怪奇ばかりな日常とゲェム記録   作:何処にでもある

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 忘れないでください。怪異は結構賢いって事を。




日常-再現できる

 

 

「霧晴、ちょっと来なさい」

「コレから私のライブなのにどうしたの?」

「よし、先ずはそっちの事情から話しなさい」

 

 やぁ、前々から雪町から一緒にライブをしないかと連絡が来てた俺だ。割と怪奇に寄ってないか心配してたし、いい機会だから一緒にすることにしてたぞ。

 

「まぁ踊りは下手だからみっともないだろうけど、折角のお誘いと貴重な体験は逃せないよねぇ?だから私は行くよ、ライブ。真倉は見る?」

「…口惜しいけど、本当に見たいけど!残念な事にコレから「HIW(ヒーウォ)」との交渉よ。今日きたのはその誘い。ゲェム関係に関わらせろって言ったでしょ?だから、こうして誘いに来たのよ」

「おぉ、有難い話だね」

 

 真倉の誘いもかなり有難い話だったが、雪町のライブは俺が実家で寝込んでた分態々遅らせてくれてる物だ。それも含めて行かない選択肢は無いんだよな。

 

「そんな訳で、遅らせて貰ったからにはなしには出来ない。私の事を相変わらず好きで居てくれてる人もいるし、ここで無しには出来ないんだねぇ…」

「…そ、なら仕方ないわね」

「あ!その代わりなんだけど、指輪貸しとくよ。今なら私と連絡出来る機能付きだから!」

[ちょっと待てよおい]

「そう?なら借りておくわ。いざという時は怪奇の情報と向こうの心情確認、どっちもお願いするわよ」

「それはその時そっちの方が見れるかによるかな。頑張るけどさ」

[まぁ、そんな感じに聞いて来てねぇ]

「ええ、そうするわ」

 

 …?あ、指輪の方か。

 

「うん、それじゃあ私はこの辺りで」

 

 そんな訳で駅を幾つか乗り換えて、転移でやって来た真倉に見送られつつ向かった。

 実家の騒動の貰い物とかは食べ物と『三尸の人籠』の幼体以外特に無かったし、現状リュックの中は衣装と人籠の子供だけである。

 

「うーん、久々の一人…」

 

 こんな時こそ読書の出番だと思うんだ。色々あって読む暇の無かったこのジョジョを…読む!

 

「…もう、Pぐらい着いてくれたっていいじゃん……って、あれ?千歌じゃん!奇遇だね!」

「おっと、同じ電車に居るのは本当に奇遇だ」

 

 だが、それは変装した雪町が一緒に居ない場合に限る話だ。残念なのか喜べば良いのか、俺は偶然にも雪町と同じ車両に乗っていたらしい。悲しい話だな。

 

「雪町はもっと早めに行ってると思ってたよ」

「あーそれなんだけどね?今回のライブって複数人のアイドルがやる物で、数日に渡ってやるんだけど……」

 

 聞いた話をまとめると、今回の合同ライブは結構大きなイベントで複数人のアイドルが一緒にやるものらしい。なんだかアイドルゲームみたいだな。

 そしてトップバッターを務める人達の一部が雪町と俺な訳なのだが…どうにも、俺が寝込むタイミングと重なって爆破予告とか、犯行声明とか、そんなのが届いたせいで一旦中止。

 調べたらマジで爆発物を複数発見して、全体捜索の為に中止になり、おまけに俺の父さんから連絡が来て寝込んでると言われ…雪町視点だと本当にぐだぐだだな?

 

「…まぁ千歌が来れるって連絡と一緒にライブの改めての開催の連絡も来たし、ちょっと出鼻は挫かれたけど、一緒に頑張ろ!」

「チケット代とか諸々、もう止められないもんねぇ」

 

 雪町が車じゃなくて変装して電車に乗ってるのもそういう訳なんだとか。車をダミーにして、本人はこうして単独で行く。そして普通に移動してるだけの俺とバッタリ。

 なんか組織的に狙われてる感が有るが、雪町も詳しくは知らないみたいだ。ただそうしろと言われてそうしてるっぽい。

 

「ま、そのお陰で千歌と会えたんだし、これってステキだよね!」

「誰がやってるのか知らないけど、良くやるよね」

「それ!マジあり得ないよね!」

 

 そんな感じに電車でぐだぐだと話しながら幕張に到着し、バスで移動する。大きな舞台とはいえ、最初の盛り上げ役に過ぎないからな。全国のアイドルが一堂に結するとかなんとかのイベント、端役とはいえやるからには成功させたい物だ。

 本当、俺にも声がかかるとかマジで全国だし、ちょっと前にテレビに3回出ただけの子も呼ぶとか贅沢な物だ。

 

「雪町は調子どう?一応私は歌と踊りは覚えたけどさ」

「アイドルが一斉にやる関係上、独特の激しい動きとかは無いし万事オッケー!」

「一緒にやるから、足を引っ張ったりしなければかー…全体練習とか難しいし、そんなものかな」

「千歌は他よりも幼いし、やれる事精一杯やれば十分だよ!」

「ハードル低くて助かるねぇ」

 

