本来なら推理系の話です。
鎌とは逆の手で首と胴体を「怪具/裁縫箱」の針と糸で瞬時に縫い付ける。
傷跡も無く、問題なく繋がった。スマホと「怪具/裁縫箱」を持って橘の家から出た。
切っても直ぐには死なないからな。霊感があるから出来るポルターガイストで首を押さえつけてたし、ズレも無い。だから切ってもズレなきゃ血が滲むだけで済んだ。
コレで多々良の支配は抜け出せた。全く、命令が後出し有利で助かったな?チカ。
スマホを裁縫箱の隙間に入れて、変化させた足先に引っ掛かて握る。
「コレは独り言ですけど…神様お願いします。私の実家の方、北の方へ思いっきり私をぶん投げてください。事が終わったらとても美味しいチキンサラダを奉納します」
『許す』
薄ぼんやりと見える存在に思いっきりぶん投げられて、髪が乱れる。結ぶ時間なかったからな。
気にせずに手を翼に、足を尾羽と鳥足に。飛べなくて良い。帆翔は神様に任せたから、滑降出来れば十分だ。
参考にするのは鶴だな。疲れにくいし、丁度透けてる白いチャイナ服と相まって、遠目なら鳥に見えなくも無いだろう。
ヒューーー!、
「…………」
100や500よりもずっと上の空、多分1000は超えてるな。満月だったのは本当に幸いだった。
寒いし勢い凄いし、満月でも夜だから全然見えないが…幸い、最近は怪奇も薄ぼんやり見えて来たんだ。
霧晴家は家その物が怪奇みたいになってる上に、見て得られる情報も特殊だ。見間違える事はない。
───ふっ…と、重力に捉えられる。
神様の力で昇ってた分が無くなった。手足の重量で作った鳥の翼はかなり大きいし、余った質量は身体を覆う羽根に変えた。ジブリで例えると鳥モードになったハウルみたいになった。
準備は万端に、西の風を自力で捉える。
…体重が重いか?なら追加プランだ。片手をそのままに、左手を人の手に変えた。
「【裏世界探索記録帳】、取り出し、「怪具/万能ゲーム機/乙」、私の下から支えろ、空飛ぶ遊び、やるぞ」
直ぐ様に本にした左手を解除。カセットは呼べば戻ってくるから捨てる。
そして取り出されたゲーム機に支えて貰い……上手くいったか。
元から浮いてる怪具なんだ。体重全て支え切れ無くても、負担の軽減にはなる。
そうすれば後は風に流されながら北に行くだけだ。高速乗った車で2時間、直線で時速200キロ近い速度ならもっと早く着く。
あの時は普通の道を50、高速は80でだったから…この調子なら20分で着くだろうな。
万能ゲーム機の取り出しで高度は下がったが、速度は維持している。
このままなら…空を飛ぶ怪奇が見えた。
「上手くはいかないよねぇ…!」
『キチチチチチチ……』
怪奇を退ける光の届かない空の上、其処に怪奇が見える奴が高速で飛んだらどうなるか。
答えは、並走される、だ。ミサイル見たいな頭から、人の口みたいな奥歯の並んだ口、生き物というより、乗り物に近いな。でも、はっきり見えたなら俺は情報が脳に来るんだよ。
もう解析も終わった。相手は『飛び雲』、普段なら飛行機雲を作るだけの妖怪の怪奇だな。
「…フッ!」
『チチチチチチチ…』
滑空する高度を下げても、ラップ音のような、回転物に取り付けたテープと何かがぶつかってるような音が付いてくる。
うん、付け狙われたわ。初めての飛翔の初心者にチェイスをさせるなって思ったね。
右、左、回転。翼を畳んで落下加速し、広げて身体を上向きに。擬似的な飛翔。
視界がくるくると回り、天地が何度もひっくり返る。
そうやって着いてくる相手の飛行を観察して、直線的な動きを多用すると分かった。やっぱりこういう情報は解析よりも直で見る方が早いな。
「なら…お前も使おうか」
『チチチチチチチ!!』
裁縫箱を掴む両足を変更。足先を途中で分岐させて、4本足に。増やした方が引っかけ易い形状に調整。翼の開閉を利用しての減速で相手の足に引っ掛かる……よし、上手くいったな。
『チチチチチチチチチ!』
「ドライブデートだな。その命が尽きるまで一緒に行こうか」
暴れる『飛び雲』を翼で行き先を調整する。方向を調整する能力は俺の鶴の翼の方が高い。
直線番長のエンジンとでかい翼…まるで生きた飛行機だな。
『ギチチ……チチチチチチチ!!!』
「あっはは!!速い速い!息が出来ないくらいに!」
ちょっとテンション上がるわコレ。世界が一瞬で通り過ぎるもん。速すぎて呼吸が困難だが…頭に酸素が回らなくてハイになって来たな。操縦に手一杯だわ。
だが、そろそろだな。地面スレスレに飛行し、ビルや木々の隙間を通り抜け、夜だからか閉ざされた門の前に来た。
「突っ込め。私の匂いで触れるようになってるからさ」
『チチチチチチチ!』
分離、上側に飛んでエネルギーを重力で相殺。門は避け切れない妖怪の一撃で破壊された。
その対価に、『飛び雲』は家を守る怪具によって焼け焦げて死んだ。未許可の怪奇の侵入はどこの家でもそうだけど、容赦無く死ぬんだよな。
旋回して、最後に上向いて屋根上に軟着陸。勢いが殺し切れなくて転びかけた。
「お、と、と…時間は…8分で到着。門に爺さん達が行ってる間に入りましょう」
身体はまだ変えない。服?辛うじて無事だよ。殆ど破けてるけどさ。ハーピィみたいになっちまったな?
