魔王とツインメイドのご奉仕生活   作:トモットモ

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魔王、メイドを説く

「う~~~~~~!」

 ラツンは魔王城から数㎞離れたアルベ山の中ほどにある崖の上で膝を抱えて呻いていた。

「お姉様~~!」

 レツンはラツンに慌てて追いつくと頭をヨシヨシし始める。きゃわいい。

「く、屈辱よ。屈辱! 私があんなメイド魔王なんかに!」

 ラツンがグズる中、レツンはいつまでもヨシヨシしていた。そして若干ハアハアもしていた。

「魔王さんはお姉様を褒めただけだと思いますよ?」

「そ、そんなことないわよ。見る目がちょっと怪しかったわ」

 被害妄想発動中のラツンちゃん。

「そうですか~。でも魔王さん、思ったよりもいい人でしたね~~」

「そこよ」

 ラツンはレツンの胸に頭を乗せる。

「あいつ、本当に魔王なの? 未だに信じられないんだけど」

「今までの流れからするとモノホンの魔王さんだと思います~~」

「だって魔王は魔王でも……あの野郎と全然違うじゃない」

「そうですね~~、私もびっくりしちゃいました」

「ただのメイド好きの変態かと思いきやとびっきりの魔力持ってるし」

「メイド魔法ですね~~」

「意味が分からないわよ。聞いたことないし」

「はい~、私も言っててよく分かりません」

「しまいにゃ私たちをメイドにしてご奉仕させるってやっぱりただの変態でしょ」

「う~ん。何でしょう。魔王さんにそーゆー気持ちがないわけではないのでしょうけど……」

 レツンがモゴモゴと口篭もる。

「? 何?」

「魔王さんは、私たちに自らそーゆーことをさせたがっているのかもしれませんね~~」

「ぬ、ぬわんですって!?」

 ラツンがボッ、ボッと顔を赤くする。

「お姉様にその気があるなら私は……」

「にゃ~~~~~~!」

 これ以上はツインメイドのヒ・ミ・ツということで。魔王は果たして変態かどうか、謎は深まるばかりだ。

 

「魔王様、伝令がございます」

 アモミールがすっとメイドコーヒーを我に提供しながら言った。

「何だ?」

「魔王軍幹部が1人、カーラヌン様が直にお戻りになられるそうでございます」

「うむ。そうか。帰ってきたら労ってやるとしよう」

 部下を労うのは魔王の務めであろう。

「……むう」

 アモミールが僅かにムスッとしたような気がした。我はむ? と視線で問うた。

「何か不満か?」

「いえいえ全くこれっぽっちもありますよ」

 あるのだな。我は小さく頷く。やれやれご機嫌を取ってやるとするか。

「時にアモミール、最近あれの2号店が出来たと聞いたが?」

 我がそう言うと、アモミールはパアっと目を輝かせる。

「そうでございます! さらに萌え~~の領域が増えていっております!」

「うむ、我は視察に行こうと思うのだが」

「お供させて頂きます!」

 ククク……。そうこなくてはな。

「魔王! いる!?」

 バン! とノックをせずにドアを蹴破るラツン。豪快だな。

「ラツン! なんてはしたない真似を……!」

 アモミールが若干キレている。これはこれで萌え~~だな。

「お姉様~~。ホワイトブリムを忘れています~~」

 レツンがラツンの後ろに回り、よいしょっと頭にホワイトブリムを装着。うむ。必需品だな。

「はあ? こんなもんあってもなくても一緒でしょ?」

 ラツンが首を傾げる。アモミールが俯き、昏い笑みを浮かべた。

「ふ、ふふっ……。あなたは今、メイ同盟を敵に回す発言をしました。撤回するなら今の内ですよ……」

「はーい、ごめんなさーい」

 ラツンが尻尾をフリフリしながら、ホワイトブリムをいじいじ。ほう?

「アモミール。大目に見てやれ。中々萌え~~度が高いではないか」

「ぐぬぬ……。魔王様がそう仰られるのであれば」

 アモミールは、尻尾をクルクルっとして我の頬をツンツンとする。

「む?」

「……魔王様は、萌え~~甘すぎでございます」

「それは褒め言葉か?」

「ぐぬぬ~~」

 アモミールは、両頬を手で押さえブンブンとカラダを振る。ふむ。萌え~~が入っていたら基本良い意味であろう。

「で、貴様ら。我に何か用か?」

「あ、そうよ! 魔王……」

「後にしろ。我は行くところがある」

「ぐぬぬ~~!」

 我の有無を言わせぬ決意にラツンは悔しそうに唇を噛み締める。今日はぐぬぬ~~祭りか?

 




ぐぬぬ可愛い~。魔王はどこへ行くのか? また次回です~。
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