 バスで両隣になって座る。おっと、膝上で拘束するのはやめろ。俺の筋力だと抵抗出来ないからな。

 そして俺と雪町はコンパクトに収まった。まぁ人がぎゅうぎゅうだから別に良いけどさぁ。

 

「で、怪奇には関わってないよね?」

「残念だよね、千歌と会った時はあちこち見えてたのに今は全然だもん」

「そりゃ、私の匂いが付いて…なんでもないかなって」

 

 やっべ。実家からのライブで疲れが溜まってたかな。ぼぅっとしてて口が滑ったわ。やっぱしっかり休憩取らなきゃダメだな。

 

「え、何々?千歌の匂いがあれば怪奇に会えるって?」

「疲れてて口が滑ったな…」

「髪の毛少しだけ貰っていい?」

「ほぅらこうなった。ダメでぇす」

「えー?ならさ、最近『泡にする』儀式使える様になったから、それ見せるのじゃ駄目かな?」

 

 もしかしなくても魔法だなそれは。『あわくもの儀』はもう無いし、知らず知らずのうちに魔法を使ったか、見つけてしまったんだろうな。

 

「そんな一発芸やっても駄目でぇす。不思議な事はもう見飽きてるんだよね」

「羨ましい事言ってくれちゃって…このこの!」

「えう、えう、ちょ、やめ、お腹、突か、ない、で!」

「おへそ弄っちゃうぞ!」

「くすぐりは本当にやめて…そして地味に臭いの貯まる場所から採取しようとしないで?」

「…バレた!」

「雪町が言うとシャレにならないんだよ…」

 

 そんな訳で生殺与奪の権を握られながらバスも進み、くすぐられたり耳をカプカプされたり、頭に顔を押し付けて謎に吸い込んだりされつつも到着した。

 なんか雪町って接触が多いよな。キショいし、アイドルがしちゃいけない事を平然とやって来るし、少ししか会ってない相手にベタベタし過ぎだと思う。そういうのされると『三尸蟲』にやられた事思い出すからやめて欲しいわ本当。なんでか身体が硬直してされるがままになっちゃうんだわ。

 

「到着ー!それじゃあ裏口に行こっか!」

「あー耳がべたべたする…遠慮を知らないんだからもう…」

 

 こんな事なら指輪渡さない方が良かったかな…いや、無いな。どうせ向こうもなんか有りそうだし、俺は俺で頑張るしか無い。

 そんな感じで二人一緒に関係者以外立ち入り禁止の扉を開けた。

 

 二人仲良く監禁された。

 

「んー!んー!?」

「ん、んんんっん」

 

 結論から言ってもしょうがないな。順序よく説明しようか。

 

 先ず、入ってすぐには何も無かった。スタッフの一人も見かけなかった。

 不自然だったがまぁ偶然かなって進んでいると、スタッフに化けた『存在しない訪問』が居た。

 そして見つかって捕まって、俺が人質になって雪町も拘束され、縄で拘束されて口封じをされた。

 

「んー、んんんんんんっんん」

「んーんーん!?」

 

 まぁ、怪異が妙な事を企んでるんだろうな。じゃなきゃ待機室に閉じ込められないし、俺らに似た奴が現れもしない。

 閉じ込められた時に『存在しない訪問』が俺らの姿になって出て行った時は何事かと思ったが、多分アイドルの姿でなんかやらかすんだろうな。

 知名度のあるアイドルと、噂によって成り立つ怪異。とんでもない景色を作りそうだ。

 

「んんん、んんんんっん」

「んーんー…!」

 

 しかしどうすれば良いかなぁ。俺は力無いし、この部屋何も無いし、雪町も拘束されてるし、縄の締め付けキツいし。幸い服はそのままなお陰で眼鏡と手袋はそのままだけど、それ以外の持ち物は持ってかれたし。

 一応ライブ配信予定の番組にされてるテレビがあるけど、ライブ中の光景をアイドルに見せて何がしたいんだか。もしかして犯行声明出してた人達、怪異が何かするって知ってたから妨害してたタイプ?

 

「ん、んー…ん、んんん」

「ん?…ん!?」

 

 そう言えば手袋そのままなら、力を緩めれば落とせるな。半透明な手、普段は物を持てる様にしてるけど、力を抜けばすり抜けるし。よし早速…出来たわ。両手動くし、コレで足の縄を解…解く…結び目しっかりしてるから俺の力だと無理…なら手袋を雪町に付けて…解いてくれ!

