あっ、ちょっとだけあるわ?
「なんだ、このゴーストメロディア様の相手はお前か?」
「シェルブリットのカズマだ。俺の名を刻め、このトカゲ野郎!」
ゴーストメロディアが対峙したのは、シェルブリットのカズマであった。
巨大なドラゴンであるゴーストメロディアに、カズマは臆するどころか、笑みを浮かべて自分の名を刻めと告げる。
「フン、何者かは知らんが、貴様程度の男がこのゴーストメロディア様に勝てるもんか! ぶっ潰してやる!!」
自分の名を刻めと言うカズマに対し、不死身のゴーストメロディアは叩き潰そうとその巨大な右手を振りかざした。
「はっ! 図体で俺を叩き潰そうってか! そんな単純な攻撃で、俺は潰せねぇぜ!」
自分を叩き潰そうとするゴーストメロディアに、カズマは右拳をゆっくりと握れば、自身の能力、アルターを発動させた。カズマがアルターを使えば、付近にある物質が消滅し、その代わりか、右腕が再構築されて鎧のような物となった。背中からは、三枚の赤い羽状のパーツが構築されていた。
「ウォォォッ!」
向かってくる右手を回転しながら躱せば、体格で勝るゴーストメロディアに果敢に挑む。ただ向かってくるカズマに対し、ゴーストメロディアは巨躯の質量を利用した物理攻撃で圧し潰そうとするが、躱されて右腕の打撃を打ち込まれた。
「その程度のパンチで、このゴーストメロディア様が倒せると思ったか!?」
「マジで硬ぇな。なら、衝撃の、ファースト・ブリット!!」
ゴーストメロディアの巨躯ゆえに、ただの打撃では倒せないと判断したカズマは、強烈な力を使うしかないと思い、必殺技を使う。その名も衝撃のファースト・ブリット。それを使用すれば、三枚の赤い羽根が一つ消費された。凄まじい打撃であるが、ゴーストメロディアは不死身であり、受けた傷を瞬く間に回復してしまう。
「なんだぁ? ただ力いっぱいに殴ってるだけじゃねぇか。そんな物で、このゴーストメロディア様を殺せると思ってんのかぁ? 俺様は不死身なんだよ!!」
「だったら二発目だ! 撃滅の、セカンド・ブリット!!」
自分は不死身だと言うゴーストメロディアに対し、カズマの返答は二発目の打撃を叩き込むことであった。
「さっきの話を聞いてなかったのか? このゴーストメロディア様は不死身なんだぞ!?」
「なら、抹殺の、ラスト・ブリット!!」
「話聞いているのか貴様ァ!?」
二発目を受けたゴーストメロディアは、自分が不死身であると改めて伝えたが、カズマは聞いておらず、そればかりか最後の一撃であるラスト・ブリットを叩き込んだ。余りの聞かなさにゴーストメロディアはツッコミを入れたが、既に最後の一撃を叩き込まれた後であった。
「クソっ、こんな馬鹿の相手は初めてだ! 話を聞かず、必殺技を三発も叩き込んでくるとは!」
「お前、本当に不死身だったのか? 参ったぜ、最後の一撃だったのによ」
「だから何度も言っただろうが! もういい! ぶっ殺してやる!!」
全部使ってようやく不死身であると分かったカズマにゴーストメロディアは激怒し、本気で殺しに掛かる。
「なら、何度でもぶん殴ってやるまでだ!!」
既に使用制限を超えたにも関わらず、カズマの戦意は衰えるどころか逆に上がり、アルターを更に活性化させた。それに合わせ、周りの物資が消滅し、第二形態へと進化する。
右腕は大型化し、右顔面部に鎧が出現して背中には円盤状の羽が出現した。その羽をプロペラのように回転させることで推進力を発生させ、飛行能力まで得ていた。それでゴーストメロディアの打撃を躱し、再び殴り始める。
「うらぁ!!」
「こ、こいつ!? 限界というのを知らんのか!?」
身体の負担も考えず、殴り続けるカズマ。ゴーストメロディアは不老不死であるが、それでも殴り続けてくるカズマに恐怖を抱き始める。
「右手だけじゃ疲れるな! なら左手でもぶん殴る!!」
右手だけでは疲れると判断してか、カズマは左腕もアルター化させた。これを第三形態と呼ぶ。
「オラァァァッ!!」
「ギョアァァァッ!?」
両腕を畏敬の鎧で身に纏ったカズマは、恐怖して戦意を失いつつあるゴーストメロディアにその両腕による打撃のラッシュを行う。連続で離れる一発がブリット以上の威力であり、それを絶えず受け続けているゴーストメロディアは、余りの痛みで意識を失いかけていた。
「だりゃァァァッ!!」
数百発ものラッシュを続けていれば、流石のカズマも疲れたのか、強い一撃を入れてゴーストメロディアの巨体を吹き飛ばした。吹き飛んだゴーストメロディアの巨体は、数十名のカオス・セイバーの戦闘員を踏み潰した。
「うぉっ!? アブねぇな! つか、俺ちゃんの出番ここからかよ!」
そのゴーストメロディアが吹き飛んだ方向で戦っていたのは、あのデッドプールであった。飛んできたゴーストメロディアにデッドプールは驚きつつも、飛んできたドラゴンの怪物の生死の確認を行う。
「うわっ、こいつ不死身かよ。俺ちゃん含めて四人もいるじゃねぇか」
