天使の歌姫は大魔姫に恋をする   作:アッシュクフォルダー

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第十一話 東雲千尋の前世

遡る事、300年前。

遡りすぎだと言われても、仕方がないが、

千尋の前世は、西洋の小さな国の、美しいお姫様である。

 

むかしむかし、その小さな国に、

それはそれは美しいお姫様がいた。

 

貴族の娘である。

 

彼女の美しさは誰もが褒めたたえずにはいられないほどで、(うつくし姫)と呼ばれた。

 

彼女の悩みは誰もが、

外見の美しさのみを褒めたたえ、

その内面を見てくれないことだった。

 

そうした彼女の悩みを知った魔女が、

うつくし姫にある魔法をかけたのだった。

 

それは彼女の内面を可視化するというもの。

 

しかし、彼女の内面はあまりにも美しいため、

その周りにいるものは最も大事なもの、

自らの命を捧げてしまうのだった。

 

一か所にとどまり続けると、

誰かがやってきて命を捧げてしまうため、

姫は、逃げ出し、小さな教会に火を付けて、

自ら自害をして、20歳で命を落としてしまうのだった。

 

 

千尋の前世は、西洋の小さな国のお姫様、

さらに、その前世は、神様に使える天使だった。

 

天使は、元々姿や形が存在しないはずだった。

しかし、天国で、沢山の徳を積み、

性別を手に入れて美少女になり、

人間界に舞い降りて来て、うつくし姫として転生した。

 

うつくし姫が、自害した後、

その魂は、300年の時を経て、東雲千尋という、

一人の女の子として、蘇るのでした。

 

東雲千尋の、その美しい容姿と、

その美しい歌声は、誰もが魅了していった。

 

そんな、彼女には、愛する人が欲しかった。

 

それが、宇田川あこという、東雲千尋にとって、かけがえのない存在だった。

 

「ちーちゃん!」

 

「あこちゃん…?」

 

「もーう!昼休みだよ~!」

 

「そっか、もう昼休みか…ふわぁ~」

 

と、千尋があくびする。

 

「ちーちゃん、もう少しで、

一日の授業、終わるから、頑張ろうね?」

 

「うんっ!千尋、頑張る!」

 

放課後、あこは、バンドの練習があるため、

千尋は、一人寂しく帰って行って、東雲家に帰宅した。

 

「あこちゃん…」

 

と、落ち込んでいた。

 

(千尋)

 

「…誰か、千尋のこと、呼んだ?」

 

(僕だよ、天使様だよ)

 

「天使様…?そっか、千尋には、天使様がいるんだった」

 

(忘れているとはな…千尋は、この子のことを、心から愛しているみたいだね)

 

「うんっ!だって、あこちゃんは、

千尋の全てで運命だから…!」

 

(そうか)

 

「どうしたら、千尋とあこちゃんの恋が、叶うの?」

 

(それは…そうだな…おまじないをかけるんだな)

 

「おまじない…?」

 

(そうだ、僕が、とっておきのおまじないを、その子にかけてあげるよ)

 

「本当ですか?」

 

(あぁ、もちろんだとも)

 

果たして、天使がいう、おまじないとは…!?

 

天使は、千尋に、おまじないの内容を、こっそりと教えました。

 

 

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