迷子の歌姫は精神障がい者と惹かれあう 作:アッシュクフォルダー
ライブハウス、RINGにて。
後藤暁美と新田有希が口喧嘩をしに火花を散らしている。
しかも、高松燈のボディーガードや保護者の権利を巡って対立。
「アタシ一人で良い。立希や有希さんだけじゃダメだ」
「お姉さんに頼るって考えは無いの?」
「わー大人げない…」
と、千早愛音は、この口喧嘩に、溜息をついて、呆れていた。
「何か言った?」
と、暁美と有希が、愛音を睨む。
「わー怖い。怖い」
しかし…
「二人共。暁美ちゃん、有希さん。私なんかの為に争わないで、仲良くして」
「丁度、学校だし。じゃあ、お姉さんはこれで」
「えっ?こんな時間に学校?」
「夜間定時制らしいよ?しかも、21歳で高校三年生」
「だから、お姉さんぶっているのか?」
「悪かったね」
と、有希がこの場を後にした。
後日。立希と暁美と有希の三人が燈の保護者権利を巡って、対立していた。
「これ、いつまで続くの?」
と、そよも呆れていた。
「燈を傷つけるなら、保護者を名乗る資格は無い」
「奇遇だな。アタシもそう思っている」
「お姉さんだって、そう思っている」
「三人共」
「燈?」
「燈?」
「燈ちゃん?」
と、三人が燈の方を向く。
「三人共、仲良くして、そうしないと、私が傷つく」
「ほーら。燈ちゃんがご立腹だよ?」
と、そよが三人を冷やかす。
後日、三人は誰もいない所で、燈の保護者会を開催した。
「燈はいい子で優しい。だから、燈には健気に生きてて欲しい。
それに、燈は私の大切な燈だから!
それに、傷つける奴は、許さない!」
「アタシだって、負けてられねぇぞ!
燈に何度も救われて、助けられて、癒されて、
これでも、納得しねぇのかよ!」
「私だって、自死を考えていた。でも、そんな時、燈ちゃんが助けてくれて、
生きろって言われた。だから、今度こそ自死なんか考えず、
生きててみせるって、お姉さん、頑張って生きるよって、燈の前で誓ったし…」
と、三者はお互い、燈の保護者として、一歩も譲らない姿勢を見せつけていた。
「じゃあ、燈は私達の天使ってことで、女神ってことで、聖人そのものってことで」
「アタシは異議なし」
「お姉さんも異議なし」
と、何気に燈の存在を、ありがたいと思う三人である。
「そー言えば、有希さんって、21歳だよね?
夜間定時制の高校って、何かあったんか?」
「お姉さんね。知的と精神の障がいを持って、イジメを受けて、
全日制高校も受験できなくて、それでね、夜間定時制に19歳の時に、
入学しただけ」
「有希さんのお母さん、フランス人で大女優。
それに妹達はモデル、アイドル、歌い手と…」
「なのに、私だけ、変だよね…ホントに」
「いや、違う。燈を大切に想う気持ちはアタシや立希にも負けてなかった」
「お姉さんも、暁美ちゃんや立希ちゃんには、負けないからね?」
「燈は絶対に守って見せるから」
「守りきってみせる」
「お姉さんも」
何気に意気投合した。