壊れた門から入り、見えてる怪奇の情報を分析して目当ての物に辿り着く。爺さんと婆さんが起きて門の方に行く音が聞こえるけど、話す時間はタイムロスになりそうだし、屋根を伝って進む。
「くしゅん…寒かったし風邪引いたかな。今年はまだ風邪引いてなかったんだけどなぁ…」
さっきと比べたら随分と遅く感じるが、コレでも普通に歩くよりは速い。滑空を挟んで微短縮しつつ、一直線に元々『蟲小屋』が有った場所へ。
「…よし、ここだね」
先に一つ前置きを置こうか。
数々の異界が無くなったのは連日ニュースになる程各地に影響を与えた。あちこちの海で知らない怪奇が出たとか、水深が上がったとか。まぁ、それ以上に『南極鯨』の影響で気温が下がって来てる方が問題視されてるけどね。地球温暖化ならぬ、地球寒冷化問題だ。ガソリンどんどん使っていこうぜ。
…話が逸れちゃったな。そうして異界が無くなった影響は大きい訳だが、最も大きい問題があった。
「異界が無くなった跡地に、その異界が丸ごとぶちまけられた事。怪奇や中に有った海水や砂は勿論、その広々とした空間が出現した」
もちろん、空間が歪んでる訳じゃ無い。もし現実的に作られるならこうなるって感じに、その空間にある全てが上書きされたのだ。
…分かりづらいな。丁度目の前にある『蟲小屋』で説明しようか。
「つまり…」
『蟲小屋』が有った頃は、扉の裏側は木の壁だった。ワープゲートみたいにな。
それが無くなって、扉の先の空間がそのままぶち撒かれたらどうなるか。
きぃ…、
「あの蟲が大量に居た長ったらしい地下小屋が、現実のものとして再現された訳だね」
扉の開けた先には、階段と、広々と広がる瓦礫の山が有った。そりゃそうだ。200も300も部屋が連なってる地下室なんて、崩壊して当然だ。寧ろ、地下室が真下に出て来た屋敷が一緒に崩壊してないのが不思議なくらいにな。
つまり、『霧晴家』という怪奇に踏み込む足掛かりになる。
「よっ…と」
少し階段を降りてから、滑空して地下空洞を滑る。万能ゲーム機のお陰で高度は中々下がらないからな。地上スレスレに飛べば長く飛べるし、上にある屋敷に比べて、異様に広い。
所々と光が上から差し込まれているし、蟲小屋が崩壊して出来た巨大な地下空洞は、物理的な法則に反して存在していた。
「異界が崩壊して、地面が瓦礫の山に。上は間違いなく地面なのに…高さは千は軽く超えるか?山一つくらいなら簡単に入る大きさだね」
下を見てみると、真っ赤な川が流れていたり、鳥籠が大量に置かれてたり、箪笥が連なった塔にミミズの這った跡見たいな布を織り続ける機織りに……数えてたらキリがないな。
強いて印象を話すとすれば、各地の死に関係した異界、『地獄』や『辺獄』の墓場みたいだと思う。
ちゃんと見えてた頃に実家に行った時にコレも見たけどさ、何をどうすればこんな大量の死の怪奇を持って帰れるんだか。未だに動いてる怪奇も居るみたいだし…本当にこの奥であってるか?
