「どこ行くのよ?」
「行けば分かる」
我は、柄にもなくウキウキしながら、城下町を歩く。側にはアモミールが付き、少し後ろにラツンとレツンがいる。
「魔王様! こんにちは!」
「魔王様! 今日も何て魔力のオーラなんだ……!」
我が歩いていると、そこかしこから魔族どもの歓声が上がっている。ランウェイさながらだな。
我とアモミール、ラツン、レツンがテクテクとしていると程なくして目的地へと着いた。そこは――
「着いたぞ」
「な、何よここ!?」
「メイドカフェです」
「メイドカフェですか~?」
我がウキウキ気分で言って、ラツンがギョッとした声を上げて、アモミールが紹介、レツンが小首を傾げた。
カランコロン。我はドアに手をかけて入店する。
「お帰りなさいませご主人様~! お嬢様~!」
メイドカフェ店員の萌え~なお出迎えだ。
「中々賑わっているようだな」
店内の周りはワイワイガヤガヤ、そしてザワザワとしている。繁盛しているではないか。
「いや、あんたが来たから余計にザワザワしているでしょ」
ラツンがぽしょりと呟く。
「席にご案内致します~。ご主人様~!」
メイドカフェ店員がメイドスマイルで席へと案内する。ククク……よいな。
「よく席空いてたわね……」
我は、アモミール、ラツン、レツンと4人がけのテーブルに座る。
「我はプラチナ会員だからな。予約がスムーズに可能だ」
すちゃっと懐から店の会員カードをチラつかせる。
「流石です。魔王様」
アモミールは隣でニコニコとする。
「何が流石なのよ」
はあ、とラツンは向かいで溜め息を零す。
「ほえ~。凄いですね~」
レツンはラツンの隣で目をパチパチさせる。
「ご注文をお伺いいたしま~す!」
メイドカフェ店員がハキハキと注文を取りに来た。
「好きなものを頼むがいい。我が奢ろう」
我は、そう言い、指をパチンと鳴らす。
「我はいつもの萌え萌えセットで頼む」
「かしこまりましたご主人様~!」
我はニヤリとしながら注文をする。
「何よ萌え萌えセットって」
ラツンがジト目で我を見やる。気になるか?
「素敵です……。魔王様……」
アモミールが目をウルウルさせながら我を讃える。指をキレイにパチンと鳴らせたからな。
「ほえ~、メニュー色々ありますね~じゅるり~」
レツンはメニューの料理の写真を目をキラキラさせながら見て涎を垂らす。
ククク……メイドカフェタイムといこうではないか。
メイドカフェの店内はメイドたちが忙しなく動き回っている。その時にフワッと広がるスカートがまたいい味を出しているではないか。
「ククク……滾るな」
「ちゃんとナプキンとか用意してんのね」
ラツンが我をチラリと見ながら言う。
「メイドナプキンのことか?」
「いや、知らないけど」
我が首に華麗に巻いているメイドナプキンを指でくいくいっとさせるとラツンは呆れたように首を振る。
「お待たせしました~! ご主人様~お嬢様~!」
メイドカフェ店員がシュビビッ! と勢いよく料理を運んできた。うむ。勢いは大事だな。
「萌え萌えオムライチュでございま~す!」
ラツンとレツンが頼んだやつだな。ふわとろ卵にケチャップライスが萌え美味い。
「萌え萌えカルボナーランでございま~す!」
アモミールが頼んだやつだな。とろとろでうまうまな萌えパスタだ。
「萌え萌えセットでございま~す!」
我が頼んだやつで萌え萌えオムライチュに萌え萌えカルボナーラン、萌え萌えパフェ~の欲張りセットだ。ちなみにドリンクは別だ。
「頼みすぎでしょあんた……」
ラツンが量に戦慄している。びっくりしたか?
「ふわわ~。お腹空きましたね~」
レツンがよだれを垂らす。後で少し分けてやろう。
「魔王様。メイドパワーを補給致しましょう」
アモミールがすっと手を合わせる。心得ているな。
「ふむ。おい店員」
「はい!」
「美味しくなる魔法をかけてくれ」
我のリクエストにメイドカフェ店員はクルクルクル~っと回転してスカートを翻しながらビシッと横ピースを決めた。
「かしこまりました~!」
「え? そんな魔法あるの?」
ラツンが驚いた様子を見せる。
「私も初耳です~」
レツンがぽけ~っとして頷く。
「メイドたるもの習得は必須ですよ」
アモミールがニコリとする。
「では頼む」
我はワクワクしながら言った。
「はい~! 美味しくな~れ! 萌え、萌え、キュ~~~~~~~~~~ン❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」
手でハートを作り、ウインクをしてメイドカフェ店員は美味しくなる魔法を解き放った!
「うおおおおおおおおおお!!」
我は全身全霊でその魔法を料理ごと受け止める。
「ちょ、何!? 何が起こってんの!?」
ラツンが我の様子にびくついた。
「美味しくなったんですか~? じゅるり~」
レツンが早く食べたそうにしている。
「くっ……なんてメイドパワー……! やりますね……!」
アモミールが溢れでるメイドパワーにニヤリとする。
「ククク……やるではないか」
我がメイドカフェ店員に親指を立てた。
「ありがとうございます~!」
メイドカフェ店員は両手でスカートの両端を掴んで礼を述べた。
メイドカフェだ~。萌え~ですね~。次回に続きます。