがやって来た。
雨が降る。熱が弱まる。口の中に入った水は、海の味がした。
「──!────────」
[そっちに行くの?]
「──」
降ろされ、暫くすると手を引かれたので、着いていく。どうやら出口か何か、見つけたみたいだ。
どうなったのか分からないけど、何とかなったんだからコレで良いだろう。
「─って…来れました!」
「お、」
視界と音が戻る。五月蝿い程に見える、全ての視界。道行く人々の音も、無秩序に映る怪奇も、短い間居なかっただけで懐かしく感じた。
服がべたべたのずぶ濡れで、帰ったらよく洗濯する必要があるだろうな。
伊東は高そうなカメラ持ったまま走ってたのだろうか。カメラをいまだに持ってるのは凄まじい根性だ。その上で俺も持って走ったんだから、相当疲れてるはずだな。
「ん、んー…見える聴こえるってやっぱり良いね。見えないよりはマシだ」
「あ…霧晴……さん…治りましたか」
「戻ったよぉ。何が起きたか何も分かってなかったけど、頑張ったねぇ。よしよし」
「あざっす……」
膝に手を付いて息切れしている伊東の頭を撫でつつ、スマホの時間を見る。7/17日に入ったはずの異界は、7/20になっていた。つまり、土日が飛んでいる。
そして、今は朝の6時だ。やっべ早く学校行かなきゃ。
「伊東さんお疲れ様でした!私はもう学校行かないとなので、帰りますね!私を持って逃げてくれて、ありがとうございます!」
「はい……ふぅ!…お疲れ様です。あ、これ切符です」
「ありがとうございます!」
そして、俺は電車で急いで学校に向かい、無事に1時間目を遅刻した。ランドセル置いといて本当に良かったな。お陰で大半の授業をカバー出来るし、ノートの代用も出来る。
「へぇ、霧晴の身にそんなことが有ったのね…いや十分大変ね?怪我は?」
「ん、大変だった。怪我は無いよ。でも放送知ってる人にどうなってたのか教えて欲しいね」
「霧っち、それならウチが分かるよ!星空を覆うほどのおっきな燃える鳥が出て来てね!?燃える鳥の落とす燃える隕石を潜り抜けて走ってた!流星群!」
「え、やば」
「霧っちも危なかったよ!目と鼻の先に岩が落ちてたもん!」
「あー、最初の時の」
「それで海の方に逃げてー霧っちが雲を呼んで、燃える鳥を隠したら、隕石が降らなくなったの!多分身を隠すのが大事だったんだよ」
「は?よく生きてたわね」
「うん、最後雨が降って、雨が不自然に避けてる場所が幾つかあってね?近くの奴に行ったら、空間がひび割れて出口になってたよ!」
真倉、俺もそう思う。そんな事になってたんだな。伊東さんよく俺を引き連れて逃げてくれたよ。
取り敢えず【プリズンワールド】って野蛮な場所だ。それだけは確かだな。
「まぁ生き残れたし、私はそれで良いや」
「あ、でも霧っち。放送の反応的にこれで終わりじゃ無いと思うよ?」
「なんで?」
「霧っち達が入った異界、あれから次々と入り口の報告がネットに挙がってて、中に入った人で帰ったの、霧っち達だけだよ?」
「じゃあそいつらにこう言っといて。アレは、行きたいと思ったら行けちゃう異界だから」
「…条件緩すぎないかしら?」
「それはそう」
多分コレ、放送して認知度高まったのが原因だな。俺が行けた時の反応的に、行きたいと思ったら連れ去るなら…もしかして、怪奇も対象になるんじゃ無いか?俺らが会ったの、偶然そこに辿り着いただけの怪奇なんじゃ?
