怪奇ばかりな日常とゲェム記録   作:何処にでもある

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 とんでもない事をしでかしました。




日常-なんか騙された

 

 

 それは蝉の鳴き声が聞こえる、7月の日差しで流れた汗を拭っていた時の話だ。

 

「それじゃあ、転校生の座式(ざしき)比良(ひら)ちゃんです。夏休み直前だし、今仲良くなれば夏休み一緒に遊び放題だー。みんな拍手ー」

 

 やぁ、パチパチと拍手して転校生を迎えてる俺だ。なんか先生と同じ苗字なのに驚いてるぞ。あ、こっち見て手を振ってら。振り返しとこ。

 白い髪と白い肌、そこに赤目と来ればアルビノが連想されるよな。夏らしい薄着だっていうのに、よく日差し対策しないもんだな。

 この子と出会うねぇ…もしも4月に先生にゲェムの事を即相談して家に上がったりすれば有り得そうだよな。つまり無茶だよ。どうやって出会ったんだ俺は?

 見た感じ怪奇でも無い普通の人間だし…人間だし?先生と一緒に居たのならなんで今なんだろうか。

 

「それじゃあ席はー…空いてる席が無いなー、先週の内に用意って言ってなかったか?あーどうだっけ」

「あ、ごめんなさい忙しくてうっかりしてました」

「霧晴…なら仕方ないな。先生持ってくるから待って「パパ」…ここでは先生だ」

「私は…パパと一緒の席がいい」

「…どういう?」

「パパの膝に私が座ればいい」

「はいじゃー席持ってくるから待ってろー。その間質問に答えてなさい」

 

 うん、コレまた性格が濃いパパっ子だ。初手で複雑な家庭事情を語って来た。

 しかしまぁ、子供は勇敢だよな。こんな光景を見ても怯まずに質問するんだから。

 

「外国人ですか!?」

「……………」

「なんで髪が白いの?」

「……………」

 

 こんな感じに大半の質問には本人も知らないからか沈黙だったが、中には答えたものもあった。

 

「はい、座式先生との関係は教えてくれるかい?」

「久しぶりだね。パパ」

 

「よし、私が質問するわ。好きなタイプはなに?」

「なんで前と同じ質問をするの?…パパ」

「どうやら…私たちは分かり合えないみたいね?」

 

「はいはい!比良っちの好きなものは?」

「……パパと友達」

「…やっぱりどこかで会った気がする!」

「…逆に、覚えてないの?」

 

「……あ、誰も質問しないなら私がするよ。お久しぶり、元気してた?」

「…うん、久しぶり千歌。覚えてたんだね」

「そりゃあ普通はねぇ」

「うん、安心した。みんなに忘れられたみたいで悲しかった」

 

「よーし、持って来たぞー。比良はどこに行きたい?」

「なら千歌の隣が良い」

「よし、そうしようか」

 

 うーん、抜粋した感じだと、俺含めて誰も覚えてないな。ゲェムが悪さしてるんだろうけど、不思議な会話になってしまった。

 桐根達が一つずつ廊下側にずれて、俺の隣に新しい席と共に比良が座る。こちらを向いてふにゃって笑いながら赤い目を細めるのを見て、いつ実は覚えていないのがバレるかと、今から冷や汗を流さずにはいられなかった。

 本当、夏の窓側で助かった。暑さのせいに出来るんだから。……うん、少しばかり、聖女の方の力も借りて、本気で心を見てみるかな。

 

 


 

 

「…それでね、私の事、千歌しか覚えてなかったの。ひどいよね?」

「そりゃあ…色々あったからな。頭からすっぽ抜けるなんて、有り得るだろう」

 

 私は比良。4月の災害の後から、座式比良になった。

 畳の上のちゃぶ台、そこに生徒一人一人の知った事を煙草を吹かしながら書いているのは、今のパパ。

 先生で、パパで、私を拾った変な人。

 

「ぶー。かけっこも、かくれんぼもしたのに…」

「遊んでそれっきりなら、そうなる」

「なのかなー」

 

 ジジジって鳴く蝉の声を聴きながら、パパに寄りかかって不貞腐れた。

 でもこれがたいした事じゃ無いと言われたら、私が言い返せないのは本当。

 

 なにせ、私は2020年4月6日より過去の記憶が無い。

 

