転生もの供養品置き場   作:一宮 千歳

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おじさんダンジョン

やあ諸君、今日も楽しくハーメルンをエンジョイしているだろうか。

証拠はないが自分の意思がどこかに繋がっていると確信している今日この頃、この自分の底辺ツイッタラー風語りかけ一人称により紡がれる異世界生活を存分に堪能していってほしい。

 

出メタで失礼、吾輩はダンジョンである。名前はまだない。

なおこれはダンジョンとして転生してしばらく経つが、まだ人間(あるいは獣人やら魔族やら)に発見されてないため名前がつけられてない、という状況である。

 

自分は前世では単なるおじさんであり、堀田道夫(ほった・みちお)というそれなりの名前はあった。あったが、どうも「剣と魔法のファンタジー」、という感じが強いこの世界で「どうも、道夫と申します」と名乗るのは何か違う感じがしたのだ。

ヨーロッパ風世界なら、横文字名前がいいよね。

 

さて繰り返しになるが自分はダンジョンである。

ダンジョンとは古来よりファンタジー創作の世界におけるお宝とそれを得るためのリスクが蠢くロマンの塊であり、ダンジョン探索を続けるうちにお宝が目的なのかダンジョン探索が目的なのかよくわからなくなったタイプの人間も数多生み出した。[要出典]

 

そんなダンジョンになった結果、自分は基本的な欲求に変化が発生した。

食欲がなくなったかわりに、「いっぱい探索されたい!」「死んだりお宝ゲットして極端な結末を迎えて欲しい!」という欲求を得たのである。

人間が言ってたら変態だと思うのだが、ダンジョンとなった今では自然にこういう発想が出てきてしまうし、種族の違いと思って諦めてほしい。

 

さらに自分の場合そこに人間だった頃の欲望が組み合わさり「美少女探索者が沢山俺の中入ってきてくんねえかなあ」「美少女は喜んで汚いおっさんはざっくり死んで美しいものだけ残る世界にならねえかなあ」と、文字にすると大変不健全な感じの欲求を得るに至っている。

 

でも種族の違いと思って諦めてほしい。というか種族としても特異かもしれないがそこは多様性ということで許してほしい。

 

男女といえばダンジョンってどう繁殖するんだろうな、とは思っているが、まあわからん。

ダンジョンなのに自分の体のこともあやふやでありわかんないのって言われるかもしれないが、人間の時も医者でもなきゃ自分の内臓について全部正確に知らねえだろって話である。

ましてやダンジョンとしてダンジョンについて義務教育を受けた訳でもないんだからしょうがないのでは?

 

閑話休題、ダンジョン生をしばらく過ごし分かった事なのだが、ダンジョンの中には魔物や宝物が自然に湧く。腸内細菌とかそういう感じだと認識しており、まあ代謝の一部だ。

 

確信はないが魔法が存在する都合大気中にマナとかそういうものが漂っており、ダンジョンがそれを取り込むことで魔物やら宝箱が栄養素として生成、それを食物連鎖のような形で冒険者が摂取するとか、そういう社会的サイクルがあるんじゃないかな。でなきゃダンジョンとかいらなくない? 

 

湧く魔物についてはダンジョン……自分の意思である程度指向性を付けられるらしく、最初期にダンジョン内への魔物発生が確認された時、「魔物がどうせ湧くなら見目麗しいものがいいなあ」と思っていた。

 

すると美少女フェアリーやらダークエルフやら美少女型スライムやワーウルフやサキュバスが発生するようになり、最初のうちに湧いていた顔がブサイクなちんこまるだしゴブリンやら野生動物まんまなコウモリやらネズミ類はいつのまにか消え去った。

御都合主義ばんじゃい。

 

なお魔物はこの不自然な自然発生の他に、突然変異というべき現象も発生する。これは魔物の生産中、スポーン地点に指定した座標と同じ位置に既に魔物が存在していた時に発生し、二種の魔物の種族を基にある程度の法則に従って新規の魔物が発生する。

 

それと見た目上は突然変異でない他の魔物と同じものが生まれた場合でも、元になった魔物のスキルやら魔法やらを引き継いだ魔物が産まれる場合もあり、つまり魔物合体楽しいです。

