天使の歌姫は大魔姫に恋をする   作:アッシュクフォルダー

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第六話 千尋の才能

千尋は軽度の発達障害で、自閉症スペクトラムを持っている。

だから人になかなか心を開けない。

極度の人見知りで、人付き合いが非常に苦手。

 

幼馴染で、きっと千尋を一番理解してくれていると思う、

宇田川あこちゃん以外の人とは、心を開くのが難しい。

─時は遡ること二週間前。あこちゃんに招待されたことだ。

 

「いい席とったから、ち-ちゃんもRoseliaを応援して!」

 

ライブのチケットを渡された。

一人でライブ行くのは唯一の光である、

あこちゃんのお願いでも、人の視線に敏感で、

人を見ることや見られること、人に触れられる、

果ては人の体温を感じることにも強い抵抗を感じる、

千尋には少しハードルが高かった。

 

メジャーデビューしたことで、さらにRoseliaのファンが増え、

必然的に人口密度も高くなった。

Roseliaの魅力をたくさんの人に知ってもらえて嬉しい反面、

この人だかりは怖いなあ…。でも、声出して、

あこちゃんに声援を届けないと!

ライブが始まった瞬間、みんなが歓声を上げた。

千尋も声出していこう。

ここで勇気を振り絞らなきゃいつ出すんだ。

 

「Roselia頑張れー!あこちゃん眩しいよー!」

 

あらん限りの声を張り上げ、

ほかの観客との距離感に対する恐怖もなぎ払い、

精一杯声を出して応援する。千尋だって、Roseliaのファンだもん。

あこちゃんのファンだもん。

その気持ちは一緒だもん。怖さなんかに負けてたまるか!

 

ライブが終わって、控え室にこっそりお邪魔した。

 

「ちーちゃん!視線合ったよね?応援バッチリ届いてたよ!」

 

「嬉しいな。今日も素敵だった」

 

すると、スッと誰かが寄ってきた。Roseliaのボーカル、

湊友希那さんが千尋に話しかけてきた。

ガチガチに固まりながらも「お疲れ様…」と頭を下げた。

 

「あこが絶賛している、

東雲千尋さんはあなたのことね。応援ありがとう」

 

「あこも、凄いって思います!

だって、ちーちゃんと、蘭さんと友希那さんって、

羽丘三大歌姫って、言われているから、

もう、身近に、こんなに凄い人がいて、

あこも、嬉しい!」

 

あこは、ぴょんぴょんとその場を跳ねます。

 

「ありがとう。あこちゃん、千尋も、とっても嬉しい」

 

「千尋、あなたの歌声は、少し粗削りだけど、

でも、歌の才能は、間違いなく本物よ」

 

「友希那さん…」

 

「聖歌隊で、培ってきた、その経験、

これからも、生かしてちょうだい。

そして、開花させるのよ」

 

「ちーちゃんは、天使の歌姫って、

言われているからね!」

 

「うん、千尋、頑張る」

 

「聖歌隊で培ってきた、その経験、

才能に生かしてちょうだい。

そして、才能を開花させるのよ」

 

「頑張れ!ちーちゃん!

後、友希那さんは、素直じゃないな…

でも、ちーちゃんは、あこの自慢の幼馴染ですから!」

 

やっぱり、あこちゃんは、特別に輝く存在。

優しくて、素敵な世界一のドラマーです。

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