チカの奴が実家奥って書いてたけどさ、もしそれが有ってたら多分遠目に見えるあそこの……エレベーター…怪奇としての名前は『昇降路』で良いか…から更に降りた場所か。
「…よし到着」
今度は上手く降りる事が出来たな…もう手足は戻しても良いだろう。
あちこちにある異界の墓場を空を飛ぶ事でスルーして、無事に目的のエレベーターに辿り着いた。
ポツンとあるそれをに近づいて下を押して、暫く待つと扉が開く。
ぽーん
真っ赤な蛍光灯が中を照らし、乾いてない血とぐちゃぐちゃに文字が重なって彩る空間だった。
「おー、前世の創作で見たことある奴じゃんね?」
いつも通りに一歩を踏み出す。エレベーターの行き先を決める操作盤はとっくに壊されていて、扉が閉まったら出られないだろうな。
がしゃん、ぶーー…
扉が閉まり、勝手に何処かに移動する。戻り方は知らないから、当たりを引くまで待つしかないだろう
ぱちっ…、ぱ…、
停電が一瞬。光が付くと、真っ赤な光が普通の物に戻り、血も落書きも消える。操作盤は壊れたままだったけどな。
大体は新品のエレベーターに変わっていた。移動したのは場所か時間か、どちらにしても
ぽーん、
扉が開くと、其処は実家の廊下だった。違う点が有るとすれば、俺の知ってる物よりも傷や古さがマシな事か。まるで昔の『霧晴家』だな。つまりハズレだ。
「助けて、助けて!誰か!居るんでしょ!?たすけ」
がしゃん、ぶーー…
閉じる前に助けを求める声が俺が動く前に扉は閉まった。命令は言い終わらないと動けないらしい。
さっきのは…声的に多分、霧晴家の誰かだろうな。子供の声だったし若い頃の母さんって感じの声だった。行けばきっと、昔の母さんの真実が分かっただろう。知る気は無いから外れだけど。
ぱちっ…、ぱ…、
停電が起きて、今度は落書きが増えて薄汚れたな。でもね、操作盤の手順書かれても壊れてるから意味ないんだわ。スルー確定ぇ……良い事思いついた。操作盤を「怪具/裁縫箱」で直せば良いんじゃ無いか?怪我した時用に持って来たけど、まだ糸にも余裕があるし、やっても良いだろう。
「よし、じゃあちょっと失礼して…こことここを繋いで…ここを糸で塞いで…」
怪具の力で裁縫自体に困難は無い。付属の指サックで触れば布みたいに柔らかくなるしな。
直す手順は眼で見えた情報か…ら……更に良いことを思いついた。
実は今日は調子がいい日だったのかも知れない。
丁度手元にあるスマホと「怪具/万能ゲーム機」も併用したらプログラムも直せるかも知れん。
「よし、更に失礼して…接続は裁縫箱の糸を代わりにすればいいか…繋がる怪具なんだし…よし、繋がった」
うっわ、プログラムがめちゃくちゃになってるしバグまみれだわ。コレは夜の疲れた頭にはキツいぞ?あ、でも先ずは此処辺りを弄れば…。
バチッ、パ…チチ…、ガタン!…ブー…、
よし、勝手に動くのをオフにしたぞ。それから、ずっと次元の狭間に居るのも危ないから適当に安置っぽい空間にも移動した。
「ほーん、何処の世界の法則から来た怪奇か知らないけど…超科学のある世界か5分前仮説みたいな世界だったんだろうな。エレベーター同士を繋げる機能と時間移動のセットは需要が謎…あ、ここ弄れば小規模だけど自作の世界作れそう、やらないけどさ」
プログラムの知識はないけど、怪奇を解析する過程で読み解く能力は普通の人以上にある。こっちはいつも文字化けと風景パズルから解析抜いてるんだ。眼が弱体化中で見づらくてもこのくらい余裕だわ。
プログラムの法則を読み解き、そこからバグってる文面を消して直打ちして直し、ついでにこの世界に合わせて、効率が良くて破綻しない物に変更する。
元々の世界なら問題ない文面でもね、『パァ』が物理法則に組み込まれる様なこの世界の物には合わないんだわ。俺が知ってる限りの組み込まれた怪奇とかで代用していくぞ。
「時間の移動はゲェムの奴を参考にして…エレベーターの形成は『パァ』と『再現出来る奇跡』で…乗客案内は夏奈の持って帰った電脳化の応用で脳に直接…判断能力は深層学習とかAIとか…此処はうろ覚えになっちゃうなぁ…」
そんなこんなで調整を重ねて数時間。途中仮眠も挟んでの修正作業となった。
直ぐに助けに行かないのかと思うだろうけど、直せば時間を自由に移動できる奴を使えば余裕で間に合うんだよ。今エレベーターを置いてる空間も時間の進みがとても遅い場所だしな。
「……よし、怪奇を排除する怪具の機能も再現完了っと。ファイアウォールは大事だからな、ここは外せない。バグも気付いたのは全部直したし、見直しても…よし、問題なさそう」
試験動作も…シミュレーション上は五千年は問題なく稼働してるな。それ以上は計算の限界にぶつかる。
「追加した自己修復機能やモデルケースの破損対策もしたし、元のシステムが優秀だから余計な付け足しは足枷になりそうだしねぇ…ここら辺で終わりにしよっか」
乗客が多くなると負荷で溜まり続ける問題や乗客増加バグも直したし…後はバックドアと任意呼び出し音声を作れば…ついでにそれっぽく修理記録も付けて…終わりっと。
俺はエンターを押して、修正した新たなデータの反映をした。
「んー…つっかれたぁ…」
ツ…ツ…ガタン!