 

それこそ自分みたいな転生者がこの仕組みを知ったら「メ◯テンじゃん」っていうかもしれないね。

ダンジョンもそう思います。スキル引き継ぎとかは2からのシステムですね。

 

ときに、ダンジョンに人格と言われると自分はまず某ブリックロード氏を思い出す。

 

氏はセーブポイントと回復施設、行き止まりでのアイテム設置は義務と言っていたが、自分はそうでもないと思う。

 

というかどちらかというと自然系ダンジョンに見つけた美しい花畑に心奪われてるうちに虫系モンスターに囲まれるなど、迂闊な行為をしたり不意打ちに対応できなかったらその罰として惨たらしく死んだりいってほしいタイプである。

いいよね死都。いともった?

 

まあシゲサトイズムと酷薄系世界では思想が違って当然であり、さらにいえばそこに優劣などないのだ。いやたとえばこの世界の標準が酷薄かどうかは知らんけど。

 

何故そんな話をしたのかといえば、自分の中に探索者向けの休憩ポイントはないが、魔物だけが使える魔物用通路と、魔物だけが使える福利厚生施設は整っているからだ。

 

なぜかって? ない時には逃げられたからだよ。

冒険者にとっての難易度以前にダンジョンに魔物がいないとダンジョンらしさが大幅に減るのでよくない。

あと美少女に逃げられるのは悲しい。

 

ダンジョンたる俺の中には美少女魔物がいっぱいであり、探索者がやってこない現状俺は美少女魔物の日常を覗き見るしかやることがないのである。それに逃げられる? 地獄だよ。

 

ダンジョンに生息する魔物には個体ごとに"満足度"のようなものがあると見られ、満足度が低いと魔物はどこへともなくスッと居なくなっていくと思われる。

原因を探るためずっと監視してみたのだが、どんなに注意していようが瞬きする間にいなくなった。

 

頭にモヤモヤでも浮かせて悩みがあるフラグを示したりして欲しい。お気に入りの住人は引っ越しして欲しくないもんな。

 

当初可愛いカッコいい美しい綺麗な魔物たちが出ては消えしてたのが謎だったので「雇用者に魅力ある環境づくりが必要なのか……?」と思ってとりあえず休憩室と風呂とシャワーとトイレと化粧室(バストイレ化粧室は別の間取りであるべきだと思う。ユニットバス住まいをした時に、なんか気持ちがよくなかった経験による)をつけた。

 

付け方? ダンジョン構造を意識して、「この辺りに追加したいなー」って念じたら出来た。人で言うと臓器が増えた感覚。人で言っても人間にはわからんだろうな。

 

するとこの施設拡充が大ヒット、それまでむっつり黙ってダンジョン徘徊していただけの魔物女子たちのテンションが上がり雑談に興じたりしはじめ退去率も減り「このダンジョンイケてるね」と言われてたのを聞き心でガッツポ決めたりしたのは記憶に新しい。

 

なお改装を覚えた自分は、今後来るかもしれない美少女探索者向けに着衣溶かしスライムやら催淫ガストラップやら拘束触手などのガチエロトラップを仕込んでみたりもした。

 

が、誤反応(決して魔物女子がかかってるところを見ようとした訳ではないよ? ホントだよ?)で魔物女子が引っかかった際、淫魔系を除く無言の一斉退去が起きたので現在ダンジョン内にガチエロトラップはいまはもうない。

嫌いな諸兄姉は安心してほしい。

好きな紳士淑女の皆さんはざんねんだが別作品を探してほしい。

 

まあ普通の睡眠ガスとかでも十分エロ展開になるし……なるかな……普通に寝込み襲って仕留めるタイプっぽいんだよなうちの魔物……

 

そんなわけで主たる労働者であるうちの魔物女子の欲するところ、あるいは嫌がることを知ることは必要なことである。

職場環境の整備はトップの務めなんだなあ。みちお。

次回からは魔物女子の生活を覗き見していくぞ。




敗因(続かない理由):題材に長続きしないものを感じた
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