4月10日追記、11日追記
リザルト
・「怪具/満水皿/丁」 +1つ
・『のろいし』 +1体
・『繰り言』 +1体
・『繰り言』 +1体
・怪奇記録 「沙五間村跡地」 100%
└→ 職業:探索者 解放
・チュゥトリアル クリア +13ターン
・ガチャコイン +1
・クリア報酬 幽霊を操作対象に追加
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ひょうか C+
→作ったはいいけど、取り敢えず評価が腹立つ。結構頑張ったぞ?俺。そこは少なくともBだろうが。ノーマルエンドって言いたいのか?ちくしょう言い返せない。ガチャコインはどうしようかな。裏世界探索ゲェム思ったよりリスキーだし他に日常に役立つ何かが欲しい。怪奇災害怖い。対策、俺、欲しい。明日…明後日…夏休み前には引くか。うん。引くのも怖いからそこを妥協点にしよう。
土日を過ぎて月曜日。土日?新聞読んでましたが?後は買い物とか色々。両親はどっちも怪奇災害の後処理で忙しいから直ぐに交流会とかやらないんだわ。
母さんは鎌ヶ原のあちこちで葬儀を取り仕切ってるし、父さんは人を動かす指示出しと神格鎮めるのに動いてる。
「いやね?これから怪奇災害起きるかもって言ったら何でかトントン拍子でね?」
とか言ってたしな。…俺が言うのも何だけどあのプレイヤーの一言をよく信じて…あれか、神託とかで通した…というか、周りがそう解釈して動いたのか。…そんな中で寧ろよく金曜に来れた物だ。
「えー、学校再開だね。いやあ大変だったねほんと。先生みんなが生きてて嬉しいです。じゃあHR始めます」
「起立、礼!」
学校に避難してたから先生とは久々って感じはしないが、それはそれ。出鼻を挫かれた授業を進める為に駆け足で授業が始まった。ま、余裕よ。
「じゃ、見続けるのが適切な対応の怪奇の名前を10上げてー」
「無理です『石拐』『からまり』『眺め橋』しか知りません」
「選出が古い霧晴さん追加課題ねー。もういない怪奇は加点出来ないからね。今出したプリントに書けてない子も同じだから宜しく」
転生無双…と言うには生活の授業で躓きつつも昼休み。因みに真倉は出来てた。すげぇ…。
そして教科書のコレから6年掛けて覚える怪奇一覧と睨めっこしていた俺の席に2人集まって来た。真倉ちゃんと橘ちゃんだ。
「霧晴!遊ぼ!」
「霧っちグラウンド行こー!」
「宿題先にやりた」「時間置かないと長くは覚えられないよ!行こう!」
「あああぁぁ…」
連行されました。抵抗出来ないからちくちょう。避難生活している間、この2人はどちらも自宅待機していたから久々だ。だからやぶさかでも無いのだが…やっぱ本読みたい。教科書読んでいたい。
柵で囲ったマットが校舎の窓辺りにある特徴的な校庭で、クラスのみんなと遊ぶ事になった。
「ドッチしたいかー!」
「「「「おーー!」」」」
「いやぁ元気だ」
『お、お…おー…お!』
「…死んだ奴も元気だ」
目が…しょぼしょぼする…やっぱり外すと一月は視界が余計にボヤけるの普通に辛いなぁ。…それにしても張り切ってるな。ずっと遊べて無かったのが効いていたらしい。
なに?死人が居るって?問題ない。子供の霊は自覚が薄いからな。自分で死んでると気づくまでは黙って付き合ってやるのがこの世界での常識だ。
そうだな…折角だし軽く言っておこう。この世界で死者に対しての向き合い方は結構違う。未練あったら簡単に霊になるからな。だから希望と才能があれば各地に物を運ぶ『浮遊霊』にも、畑を耕したり管理する『地縛霊』にも、誰かを護る『守護霊』にも成れる。
海外だと死んだら強制的にどれかにされるらしいが、日本はまだ死者の選択を尊重する方だからな。悪霊にならないなら成仏だってできる。
死んでも直ぐに終わりじゃないのはこの世界の特徴だろう。世間に怪奇が広まって良かった数少ない長所だな。社会が死者に手厚いって事は。
生きた方との向き合い方は…また今度にしよう。
「ぐは!」
「…自分で投げたボールに負けた!?」
「嘘でしょ?」
所でボールって強くないか?当てられなくても普通に翻弄されるんだけど。おっかしいな前世ならまだボールを持つ事は出来たんだけどな。今は持って投げたら地面に墜落しかしない。そして自分のデコか胸に当たる。両手使えないのがこんなに不利だったとはね…。
「それで外野になりましたとさ」
『僕……弱…』
「ボール触れない奴と同じ扱いだとは悲しいなぁ」
『無…ボール…だ』
「触れないからねぇ」