 

「ん!」

「………!よし、解けた!」

「ん!…ん?…ん!」

「…喋れなくなった千歌も良いね!」

「ん!」

 

 思いっきり引っ叩いてやったが、効いた様子は無い。まぁ直ぐに解いてくれたけど、今そう言うの良くないよ。

 

「…ぷは!今冗談言ってる場合か?」

「ごめん、でも泣きそうな顔も良かったよ」

「さっさと方針決めるよ。解決するか逃げるか。雪町が決めて良いよ」

 

 正直逃げ出したいんだけどね、俺より雪町の方が決める権利があると思うから任せる事にした。

 

「それなら解決!ライブは成功させたい!」

「よし、スマホや靴は無いし財布も何も無い。服だけはあるけどココからどうするの?」

「それなら千歌の方が得意な事じゃ無い?」

「んー…ココからどうするかねぇ?」

 

 逆質問されたから考える事にする。うーん…監視カメラとかあるだろうしなぁ、待機室には特にそういうのは無いけど、出たら先ずバレるし…『パァ』なら停電起こせるからイケるか?音がネックだけど、しないよりマシだろ。

 まぁ、『パァ』が音の悪魔と一緒に消えてたらこの作戦も台無しだけどさ。

 

「じゃあ…可能なら停電を起こすから、二手に別れて動こうか。引きつける役と解決役、解決するのは任せたからね」

「分かった、そっちも捕まらないでね」

 

 フッ、

 

 予兆のない停電と共に、待機室の扉を開けた。

 

 パァ        パァ

 

パァ       パァ

 

 幸い、コレは音の怪奇判定では無かったらしい。時間遡ったりこの世界の一部になってる感あるからだろうか。

 『パァ』と言う直前の数秒を停電させる怪奇は、今も正常に幕張ホールを停電させ続けている。言い続けないと停電が直るせいで喉の負担がすごいが、やらなければどうなるかわからないなら、やるしか無いだろう。

 

    パァ

 パァ

          パァ

 

 全ての明かりとスマホが効かなくなった以上、全ての動きは遅くなる。なので俺も普通に歩いて散策出来る訳だ。俺の役目は雪町がやり易い様に惹きつける事だし、この状態で適当に動き回るだけで妨害にはなるよな?

 

 そんな感じに進んでいると、沢山のスマホを置かれた部屋に辿り着いた。多分アイドルから取り上げた奴なんだろうな。

 パァパァ言いながら所持品を見ていると、なんか豆柴の着ぐるみが有った。中を覗いてみると背の低い人が入って動かせる様になっており、恐らく着ぐるみ系アイドルでもいるのだろう。

 …いや、そういえばゆるキャラ達が踊る時間が設けられてた様な…?ならそれかなぁ?

 誰が持ってきたのか知らないが、今は都合がいい。俺が走るよりコレを着て走らせた方が速いしな。

 怪具では無いものの、『人形』として動きを補佐する感じっぽいし、足としては十分だ。

 

 パァ    パァ    パァ

『ねぇ知ってる?「モアモアガールズ」って……』

 パァ    パァ    パァ

 

 そんな訳でアイドルの持ち物と一緒に乗車すると、豆柴着ぐるみが豆知識としてアイドルの情報を言いながら動き始めた。さすが『人形』だ、俺と荷物が乗っても動いてくれるぜ。

 俺は目的地とか無いので、適当に動いても無問題だしな。

 廊下を通り、グッズの置かれた倉庫を通り、倉庫になんか『火卵』が居たので、『鬼火』にならない内に引き連れて行く。

 今日は夏、虫刺されの多い季節なだけ有って虫除けスプレーはアイドルの持ち物にたくさんあった。

 後は消臭と混ぜたハンカチで包んで持って行くだけだ。豆柴着ぐるみ号がヤンキーの乗るバイクみたいに光ってるが、危険物を処理した結果だから仕方ない。

 

 パァ  ,  パァ   , パァ

『ねぇ知ってる?「AKB48」って……』

 パァ  ,  パァ  ,  パァ

 

 そして俺は舞台裏まで来てしまった。ココまで誰も居ないのは不思議でしょうがない。

 アレからフランスパンを豆柴に追加したり、ワインが転がってたので暑さの誤魔化しに被ったりしたが、怪奇には全然である。暑さで頭が変になった気がするし、何だか目が回ってきた。酔ったか?

 一応舞台裏なだけ有ってアイドルの歌声とか聴こえるんだけど、見た感じそっちは怪奇で間違い無さそうなんだよな…避けられてるのか?

 

 がたん、

 

「パァ?…あぁ?もういいか、4分もやったんだから」

『ねぇ知ってる?「マジカルガールズ」って……』

 

 しかし暑いなぁと考えていると、俺の豆柴着ぐるみフランスパン号と一緒に床に持ち上げられていく。

 どうやら下から上がるタイプの場所に来ていたらしい。このままだとライブ会場に出ちまうなぁ。

 まぁ目立ってスニーキングし易くって話だったし、今までやれていたかは疑問がある。折角だからこのまま行くか。

 

『次のアイドルは〜〜!日本を超えて世界に轟かせたゴットオブゴット!「神崎宮子」だー!!』

 

 床が上がり切って見えたのは、ようやく復旧したのだろうライトと、困惑しながら此方を見ている観客達、そしてアイドルに化けた怪異達だった。後ろにはいつの間にか神崎に化けた怪異が困惑した目でこっち見てるし……なんか言った方がいいかな。

 アイドルの持ち物にマイクがあるので、それを取り出してオンにする。折角だし名古屋弁でやるかぁ?