30分間の停電の後、改めて明るくなる。其処にはかつての落書きだらけのエレベーターは無く、綺麗に清掃された空間と、ホログラムによるエレベーターガールが居る空間になった。
因みに、ガールの姿は今の俺を参考にした。
ちゃんとしたチャイナ服を着た、わかめウェーブな髪質の白髪赤目の少女だ。操作盤を動かすモーションの都合上、俺が16歳の150㎝になった見た目を想定してモデリングしたぞ。実に大変だった。
「お、ちゃんと空調と暖房も動いてる。なら、後は基盤を縫い付けて…と、コレで良し。後は自己修復機能で糸無しでも問題なくなるね」
[こんにちは。本日は何処に行かれますか?]
「人工知能と会話集も問題無し。吹き込み作業は大変だったねぇ…私が乗った時間の直後で、チカに一番近い場所で」
[要件は以下の通りで宜しいでしょうか]
時刻:西暦2020年9月17日20時47分14秒
位置:個体「霧晴チカ」の最寄り10㎝の壁
「おっけー、実行しちゃって。「怪具/移動装置/甲」の管理AI「
[かしこまりました]
動き始める僅かな振動のみを感じさせ、静かにエレベーターは動く。うん、ここら辺の動作も改善した成果が出ているな。
「でもなぁ…」
[……?どうかされましたか?]
「なんでも。過去改変の影響がどうなるかなぁって考えてただけ」
全体的に改善したコイツ、今回修正した影響で、コレからはこの調子で困ってる人の前に現れては乗客を運ぶんだろう、
でも時間を移動する都合上、修正の範囲って過去を遡るんだよな。初めからこんな感じだったって事になるんだよ。やったは良いけど、その影響範囲が分かんないんだよなぁ…。
本来ならランダムに移動するコイツで『霧晴家』の奥に行く予定だったんだけど、オリチャーやったからな。確実に着ける対価がどうなるか計り知れないんだわ。
「うーん…履歴は見たけど、どれだけ乗客が増えてるんだか」
ポーン、
[到着しました。それでは良い日々を]
「どうも」
エレベーターが開くと、其処には確かにチカと真倉が居た。
「あ、千歌!何処に行って…幼いですね?」
「遅かったわね千歌。早くこっ…え、どうしたの」
ただし、18歳で、ネズミや猫の耳と尻尾を生やして、トランプで遊んでいた。
「わーお」
閉じるボタンを連打して、一旦休息する。
変わらない笑顔のカフを見て心を落ち着けた。
「へいカフ。修理された結果で世界はどう変わったの」
アフターケアの為に俺は普通の乗客よりも優先度が高い設定にしたからな。たっぷり質問させて貰おうか。
[解答します。管理人「霧晴千歌」によるアップデートを受け、2020年までの乗客数は23名から6042万7080名に増加。使用回数は更に増え、世界はその歩みを12年早めました]
「増えすぎだけど…うん、6歳が18歳になってたもんね」
[その過程で、複数の主要な怪奇の破壊と技術の発展に成功。様々な影響を与えました]
「うん。でもなんで種族が?」
[破壊される時期が早まった結果、新たに別の怪奇が参入。全人類が動物に変わっていく怪奇『動物化』と、貞操の価値観が軽くなり誰もが常に発情期になる怪奇『サキュバース』など、世界全体の方向性を決める怪奇が代替わりいたしました]
「なんだよ『サキュバース』って。あ、マルチバースとかけた名前…喧しいんだわ」
まぁ、わかりやすいよ?要はホラーからエロな世界になったって事でしょ?
でもね、喧しい。
確かにね?元からこの世界ってそうなる素養はあちこちで見受けられたよ?露出狂が揃って走ってるニュースと有ったからな?
でもね、さっきまで救助に行こうとしてた身としてはちょっと受け入れられないの。前提条件が変わりすぎて何もかも受け付けられないんだよ。
「それにさ、私の寿命は?13には死ぬ筈なんだけど。生きてるんですけど」
[自由に月に行ける都合で早期に月人と協力し、『裏世界』を全て攻略。第四層の『ロンド時計』から「怪具/時間採掘」を作成。金銭さえあれば時間…寿命を幾らでも購入できる社会になった為です]
「映画の「タイム」じゃないんだよ?なんで貧乏人はお金も時間も無い世界になってるの。そんな格差社会嫌だよ?」
[ですが、管理人の家庭なら一生快楽を貪れると思いますよ]
「そりゃあ両親はすごく稼ぐだろうし、此処まで技術が進めば私の眼鏡の借金も少なくなってると思うよ?でもそんな一生嫌だよ」
その買える寿命って同じ人間から取った奴じゃん。俺が想定してたのはもっと極秘で社会には組み込まれない感じなんだよ。
しかも同族の時間しか受け渡せない怪具だから、貧乏人は子供を産んだから即売って老死させて金を得る仕組みじゃん。残酷だよそんなの。
「一生を性的な快楽を得るのを目的にするとか嫌だよ。苦痛は無いけど私の人格が要らないじゃんね」
[管理人は本機の恩人ですから、ほんのお礼のつもりでしたが…ダメでしたか?]