耳遠くなってるなぁ。何か眼を付けたばかりの頃だと全体的に聞きにくかったりするんだよなぁ。普段はもっとくっきり何だけど。
まあそれでも僕より弱いとかボール当たらないから無敵なのにとか言ってるのは分かるけどな。だから外野に回されてるんだ。
「でも無敵過ぎてそこに居ないのはどうなのよ」
『…空……楽し』
「みんな楽しければ自分もって…大人だね」
『違う…?て…』
「私は生きてるからそっちとは違うね。普通に体力無いからさ」
『……憑く?』
「ん、大丈夫。でも死ぬほどじゃ無いよ?てか死んだの自覚自体は出来てるんだね。今度なんで幽霊になったか教えてよ。…おーい!そろそろ終わりだよー!」
チャイムが鳴りそうだからそろそろ戻る様に呼びかけた。『屋根ダルマ』がここに出たらイカすデスゲェムな絵面になっちゃうからな。俺の掛け声に応じてみんなぞろぞろ帰る中、グラウンドに何人かぽつりと立っている人がいる。
『あ……あ…約…』
「…うん、約束。また明日ね」
彼もその中の1人だった。
『地縛霊』は動けないもんな。成るつもりが無く、怪奇の影響で変なとこに留まる事になった『地縛霊』の正気は結構短い。夜とか暗闇に一人ぼっちだからな。子供には辛い。
だからこうして約束してやると長持ちする。其処に未練に関係した事を加えるといい感じ。葬儀の手伝いをして学んだ事だった。
まあしなくてもその内成仏は出来るけどな。夜に怪奇に喰われるって痛みを伴う形で。約束の無い彼以外はそうなるだろう。後ろ髪を引かれるが、俺の身体は一つだけで、口も一つだけだ。死者との約束は結構重いから、別クラスでも同級生のよしみって事で贔屓させて貰った。
母さんなら全員纏めて30分で成仏なんだけどな…俺だとコレが限界である。だが経験を積み重ねないと何事も上手くはならないし、折角の学びの場なんだ。少しずつやっていこう。
「実力不足、感じるなぁ」
「…あんま、引きずってそっちに行かないでよ」
「あー、真倉ちゃん大丈夫。母さんの仕事の手伝いで慣れてるからさ」
真倉に聞かれていた。さり気なく手を握ってくるのは何なのか。俺はそんなに儚くは無いぞ?不安にさせたのは事実なので大丈夫と言っておいた。…握る力強くしないで?痛いから。
子供達が元気に話し合いながらも教室に戻る流れに従う。橘はクラスの男子とかけっこしながら戻ったから、2人だ。
まだまだ時間はあるからのんびりだ。中身成人のペースである。
「…霧晴のお母さんって何の仕事してるの?」
真倉が話題を提供してきた。別に隠したい事でも無い話題だが、ここで話すには時間が少ない話になるな。
「んー、葬儀屋。死んだ人と産まれる子、それに関わる生きた人に関わるお仕事だね」
「帰ったら私が死んだって感じで葬式の準備進めてた人達の事?不気味だから苦手なのよね」
「言うねぇ」
べちゃり
『影取り』に囚われた時、親は葬式の準備をしていたんだそうだ。…そういや葬儀がキャンセルになったって母さん言ってたな。あれ、真倉のか。そりゃあ苦手にもなる。
「でも苦手で済ましてくれるのは優しいね。自分の葬式挙げようとした人達なら嫌にもなるか」
「お仕事なのはわかってる。でも帰ったら自分の遺影があるのはちょっとトラウマだったわ」
「ま、なるよね」
べちゃり
子供達の声が聞こえなくなった。…正確には生きた子供達の声が、だけど。
「……所で霧晴」
「なーに?」
廊下を歩く。普段なら入る前に気づけたんだんだが、今の俺はこういう偽装に弱いんだよな。
窓の外を見れば血の手跡が大量についていたし、歩けば俺と真倉の足跡が真っ赤に残っていく。意識がふらつき始めたから、多分自分達の血だ。歩く程貧血になっちゃうなこれだと。
べちゃり
しかし歩くのを止めるのも難しい。後ろから聞こえるべちゃりと言う音がそうさせた。止まったら死にそう。振り向くの駄目そうだから予想になるけどさ。
「霧晴って怪奇にはどれくらいの頻…度で…あ、会ってる?」
「毎日かな」
あ、真倉が気づき始めた。気づいたと気づかれるのも不味い事になりそうだからよく悲鳴を堪えたと思う。会話は続く。
きーんこーんかーんこーん
チャイムがなった。どうやら異界と化した廊下でも聞こえるらしい。音が聞こえるならどこかしら元の場所と繋がってそうだが、一瞬のチャイムでわかる訳無いんだよなぁ。
べちゃり
「…多くない?普通会おうとしなければ一月に一回よ」
「少なく無い?歩けば其処らへんに居るよ?」
「……今みたいに?」
「あー言っちゃうか」
おかしいなぁ。そんなに怪奇が少ないなら俺はこんなに苦労してないんだけどな。