 

「ちょーっと待っとれ!みんな静かにしよう!私様だ!」

 

「おー見たところみんな揃っとるな、私は「ファウスト博士」だよ」

 

「この燃やしたがりの『鬼火』をな、ペタっと刺激だろ?こんな会場の一つや二つ、あっという間にざっぶぅと炎海の底にさらわれるんだぞ」

 

「ほんだけど今日のところはよ、見本だで、サンプルだで、この会場にいる人間の命全部だけにしとく」

 

 うーん、誰も動かないな。なんか情報が完結しない物を見てる顔してら。

 折角だし実家の人が『三尸の人籠』を千切って増えた幼体の個体でも取り出すか。この実家から記念に貰った奴、俺が持ってる間は寄生されても最終的に安全に殺せて問題ないから持ってきてたんだよな。

 

「そんでこの怪奇はよ、お前達の力をみんなチュ〜っと吸い取って、ほんでお前達は皆ただのベラベラのゴミになるだけだ」

 

「ここにどんな兵器があるか、ここでゆっくり見せたるよ。よぉー目擦ってな、耳穴かっぽじってよぉ見よ!」

 

 隣にいる神崎に化けた怪異に、『三尸の人籠』をくっつけた。あっという間に消え去り、チリも残らない。ちょっと大きくなったが、まぁまだ大丈夫だな。大丈夫だ、俺は酔ってないから平常だ。

 

「ほれ、パァーなんだな、会場は俺のもんになったようなもんだな」

 

 パァを言う直前なので停電が起きて

 

「ケッソ!クルッソ!『パァ』ー!」

 

 電気が復旧する。停電を起こしたのは俺だよって説明。けけけけ。

 

「鉄より硬くて丈夫なフランスパンで作ってくれたもんなぁ…パンだぞオメェ!それを顔につけたらビッタだ!」

 

『ねぇ知ってる?「リリカルガール」ってお酒被ったんだって〜』

 

「おろろんちょちょぱ〜」

 

 そう言って俺は怪異に向けて人籠をぶつけに行った。当然逃げられるし、俺の足と豆柴フランスパンワインぶっかけ号には追いつけない。

 だけど逃げる為に降りた人に化けた怪異から、逃げる為に一部の観客が逃げたり立ち入り禁止の場所に入ってて、それを見て更に混乱が広がっていった。

 いやー、しかし雪町はどうしたんだろうな。ライブ、壊しちゃった気がするわ。こんな時笑えば良いって聞いたし、取り敢えず笑うか。

 

「あーはっはっはっは!!」

 

「そこまでだよ「ファウスト博士」!会場を無茶苦茶にするのは「マジカルガール」が許さない!」

 

「…あぁ?」

 

 


 

 

「…それじゃあ、今日は頼むわよ?霧晴」

[まぁ見た事を言うだけだし、全然いつも通りだねぇ]

 

 やぁ、まぁた真倉に装着される事になった俺だ。指輪になっても苦労はあるぞ。

 ダイヤの指輪になってから早いもので1ヶ月は過ぎてそうな今日のこの頃、俺は真倉の仕事に手伝わされる事になった。

 真倉って指輪使いが荒いんだよな、魔法よく使うし、お風呂にも着けるし、全身お湯に包まれるのは指輪的にお湯の中で溺れてる感じがして苦しいんだよ。寝る時だけ外すけど、それ以外は付けてるし、トイレで尻を拭う時ぐらい外せって思ったね。ばっちいのがちょっと付いたり近くを通るってストレス溜まるんだわ。

 その点生身の方は俺なだけ有ってしっかりしてるね。小まめにポケットに入れて汚れたり疲れない様にしてるし、寝る時はふわふわの綿の箱に入れてくれる。

 指輪の箱みたいに密封された場所に閉じ込めたりもしないし、食べてる時の感覚は常に共有したり交代したりで楽しませるのを忘れてない。

 いやぁ、極楽なんだよなぁ向こうの方が。指輪つける時も直じゃなくて手袋越しだし、配慮が出来てるわ。中身俺でも側から見るとただの子供だし、夏奈や真倉と比べたら中身も一人称俺なだけの幼女だよあんなん。

 少なくとも、聖女を経験した指輪の俺よりも女の子の思考と動きしてるからな。割と顔に出て、食べ物に目がなくて、興奮すると呂律が回らないとか誰が転生者だと疑うんだか。仮に転生者だって健太に言ってもきっと1歳の子供が転生したと自己完結するね。

 

「こんにちは、真倉家のお嬢様。本日はよくぞおいで下さいました」

 

「こんにちは、今日はいい話し合いにしましょう?」

 

 と言うわけで今いるのは幕張ホール、その一室である。「HIW」はネットポリスなだけ有って警察署が本拠地な訳なのだが、だからと言って常にそこにいるわけでも無い。

 世界規模だからな、怪異の対処もしているだけ有って転々と移動するし、事件の起きる現場の張り込みもある。

 今回の会談も、そんな張り込みの最中にこっちが無理言って席を設けさせたって訳だ。

 これは全部真倉から教えられた話だな。生身の事になると態度露骨に変えるし、その親切心を少しは他の奴らにも分けろって思ったね。

 