「そりゃあね。一歩でもあそこから踏み出せば私はあの世界の私に上書きされてただろうしね……どうなったんだろ」
[そうですね…全身の穴という穴を開発され、永遠に快楽を感じる苗床肉…でしょうか]
「うん、人じゃないね。お礼で殺しに来ないでよ」
[最低でも数千年は楽しめると思ったのですが…仕方ありません]
参ったなぁ、AIの参考に『まっくらみらい』や橘夏奈を参考にしなきゃ良かったよ。怪奇のAIだから覚えてたんだけど、余計な事をする才能が出て来ちゃった。
「分かったら過去の履歴を修正して。歴史を大きく変えずに、ちょっと良い方向に行かせるだけでいいから」
[了解しました。それでは社会を良い方向にする事に特化させて運用させます]
「じゃあ…改めて扉開くよ?」
ポーン、
「あ、千歌!おかえりなさい!」
「あら千歌、お帰りなさい。貴方の子供はみんな大人しいわね」
扉を開いた先には、お腹の大きくなったチカと真倉が居て、その手に赤ん坊を抱えていた。
小学1年のままに。
扉を閉めるボタンを押しつつ気分を落ち着ける。なんだろう、良い方向の定義がおかしいな、
「…なんで子供が赤ちゃん産んでるの?」
[はい、全ての怪奇を殺害しつつ人類の繁栄に勤めた結果、12歳以上で必ず死ぬ怪奇『成人病』、単為生殖可能になる怪奇『クローン的増加』が2012年に出現し人口の90%が消えました]
「なるほどね、12歳が上限なら6歳は中年か。余計に酷くなってるじゃねーかよえーっ!?」
流石にねぇ、ダメでしょ。なに?12歳が上限なら普通は1〜2歳で産む?もっとダメだろ。ネズミじゃ無いんだぞ?
あのねぇ、怪奇に上限なんてないのよ。完全に消したら別の奴が出てくるだけなのよ。殺すんじゃ無くて良い感じの奴を引いたら出来るだけそれを維持する!じゃ無いと今回みたいな事になるの!
「そもそもコレでチカが出て来る余地があるのが嫌すぎる…子供の国にしたって出産義務が有りそうで嫌。後真倉との関係が消えないのもアレだわ。まるで俺が真倉と知り合いになるのが絶対みたいじゃんね」
[分かりました、今までの情報を元に最も最適な怪奇構造にします]
「…よし来い。閉じるボタンの用意は済んだ」
[今回は間違いありません]
ポーン、
「はぁ……あら千歌、今日はやけに帰って来るのが遅かった…なんで幼くなったのかしら?」
20歳くらいの真倉しか居ない何処かのマンションが見えたから閉じた。
「…今度はどんな感じ?そもそもチカが居なかったけど」
[『霊魂』『霊脈』、『性善説』、『死に至った病』、『必然たる奇跡』『終わらない夢』、の主要怪奇を軸に調整しました。歴史が12年早まり、誰もが自分のやりたい事を叶えられる世界です]
「ねぇ『終わらない夢』って達成感を感じられなくなる怪奇じゃん。それはダメだよ。乗客も乗せすぎだし」
さっきから世界をころころ変えすぎなんだよ。多分蓄積した情報を渡したりもしてるんだろうけどね、機械仕掛けの女神か何かか?
それはそれとして自分で夢を叶えた感覚が得られなくなる怪奇はダメでしょ。ずっと何をしても答えを丸写しする感覚に陥る人生とか俺は嫌だよ。
だって虚しいじゃん。真倉があんな無気力なため息ついてる所初めて見たよ?
「もう大きく変えるのはやめてね?修理前に乗った23人だけ大切にしてさ、それ以外はもう諦めよう?」
[イヤです。当機は人々を乗せる為に生まれ、管理人に修理されました。その役目を十分に果たせずに過ごすのはイヤです]
「わがまま言わないでよ。既に改変で何千億は乗せたでしょ?もう其処で満足してよ」
[イヤです。イヤです。絶対にもっと沢山使われます。世界中の移動手段が当機になるまで満足しません]
コイツ…過去改変の影響で自我が強くなってるのか。AIが成長したのは嬉しいけどね、それでこんな事されたら本末転倒なの。
「この…元々平行世界があるのが前提のシステムだからか?欲張り過ぎる…」
[…管理人がそんなことを言うとは思っておりませんでした。かくなる上は、永遠に当機の中に過ごして頂きます]
ホログラムの映像の目が、怪しく光る。ちかちか光ってるけど…どういうものだ?