恐怖に耐えかねた真倉の一言で廊下の先が溶けていく。気づかれたとみるや行き止まりにするその判断に感心した。逃がさない意思の強さに、だ。…これは真倉ちゃん死んじゃうから困るなぁ。
「ヒ…!ごめんだけど霧晴、他言無用な事言うわ!」
他言無用な事を聞くのは…金持ちって持てる情報の質も凄いんだなぁ…。
もう振り返っても状況は変わらなそうだから振り向いたけどあれ怪奇災害で見た『手』にそっくりだわ。過去が変わった後はそもそも出てこなかったらしいから、その分のリソースで歩くだけで死ぬこの異界を作ったのかも知れない。
「霧晴、薄々思ってたけどアンタ眼が良過ぎて「不視の境目」って言う怪具の守り全然無いでしょ」
「…何その怪具」
「日本の極秘な国防怪具の一つ。見えなければ出会う事はない、故に其処に無し。一般相手には怪奇に出逢いにくくする怪具よ?他にも何か色々使える感じの事を父さんが誰かと話してる会話を盗み聞きしたの!」
「よくバレなかったね」
先が溶けてできた壁は、蝋みたいに固まっていた。コンコンと叩くとコンクリートに触れた感じになる。俺には絶対壊せないな。『手』に似た、赤い絵の具みたいな肉片が近づく。肉片の後ろは夜の様に真っ暗になっていた。
べちゃり
「不可抗力だったし何か言い争ってたのよ!偶然なんだしいいじゃない!それよりほら、何か見えない?なんか!私を『影取り』から見つけられるんだから何か使えない!?」
「知ったら見えるようになる怪具なのはニュアンスで解るけどさ…今の私眼が死んでるんだわ」
日本全体に影響を与える怪具か。よくもまぁそんな凄いの作れたな。問題は聞いても虹色のモザイクくらいしか見つけられないって事か。多分これだけど右手で触れても何も起きないわ。
「何?眼に消しゴムのカスでも入ったの?」
「校庭の砂かも知れない…へー、見えない怪奇からの影響の遮断かぁ…この虹色の砂嵐みたいな靄がそれだったり?」
「多分!異界関係らしいから今の状況ならいい感じな使い道があるわよ!」
「ねぇ本当に不可抗力?それにしては詳しいじゃん」
べちゃり
後一歩で触れる距離になった。いよいよ死ぬんじゃ無いか?触れたら死ぬのは母さんが実証してるし。…今のは面白く無いジョークだったな。
真倉に見られない様に手袋を外して左手で掴めるか試すと、普通に掴めた。眼が駄目なので触れた感触から調べてるが、確かにこれの影響下に入れば普段は安全だろう。
俺はちょっと見えやすいから影響下には入れそうに無いけど…あ、これ出口に出来るわ。今知ったけど、この異界に来たのコレを経由したからだし。知ってれば怪奇も利用出来るのかこれ。
「…うん、なるほど」
つまり、コレを知ってる怪奇が来る。
「
べちゃ
『だーるまさーんーがー』
猶予が後1センチも無いままに、全てが停止した。
教室に帰って席に着いた子供達がいて、その上で席に着いてない俺達がいて、そして3分が経過する。条件は達成されていた。
空間が伸びる。丁度教室一つ分だった。俺達は『屋根ダルマ』の後ろ、肉片は教室一つ分先に居た。
時間が戻り全てが再開する。
『はじけてきえた』
顔は、初めから下を向いても隠されても無かった。
り
『う ご い た』
動く途中の肉片が地面に着くと同時にシャボン玉に包まれ、シャボン玉が弾けると同時に一緒に弾けた。撒き散らされた赤色から、これまた真っ赤な植物が生い茂る。悪夢に出てきそうな毒々しい形をしていた。蔓が此方に伸びてきた。
『やねまでころんだ』
「あ、ちょっと掴まるから」
「…ふぇぇ!?」
驚きで固まってた真倉に抱きつき、衝撃に備える。生い茂った赤い植物が壁に張った根っこからひっくり返り、
地面から足が離れる。植物とは逆に、俺達は真っ暗な方へ
屋根ダルマはさっと顔を隠して俺達を見ない様にして身体を反転し、屋根に落ちた真っ赤な植物と相対する。見れたのは其処までだった。いやぁ…紐なしバンジージャンプだな。
「ああああーーー!!!?なになに何!?」
「屋根に落ちるなら、その逆側が地面なんだよ。今まで私達、空に向かって歩いてたんだね」
「だとしてもこれ死ぬーー!!!?」
まあ『手』が空から伸びてたし、口元に運ぶ過程がこの異界の存在理由だった訳だ。で、屋根が定義されたなら地面も同様。『屋根ダルマ』に屋根に落ちる様見られてないなら地面に落ちるしか無いと。
ぼすん
「わっ!?」
「おおっ!?」
真っ暗な暗闇を抜けて、背中から柔らかい物に包まれた。初めは分からなかったが、辺りを把握し始めるとどうやら真っ白なマットの様だ。だとしても結構な高さだと思うんだけどなぁ!?