[見た感じこの部屋には怪奇は居ないよ。精々怪異がアイドルになってうろうろしてるだけだね]

「…ふむ。では時間も無いですし早速本題に入らせていただきます。今回の会談の目的は「謎の組織が作り出したゲェムが怪異に配られている為、共同戦線を張りたい」と言う物です」

 

「ああ、事前に聞いたよ。望外な技術力を持った宗教組織、そんなのがあれば確かに脅威だ。そして、それが怪異に配られているというのも聞き捨てならない。変質した後の奴らは話題性を得る為に何でもする存在と化した。そこにゲェムという物があれば、被害が出るのは免れないだろう」

 

「話が早くて助かります。そこで私達は、其方の管理する怪異に対して研究する班と環境を作り、ゲェムに対するノウハウも共有していきたいと……」

 

「‭─‬‭─‬‭─‬少々良いかな?技術のある宗教団体、確かに脅威だ。しかし怪異と言う我々が秘匿し、限られた人しか知らない存在を知っている大企業も、国としては脅威なのだよ。その点、身の潔白は用意しているかね?」

 

「…ッ」

 

 真倉が痛いところを突かれたという反応をする。まぁ怪異の情報って俺が教えただけで、本来なら国や怪異の存在を知った人を忘れさせに行く人達だけだからな。

 変質する前は噂が広まる前に揉み消し易い様にして、それ以上怪異が広まらない様にしてたし、変質後は話題性を維持できない様にして消滅を図りつつ新しい怪異が産まれない様に情報発信の正確さを追求する。

 『ウワサネット』がネットで新しい怪異を生み出すから「HIW」が主導してるだけで、怪異を知らずに活動している人を含めたら、ニュースを発信するテレビ局や新聞屋、ラジオに個人の書いたブログの管理人まで関係するからな。

 風説取扱の免許に纏められてるだけで、結構雑多で其々スタンスが違うし、その中の国の管轄する組織でやっと存在の影を踏める。

 そんな怪異を知ってるとか、ましてや固有名詞も言えるなら、まぁ警戒される。

 

[霧晴、聞いてるならなんかアドバイス頂戴!]

[怪異を知るキッカケとなったゲェムの危険性を言うとかでどう?]

「…だからこそです。私達も、別に知りたくて怪異を知った訳では無い。ゲェムを追って行く内に、その存在がいると理解した。そして、この宗教組織に対する警戒も芽生えた。良いですか?情報においてこのゲェムは無法で無秩序なんです。その銃口を向けるべきは私達では無いし、原因は叩かなければならない‭─‬‭─‬‭─‬しかし、先ずはこの一件を何とかしなければならない。そういう話なんですよ、これは」

 

「…成程、初めは子供が来て何事かと思ったが、決して我々を馬鹿にしに来た訳ではなさそうだ。失礼したね。手が足りないとはいえ怪異は扱うのに慎重にならないといけない存在だ。半端な者では寧ろ悪化させかねない。時間が足りないからこそ、今試させて貰った。細かい話を詰めようか」

 

 そんな感じに話し合っていると、停電が発生した。

 この感じは『パァ』か。誰がやったのか知らないけど、「HIW」と『ウワサネット』の主戦場であるネットと遮断した辺り、随分と知恵が回りそうだな?

 

「…これは」

 

「真倉さん、此処で待機を。我々は電気が無くても何とかする手段があります」

 

 向こうのお偉いさんが鏡を取り出した。周波鏡だな、渡した時は心配していたが、しっかり機能してそうだ。

 

「報告を」

[はっ、確認した所、停電は怪異の仕業では無いかと。ですが、怪異が関係しない訳では無さそうです]

「誰かが対抗策としてか?」

[で、あるかと。電子機器が使い物にならなくなった途端、怪異の連中がボロを出しました。どうやらアイドルに化けて何かしようとしているみたいです]

「そこまで分かればいい。直ぐに放送がされても問題ない様手を回せ。放送阻止は時間がない。向こうが何をしても、それが想定通りであるかの様に振る舞い、異常な事をしたらCMを差し込むんだ」

[了解です。アイドルと各関係者の救助と並行してテレビ局に手を回します]

 

 それから複数人に連絡を行い、お偉いさんは一息ついた。停電してる中でも、疲れてるのがわかる声だった。

 

「失礼したな。現場が動いたからには確実に対応しなければならなくてな」

 

「いえ、それは重々承知ですが…この件はどの様な?」

 

「全国のアイドルを集めたライブ…と言う名目で行われた人気と話題を無秩序に集めた企画だ。どうもテレビ局で夢の様なライブをしたいと言い出した奴が居たみたいでね、人の関心が必要以上に集まる企画で怪異が顔を出さない訳が無い。事前に爆弾や犯行予告で仕込んで、奴らが何かしないか見張ってたんだよ」

