皇国の幻想〜青春の物語(ブルーアーカイブ)〜   作:大和ゆか

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プロローグ

 学園都市キヴォトス。

 何千という学園が集まってできている都市で、だからなのか住んでいる人々のほとんどが学生だ。技術は進んでいて、オートマタなどの先端技術があちこちで見受けられる。

 キヴォトスに住んでいる人の特徴として、頭には天使の輪っかみたいなものがついている。ヘイローといって、これがあると銃弾やら砲撃やらが効かずに痛いで済む。

 もう一つの特徴として、キヴォトスは銃社会ということだ。喧嘩感覚で銃撃戦が起こる程、治安が悪い。それでも、ほとんどの人がありふれた日常を謳歌していた。

 

 

 

そんなキヴォトスで本来ならありえないイレギュラーが起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

日ノ本学園。それは本来の世界線では存在しない学園で、この学校に通う生徒のほとんどが日本皇国国民だ。何故そうなっているのか。その理由は実のところ分かっていない。だが、皆同じ結論に達している。

 

 

 

 

 

 

転生したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本皇国は異世界に転移もしなければ、ナチス相手に第六次世界大戦も起こしていない。比較的平和な時代を手に入れてそれを謳歌していた。そして、ネクロマンスは寿命を迎えて世代交代をして、また、統率者である大和ゆかは統率者の座を別の人に渡して姿を消した。

 

 ゆかは不老の為、世代交代したら隠居するつもりだった。だがある日突然、光に包まれて気づいたら神界にいた。

 

 

「ここは……」

 

 

「久しぶりだな、ゆか」

 

 

「!?」

 

 

 自身の背後から声をかけられたゆかは咄嗟に振り向いた。そこにいたのは、ゆかにとってクローンで兵器でしかなかった自分を人間に変えてくれた恩人であり、唯一無二の相棒でもあり、自身が殺してしまった人物でもあった。ゆかは涙を流しながらその名を叫んだ。

 

 

「赤城!!」

 

 

 ゆかはここはどこなのか、ここにどうして自分を呼んだかなどの疑問をすっかり忘れて、亡き相棒との再会に泣きついていた。

 生前、赤城は、敵の手により殺されて、そのまま逆らえないようにしてから死体のまま生き返らせられて日本で暴れていたが、ゆか含むネクロマンスに抑えられてゆかの手により引導を渡された。その当時の赤城は生き返らせられたとはいえ、死者であり、意識は洗脳された生前の赤城、体は死体。さすがのゆかとはいえど、死者を生き返らせることはできない。だからこそ、ゆかは二度と会えなかった赤城と再開して泣いているのだ。

 

 

「ここから見てたよ、ゆか。よく頑張ったな……」

 

 

 赤城は、ゆかを抱きしめてながらゆかの頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 泣き止んで落ち着いたらゆかは、赤城から事情の説明を受けていた。

 

 

「転生?」

 

 

「ああ。生前では戦いばっかでろくに学校生活を送れていないと思ってね。少しだけ送っていたようだけど潜入任務とかで本来の学校生活とはかけ離れているし、戦いが終わっても政府首脳部の一員として活動しているおかげか、学校生活とは無縁の生活を送っているからね。

 だから閻魔様や天照様に掛け合ってみたんだ。そしたら、既に天に召されている君の仲間とともに転生させて、青春してもらおうとなったんだ」

 

 

「ちょ!!待て待て待て待て待て!!話にツッコミどころが多すぎる!!

青春の件はまだわかる。でも、どうやって閻魔大王と天照大神と知り合った!?」

 

 

「なんか仲良くなった」

 

 

 ゆかは唖然とする。赤城はこう言っているが実際にその通りであり、自主的に生前から持っている能力を駆使して地獄などの治安維持を行なっていた。その行動が閻魔大王に伝わり、話をしたところそのまま意気投合。ついでに閻魔大王の友人である天照大神とも意気投合した。そのような経緯があって今のように仲良くなっている。

 

 

「話を戻すが、転生するにあたってゆかには一度死んでもらう必要がある」

 

 

 赤城がそう言ったのはゆかが不老だからだ。そもそも、転生は一度死んでいるから転生というのであって死んでない状態だともはやそれは転生ではなく転移となる。

 ゆかは赤城のその言葉に納得していた。

 

 

「そうすることで本来の転生のプロセスがふめて、イレギュラーが起こりにくくなるんだ。後は本来の転生のプロセスで転生させるだけだ」

 

 

「分かった」

 

 

 説明が終わると、赤城は一度深呼吸をしてこう言った。

 

 

「それじゃあ、始めようか」

 

 

 赤城が指をパチンと鳴らすとゆかの体が透け始めた。ゆかの転生が始まったのだ。

その最初の段階として、上の説明にもあった通り一度ゆかは死ぬことになる。その後に転生となる。

だが、ゆかの目には恐怖など浮かんでおらず、逆に転生する覚悟を既に決めていた。

 

 

「しばらくお別れだね」

 

 

「ああ。だが、待っているんだろう?」

 

 

「そうだね」

 

 

「なら、大丈夫だ。せっかく再開したのにまたしばらく会えなくなるのは嫌だが、それでも二度と会えない訳じゃない。少なくとも、死んだらここに戻ってくる。なら、それまで転生後の世界を思いっきり楽しんで、その土産話を聞かせるのもありだろう」

 

 

「そうか。楽しみにしてるよ」

 

 

「ああ。楽しみにしとけ」

 

 

 そういう話をしていると、ついにゆかが完全に消える寸前までになった。

 

 

「それじゃあ、()()()

 

 

「ああ。()()

 

 

 ゆかは微笑みながら消えていった。赤城はゆかとの別れを名残惜しそうにするも、すぐに閻魔大王の仕事の手伝いしにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  本来の世界線ではなかった日ノ本学園の存在や、大和ゆかという人物。これらの要素が未来のキヴォトスにどのような影響を与えるは誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

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