「あーあ、初めてのお友達だったのに…」

「すぐに友達じゃ無いというのは早とちりだなー」

「でも、私は傷ついた!」

「そりゃご愁傷様。時間はあるんだから、また仲良くしよう」

「…やだ、向こうから謝るまで話さない」

「そーかい」

 

 鎌ヶ原市の怪奇災害が全て終わった後、私は一人で立っていたんだそうだ。

 壊れたビルの一番上で、茫然と空を見ていたんだって。

 それを見つけたのがパパで、私を引き取ったのもパパだった。

 何でそうしたのか分かんない。

 でも、パパも一人だけだったから、二人になりたかったんだと思う。

 このお家は、一人だと広過ぎるから。

 

「なら、明日はみんなと遊ばないか?」

「…そーは言ってないじゃん」

「なら、今日分の宿題をするんだな。夏休みはまだまだあるんだから」

「はーい」

 

 一人の私が持っていたのは、服に有った破けて少しだけの名前だけ。

 白い髪も、赤い目も、きっと変わってしまった後のもの。

 だから私はパパから、色んなものを貰ったの。

 名前、お洋服、靴、ご飯、灯り、お布団、お風呂!

 そして辛抱強く話しかけてくれて、言葉を思い出せたのも。

 

 だから私はパパが好き。

 だからこそパパの言うことは全部信じる。

 友達を作るのも、宿題をするのも、明日に希望を持つのも、全部パパが言うから信じられる。

 

 ててて、と走って、バサバサと用意する。

 

 【おいで】

 

「…?」

 

 腕いっぱいにノートと鉛筆を運んでると、ふと、呼びかけられた気がした。

 誰もいない、照らされた縁側で、襖の影に不思議と惹かれた。

 

「……遅いな。比良ー…比良?」

 

 パパが見渡しても、私はきっとそこに居ない。

 ノートが乱雑に広がって、鉛筆がコロコロと転がっているから、私はきっとそこに居ない。

 庭を探して、襖を開けて、テレビを探って、漸く見つかるかもね。

 

「…ディスク…閉まってたはずだろ?」

 

 かなたらの願いに誘われたから、未来で私は待ってるよ。

 

 


 

 

「…ふむ」

 

 放課後の教室で一人納得した。

 大体理解した。聖女の方の人を聞く力って未来まで及ぶんだな。夏休み中の心を聞けちゃったよ。

 学校生活しながら向こうの共有を聞いてたけど、先生はナイスだ。夏休みって言ってくれたんだしな。

 おかげで比良の性格やら何やら、全部聞けた。「聞く」の行く末ってこんな感じなんだな。真っ当に特典も見れるようになった「見る」と方向性が違っててビックリしたわ。

 

「…特典が関わるなら手伝わないとか?」

 

 うーん、知っちゃったからにはなぁ…でもコレ、確度が高い未来ってだけだし起こらないかもだろ?保険をかける時間は今やるべき事に費やしたいんだよな。今やる事ないけどさ。

 しかし…コレを他の人にも、真倉達にやったらどうなるんだろ。かなたらの願い的にコレって予知じゃ無くて精度の高い予測だし、土足で心に上がった事にはならない筈だろ?

 

「いや、先ずは自分…は行けるのかなぁ?」

 

 最近みんなと関わって無いから良い機会なんだけど、コレって自分に出来るかな。

 ふむ…物は試しに…。

 

 


 

 

「………」

 

「あは、あひひ、あははは!!!」

 

 やぁ、俺だ。テレビに出演しなくなった瞬間謎の厄介ファンに襲われたぞ。

 お陰で今は半端に達磨だ。手足が無くなるのは辛いよな、でも神経が中途半端に繋がってるのも辛いぞ。

 いやぁ、聖女の影響って凄いんだな。死体をテレビ放送し続けるとか言ってるよ。

 

 


 

 

 じょきん、しょきしょき、じょきん。

 

 やぁ、俺だ。『夜廻り』に捕まって達磨になったぞ。

 その代わりに誰かの背骨を繋がれたけど、その人の神経もくっ付いてるから痛みは身体5個分だ。

 異界が徘徊するとか誰が思うんだよ本当。8月31日に来るって知ってたら楽だったんだけどな。

 

 


 

 

「私思ったのよ。もう野放しするのがダメなんじゃ無いって」

「真倉、だからって手足を斬らないでよ」

 

 やぁ、俺だ。真倉に全部打ち明けて協力して貰おうとしたら攫われたぞ。手足も切られてコンパクトサイズになっちまったな。俺は抱きつき枕じゃないんだぞ?