 

 見張りは鏡とカメラの二つを用意しなければならないからな、と言ってお偉いさんは汗を拭った。

 停電でクーラーが効かなくなったからな、籠った部屋なんて、夏じゃあ簡単に暑くなる。

 まぁ、真倉の汗はそれだけじゃ無さそうだけどな。朝に俺を渡す時、ライブに参加するとか言っちゃってたし。

 

「…あの、すみません。その会場を見れませんかね?」

 

「…えぇ?どうしたんです。そりゃ鏡を見れば出来ますが、真倉さんが関わる必要は…」

 

「いいから!友達がライブに参加してるの!」

[因みにトップバッターだよぉ]

「もう始まってる!?」

 

「それなら気になりもしますか。分かりました。指示も終えましたし、今映しましょう」

 

 お偉いさんが鏡を操作して、鏡がその映す景色を変えた。

 

[ちょーっと待っとれ!みんな静かにしよう!私様だ!]

 

 何をやってるこの馬鹿は?

 

 映ったのは、貞子みたいに髪を前に降ろし、真っ赤な液体を垂らしながら、頭をブンブン振り回して、頭にフランスパンを二つ刺したゲーミングに光る豆柴の着ぐるみに下半身を埋めんだ霧晴千歌が居た。

 

 …うーん?どう言う事だ?エミュをするにも状況が把握出来ないな。何がどうしたらそんな事になるの?そして悪魔博士の喋りをしてるんじゃぁないよ!さては盛大に酔ったか!?酒瓶見えるし、何でか知らないけど被ったんだな!?

 

「…霧晴、アレはなに?」

 

 あ、良かったバレてない。男性っぽい低音を出してるのが効いてるのか。

 どうせこの調子だとファウストって名乗るだろうしそっちに合わせるぞ?

 

[うーん、ファウスト博士かなぁ?]

 

「おー見たところみんな揃っとるな、私は「ファウスト博士」だよ」

 

「このふざけたツラした怪奇が霧晴に認知されてるって自体がもうなんか違和感あるわね」

[えぇと…開発担当の博士…的な?ジョイボーイと仲がいいって設定の奴だねぇ]

「なにその物語の設定みたいなの。怪奇なの?」

[怪奇じゃないかなぁ?]

 

 何で俺は前世の黒歴史ノートの設定を一部開示しなければならないんだ?

 

「真倉さん?誰と話していて?」

 

「あ、済みません。こっちの情報通と少し」

 

「何か情報が?」

 

「多分宗教組織の開発班の人です」

 

[そんでこの怪奇はよ、お前達の力をみんなチュ〜っと吸い取って、ほんでお前達は皆ただのベラベラのゴミになるだけだ]

 

「ほら、なんか取り出してますしそうじゃ無いですか?」

 

「会場の人の命だけとか言ってるし、本当に危険な思想の組織だ」

 

 おっと、知らない話だな。趣味で開発している設定のアイツ【ゲームガチャ】の人だったのか。んな訳無い。話のタイミングが合いすぎてちょっと変な方向に行ってるわ。正直に言った方がいいな。

 

[真倉、宗教組織の人じゃ無いから]

「は?違う?じゃあなによ」

 

[『ねぇ知ってる?「リリカルガール」ってお酒被ったんだって〜』]

 

[うん、私だて。攫われだて、んなもんむちゃくちゃしちゃるわ。暑さの余り酒被ってやった]

「…えぇーー?あれがぁぁあーー?ばーかーのーやーるーこーとーよ?何してんの?」

 

「取り敢えず、混乱した観客の避難もしなければ…もういいでしょう?指示を追加で言わなければなりません」

 

「あ、はい。ありがとうございました」

 

 よし、後は沈黙を貫くだけだな。後は任せたぞ、生身の俺。

 

[…あぁ?]

 

 それを最後に、混沌とした現場の映像は終わった。どうか無事であってくれよ?

 

 


 

 

「何だおみゃー剽悍な格好して?博士の発表を邪魔すると?」

 

「アイドルライブが継続するならこのままでいいかなって思ったけど!そういう注目の集め方は想定してなかったの!だから、此処で止める!」

 

「変なことを言うなぁ。おみゃーが望んだ結末だろ?私はそれを叶えただけだわ」

 

 なぁんか悪者らしく振る舞えばいい感じか?何だか今はいい気分だからな、それもまた面白いってことで受け入れよう。魔法少女風のライブは雪町の本来のやり方だからな。折角の大舞台、やりたい様出来るように手伝おうか。

 

「…あぁ、あぁ、そうかそうか?おみゃーメシア気取りか。私の嫌いなの三つ言ってやる。悪魔を祓う奴と、発明品を盗む奴と、おみゃーみてぇなぐだぐた文句たれっながら邪魔する大馬鹿だ。さっさか消えろ」

 

「それなら仕方ない。私は全力で貴女を止める!」

 

「おい蟲、人形、火卵、仕事だて。自分らで動け」

 