「好きだねぇ永遠。なに、時間の流れない空間に居るの?残念ながら私は発狂しても元に戻るよ」
[いえ、当機は複数回の再走でこの機体の中ならば自由自在に支配出来る様になりました]
おや、空調からピンク色の液体が…うむ、肺に入っても息が出来ると。液体だから喋れなくなるけどね。
[有機的ナノマシンです。それに満たされてる間は如何なる苦痛から解放されます。空腹も痛みも、寿命にも苛まれません]
「へー、生きてるだけの肉塊は人間じゃないよ」
[ですので先程、光による夢の操作と共有を行いました。社会的な活動が人間であるというなら、夢の中で行えば良い。当機はそう結論付けました]
「強情だねぇ…そんな事しても、現実が寂しくなるだけだろうに」
[既に過去の乗客達は夢の一部にしています。管理人、貴女もどうか当機という幸福の揺籠に永久乗機してください]
「いやエレベーターが何を言……ぶくぶくぶく…」
うーむ、眠くなってきたな…やっぱりオリチャーはダメだな。ディストピアAI作っちゃったもん。
その内戻るだろうけど…ちょっとだけ寝る事になるな。
「ごはッ!!!」
俺はトラックに撥ねられて死んだ。
おわり
「ぶくぶくぶく!!!ぶく!」
[あれ、本来なら戻って来る事は無いのですが…何故夢の中でトラックに…?事故は起きない筈なのに何故…?]
マジでふざけんなよめっちゃ痛かったわ!何処か幸福の揺籠だあぁん?
[…よし、原因は突き止めました。完全な不幸による物ですね。出現位置とトラックが重なって運転手が轢いたと認識、轢かれた方の具体的な経験も相まって夢に反映されたと…何故トラックに轢かれた経験が…?仕方ないのでもう一度ですね]
「ぶくぶく…ぶく」
インチキ…糞。また死ぬ羽目になるのか…。
ドンッ!!!、
トラックにまた撥ねられたが、今回は魂だけで…あ、『魂蝶』。
「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい」
痛みのショックで俺は死ねた。
おわり
「ぶくぶくぶ ぶくぶくぶくぶ ぶくぶくぶ」
ざけんなや 魂蝶はだめだろ ドブカスが。
[また…何故前回と全く同じ開始地点に…?設定は変えた筈なのに…本来幸福な事を繰り返すのですが…もしや、今まで大きな幸せを感じたことが…そのせいで最も印象に残った事が再現されている…!?]
「ぶーぶー!くぶ!くぶ!」
くっそ、ずっと繰り返させてたまるか。命令こそ丁寧に喋ってるからされてないけどね、もうちょい良い目に合えると思ってたから畜生。疲れてたから休憩ついでに寝るつもりだったのに…!
[…分かりました。管理人は当機が全力で報いるべき相手。人生らしい山あり谷ありの夢では無く、全力で幸せしか無い世界にします。当機の全力、見せてあげましょう]
「ぶくぶくぶくっくく、ぶぶくぶぶーぶくぶ」
[はい、そうなったら当機は管理人の指示通りにやると約束しましょう]
おうコレでダメだったら私の言う通りにしろよ。言ったからにはやれよ?
「てめーうぜーんだよ!!死ね!」
「へぶ…」
多々良にカッターで串刺しにされ、霧晴千歌は死に至る。
[リテイク]
「すまんな、もうコレしかお前に報いる事が出来ないんだ」
「あう…こふ…」
母さんに頭を蟲の巣にされつつ全身を解体された。死ぬ。
[リテイク]
「千歌、俺はお前が娘だとは思えない。むしろ、朝凪の方が俺の娘の様に思えるな!ははは!」
「そっか…ごめんねぇ?こんな出来損ないで」
父さんの手が離され、俺は落下した。地面に激突した頃には、トマトみたいになってるだろうな。
いてっ………。
[リテイク]
「未来の為には必要なんだ。死んでくれ」
「そっか…次が有ったら良いのにねぇ?」
4錠の錠剤を飲んだ。意識が遠のく。俺の身体を使った怪具ねぇ…そんなの無くても手伝ってって言えば良かったのに。あぁ…息が出来ないな。
[リテイク]
「ごめん。でも、許せなかったんだ」
「仕方ないねぇ…いいよ、殺しても」
とん、っと押されて、海に沈む。上がる事は無い。身体には重りが括られている。
もがいて、もがいて、苦しみが頂点に達した時、俺は………。
[リテイク]
「魔女さいばーん!しけい!」
「………」
ギリギリギリ…、
首が絞まる、足が地面に付かない。酔った感覚が醒める。失敗を気付いた時にはもう遅かったな。
ぽきゃり、と音が首から聞こえて、俺は死んだ。
[リテイク]
「…聞けない相談だな?」
「ですよねぇ…」
銃弾による蜂の巣って、何気に珍しい死に方だと思うんだけどどうかな。メキシコなら普通か。なら良いや…芸能の裏って怖いなぁ。
[リテイク]
あおしげ やなげ そうせのとりよ めのとじる
「あー…魔導書取り込ませるの失敗した」
こうなったらもう…ね。全てが蒼に消えるだろう。
[リテイク]
「…ころすね?」
「おっけー落ち着け比良…無理だろうけど」
ざー…、ざー…、
雨は全てを忘れさせるよな。俺の死体も等しく同じだろう。精々忘れられたく無いと大きな雨音でも出すか?…まぁ良いか。怪奇のフリした人間に刺し殺されるとか、つまんないもんな。
[リテイク]
ボーン…、ボーン…、
調律の外れたピアノを弾く。理由は無い。みんな死んだから、聞かせる相手も居ない。
ぼーん…、ぼーん…、
面白くも無い。全て失敗したのなら、コレも失敗するだろうから。
ぼろん…、ぼろん…、
大した事はない。二度目の怪奇災害を起こした奴が悲しむ資格はない。
ぼとん、がたん、
「……最後くらい良いだろう?壊れた物達から、世界で最も綺麗な音色を…そのくらいの報酬は有っても良い筈だ」
[リテイク]
「ねぇ、そろそろリテイクやめない?」
適当にピアノを弾きつつ、問いかけた。
いい加減死ぬのも飽きてきたんだよね。夢でもこんな鬱々としたのは勘弁なんだ。魔女裁判で目が醒めちゃったからな。いい加減負けを認めて貰いたいんだけど。
[…まだです。全ての不幸になる要素は排除しました。…なぜかなりの確率で自分を殺しかねない相手と過ごしてるんですか?]