 やっぱりあまり頼らない方がいいんだなぁ。

 

 


 

 

きしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきし

きしきしきし「おえ…おぇ」きしきしきしきしきしきしきし

きしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきしきし

 

 やぁ、俺だ。母さんの実家の人に攫われて蟲の苗床にされたぞ。全身の穴から蟲を出すって辛いよな。特に内臓と子宮と膀胱が見てて分かるほど蠢いている…普通に苦痛だ。

 脱走防止に手足も切られたし、淡い命だったな。母さんが交渉失敗するとやばいんだなって。一緒に出向いた方が良かったのかなって。もう遅いけど思うんだよね。

 

 


 

 

「それでね!今日はお姉ちゃんと一緒にね?」

「……………」

「うん、うん。聞いてるからゆっくりでいいよ」

 

 やぁ、俺だ。夏奈の死体と一緒に『人形』にされたぞ。多々良って姉が死ぬと相当ヤバくなるんだな。『鎌蛇様』のどんなのかも分からない約束って相当凄いと実感してる最中だ。

 『人形』にする為に手足切り落とされたし、立て篭ってはいるけど、その内助けは来るだろうな。俺の手足は…まぁ、動かないが、気にしなくていいな。

 なんせ、多々良は出血の止め方を知らない。血が止まらないなら…前世と同じ死に方で終わるだろう。

 

 


 

 

「あー…いふぁい」「あー」

「いふぁー」「うぇー」

 

 やぁ、俺だ。怪異…『ウワサネット』に頼った結果はダメだな。尻から口まで杭で一本刺しにされた。今は、身体を沢山に増やされて街中に飾られてるよ。どうやったのか、死なないし誰も気付かない。どれだけ続くのか知らないけど…寿命で死ぬ事も出来ないだろうな。はぁ…串刺し公とか嫌いになりそうだ。

 

 


 

 

「あは、あははは」

 

 やぁ、聖女の方の俺だ。……うん、笑うしかないな。

 上手くいっても、全人類を自分の子供として産みなおさなきゃ行けないとか…笑うしか無いだろう?

 8月まで【霊道回廊】に聖女を預けっぱなしにするのは辞めておけ。『霊脈』その物として聖女の方の俺を弄り始めるから。あんまり自分の特典じゃ無い組織を信用するのはダメだな。

 

 


 

 

「…こうなるのね」

「信じてたのに…どうして?もう食べたくないのに…!手が止まらない…」

 

 やぁ、聖女の方の俺だ。雪町に泣きながら食べられてるぞ。いやー、アイドルとして人々を動かして何とかするのはダメだな。上手くは行くけど、雪町の感情が深まり過ぎていつか解釈違いを引き起こす。

 最後は俺を食べさせる事が最善手になっちゃうんだから話になんねーよ。俺一人か才能が開花した上で俺を食った罪悪感で無条件に人に味方する雪町、どっちが人をたくさん救えるかと言えば、こっちだ。

 

 


 

 

 聞くのをやめる。いやー、どれも碌な結末じゃ無かったな。案外俺って死に易いって事が分かったよ。

 

「うん、取り敢えず…今日はもう帰るか」

 

 ランドセルを背負って学校を立ち去る。何だか今日はとっても疲れた気分だ。転校生…比良の奴も今日はずっと質問攻めされてて会話する暇も無かった。コレならしばらく会話する必要はないかな。

 真倉達も証も…いや、この際今まで見てなかった問題を言ってしまおうか。

 

「そろそろ…もっと踏み込んで話した方が良いよなぁ」

 

 ずっと避けていた問題として、俺は友達とは上辺での関係にしようとしていた。それは証もだ。

 家に行っても家族には挨拶してないし、お泊まりだって向こうからの提案だ。今以上に仲良くなろうとしたり、問題に関わったりしていない。

 前世ならそれで良かったんだろうけど、今世の、それもちょっと引くほど問題の多い今、このスタンスだと死にかねないんじゃないか?未来あんなだし。

 そう、物語…ていうか恋愛系とかそうだったじゃんか。人の繋がりが解決するって。

 現状一人だとやれることは少ないんだし、手詰まりになって来た。ここは先人に倣って人との関わりを増やしても良い頃合いだろう。

 

「…だけど、本を読む時間が減るんだよな」

 

 まぁ一番ネックなのはここなんだけどな。他人と関わるって自分の時間が減るって事だし。だからこそ今まで受け身の姿勢で過ごしてたけど、其々が抱えている爆弾が俺にまで影響するなら手を出しても良いんじゃないか?