「…え、ちょ!怪奇3体と!?え、サイコー…!じゃ無くて逃げなきゃ!千歌、逃げよ!」

「寝る」

「千歌ー!」

 

 蟲が這い進み、解放された火の粉が爆炎と大きくなり、人形が人を轢きながら走り出した。

 見た感じ、怪対員の…なんだけ…ひーうぉ?がいんべ?なら大丈夫だ怪奇よ大暴れよ。

 そろそろふらりと二人に見えるなぁ雪風…雪町がよ。何とかしてるし、何とかしてくれてるし、眠りたいな?寝るか。疲れてたし。

 

「むにゃ…誘導してる人に言えよ?真倉に転移手伝って貰えって…上に掛け合ってってな?…ねむ」

「え、本当に寝るの!?全部燃え始めてるよ!!」

「なら…ふぁ…泡じゃ…泡する言うたろ?海から貰えってな…くわしーは知らんが…ふゃ…真空なら無力な怪奇な火だな。魔法使いなら出来……たぶ……」

 

 意識が真っ暗になる。やっぱり連続で動くのは無理だよ俺は。

 1週間に一回人と関わるのが……げん…か…うむぅ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 目覚めた時、俺は病院に居た。懐かしいなぁ入院生活。前世と赤子の時くらいだよ。

 

「あー…頭がガンガンする」

 

 ナースコールを押しつつ、全身の確認をした。

 メガネ有り、雪町に貸した左手袋有り、指輪有り、蟲無し、謎の封筒有り、足に包帯有り。

 

 両足先なし。半透明な両足有り。

 

「霧晴さん、目が覚めたんですね!」

「あぁどうも。今何日ですか?」

「まだ来てから手術して夜になっただけですよ。1日も経ってません」

「どこの怪我を私はしましたか?」

 

「…落ち着いて聞いてくださいね?」

 

 カテーテルがある事を確認し、下半身の感覚がないのを確認し、麻酔だと理解した。

 

「あれから貴女は雪町さんの頑張りにより助けられました。幸い火の怪奇も対処され、ドームも大して壊れていません。雪町さんは素晴らしいアイドル()()()

 

 あぁ、この感じは身に覚えがあるし、今までよく見たな。

 

「死んだんですか」

「……いえ、今は意識不明ですが、血が足りなくて気絶しただけですし、いずれは目覚めるでしょう。しかし、血を出す為に付けた傷跡は…もうアイドルは無理でしょう」

 

 あー、そっちの意味か。本当に死んでたらどうしようかと…まぁ、アイドルとしては死んだみたいだけどさ。

 

「火が貴女の足に付き、全身に燃える前に自分の血を泡にして消化したと聞いています。その後は怪対員と各所の努力により、問題は解決されたと」

「死んでないなら…まだマシかな。それ以外の被害は?」

「誰も。貴女と雪町さん、二人だけです」

「足は切り落として?」

「いえ、既に燃えて骨だけが出ていたのを整えた形になります。血の巡りが問題ない様、調整したと思ってください」

「歩ける様には?」

「可能です。ですが、長いリハビリと訓練、それから歩く時の痛みに慣れなければなりません。普通は地面と触れ合わない箇所ですから」

「走ったりは?」

「ほぼ不可能です。険しい坂も同様に。出来ないのでは無く、本来とのギャップと負担が難しくさせるかと」

「ありゃあ…体育は無理かなぁ」

 

 まぁ普段から身体は弱い方だし、まだ軽傷だからいいか。

 

「他に質問はありますか?」

「いえ、ありがとうございます。ただ最後にカテーテルを外して、松葉杖をください」

「分かりました。松葉杖の使い方は?」

「大丈夫です。一回下半身が動かなくなった事がありますから、車椅子の乗り方も松葉杖も、どっちも分かります」

「そうですか。入院記録はコレが初めての筈ですが…いえ、今持ってきますね」

「あ、言い忘れてた。今から退院しますから、そのつもりで」

「…まだ早いと思いますし、医師の判断ではもう何日か」

「怪奇、案件、なので…あるでしょう?そういうすぐに出れる条件が」

「…では、そう致します」

 

 この世界の良いところだよなぁ、怪奇を絡めたら簡単に病院から出れるのは。

 待ってる間に封筒の中身を読む。中身は解雇通知と入院費は負担する旨を書いた事務所の物だった。それから細かい事は向こうでやるらしい。

 まぁ、疫病神過ぎるもんな。仕方ない。

 足の包帯をそのままに、降りる。手と同じ感覚で地面に立てた。ただ、持てる重さも手と同じみたいで、靴も無いから地面すれすれに浮いてるみたいになっている。断面に痛みは走るし、実質背が低くなっただけみたいな感じになるな。

 いやー、その内デフォルメされた野球ゲームみたいになりそうだ。ちょっとショックだったが、まぁ自業自得だし仕方ない。許容範囲だ…酒は二度と呑まない事にするか。

 

 松葉杖を持ってきた看護師に、やっぱり要らない事を伝えてから病院を出る。

 夜の電車に乗って鎌ヶ原に行って、途中適当な店で杖を買う。

 杖はできるだけ短い物を選んだ。コレで少しはマシになるかな。前世と違って白くないし、良い感じだな。使い慣れてるから新品でもよく手に馴染む。

 