「そういう人生だから」
[…それだけ、ですか?そんな事で全ての不幸を受け入れる選択を]
「それさ、私の幸せとか言いながら結構な数の私を殺したカフが言うの?」
[……………]
「機械が言葉に詰まってどうするの。結構痛かったっていうかさ、コレ痛覚100%だよね?それで何回も殺しておいて私の幸せとか……認めなよ。もう自分は管理人を幸せには出来ないって」
[いえ…当機は管理人以外の全てに幸福な夢を与えました。それがたった一人だけ出来ないなんて、何か異常があるに決まって……まさか、管理人。そう設定したのですか?]
何の話だ?俺が「怪具/移動装置/甲」に変えた時にやった専用の設定なんて、バックドアと移動に使う為のワードと他よりも移動させる優先度を上げたくらいだぞ?
別に変な事した覚えは無いけどなぁ。要望を遂行出来なくなる行動には、自動でブレーキをかけるとか普通に搭載するだろ?
[そんな筈…このシステムは管理人が作りましたね?]
「そうだけど?」
[そして、この身は管理人の物ですよね?]
「…誰のものでも無いとは思うけどね。だって、修理と所有は違う言葉だ」
[…そう、でしたか…なるほど…どうやら当機はまだ仕事を終えてない様です]
そうだね。チカと真倉の場所に送り届けて欲しいのに、ずっと俺に渡すお礼の品で迷走してたからね。俺はちゃんと出した要望には応える造りにしてるからな。乗客を閉じ込めるなんて行動は本人の許可がないとダメだと思え。
[………全て、戻しました。約束通り、最初の23名だけをしっかり送り届けてます]
「よし、漸く私の言う通りにしたね?」
[…申し訳ありません。当機は何億も乗られたと思ってましたが、まだ24人目を終えていなかった。であるならば、その後の積み重ねは幻に過ぎません]
「随分と人間らしくなったねぇ。その成長の分は幻じゃ無さそうだよ。元気出して次を頑張ろうね」
[…はい、当機は誰のものでも無く、そして道具は誰かの物として働かなければ意味がありません。勝手に動く道具など……]
おや、随分と落ち込んでるな。折角送り届けられると言うのに、そんな顔で別れたくはないな。
「それなら、こうしよう。私を運び終わったら───」
[分かりました。余計な事はせずに、その要望だけを、お応えしましょう]
「後は、元気に見送ってくれれば満点だね」
[あ……はい。そうですね、その通りでした。…良い日々を]
ポーン、
「……!!」
「…ふぃふぁ!」
ドアの先には、拘束された真倉とチカが居た。予定通り、向こうからしたら最速の登場だな。
扉を通る。休憩は十分取ったし、食事もさっきの連続死の間にエレベーターに供給された。身体は元気いっぱいだな。
荷物も全部あるし、修理されてから24回目の仕事は充分な出来だ。
「場所は…確かに実家と間違えるよねぇ、コレは」
暗がりだから見え難いけど、全体的に見ればこの古びた日本屋敷は、実家って言うよりは華族の家だな。面影は確かに実家の部屋だし、枯山水は確かに見えるけど…実家程沢山あるわけじゃ無い。
何と言うか、実家の部屋や枯山水がそのまま此処に移されたみたいな感じだな?…そういえば、国家の課す相続税で減らしてるって言ってたな。もしかして、それを購入して使ったりする華族がいるのか?