ゴーストメロディアがまだ生きており、その傷口が驚異的な速さで再生していることで、デッドプールは自分と同じ不死身であると気付いた。
この戦場では、デッドプールを初め、双方とも二人ずつの不死身の者たちが居る。一人目がルリ、二人目がセイバートゥース、三人目がデッドプール、そして目前で再生中のドラゴンが四人目のゴーストメロディアだ。
「うぉ…! だ、誰か、助けてくれ…!」
「不死身のドラゴンねぇ。そういや、どっかのRPGに居たな」
気が付いたゴーストメロディアが助けを求める中、デッドプールは何処かのロールプレイングゲームのことを思い出しつつ、懐からある棒を取り出す。
「この棒、知ってる奴いる? TVAって言う文字を見てあの組織を連想した奴、正解。ネタバレ防止のため、こいつをアナルスティックって呼ぶわ」
それは警棒であったが、デッドプールがツイスト式ボールペンのように捻れば、発光部が点灯する。
「お、お前は…!?」
「よーし、ゴーストメロディア。アライオスに挨拶してこい」
「う、ウワァァァッ!? お、俺の身体が!? ぶ、分解されているゥーッ!?」
デッドプールがその警棒の発光部をゴーストメロディアに当てれば、その巨体が分解されるように消えていく。これにゴーストメロディアが激しく動揺して混乱する中、デッドプールは空いている左手を左右に振っていた。
「い、嫌だァ! 誰か、誰か助けてくれェーッ!!」
「まぁ、お前なら上手くやれるよ。それと、嵐みたいな奴とは、仲良くするだぞ? そうすりゃあ食われずに済むかもな」
「ギャァァァ!?」
肉体が分解されているゴーストメロディアは助けを呼ぶが、誰も来ず、そのまま分解されて消滅した。
消滅して死んだかに見えるが、これは消滅ではない。虚無と呼ばれる空間に送られたのだ。不死身のゴーストメロディアをこの場から消し去るには、何処かへ飛ばさなくてはならない。だからこそデッドプールは、何処かの世界へ送るその警棒を不死身のゴーストメロディアに当てたのだ。
「おい、あのトカゲ野郎はどこ行った?」
「トカゲ野郎? それなら、このアナルステックを奴のケツの穴にぶち込んで虚無の世界に送ったよ。今頃アライオスとアナルセックスを楽しんでる頃だろうな」
「なに言ってんだお前?」
「まぁ、聞き流せ。これ以上お前に言うと、ファンが凸って来る」
「はぁ?」
ゴーストメロディアを虚無の世界へ送り込んだ後、追撃してきたカズマが現れた。何処へ行ったのかと問われたデッドプールは、下品な返答を行い、カズマを困らせた。
「余所見してる場合か!」
そんなデッドプールとカズマに、サタンブレイズが青い炎による攻撃を行う。カズマは回避したが、デッドプールは燃えていた。
「ウォォォ!? あっちぃーッ!! 青いのはコスチュームだけにしろ! このヒューマントーチのパクリ!!」
「また意味の分からんことを! まずは貴様から…」
燃えるデッドプールは意味不明な文句を言う中、サタンブレイズは完全に灰にしようと火を放とうとしたが、カズマに殴られた。
「っ!? お前、少しは楽しめそうだな」
「今度の喧嘩の相手は、燃える奴か!」
アルターを纏った手で殴ったため、常に燃えているサタンブレイズにダメージを与えることが出来た。これにサタンブレイズは楽しめる相手だと言う中、カズマも笑みを浮かべながら次なる喧嘩相手である地獄の業火の名を持つミュータントに挑んだ。
「うりゃぁぁぁ!!」
両足をアルターの鎧で身に纏い、飛翔力を持った第四形態へと変身する。そこから空を飛ぶサタンブレイズを殴るべく、地面を蹴って高く飛翔し、その右拳を叩き付けようとする。
「お前は、ただ殴るだけか?」
「あぁそうだ! 俺は殴るしか能がねぇ! だから殴る! 自慢の俺の拳でテメェをぶん殴る!!」
殴ってくるカズマに対し、サタンブレイズは殴るだけなのかと問う。これにカズマは、殴るしか能が無いと即答し、強く思いを打ち明けながら強烈な一撃をサタンブレイズの顔面に見舞った。
「ウォォォッ!? シンプルに、シンプルのパンチでこの威力!? 殴ることに特化した能力とは、まるでミュータントじゃねぇか!」
「そうかい! なら、喧嘩を続けようぜ!」
強烈な一撃を受けたサタンブレイズは、カズマのアルターをまるでミュータントと表する。これにカズマは気にせず、喧嘩という名の戦闘を続ける。
「(こいつ、真正面から突っ込んでくるタイプか。卑怯な手を使わない正統派。フフフ、面白い!)」
ラッシュを続けるカズマに、サタンブレイズもまた炎の拳によるラッシュで応戦する。その最中、サタンブレイズはカズマを卑怯な手を使わず、真正面から直接挑んでくるタイプであると判定した。過去の迫害や差別の経験からサタンブレイズは残忍であるが、カズマと同じく卑怯な手を使わず、真正面から力で捻じ伏せるタイプである。これまで様々な敵と戦って来たサタンブレイズだが、カズマは心から戦いを楽しめるタイプだと認定し、自身も出し惜しみ無しで全力で挑むことにした。
「(熱い、熱いぜ! 焼かれながら殴り合ってるみてぇだ!