 コツ、コツ、コツ、

 

 のんびりと、まだ麻酔が効いてて半分くらい感覚のない足で歩く。杖がある分、今までより早いまであった。さて、まだ聞いてない事がある。指輪に聞かないとな。

 

「…ねぇ、もし割り込んで燃やさなければどうなってたと思うかな」

[お偉いさん曰く、そのまま怪異のライブが進んで、最後のみんなでさようならをする時に本物と一緒に観客の大半を燃やしてただろうってさ]

「まぁ、『火卵』がある時点でそんなものか。アイドルの待機室の隣に火の粉を置いてたのも確実に殺す為かなぁ?」

[そして、こういう噂を数少ない生き残ったファンに流す訳だ。あの目の前で死んだアイドルを蘇らせる方法がある]

「…あー、読めた。他のアイドルを殺して捧げればーって感じ?」

 

 そうなったら大変だな。各地のアイドルが殺されて、そして本当に蘇るだろうから。

 今度は中身を怪異に、肉体は人間に。今回みたいに化けるんじゃ無くて、「本物」になるんだな。

 …あ!あぁ!あぁあぁ、そういう?

 

 成程、理解できた。「定期的に話題になりつつ、日常に溶け込み、本物とかけ離れた(偶像)」!!!

 今の怪異が求める在り方って、アイドルなんだ!

 

 分かった!分かった!分かった!確かにそうじゃん!今の怪異の生態に一番合ってる姿はアイドルだ!なら、そのアイドルになる噂を使って、器も用意して、あぁ!

 死んだアイドルの魂は『霊脈』に流れるから蘇生は無理!だからその隙間に噂を使って怪異が入る!正当な蘇り!今の怪異の求める、求められる日常!奇跡の再現で話題にもなる!

 

 あー…今回の奴、怪異視点だとめっちゃ合理的で賢いやり方なんだ…アイドルを怪異の器にして、成程ねぇ…

 

[そ。俺が聞いた未来のお前は、そうして騙された誰かのファンに捧げ物として殺されてた訳だ]

「…ならマシかな。俺と雪町だけなら、マシなんだなぁ」

[あそこで燃やしてたのもまぁ悪い手じゃない。少なくとも、ドリームライブは怪奇に狙われて失敗に終わるって世間に知らしめなきゃ、また似た様な事が起きるし]

「だろうね。こんなビックチャンス逃したくないもんね。もし私が怪奇なら、今度はもっと慎重に狡猾にやるよ……にしては、私への妨害とかは無かったなぁ?」

[アレじゃない?『ウワサネット』が入る予定だから、下手に傷付けるのはダメと言われた…とか]

「ありそー…この身体、特に脳の眼は再現できるかは怪しいもんねぇ…」

 

 そんな感じにぐだぐだ、コツコツ、いつの間にか家に到着した。

 何だか損と余計な事しかしてない気分だが、コレで良かった部分も大いにありそうだなって気分だ。

 兎に角暫く動きたく無い。ずっと本を読みたい。来週には転校生の家に遊びに行く予定があるけど、今は兎に角考えたく無い。

 

 だからまぁ…母さんも足を見てそんな怒らないでね?

 無くしちゃったけど…まぁ、まだ歩けるからさ。

 

 






霧晴千歌
 ドリームライブ企画を芸能界にとっての禁忌にして、雪町にアイドルの道を絶たせ、それ以外の被害は出させなかった。運がなくて無くした足以外は最適解やってる。
笠木雪町
 血を泡にして密封空間を作り火を鎮火させた。この後医師の努力で傷は治せたが、良い機会なのでアイドルは辞めた。
他のトップアイドルの方々
 残念な結果になった代わりに命は助かった。
真倉朝凪
 霧晴の手術結果を聞いて顔が青くなった。
HIWの方々
 怪異の狙いに気づいて冷や汗をかいた。ゲェムが知能を上げる力があるのではないかと疑っている。

『ウワサネット』
 残念ながらまた今度。
『存在しない訪問』
 尋ねるのは慣れててもそれ以外下手くそ。
『蒸気蜂』→『赤い蜂蜜酒』
 飲んだり被りたくなる怪異。いい線行ったけど手伝いが足りなかった。
『放心みかい』→『迷子の案内板』
 目的地に辿り着けなくなる怪異。無秩序に動く『人形』は想定してなかった。
『とまる』→『偽正常性バイアス』
 何もしなくても大丈夫だと思わせる怪異。無駄に閃いたら即行動する性格のせいで突破された。
『拾いもの』→『フランスパン殺害事件』
 フランスパンを殺したくなる怪異。『人形』のフランスパン風の飾りにされて無力化された。
『からころ』→『息の根の止まる方へ』
 能力を1/10にした上で無自覚に死に易い方へ向かわせる怪異。死ぬ方へ行くと事件を解決しちゃうタイプの人間が居た。

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