迷子の歌姫は精神障がい者と惹かれあう 作:アッシュクフォルダー
私の名前は新田有希。
12月6日生まれのA型。身長166㎝、体重52kg。
区立の夜間高校に通う、三年生の21歳。
父は国家公務員で、母はフランス人の女優で、
父と妹三人暮らし。母はパリで暮らしている。
私には妹が三人いて、その妹達がアイドルやモデルをしている。
私には何もなかった。妹達と違い、
素材を生かせるような才能と能力に恵まれなかった。
妹達は恵まれた能力と才能で、芸能界の輝く星になっていた。
そして、私は貪られ、虐げられる、この国に、絶望していた。
この国の仕組みは明らかに誰も幸せにはならないと思った。
生活に不満があるわけでは無い。
ただ、この国のせいで、差別と不公平に、私は苦しめられている。
だから、私は今、自殺したいと思っている。
午後7時半、橋の下の川に飛び込んで、自殺した。
と、思っていた。
「!」
「えっと…」
私の目には、見知らぬ女の子が、私の気にかけていた。
制服は…羽丘だ。この子は、羽丘女子学園の高等部の子だ。
って、そんなこと、思っている暇は無い。私は死んだ。自殺した。
そのはずだったのに…
「私は、死にたい、死んだはず!」
「死んじゃダメ…私が悲しいから」
「えっ?」
見知らぬ女の子が、私を非常に心配していた。
「どうして、私、生きているの?」
「…私が助けたから」
「燈!」
「立希ちゃん!」
「この人、無事?」
「生きている。私も生きないと!」
「何を言っているの?それに、何で私のような見ず知らずの人の自殺を止めたの?」
「命を捨てたら、私が悲しいし、嫌だから」
「燈が人が川に溺れているのを発見して、燈と私とで助けて…」
「だから、制服が濡れて」
「名前、燈…高松燈…」
「椎名立希」
この椎名立希は花咲川女子学園高等部の制服を着ている。
下の二人の妹達が、通っている。知り合いかもしれない。
「新田有希」
川には夜空の満月と桜が映っていた。
これは、私と迷子の少女達の物語だった。
私は自分の家である、新田家に帰宅した。
「お帰り、有希。遅かったじゃない」
「父さん」
「それに、ずぶ濡れだ!何があったんだ!」
「死にたかったけど…でも、助けてくれてた…」
「お願いだから、死ぬのは止めなさい。
命を粗末にするな」
「…嫌だ。死にたかった」
有希はシャワーを浴びて、お風呂に入るのだった。
お風呂から出た後、私は身体を拭いて、自室へと入った。
「…全日制に行きたかった…夜間高校って本当につまらない…
どうせなら、全日制に…あー全日制に行きたかった!」
と、嘆く日々だった。