 主人公なつもりは一切ないけど、正直なぁなぁで面倒なのは全部スルーしたいけど…そこまでする関係かなって居心地の悪さやそこまで好ましく感じてる訳じゃない事も…あるけど!

 

「それでも…聞いた感じやらなきゃ不味そうな気配するし…やるかぁ」

 

 よし、先ずは聖女の方の俺だ。放置はマズいって言われたからな。

 

 家に着いてから、誰も居ないことを確認した後、自身を共有する。そろそろしっかり話し合おうって感じに呼びかけた。万が一母さんが帰っても不自然じゃないように、一応スマホを耳に当てがっておく。

 

[おー、どうした?]

「さっき能力借りたじゃん。聞いた感じそっちに置きっぱだと【霊道回廊】に手遅れにされるからそろそろ戻れない?」

[無理ー。『霊脈』と一体化してるもん]

『だよねー』

[ただな、こっちは判断や精神をそっちの方から借りなきゃ思考出来ないからな。俺よりそっちの方がいい案出ると思うぞ]

 

 ふむ、普段そんな感じなんだ。すげぇ、今知ったし。困ったなぁ…こんな事も知らない程度には関わって無かったぞ?こっちから話しかけるってもしかして相当大事なんじゃないすか?

 

「ん…なら俺から質問して情報貰った方が良いな…ぶっちゃけさ、今から俺の身体に戻りたいか?」

[…微妙?『霊脈』や聖女になって改めて確信したけど、正直そんなに生きたいとは思ってないんだよね]

「だろうね。棚ぼたで霧晴千歌に産まれたけど、そこまでさせるなら普通に死ぬ方選ぶよね」

[ん、なのでこっちはいつでも死んでもいいよ。今生きてるのも、【ゲームガチャ】や【霊道回廊】が生かしただけだし]

「それ言うならこっちもだねぇ?犬はさっさと俺の代わりに生きろよ」

[やだよ。疲れるもん]

「あー?」

[あー?]

「[…まぁ、死ぬなら他人を助けてからな?]」

「そこは共通だなぁ」

[生かしてくれてる分は生きたいよね]

「生きるなら折角だし楽しみたいよね」

[楽しむなら辛い事には関わりたくないよね]

「でも関わんないと助けた事にはなんないっぽいね」

 

 ちょっぴりの沈黙。お互い、今更な確認をしちゃったなって考えた。

 

[よし、この後大惨事なんだろ?結局手札が無いのが悪いんだし…ゲェム出来る人を集めたら?]

「あ、結局そこに行き着くんだ。その為に深く関わる事考えてるんだけど」

[なんだかんだで俺らが有効に扱える手段だしな。向こうの様子もそろそろ知りたいし…]

「だな…そっちは要は魂があるからダメなんだろ?そのせいで聖女の部分が離れないんだし」

[…出来るか?]

「…あ!……なぁ、俺。今いい事を思いついたんだ。『儀式』になるチャートってのはどうだ?判断付かなくても、予め決めといた事出来るだろ?」

[…やるかぁ]

 

 その後は即席の『儀式』になるチャートを作って繋がりを切った。

 それから一時間後、ご飯を作っているとフ…と今まであった繋がりが消えた感覚に襲われる。

 

「…やったんだな。おかえり」

 

 手袋の薬指にある模様は変容し、ダイヤの指輪に変化していた。触れると実体があり、成し遂げたのだと理解する。

 

「…『儀式』を経路にした怪奇の変質。『霊魂』を素材にした『儀式』という怪奇に対する変質だ」

 

 まぁ、たいした事はしていない。『霊脈』という怪奇が『儀式』という怪奇を使おうとして、その在り方を変質させた。『霊脈』の存在する時間を250年削って、『儀式』は……差し詰め、『魔法』と言うべき物へとその在り方を変えた。