考えもせず殴り続けるカズマであるが、サタンブレイズの熱気の高温に晒されながら戦っているため、焼かれている感覚を覚えていた。自身の好敵手である
「ウォォォッ! 出し惜しみ無しだァァァ!!」
「な、なんだ!?」
「もっとだ! もっと、もっと! もっと輝けえええェェェ!!」
カズマの叫びと共に、その全身が光りて覆われた。余りの眩しさに、サタンブレイズは怯んでいったん距離を取ってしまう。
「これが、これが天下無敵の力だあァァァ!!」
光が止んだ時、そこに現れたカズマは最終形態へとなっていた。
両手足の鎧は大型化し、鋭利化して胴体も鎧で覆われている。頭部も覆われ、全体的に見れば、ライオンのような印象を与える姿となっている。
「それがお前の、最終形態か…!?」
「そうよ! これが俺と君島の輝きだ! お前が全力なら、こっちも全力で応えてやる! それが喧嘩ってもんだ!!」
「フハハハッ! ハハハハハッ!! ならば、俺も全力だァ! 灰になれえェェェ!!」
最終形態へと変貌したをサタンブレイズが問えば、カズマは相手が全力で来るなら自分も全力で応えるのが喧嘩であると答えた。これにサタンブレイズは高笑いした後、全力の一撃をカズマにぶつける。あらゆる物を焼き尽くすほどの地獄の業火の如き高火力をぶつけ、カズマを灰にしようとした。
「な、何ィーッ!?」
「ウォォォッ! これが俺のぉ! 自慢の拳だァァァ!!」
「ノワァァァッ!!」
自身の全力をぶつけたにも関わらず、カズマはそれを自慢の拳一つで打ち破ったのだ。地獄の業火を突破したカズマの自慢の拳は、サタンブレイズの顔面に炸裂し、彼を地面に叩き付けた。地面にはクレーターが出来るほどの衝撃であり、全身を覆っていた青い炎は消え、サタンブレイズは青い髪と瞳が特徴的な青年であるダービー・ルナティックの姿に戻る。
「うぅぅ…弱かったのは、オレ…か…!」
意識が朦朧としているサタンブレイズは自身の敗北を知り、自分がカズマより弱いことを理解する。そんな横たわるサタンブレイズの近くに、カズマは降り立つ。
「お前は弱くねぇよ。劉鳳ほどじゃねぇが、本気でやらねぇと、死ぬ相手だ」
「ふっ、お前の中じゃ、俺は二番目か…!」
「済まねぇな。俺の中じゃあいつが一番なんだ。そこは譲れねぇ」
自身を弱いと思うサタンブレイズに対し、カズマは自分の好敵手ほどではないが、死を覚悟する程の相手だと告げる。これに自身が二番目なことにサタンブレイズが笑う中、カズマは一番の好敵手を譲れないことに謝罪する。
かくして、シェルブリットのカズマ対サタンブレイズとの戦いは、前者であるカズマが勝利を収めた。
「良いところだけど、まだまだバトルは続いてんだよな! しかも中編! 今度こそ俺ちゃんの出番か!?」
だが、まだ戦いは続いている。
その中でデッドプールはデザートイーグル自動拳銃の二丁拳銃を弾切れになるまで撃ち尽くした後、両足のホルスターに戻し、背中の二振りのアダマンチウムの太刀を抜き、カオス・セイバーの歩兵を次々と斬り捨てながら意味不明なことを喚いていた。
ゴーストメロディア キャラ提供:リオンテイルさん
サタンブレイズ(本名ダービー・ルナティック) キャラ提供:黒崎 好太郎さん
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