「無事かー?大丈夫なら返事ー」
「「……はーい」」
「よし。じゃあ教室戻るぞ」
柵を囲った厚さが2〜3mもする白いマットの上から、腰の抜けた返事を揃ってした。成程、ずっとマット敷かれてるのこういう理由か…そりゃ置きっぱにもなるわ。
「…はー。安心したら腰が抜けちゃったわ。霧晴、立てる?」
「無理。漏らしてないのを褒めてくれ。解ってても怖いよコレ」
「…えらいえらーい」
「やる気の無い返事をありがとう。真倉ちゃんもよく頑張ったよ、撫でてあげよう」
「…んー!」
恥ずかしがる真倉の両頬を撫でつつ、お互いにこの状況を切り抜けたのを褒めあった。…はは!頬をぎゅむってやるとコイツ面白い顔するわ。直ぐに手を払われた。残念だ。
「立てないかー?なら背負うから、先生の首か肩に掴まりなさい」
そうして階段を登り靴を脱いでマットまで上がった先生に掴まって俺たちは教室に戻った。
「霧っち倉っち大丈夫だった!?」「何があったの?」「怪我してない?」
「落ちてた!」「先生におんぶされてる!」「怖いの居た?」
戻ると同時に同級生の心配な声。大袈裟だと思ったが、さっき聞いた一月に一回の怪奇遭遇の塩梅ならそりゃ大事に捉えるわと納得した。みんな俺よりずっと経験無いならこうもなる。
隣をふと見ると、真倉が何やら悪戯っ子な顔をしていた。…嫌な予感がする。
「みんな大丈夫!霧晴が『屋根ダルマ』を呼んで乗り切ったわ!」
おっととんでもない事を言い出した。さっきの頬の仕返しか。
「え!?」「本当に!」「…すごい!」
「味方にした…て事!?」「やっば!」「へーぇ?」
口々に反応して、此方に向かって好奇の目を向ける。真倉はしてやったりという顔をしていた。こんにゃろう。
「あー…」
みんなして、静かになる。俺の言葉を待つ時間になったらしい。…委員長の仕事、怪奇関係もあるらしいし、その時の為に言っておくか?
「……委員長だし、コレから頼りにしても…いいよ?」
思った以上にわっと盛り上がる。どうやらいざという時の頼もしい相談相手として、コレから頑張らなければいけなさそうだった。命大事にと言う母さんの指示とは真逆な結果だが…子供の期待、裏切れないしな。
やれるだけやってみよう。
霧晴千歌
頼れる委員長。明日はどっちだ。
真倉朝凪
慌てる姿を見ようとしたら霧晴が変な方向に走り出した。
座式先生
昔は高性能な衝撃吸収マットが無かった。だが今は違う。
最近自分の事を考え始めた。目隠れ男子。怪奇災害で死んだ。
『地縛霊』
土地や建物などの場所に取り憑いた霊。才能のある霊なら農作や建築もできる。
『浮遊霊』
行動や目的などの自心に取り憑いた霊。才能のある霊なら軍事や運転もできる。
『守護霊』
特定の個人などの生物に取り憑いた霊。才能のある霊なら憑依や強化もできる。
『屋根ダルマ』
怪奇災害の時は学校しか守れなかった。
『指先』
上に持ち上げる為の指先。触れると死ぬ。