天使の歌姫は大魔姫に恋をする   作:アッシュクフォルダー

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第十七話 東雲千尋と藤咲七海

東雲千尋と藤咲七海は同じ羽丘女子学園の高等部の二年生である。

 

七海自身は千尋と仲良くしたいが、上手くはいかない日々…

 

「千尋ちゃん!」

 

「どうかしたの?」

 

「えっと、おはよ!」

 

「おはよう」

 

「…今日は何かあるの?」

 

「あこちゃんと遊ぶ」

 

「あこちゃん…本当に好きだね…」

 

「千尋のあこちゃんだから」

 

「えっと、あこちゃんは、千尋ちゃんの為に存在している訳じゃないよ?」

 

すると、千尋の瞳のハイライトは消えて、瞳の奥がハートになった。

 

「ううん。違うよ?千尋とあこちゃんは、運命なの」

 

「へっ?」

 

「健やかなる時も、病める時も、

喜びの時も、悲しみの時も、

富める時も、貧しい時も、

これを愛し、敬い、慰め合い、

共に助け合って、その命ある限り、

真心を尽くすことを誓っているから」

 

「ヤバイ…」

 

「千尋はね、あこちゃんとケッコンするの!

それでね、幸せな家庭を築くの!

それでね、あこちゃんとずっと幸せに暮らすの!

あこちゃんが幸せなら、千尋も幸せだから」

 

「そ、その…あこちゃんから、離れないの?」

 

すると、千尋の声のトーンが低くなり、ドスの効いた口調になり。

 

「どうして、そんなこと言うの?

ひょっとして、邪魔するつもり?

邪魔するなら…」

 

「わかった!ごめん!アタシの言い方が悪かった!」

 

「謝って」

 

「ごめんなさいっ!」

 

「あこちゃんに」

 

「あーあこちゃん、ごめんなさい!」

 

と、あこがこの場にいないにも拘らず、七海が平謝りした。

 

「あこちゃんと千尋の邪魔をしないで」

 

「わかったから…その…千尋ちゃんは、それで良いの?」

 

「うん」

 

「他の人とかじゃ、ダメなの?」

 

「あこちゃんじゃないと、ダメ」

 

「そ、その!友達!友達になりたい」

 

「友達?」

 

「そう!友達!アタシは友達がなかなか出来ないの!」

 

「なんで、千尋なの?」

 

「そ、その…えっと、何て言うか…

ほっとけない!明日香ちゃんも六花ちゃんも言っていた!

千尋ちゃんが心配で…あこちゃん以外に友達がいないから…

 

「…」

 

「アタシは千尋ちゃんの歌を聴きたい!」

 

「じゃあ、聖歌隊の歌」

 

「聴きたいですっ!お願いします!」

 

音楽室。千尋が七海の為に聖歌隊の歌をアカペラで歌った。

 

(凄い…アカペラでも、世界観を出して、

まるで、千尋ちゃんが天使に見える…

千尋ちゃんが天使の声と見た目とか言われるのは、この為か…」

 

「?」

 

「あっ、千尋ちゃんが天使過ぎて」

 

「?」

 

「そ、その…癒された」

 

「そっか。バイバイ」

 

「あっ!千尋ちゃん!」

 

(千尋ちゃんは、あこちゃん以外のガードが固いし…

これは…難しいにも程がある!)

 

と、藤咲七海はそう感じた。

 

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