「…まだまだ、あの異界の本質は知らないか」
「霧っち、目も耳もダメになって、喋りも変だったもんね」
「あ、やっぱりそうだったんだ」
「…うーん、霧晴。今言った条件、我が社名義で広めて注意を促すから、それで良い?」
「真倉、出来ればお願い。私が言っても何だしね」
「今なら霧晴の言うことを信じる人、多いと思うけど…そう言うなら遠慮なくやらせて貰うわ」
そんな感じに雑談しつつ、今日を平和に終える事が出来た。いやー、何とかなるもんだな。ゲェム記録は…一応育成の確認だけして、それから書くか。【プリズンワールド】も書かないとだし。
ゲェム記録
2020年7月20日
そう言えば地味に今週終わったら夏休みだわ。
それは兎も角、【自己育成ゲェム】を見たら、新たに3枚ガチャコインを貰った。
TRPG担当からの説明放送やコインの収入報告も無いし、何気にコイツだけ渡してくるよな。…そういやこの育成だと能力指標見れないじゃん。確認してみよ。
かなたらの願いで確認したけど、なんか【ゲームガチャ】の抽出が4/200から201/200になってた。…成程、俺が引いた育成が201番目か?さては俺が寝てる間に説明したとかやったな?
だったら、このゲェムを考えたのは神様か何かだろう。それなら特典やコインの配布が多いのも納得だ。明らかにこの報酬前提で作られてるし、特典になると知ってなきゃ作れないゲェムだ。
しかし、困ったもんだ。ゲームコインがこっちに来ないように差し押さえられてたとは。しかもゲェム渡さないし。
推定神様製のゲェムを育てるためにもそういうのが欲しい。だって神様製なら【プリズンワールド】もゲェムに組み込んでくれるだろ?
なんだかんだ、現状どっちも俺の手で管理出来てないのは困る。世間様にはあまり迷惑かけたく無いし、突然視覚も聴覚も無くなる空間に攫われるのは勘弁だ。
後、結構『儀式』系列の怪奇が有用そうなので、なんか無いか探してみたいと思う。雨降らせるだけでも無かったら死んでたしな。『相互誓いの儀』とか、怪異やらなにやらに頼らない『儀式』…少ないんだよな。普段の生活を維持できる範囲で、何かないかな。
「うーん…思えばスキル枠も無駄が多いしな…儀式が出来た所で破裂して終わりそうだ」
何というか、ゲームでいうなら無駄ビルドって言うか、母さんやメリーみたいに洗練されてないんだよ。何気に怪対員の資格も枠を取るみたいだし、霊魂…魂霊だっけ?ダメだな、順番忘れた。
スマホで…へー、順序どっちでも良いんだ。一応公式では霊魂らしいな。
まぁ、埋まった状態で学ぶとどうなるか、この世界の法則が分かってない内は気をつけないとな。
ゲームみたいだが…前世のピアノや手話は反映されてないし、本当に自身に関わる大事な特化事項だけな以上、そういうものなんだろう。魂や存在なんて分野、前世の科学には無かった訳だし。
「でもまぁ…ゲームならポイントとか、リビルドとか、欲しくなるよなぁ」
だけどそれを現実でやるなら…ぞっとする。自分の意思でもそうでなくても、構築するものを書き換えるのはちょっと遠慮しちゃうな。あくまでも指標、観測結果。それを忘れたらダメだよな。
「…今のままで有りたいって想いが有る限りは変わらないか」
結局、普通の結論になる。…まぁ、だからと言ってずっと目無し耳無し命無しに成りたくは無いけどね。…あー、やれる事本当に少ないなぁ。不満は無いけどさ。
霧晴千歌
視聴率が21%行った。段々知れ渡って来てる。
カメラマン伊東
千歌の背中が見えなくなる最後までカメラは回し続けた。
『出口数理』
駅と数字の異界。数を物質化する。
『燃えよ、燃えよ』
流星群があるという認識。見えてる限りそこに在る。
『錆鉄デザート』
鉄や石がお菓子に見える認識。臭い立つ限りそこに在る。
『にくにくにくしい』
死体を無機物に感じる認識。不自然じゃ無い限りそこに在る。