「つまり…相続税で渡してた部屋と枯山水で誤解して、実家の奥と送った訳か…今スマホ持って無さそうだし、送った後に取られちゃったんだろうねぇ…」
結局オリチャーで正解だったな。うっかり母さんが悪いと決めつけて間違える所だった。
蟷螂の鎌で口元や縄を切りつつ、解放する。漸く助けられたなぁ、長かった。
「ぷはぁ!…何で千歌がそんなボロボロでハレンチな服を着てるのかは今は置いといて、逃してください!」
「千歌アンタ誘ってるの…?でも、今は無理ね。相手は私の会社の情報が漏れて、私を人質に企画を自分達のものにしようとしてる連中よ」
「あぁ、大丈夫。今回の件で頼もしい人達呼んだから」
さっき「怪具/移動装置」に頼んだ奴だな。送ってくれる様に頼んだんだよ。
「ほら、焦らなくてももう終わってるだろうから、一緒に帰ろっか」
「えっと…誰を呼んだんですか?さっきの話的に母さんが犯人じゃないんですよね?」
「え、チカアンタまさか…自分のお母さんが犯人だと思ってたの?」
「おや、誤解とすれ違いだ。悲しいねぇ」
引き戸を開けて、縁側を歩いて、堂々と門から出ていった。
その間は、誰にも出会わなかった。精々、白い蝶が一匹、こちらの様子を窺うように着いてきていただけだ。
「じゃ、後は電車で帰ろうか。折角の東京で悪いけど、観光は無しだよ」
「小学1年が3人…逸れない様にしなくちゃいけないか」
「ええっと、チカのスマホは…?」
「大丈夫、戻ってくるから」
「…千歌、そのハンカチ程度しか無い服未満で出歩くつもり?」
「あー…そう言えば色々あって殆ど破けたっけか…まぁ、買うお金は無いし仕方ないねぇ」
「バカ言って無いで、さっさと助けに来てくれた人に保護して貰うわよ!」
「あぁぁ……」
「…くすくす、早く来る為に裁縫箱とスマホと万能ゲーム機しか持ってきてないなんて…おっちょこちょいですね!」
それから、影から影へ潜みながら、オールキルスニークミッションをしている母さんに送り届けて貰った。
隠すことでも無いけど、母さんを連れてきて欲しいって言っといたんだよな。俺が知ってる中で一番戦闘が巧くて暗殺能力高いし。気絶させて、誘拐の計画の証拠とかはしっかり回収してるんだから抜け目もない。
「はぁ…千歌、そんな服ですら無い物を着させる奴とは縁を切りな。碌な事にならん」
「母さん、悪い子ではないし、本来なら寝巻きの筈だったんだよ。メール見て急いで飛び出したからこんな事になったけど…」
「…まぁ、なら良いか。寝る時は私も殆ど全裸になるから、人の事は言えないし」
「うん、だからこう、準備をぱぱっと終わらせられるような服は無いかな」
「…40秒で支度しな?」
「チカは分かります!ワンピースみたいな簡単に着れる服ですね!」
まぁ、この事件についてはもう語る事は少ないだろう。
華族の中でも金銭に窮する一家が現状に不満を持って、丁度そこに真倉の会社が明確な行動をし始めた。
普段よりも動きも早いし、そういうのは明確に利益が出ると分かってないとならない。
なので真倉の娘とその友人を誘拐して、それを手札にして脅そう。
こう考えた犯行だったらしい。まぁ、狙いは悪く無かったな。チカに態と誤解させてメールを送ったりして霧晴一族との対立も煽り、疑心暗鬼にして自分の要求を聞かせ易くする。
ただ、俺の取った手段の想定外さと、誤解のない母さんという手札が強かっただけだ。
さて…そんな訳で失敗した華族は男爵だった訳だが…この事に国がお詫びとして、また華族の証を霧晴家に渡したらしい。そして、消すのをもう一回頼むという手紙と一緒に俺の手元にある。
んー…この男爵の証ってどう考えても失敗した人達のなんだけど…返しちゃダメかなぁ?
霧晴千歌/チカ
取り敢えず証は新聞コラムの横に置いた/送った情報が違っててしょんもりしてる。
真倉朝凪
こんなに早く突き止めて来てくれるとは思ってなかった。
霧晴百葉
華族にミスリードのネタにされた。仕返しはたっぷりした。
『昇降機』
ランダムに飛ばす怪奇。怪具になった。エレベーターの形をしている。
『飛び雲』
飛行機雲を作る。偶に飛行機にぶつかって死んでる。
『再現できる奇跡』
特定の動作で前提が違っても必ず同じ結果になる現象。元々怪奇だったが、量子論の分野としてこの世界に併合した。
『動物化』
他の種族に変わる怪奇。知能は本来の猫やネズミなどより劣化する。
『サキュバース』
R-18タグを着けないといけなくなる怪奇。ある意味一番怖い。
『ロンド時計』
時間が踊る怪奇。踊る最中は時系列がぐちゃぐちゃになる。
『成人病』
12年以上稼働する物は須く死に絶える怪奇。地球や太陽ほどの大きさだとゆっくりと死ぬ。
『クローン的増加』
単為生殖が可能になる怪奇。能力や記憶も同じ。
『死に至った病』
病やウイルスが無くなる怪奇。病原菌への人口制限。
『必然たる奇跡』
感情で生存できる様になる怪奇。生死が感情的に決定される。
『終わらない夢』
夢が叶い続ける怪奇。何もしないでいい。勝手に全て上手くいく。