 コレで『霊脈』や【霊道回廊】との繋がり、『あわくもの儀』や『因継の儀』は消えた。もう使えない。

 

「…存在の消費を0にする魂を使った怪奇現象に、手順さえ守れば決まった結果を出力する『儀式』、その二つを『儀式』をメインに混ぜ合わせ、魂を利用する事で雑な手順でも望んだ結果を出力させる…まさに、魔法や奇跡だな」

 

 まぁこの案自体はついさっき思いついた奴だけどさ。話しててなんかいい感じに出来そうだからやっただけだし。

 いやぁ、見るのも聞くのもやれてたし、その感覚で能力指標にある存在を使えないかなって思ったらマジで出来たよ。両方の良いとこどりした怪奇。

 

「そして、誰も知らない怪奇…『魔法』で魂を物質化させて、俺の手元に来た…『魔法』の追加には作る人の霊感を消費しなきゃだけど、今回はむしろ「人工聖女」の破綻が出来るから都合がいい」

 

 ざっと…能力指標で言えば70はすり減らしたな。元々が16だから、人工聖女の分の…後は20程度は遠慮なく使えるって事だ。…脳の眼も使っていいなら、後35だな。

 霊感が0になったら?魂も残らずに死ぬ。やらなきゃ良いだけだし別に気にしないでいいや。

 そうだ名前…魂の物質化は…『魂の物質化』と名付けるか。転移は『転移』で良いだろ。

 

「にしても俺の魂って物質にするとダイヤの指輪なんだな」

 

 …うん、声を出す手段が無いのか。この指輪をしている今なら俺も『魔法』を作れるし、残り20を使って…と。

 

[あ、あ、あー会話行けてる?]

「OK良好問題無し」

[どうする?『念話』にしとくか]

「改めておかえりー」

[雰囲気ないなぁ。ただいま、やろうと思えば早かったね]

「いけるもんだね」

 

 さて、「人工聖女」を使い潰したおかげで謎のカリスマとかも無くなった。元々凄まじい施術だけあって『魔法』なんて作れたし、聖女らしい終わりだと思う。

 

「そんで、『魔法』は何が使えそう?」

[ん、『魂の物質化』『転移』『念話』だけ]

「出来立てだから誰も作れてないな。一度作れば後は念じるだけで良いんだけどなぁ。魂を使うだけだし」

[そもそも、この怪奇を作った俺らだから魂の消費を最小限に出来てるし、作り手がアレなら100や200有ってもキツイと思うよ]

「だよなぁ。時間の上書きやら通り抜ける物質化は普通使わないし、自分だけの転移は歩けばいいし、念話なんて電話で十分だしな」

[俺らくらいだよな。使うの]

 

 まぁそもそも、使い方を学ばないと使えないしな。俺は普段から見たり聞いたりで感覚解るけど、普通ならそこを頑張ってからだ。

 使えても大した事出来ないし、まぁあるってバレないだろ。

 

「あ、そうだ。脳の眼を素材に出来るなら…俺の使えば普通の視界になれるんじゃ?」

[名案。それなら俺が持ったままにすれば交代で使い分け出来るな]

「…それだと意味ないな。そっちが苦労する」

[じゃあ必要な時俺の方使う感じで]

「そうするか…なんか騙された気がするな?」

 

 なんか向こうの俺に騙された気がするが…まぁ良いだろう。この調子でみんなと関わって行けばいい。

 関わって行けば良いが…マジで疲れたから、今週はもういいか。

 

 






霧晴千歌
 この後カップラーメンかレトルトカレーかで喧嘩した。
真倉朝凪
 『魔法』に気づくまで後‭2時間。
橘多々良
 『人形』達の騒ぎに気づくまで後5分。
橘夏奈
 無法な怪奇が出たと知るまで後20分
座式比良
 テレビに千歌が出てる事を知るまで後3分。
笠木雪町
 最近はシャボン玉で遊んでる。
霧晴百葉
 なんか蟲達の様子がおかしい。

『魔法』
 魂を使って予め作っておいた現象を起こせる怪奇。生きたまま幽霊と同じ事が出来る。幽霊はもっと凄いことが出来る。

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